【来た!見た!書いた!】北陸新幹線開業で北陸は人口を増やせるか

開業効果? 転入超過となった金沢市と富山市
 北陸新幹線の長野―金沢間が3月14日、開業する。東京と金沢が2時間半で行き来できるようになり、これまで関西圏との結びつきが強かった「北陸」が首都圏と近づく。兼六園(金沢市)や立山連峰、さまざまな温泉などの観光資源がある北陸が東京と近くなることで、新たな観光需要が生まれるだろう。だが開業の効果を観光だけにとどまらせるのはもったいない。安倍政権が「地方創生」に力を入れているだけに、その追い風を生かしつつ、沿線各地が人口や企業集積をどうやって増やしていくかにも注目だ。
 北陸新幹線の開業をおよそ1ヵ月後に控えた2月5日に発表されたある統計が注目を集めた。総務省による2014年の住民基本台帳に基づく人口移動報告だ。
 東京圏(東京都や埼玉県など1都3県)で転入者が転出者を上回る「転入超過」が5年ぶりに10万人を超すなど、日本全体では東京圏への集中が際立つ結果になった。その中で興味深いのは、北陸新幹線が通る石川県と富山県の転出超過数が前年より縮まり、特に県庁所在地の金沢市と富山市は転入超過となったことだ。
 新幹線をあてこんでJR金沢駅周辺でマンション建設が進み、県内外から住む人が増えたためだ。現在はまだ県内からの引っ越す人が多いようだが、首都圏と近くなったのをきっかけに、さらに首都圏からの移住者が増える可能性はある。
 JR富山駅周辺でも、中心部で新たに建設されるマンションが増え、一部は完売状態だ。富山市は中心部に人口を誘導してにぎわいを取り戻す「コンパクトシティーの効果」も出ているのではとみている。

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【来た!見た!書いた!】地方への大盤振る舞いの背景にあるもの

896もあった消滅可能性のある自治体
「我々地方が求めていた地方創生のために必要な経費が『まち・ひと・しごと創生事業費(仮称)』として新設され(中略)地方創生元年にふさわしい1兆円が計上されたことを歓迎する」
 2015年度予算案が閣議で決まった1月14日。全国知事会など地方6団体はこんな共同声明を出した。とかく国への厳しい注文が多い地方6団体が15年度予算案を高く評価したのは、国が地方創生関連で新規の財源を0.5兆円、地方の一般財源総額も61.5 兆円と14年度を大幅に上回る額を確保したからだ。
 異例ともいえる国の大盤振る舞いの背景には何があるのか。話は2014年の5月にさかのぼる。
 民間研究機関「日本創成会議」の分科会(座長は増田寛也元総務相)が5月8日、全国の市区町村の半数にあたる896自治体を「消滅可能性がある」と発表した。出産年齢の中心である20~39歳の女性が2040年までに半減する自治体は人口減が止まらなくなるとし、そうした896自治体の名前をすべて公表したのだ。
 一方で人口が集中する東京については高齢者の介護ができなくなるなど、集中の問題点を厳しく指摘した。これにより地方の「人口減少」と東京圏への「人口集中」というテーマがクローズアップされるようになった。

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【来た!見た!書いた!】 訪日外国人を増やすために注目したい「飛騨高山」というモデル

司馬遼太郎が誉め称えた町並みの美しさ
 正月休みに岐阜県高山市を訪れた。司馬遼太郎は『街道をゆく 飛騨紀行』で、高山について「まわりの田園が、うつくしい。飛騨で堪能できるのは、なんといっても民家である」と書いた。民家や伝統的な日本の町並みの美しさを堪能できる町だ。
 高山は東京からも、関西からも行きにくい。東京からの場合、一般的な名古屋ルートだと名古屋で新幹線から在来線の特急ワイドビューに乗り換え、さらに2時間半前後も鉄路に揺られることになる。
 今回は他に寄りたいところがあったため、富山からワイドビューひだに乗って南へ下るルートを選んだが、富山からでも2時間近くかかる。
 時間がかかるのは岐阜県の北側を占める飛騨高地の山が険しく、山と山の間を縫うように走るJR高山本線が単線で、しかも電化されていないからだ。つまり高山は東京からも、関西からも物理的な距離はさほどではないが、時間はとてもかかる場所なのだ。
 ワイドビューひだの、文字通り大きな窓を通して見る景色は抜群だった。富山平野の雪はそれほどでもなかったが、特急列車ディーゼルエンジンがうなりを上げて山を登るにつれ、雪が深くなる。車窓から見える民家は伝統的な日本建築が多い。単線の山岳路線ゆえ、スピードは速くない。「これぞ日本の冬」と呼べる風景を堪能できる2時間弱だった。
 だがそんなゆったりとした気持ちはJR高山駅に着くと一変した。

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【来た!見た!書いた!】 今後の原発再稼働で焦点になる「地元」と「安全協定」

原発再稼働で出た新たな「同意対象」の範囲

 原子力発電所を「重要な電源」と位置付け、原子力規制委員会の安全審査に合格した原発については再稼働を推進してきた自民党の安倍晋三政権。今回の総選挙では、その「原発再稼働」の姿勢が問われることになる。仮に自民党が政権を維持することになれば、九州電力の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)のケース以上に「地元とは何か」が焦点になるだろう。
 11月7日に鹿児島県が再稼働に同意した九電の川内原発。2011年3月の東日本大震災をきっかけにできた新しい規制基準のもとでの初の再稼働であると同時に、「再稼働に必要な地元同意の範囲がどこまでか」――が問題になった。
 震災前、電力会社が事故や定期点検で止まった原発を再稼働するときには、原発が立地する市町村と同県から同意を得ていた。電力会社は立地自治体と「原子力安全協定」を結び、増設などの際の事前協議を約束してきたからだ。
 新規制基準ができる前、2012年夏に再稼働した関西電力大飯原発(福井県おおい町)のときも、さまざまな議論があったが、結局同意の範囲は立地自治体である福井県とおおい町のみだった。


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【来た!見た!書いた!】再生エネルギー買い取り問題のウラに潜む「空押さえ」のカラクリ

買い取り中断に噴出した不満

「国が再生可能エネルギーを進めようとしてきたのに、急に電力会社が再生エネはこれ以上接続できないといい始めた。しかも理由が明示されない。こんなおかしいことがあるか」
「福島県の場合、津波の被害がひどかった浜通りに、東京の大資本が出力1000㎾を超える大規模太陽光発電所(メガソーラー)を作る計画が数多くあり、それが電力会社の送電網を抑えてしまっている。地域で地産地消の再生エネをつくろうとしている地元の事業者から、東京の大企業が機会を収奪している。こうした企業は福島から撤退すべきだ」
 10月下旬に福島県内で開かれたあるメガソーラーの開所式。そこに集まった再生可能エネルギーの関係者からは不満や憤りの声が噴出していた。

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【来た!見た!書いた!】兵庫県養父市の挑戦から目が離せない

消滅可能性都市は日本全体の約半分
 東京から東海道新幹線と山陰本線の特急を乗り継ぐこと6時間弱。八鹿(ようか)駅をおり、そこからさらに30〜40分、車で山道を登っていくと、ようやく「別宮(べっくう)の棚田」に到着する。鉢伏山の中腹、標高約700メートルのところに、約130枚もの小さくもさまざまな形をした田んぼが段々に広がっている。
 平安時代からの歴史があり、「日本の原風景」という言葉を思い起こす美しい風景。だが、これまでは関西を除けば、知る人の少ない場所だった。ところが今夏以降は菅義偉官房長官をはじめとした閣僚、政治家や経済人が相次いで視察に訪れている。
 別宮の棚田がある兵庫県養父市は人口が2万6000人ほどの町。その日本のどこにでもあるような人口規模の小さな自治体が「日本中の大都市をしのいで、大規模ないろんなプロジェクトを組んだ計画を超えて(政府の農業分野の)国家戦略特区に指定された」(9月まで戦略特区担当大臣だった新藤義孝氏)からだ。
 養父市が「どこにでもあるような自治体」であるかは、以下のことからわかるだろう

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【来た!見た!書いた!】人類史上初めての少子高齢化を原因とした人手不足が起こっている

有効求人倍率が過去最高値を更新した意外な県

 厚生労働省が8月29日に発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍と前月と同じだった。20ヵ月ぶりに改善が止まったものの、22年ぶりの高い水準を保っている。全国がこんな状況の中で、7月までの3ヵ月連続で有効求人倍率の過去最高値を更新した都道府県がある。
 1.62倍と、前月より0.06ポイント上昇し全国一となった東京都だろうか。違う。東京都は前回の雇用環境のピークだった2006年の7月に1.68倍を記録しており、この水準にはまだ達していない。
 では自動車の生産が好調な愛知県だろうか。これも違う。そもそも愛知県の7月の有効求人倍率は1.53倍で、前月より0.04ポイント下がってしまった。
 意外なことに、正解は高知県。7月の水準は前月を0.01ポイント上回って0.86倍。絶対水準では決して高い数値とはいえないが、全国の雇用環境が大幅に改善するなかでも0.5倍を切る状況が続いていた2000年代からすれば大幅な改善といえる。
 ただこの数値をみて「地方にもアベノミクスの効果が表れだしているのか」と考えるのは早計だ。

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【来た!見た!書いた!】新幹線50年に考える田中角栄と列島改造

上越新幹線で最も少ない乗客数の駅に立つ銅像

 上越新幹線の浦佐駅(新潟県南魚沼市)の駅前に、新潟県が生んだ不世出の政治家、田中角栄の銅像がある。左手をポケットにつっこみ、右手を「よっ」という感じで上げた独特のポーズで、越後三山を見上げている。
 浦佐駅は上越新幹線で最も利用者の少ない駅だ。1982年の上越新幹線開業後に、駅のある旧大和町が大学や高校の誘致を進め、利用者は大きく増えた。だが、それでも東日本旅客鉄道(JR東日本)によると、2013年の1日平均乗車人員は651人で、新潟駅のおよそ14分の1。上越新幹線では最も利用者の少ない駅だ。
 上越新幹線ができる前、大和町は魚沼地域の中心地である旧六日町と旧小出町にはさまれ観光資源の少ない町だった。浦佐駅は駅員をなくし、無人駅とすることも検討されたさびれた駅だったのだ。
 そんな町に新幹線駅ができたのは、大和町が「街づくりの核に」と積極的に誘致を進めたからだ。前後の駅との間隔の関係や、上越新幹線のルートをできるだけ直線にしたかったことも幸いした。実現には、大和町を選挙区(中選挙区時代の新潟第3区)としていた角栄の力も大きかったといわれる。
 銅像は1985年10月に完成。角栄の政治後援組織である越山会の幹部でつくる、田中角栄先生銅像建設期成会が、魚沼地区で一般家庭などからも資金集めをした。「(角栄先生の)功績をたたえ、さらなるご尽力をいただくのが(銅像建設の)狙い」(同期成会)だ。
 角栄の存在がなければ、できなかったといわれる上越新幹線。中でも角栄の力が大きく働いた浦佐駅。駅前の角栄の銅像は、そんな上越新幹線と角栄の深いつながりを象徴しているように見える。


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【来た!見た!書いた!】 世界文化遺産登録で試される地域の連携力

軽井沢にもかかる「祝登録」の横断幕

 7月の上旬の週末、何年かぶりにJR軽井沢駅に降りてみて、おやっと思うことがあった。改札口を出た広い通路に「祝富岡製糸場と絹産業遺産群世界文化遺産登録」という大きな横断幕がかかっていたからだ。
 多くの人にとって今や、軽井沢は明治以来の歴史ある別荘地というより、アウトレットモールやゴルフ、スキーの街としての印象が強いかもしれない。この日も、新しいモールやフードコートが開いたばかりの軽井沢・プリンスショッピングプラザには、多くの観光客が詰めかけていた。そんな買い物目当ての人たちは、なぜ富岡製糸場の世界文化遺産登録を祝う横断幕があるのか、不思議に思ったことだろう。
 長野県軽井沢町は、東隣に位置する群馬県安中市、さらにその南にあり、富岡製糸場のある群馬県富岡市と今年4月、観光連携協議会を設立した。2015年春に長野新幹線が延伸する形で北陸新幹線が開業するのをみすえて、3つの市町が協力して北陸などからの誘客を進めようという狙いだ。この連携関係があったために、軽井沢駅には世界文化遺産登録を祝う横断幕が掲げられていたのだ。

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【来た!見た!書いた!】「人手不足」が足かせになり始めた日本経済

木更津市が新庁舎建設を8年も延期した理由

 千葉県木更津市は5月30日、入札を中止していた新しい庁舎の建設について、移転時期を当初の2016年から24年に、8年も延期することを決めた。
 首都圏では活発な公共事業に加え、20年の東京五輪を見据えた建設需要の高まりで、建設分野の人手不足や費用高騰が続いている。木更津市の判断は、20年が過ぎれば高騰が収まり、着工時期を延ばした方が費用の面で得策との見通しからだ。建設市場で先行して目立ち始めた「人手不足」が、行政サービスや景気の「足かせ」にもなり始めた。
 昨年以降、公共工事で入札が成立しない「入札不調」が各地で起こっている。何度か不調に見舞われた自治体は、入札予定価格の大幅な引き上げで対応してきた。
 例えば東京都が築地市場(東京・中央)を江東区豊洲の新市場に移す工事。東京都は主要3施設の予定価格を当初より6割(400億円)も引き上げて2月に再入札を実施し、ようやく入札が成立した。
 このように予定価格や事業費を引き上げる例は多いものの、費用の抑制を優先して、建物の完成時期を8年も延ばす例は珍しい。
 木更津市が予定していた4月の入札では、事業者が見込む事業費が市の設定した予定価格を大幅に上回ったため、事業者が参加を辞退した。これを機に市が見積もりをし直したところ、新庁舎の建設・移転の総事業費が当初の計画より3割超も多い172億円に膨らむことがわかった。

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【来た!見た!書いた!】世界文化遺産となった日本の「殖産興業」の起点

東京から車で1時間の場所にある「世界文化遺産」

 町の中を行き来するにも時には「渡し船」を使う。しかもそこには世界文化遺産候補の建物もある。こんな場所が、鉄道や車で東京からわずか1時間程度のところであるのをご存じだろうか。
 利根川の北岸と南岸に分かれた群馬県伊勢崎市境島村。埼玉県深谷市や本庄市に接する飛び地の南岸側には、4月末に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から世界文化遺産の登録勧告を受けた「富岡製糸場と絹産業遺産群」を構成する4資産の1つ、田島弥平(1822~98)旧宅がある。そしてこの島村周辺は、明治初期に養蚕業や製糸業などの「絹産業」を通して日本が「殖産興業」を進めていく起点となった場所でもあるのだ。
 1955年までは「島村」として独立した市町村だったこの地区。今は地区の真ん中を利根川が流れ、その両岸をつなぐために「島村渡船」という渡し船が運航されている。その渡船の航路は群馬県の県道297号だ。この渡し船ができたのは、「暴れ川」と呼ばれた利根川の長い歴史が関係している。
 利根川は明治期まで、流れがいくつにも分かれたり、曲がりくねったりする複雑な形をした川だった。それだけではない。洪水のたびにその流れが変わってしまう。島村地域の利根川は、寛永期(1624~44年)から1883年のおよそ250年のうちに、11回も流れが変化したという。

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今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・本業喪失 生き残りたいなら過去を捨てろ!

週刊東洋経済 ... 本業喪失 生き残りたいなら過去を捨てろ!
週刊ダイヤモンド ... LINE全解明
日経ビジネス ... シルバー維新 輝け!銀の卵たち
週刊エコノミスト ... 最後の英語やり直し!

 富士フイルムが行なった業態転換は奇跡のごとく思えていたので、今週の『週刊東洋経済』を見たときには思わず最初に手に取りました。対照的なのはアメリカのイーストマンコダックが経営破綻したことです。富士フイルムの苦闘の記録、一橋大学の楠木建教授による小森重隆会長・CEOへのインタビューと中身も濃い。業態転換をしなければ生き残っていけないのに目をつぶっている会社が多い中で、この苦闘の記録はぜひご一読をお勧めします。これが今週の第1位です。
 以前どの経済誌かは忘れましたが「LINE」の特集を組んだことがあったような気がしましたが、それはともかく、今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「LINE」です。この4月1日に利用者数が4億人を突破したこと、それが日本発のサービスであることから、今やLINEは注目の的です。同誌では、使ったことのないオジサンに向けて入門編から、SNS間の覇権争いまで、結構読ませます。
 第3位は『日経ビジネス』です。扱った特集テーマはシルバー世代。この人たちの活かし方、活かされ方から独立した人の成功例まで幅広く高年齢世代を扱っています。定年が65歳まで伸び、役職定年などでやる気のないベテラン社員を抱えている会社も多いでしょうが、そういう人にはお勧めですね。
 第4位『週刊エコノミスト』の特集は「英語」です。しょっぱなの講師役は勝間和代さん。彼女おすすめの方法を「最終手段」として伝授されるようになっていて、鉄則がその1からその5まであります。

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【来た!見た!書いた!】 地域に問われる「大動脈」の生かし方

1年前から盛り上がる北陸新幹線開業の動き

 3月下旬の3連休。高崎駅から長野駅方面に向かうため、JR長野新幹線の「あさま」の自由席に乗り込んだ。3連休の初日で、車内は軽井沢などに向かう観光客で大混雑していて、座れたのは多くのスキー客が降車した軽井沢駅。しばらくして、全座席に電源コンセントがあることに気付いた。新幹線はいつから全席にコンセントがつくようになったのだろう。
 長野新幹線が開通した1997年以前の在来線時代には難所だった碓氷峠も、長野新幹線はほとんどをトンネルで通り過ぎてしまうため、利用者が「きつい峠」を実感することはまずない。考えことをしつつ、うつらうつらしたら、あっという間に長野駅に着いた。
 JR長野駅に降り立つと、鉄道ファンらしき人が降りたばかりのあさまをしきりに撮影している。「かっこいいね」と話しながら先頭車両の前で記念撮影する親子連れもいた。
 そこで初めて、偶然に乗ったあさま号の車両が、JR東日本と西日本が共同開発して、3月15日に走り始めたばかりの北陸新幹線の新型車両E7系であることに気づいた。コンセントが全座席にあるのも、座席は背もたれに連動して座面も動いて乗り心地がよいのも、ほとんど揺れを感じないのも、E7系だからこそだったのだ。
 2015年春に、長野新幹線が金沢まで延伸する形で開業する「北陸新幹線」。新幹線のような新しい「交通の大動脈」の延伸・開業は沿線や周辺の地域にとっては一大ニュースだ。北陸新幹線の開業まであと1年となったことで、沿線では、さまざまな準備が急ピッチで進んでいる。

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【来た!見た!書いた!】 地方予算から見えてくる日本の厳しい現実

大きな報道の裏でひっそりまとまった地方予算

 一般会計総額で96兆円弱と過去最大となる2014年度予算案が衆院を通過した2月28日、我々にとって実はもっと身近な「予算」がひっそりと出そろった。47都道府県の2014年度の当初予算案。2月23日に県知事選があったばかりの山口県がようやく予算を発表し、すべての都道府県の分がそろったのだ。
 新聞やテレビで大きく報道される国の予算は、その骨格を認識している人が少なくない。14年度の国の予算案はまず96兆円弱という規模の大きさが耳目を集めている。
 だが自分が住む都道府県の予算額を把握している人はどれだけいるだろうか。今回は、あまり注目されることのない都道府県の予算の姿を通して、今の地方の姿を捉えていきたい。
 まず14年度の都道府県の当初予算案で注目すべきは47団体中、山梨県を除く46団体で税収が伸びることを見込んだ点だ。
 予算編成時期が知事選と重なり、最低限必要な経費を盛り込む「骨格予算」を組んだ石川、京都、山口を除く44都道府県の税収総額は16兆2100億円と、13年度当初予算より7.9%も増えた。
 これを1年前の13年度当初予算案と比べると、違いがよくわかる。13年度は税収の伸びを見込んだ団体は26で、14年度より20も少ない。そして骨格予算を組んだ2団体を除いた45団体の税収総額は14兆8500億円と12年度より2.3%増えただけだ。

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【来た!見た!書いた!】 増える外国人観光客を日本経済の立て直しにいかせ

訪日観光客数が1000万人を突破

 日本を訪れた外国人は2013年、初めて1000万人の大台を突破した。日本政府観光局が1月中旬に発表した訪日外国人数は前年より24%増えて1036万人。為替相場の円安で豊かになったアジアなどからの訪日旅行が割安になったのに加え、中国人や東南アジア諸国連合(ASEAN)に向けた観光ビザの発給要件緩和、入国管理手続きの改善といった受け入れ体制の整備、格安航空会社(LCC)の就航拡大・増便などが功を奏した。
 ただ日本政府が「訪日外国人旅行者1000万人」を掲げてビジット・ジャパン・キャンペーンなどに取り組み始めたのは小泉純一郎氏が首相だった2003年のこと。その年の訪日外国人数は521万人で、2007年には早くも834万人まで増えたことを考えれば、もっと早くに1000万人を達成してもおかしくなかった。
 2007年のリーマン・ショック、2011年の東日本大震災と、日本を訪れる外国人を増やすには痛手となる大きな事象があったのは確かだが、ビザの発給要件緩和や入国管理手続きの改善などの政策は、もっと以前から打てたはずだ。
 500万人強だった2003年から10年経っての1000万人突破は「観光立国という旗頭を立て、戦略的に目標を定めたオールジャパンの勝利」と政府関係者が自賛するほど誉められたものではない。

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【来た!見た!書いた!】 このままでは新国立競技場建設費の高騰は避けられない

「小泉+細川」対 舛添 で知事選は混沌

 2020年夏季オリンピックの東京大会の関係者は、昨年末からやきもきしっぱなしではないか。
 1つは東京への五輪招致の立役者の1人である猪瀬直樹氏が、医療法人徳洲会グループから5000万円を受け取っていた問題で、2013年末に辞任したからだ。2月9日投開票の東京都知事選で、新しい知事が誰になるかによっては、五輪の準備に大きな影響が出るかもしれない。
 1月12日までの段階では、「脱原発を訴える」元首相の細川護熙氏が、同じく元首相の小泉純一郎氏と連携をとりつつ立候補する見通しだ。自民党が支援する元厚生労働相の舛添要一氏との一騎打ちになる公算が大きい。

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【来た!見た!書いた!】各地で勃発する非正規雇用の争奪戦で読み解く正規雇用の増加

千葉県の湾岸地域で非正規社員の争奪戦が起こっている

 イオンモールが12月20日に千葉市に開業する旗艦店「イオンモール幕張新都心」。総賃貸面積は約12万8000平方メートルとイオンの国内ショッピングセンター(SC)としては3番目の広さで、約350のテナントのうち、利用者がなんらかの体験をできる「体験型」が3分の1以上を占めるのが特徴だ。吉本興業が劇場で人気芸人のライブを催したり、東映とナムコが特撮ヒーローの撮影用スーツや小道具などを展示したりする。
 同モールの開業でもうひとつ話題を読んでいるのが、開業を前に、千葉県の湾岸地域で、アルバイトやパートなどの非正規社員の争奪戦が起こっていることだ。
 テナントも含めたSC全体の従業員の数は6000人以上で、テナントが新規に採用する人数だけで3000人を上回る。景気の回復傾向が続き、雇用が引き締まりつつあるところに、日本でも最大級の大型店の開業が重なったため、アルバイトやパートの時給が高騰したり、採用がままならない企業が出たりしている。
 レストランを運営するアメリカンハウスが同モールに開業するカフェの時給は1200円。「開業から3カ月」の限定とはいえ、940円強という千葉県のパート・アルバイトの平均時給をかなり上回る。

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【来た!見た!書いた!】 いつもと違う景気回復に地方は安心するな

北海道の景気が絶好調

 日銀が3カ月に1度、支店長会議のあとで各地の景気の現状をまとめて報告する「地域経済報告(さくらレポート)」がある。地域ごとの景況感を測るには最も信頼できる調査・数字だ。最新の報告を発表した10月21日の支店長会議のあとの記者会見では、ある支店長からこんな言葉が飛び出した。
「観光業界は、絶好調という言葉を使ってもよいと思う。ホテル、タクシー、レンタカー、どこに聞いても景気が良い」(札幌支店の曽我野秀彦支店長)。景気について慎重な言い方をすることが多い日銀マンが「絶好調」という言葉を使うこと自体、珍しいことだ。
 日銀は北海道の景気判断を前回7月は「持ち直している」としていたが、10月は「緩やかに回復しつつある」に上方修正した。さくらレポートは2005年に始まったが、北海道の景気判断の文言に「回復」の2文字が入ったのが今回が初めてだという。東南アジアを中心に、外国人の北海道観光人気が高まっていたところに、政府がビザの発給要件の緩和を実施した。北海道は円安に伴う観光需要の増加をうまくつかんだ。安倍政権が「三本の矢」として打ち出した「機動的な財政政策」による公共投資の増加も、北海道の景気をひっぱる役目を果たしている。
「今回の景気回復は、いつもの『飛行機の後輪型経済』とは違うかもしれない」。北海道の経済人からはこんな声も聞かれるようになったという。

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【来た!見た!書いた!】 iPhone全盛の陰で失われたもの

中古のウィンドウズフォンは最低金額でも売れない

 米アップルが9月20日に発売した新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)5s」と「同5c」はわずか3日間で計900万台売れたという。日本でもソフトバンク、KDDIに続きNTTドコモがアイフォーンを扱うようになり、世間の携帯電話に関する話題はほとんどアイフォーンばかりだ。
 そんななか私は9月末、ある中古スマートフォンをブックオフに売りに行った。同社が「ケータイなんでも買取キャンペーン」と題して「スマホなら最低3,000円以上」をうたい文句にしていたからだ。
 家の近所のブックオフに出向き、待つこと十数分。「お客様の携帯電話の買取金額は100円です......」。
 「どういうことですか?」と聞くと、3000円以上で買い取るスマホのリストの中に、私が持ち込んだ機種が含まれていないという。「うたい文句に偽りありじゃないですか」という言葉がのどから出そうになったが、単にマニュアル通りに対応している女の子に文句を言うのも大人げないと思い、そのまま買い取ってもらわずに持ち帰った。

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【来た!見た!書いた!】過去との対比をすればよく分かる東京五輪の本当の価値

3兆円から150兆円まで、喧しい経済効果への期待

 2020年の夏季オリンピックの開催地が日本の東京に決まった。これからの7年、半世紀ぶりに開かれる五輪で、首都・東京はどんな都市に生まれ変わるのか。そして、そのためにどれほどのカネが投じられるのだろうか。
 人口が増え、高度成長期のまっただなかにあった前回1964年の「昭和の東京五輪」と、成熟期を迎え、国と地方が多額の借金を抱える2020年大会とでは、五輪を巡る経済の状況は大きく異なる。
「やれ3兆円だ、いや150兆円だ」と五輪の経済効果への期待感は強いが、大切なのは「費用を抑えつつ、東京の都市としての機能や魅力を高め、五輪を成功させる」という視点を貫くことだ。
 前回の五輪では、作家の小林信彦氏が「高度成長にともなう東京破壊は東京オリンピックの頃にピークに達した」(『私説東京繁盛記』)と批判する「町殺し」も、一方で進んだ。「新しい東京五輪のために」という名目で進みかねない「都市の破壊」にも、目を向けておかなければならないだろう。
 新しい東京五輪は28の競技を37の会場で行う。うち新設は22会場で、11会場が恒久施設、11会場が仮設のものとなる。新設会場の大半は東京都の臨海部に建設する。東京という成熟した都市インフラを活用し、コンパクトな会場配置で選手本意の大会とする計画だ。

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【来た!見た!書いた!】盤石な安倍政権だからこそ危惧される「政策の不確実性」

政権内部から聞こえ始めた「消費増税先送り」

 7月21日投開票の参院選で、政権運営の基盤を盤石のものとした安部晋三政権。自民・公明両党の圧勝により、野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」を解消したことで、政権内部から、昨年末の総選挙で勝利し矢継ぎ早に政策を打ち出していたころとは違った「気の緩み」とも「慢心」ともとれるようなニュースが伝わるようになってきた。
 その代表例は、麻生太郎副総理が憲法改正を巡り、戦前ドイツのナチス政権時代を例示した発言の撤回に追い込まれた件だ。

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【来た!見た!書いた!】人気の登山スタイルが世界文化遺産・富士山を貶める!?

大混雑の夏の富士山に潜む危険

  6月末に世界文化遺産に登録された富士山が6~7日、山開きから初めての週末を迎え、多くの登山者で賑わった。山梨県側の富士山5合目に通じる有料道路、富士スバルラインは6日午前から観光バスや乗用車で渋滞が続き、5合目からの吉田口登山道ではカラフルなウエアに身を包んだ登山者が数珠つなぎになって山頂を目指していた。5合目の商業施設によると、世界遺産効果で富士山への客足は例年より3割程度も多いという。
 関係者は登山客や観光客が増えるのをおおむね歓迎しているが、一方で危惧するのが「弾丸登山」のような無理をする登山者が増え、事故の危険性が強まっている点だ。

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【来た!見た!書いた!】復興マネーも異次元緩和もが証明した「供給するだけではお金は回らない」

異常なほど増加した東北3県地銀の預金残高

 東日本大震災からの復旧・復興の過程にある東北地方。政府や自治体は多額の予算を用意して被災地の集団移転を計画し、災害公営住宅を整備するなどしている。だが住民の合意が進まなかったり、人件費が高騰して工事が思うようにできなかったりして、復興の作業は計画通りには進んでいない。
 そのことを示す1つの興味深い指標が、東北の被災地に本店を置く地方銀行の預金残高の推移だ。6月10日の日本経済新聞の夕刊によると、岩手、宮城、福島の3県の地方銀行8行の合計預金残高は、2013年3月期末に19兆8000億円と、震災直後の2011年3月期末に比べ約5兆円、33%も増えたという。

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【来た!見た!書いた!】「よそ者が、地元の人よりも「地域の魅力」に気づく理由」

映画になった高知県の県庁

 高知県庁に実在する「おもてなし課」を題材にした映画「県庁おもてなし課」が5月11日、公開された。原作は現在公開中の映画「図書館戦争」と同じく有川浩の小説だ。高知県庁は、観光促進を目的に「おもてなし課」という新しい部署をつくる。そこに配属された、やる気はあるが、いまひとつ要領が悪い掛水史貴(錦戸亮)が、アルバイト女性の明神多紀(堀北真希)や高知県出身の人気作家の吉門喬介(高良健吾)、上司や先輩職員らとともに、高知県の地域おこしや魅力の発信に奮闘する姿を描いている。
 映画はまだみていないが、2年前に出版された原作はとても面白かった。

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【来た!見た!書いた!】「西武鉄道とサーベラスの対立で見えた「人口減少時代の鉄道経営」

西武が秩父に路線を敷いた「思い」

 長年、西武鉄道の沿線に住んできた者として「あれ?」と思ったのは、西武鉄道が3月から女優の吉高由里子さんを起用した「特急レッドアロー号で行く秩父さんぽ旅」と題したテレビCMを流したり、ポスターを貼り始めたりしたことだ。
 CMでは、吉高さんが三峰神社を歩いたり、西武秩父仲見世通りでみそポテトを食べたりしながら「自分で見つけたものは、きっと宝物になる。そう思うんです」とつぶやく。はやりの山ガールや旅好きの女子に訴えそうな内容に「西武も久しぶりに秩父へ力を入れているな」という印象を持った。
 西武鉄道が秩父の武甲山の石灰石を原料とするセメントの輸送と、秩父周辺の観光開発を目的に「西武秩父線」を開業したのは1969年10月のこと。西武池袋線の終点である吾野駅から西武秩父駅までの19キロの路線は、当時としては私鉄最長の正丸トンネル(4811メートル)などトンネル16カ所、橋梁35カ所を含む本格的な山岳路線だ。
 西武はこの路線をわずか2年あまりで完成させた。開通に合わせて、特急専用車両の5000系「レッドアロー」を投入し、池袋と西武秩父の間で全席指定の有料特急の運行を始めた。
 開業日を鉄道記念日(現鉄道の日)の10月14日としたことも含め、当時の西武鉄道がいかに秩父線の開業にかけていたかがわかる。西武は秩父地域一帯を箱根に匹敵する観光地に育てようとしていた。さらに一時は、西武秩父から小鹿野町を通り、西武系のリゾート施設が集中する長野県軽井沢町まで秩父線を延伸する計画もあったという。

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失敗から学ぶことよりも、成功から学ぶことの方が難しい

「右肩下がり」の12年間では異例の内閣支持率上昇

「右肩下がり」。
 バブル経済の崩壊や「失われた20年」ともいわれる経済の低迷期を経て、我々は売り上げや市場規模、収入などが段々と減ったり縮んだりするこの言葉に慣れてしまった。政権が発足してからの「内閣の支持率」も「右肩下がり」に慣れてしまった事柄の1つだ。
 日本経済新聞社などの世論調査によると、2001年4月に発足した小泉内閣から昨年9月発足の野田内閣までの7つの内閣で、①発足時②1カ月後③2カ月後の支持率が前回調査より上昇したことがあるのは、わずかに小泉内閣のときの「発足時→1カ月後」のみ。まさに我々は「ああまた下がっている」という世界になんの驚きも感じないようになっている。
 その意味で、2月下旬に発表になった安倍政権発足から2カ月の内閣支持率調査には、驚かされた。1月末の前回調査から2ポイント上昇して70%に。発足直後の支持率は62%、1月末は68%なので2回連続して支持率が上昇したことになる。「右肩下がり」が当然のものとなってしまった世界では、きわめて異例なことだ。
 支持率が上がっている要因は、新政権の経済運営への評価だろう。「安倍内閣の経済政策で景気の回復は期待できるか」との問いに対して「期待できる」は56%なのに対し「期待できない」は31%だった。

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【来た!見た!書いた!】 「古い自民党」は本当に変わったのか

群馬県川原湯温泉での祭の風景

 大寒を迎えた1月20日の早朝、群馬県長野原町の川原湯温泉で、400年以上続く「湯かけ祭り」が行なわれた。
 マイナス3度の寒さの中、共同浴場の「玉湯(おうゆ)」の前に、白と赤に分かれたふんどし姿の60人の男たちが集まり、「お祝いだ、お祝いだ」と叫びつつ、源泉からくんだ湯を掛け合う。
 1193年(建久4年)に源頼朝が浅間狩りの折りに見つけたといわれる川原湯温泉。湯かけ祭りは江戸時代に止まってしまった温泉が再び湧いて住民が喜び合ったという故事にちなみ、1年の無病息災と平穏無事を祈願するものだ。
 温泉は、群馬県の西部を流れる吾妻川の谷間上部の道沿いにある。少し下流に建設が決まっている八ツ場ダムのために、いずれ温泉街ごとダムの底に沈む場所だ。
 ダムの建設問題が持ち上がって60年あまり。祭りはこの場所での開催が今年で最後になる可能性があるため、いつにも増してマスコミの注目が集まった。今夏には、高台にある代替地で新しい玉湯の工事が始まり、2014年の今ごろには完成する予定だからだ。

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第62回 知ってますか、全国に広がる「街コン」という名の街おこし

普段は閑散とした中心街が若者で溢れる!?
 
今年1月、仕事で栃木県宇都宮市を訪れたときのことだ。
 
夕方に会議が終わり、10数人のメンバーは栃木県庁近くの宇都宮市中心街で飲み会を開いた。1次会は事前に予約した店だったため問題はなかったが、苦労したのは2次会の店を探すこと。入ろうとする店がことごとく貸し切りだったり、20~30代と思われる男女で満杯だったりするのだ。

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第61回 海外旅行だけじゃない! 日本にいても円高を満喫する方法

会員制ディスカウント店、超満員の理由
 
米国発の会員制ディスカウント店、コストコの前橋倉庫店が8月末、北関東自動車道の前橋南インターチェンジにオープンした。1998年に日本へ進出した米コストコは前橋倉庫店が10店目。既に目新しさは薄れているはずだが、前橋倉庫店の開店前に事前登録を済ませた会員(個人会員の年会費は4200円)は他店舗を大きく上回る5万人超にもなった。

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第60回 分かってない!風力発電はエネルギーにも雇用にも地域経済にも寄与

自然エネルギーブームでも見落とされる風力発電
 
鹿島臨海工業地帯の一画を形成する茨城県神栖市。東日本大震災の後、この神栖市の海岸沿いに国や自治体の関係者がひっきりなしに訪れる場所がある。
 
護岸から約50メートル離れた海の上に、7基の風車が並ぶ。日立製作所製の発電機の出力は1基当たり2000キロワットで、合計1万4000キロワット。7基で年間7000世帯分の電力がまかなえる。ベンチャー企業のウィンド・パワー・いばらき(水戸市)が運営する、国内初の本格的な「洋上風力発電所」だ。

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第59回 地方の宏大な名門工場が象徴する電機業界の未来像

この数週間で大きく動き始めた電機産業
 
7月末から8月上旬にかけて、日本の製造業、特に電機産業が歴史的な転換点にあることを示す大ニュースが相次いだ。
7月28日には、パナソニックの完全子会社になった三洋電機が洗濯機や冷蔵庫などの白物家電部門を中国の家電最大手ハイアールグループ(海爾集団)に売却することを発表した。
8月に入ると、日立製作所がテレビの自社生産から撤退する方針を固めた。その直後には、日立製作所と三菱重工業が将来の経営統合も視野に入れ、社会インフラなど主力事業統合の協議に入ったことが明らかになった。

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第58回 「絶対安全」を求めることの安心感が新たな危さを生む

市内と海岸側とでは様相が異なる仙台市

3月11日の東日本大震災。首都圏に住む人たちが最初に「津波」の恐ろしさ、すさまじさを知ったのは、NHKテレビが上空から映した仙台平野の映像だったのではないか。

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第57回 尾瀬を歩き、電力のこれからを考える

東京電力が所有する尾瀬の自然
 
今年、群馬県や新潟県など4県にまたがる尾瀬の春は遅かった。5月24日の山開き直前まで尾瀬沼の氷が溶けず、各所に雪が多く残っていた。例年だったら5月中旬から始まりを迎えるミズバショウの開花時期もかなり遅め。6月中旬の今でも見ごろの場所がかなり多くある。

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第56回 現場を歩いて見えてきた那珂湊おさかな市場復興の姿

県内外から詰めかけた客に威勢のよいかけ声
 
5月の半ば、茨城県水戸市に所用があったついでに、茨城県から福島県にかけての海岸沿いを訪れた。東日本大震災から2ヵ月あまり。地震や津波の被害と、そこからの復旧、復興をめざす地域の実情を、この目で確かめてみたかったからだ。

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第55回 地震の損害ゼロでも操業できない自動車工場

地震の損害ゼロでも操業できない自動車工場
 
4月5日。群馬県伊勢崎市にある金属プレス加工の斎藤製作所(斎藤勲社長)が事業を停止した。負債総額は6億円。2008年秋のリーマン・ショック以降は赤字が続いていたとはいえ、3月11日の東日本大震災でも工場に被害を受けたわけではない。それなのに倒産に追い込まれたのはなぜか?

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第54回 内需産業が生き残るための唯一の処方箋は「外」とつながること

長引く不況の本当の原因
 
2月下旬、総務省は2010年国勢調査の人口速報値を発表した。同年10月1日時点での日本の総人口は1億2805万人と2005年の前回調査に比べ0.2%増(年率換算で0.05%)とわずかに増えた。
 
だが国勢調査は5年ごとのもの。厚生労働省の人口動態調査では2007年から出生数が死亡数を下回る「自然減」が起こっている。

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第53回 TPP絶対反対ばかりじゃないだろう、農産物直売所大繁盛に見る農業の可能性

駅ナカならぬ道ナカが大繁盛
 
昨年12月1日、関越自動車道の三芳パーキングエリア(PA、埼玉県三芳町)上り線で、商業施設「パサール三芳」がグランドオープンした。1年前に開設した第1期分も合わせると、レストランやショッピングなど全部で24店舗となり、商業施設全体の広さは改良前と比べると約4倍の3400平方メートルに広がった。

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第52回 就活生が受かるために知っていなければならない「3つのこと」

100社以上エントリーしたけれど内定ゼロの実態」
 
文部科学省と厚生労働省の調査で、2011年春に卒業予定の大学生の昨年12月1日時点での就職内定率が、前年同期を4.3ポイント下回る68.8%であることがわかった。

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第51回 東京モンには分からない北関東自動車道の隠された「効果」

田畑ばかりの土地にいきなり出現した「パワーセンター」
 
総合スーパーのベイシア(前橋市)などが北関東自動車道の前橋南インターチェンジ前で準備を進めてきた「パワーモール前橋みなみ」が12月、開業した。現在はホームセンターのカインズ(高崎市)などベイシアグループ各社と、米衣料専門店のギャップらが入居する。米会員制ディスカウントストアのコストコなどが入る来夏の第2期、生活雑貨専門店などが入る来冬の第3期を含めると、総敷地面積23万平米の巨大パワーセンターが誕生することになる。

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第50回 日本がロボット産業を育てなければならない2つの「理由」

自動車会社の海外移転加速で取り残される2次下請け
 
1ドル=80円台前半の円高が定着し、環太平洋経済連携協定(TPP)に参加するか否かの議論が巻き起こったここ数カ月。自動車をはじめとした日本メーカーが、海外に生産の軸足を移す動きが相次いだ。

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第49回 政府支援のあり方を考えさせる日本の技術「金型産業」の未来

2、3位が合併、1位は買収された金型業界
 
自動車用金型で国内2位の富士テクニカ(ジャスダック上場、静岡県清水町)と同3位の宮津製作所(未上場、群馬県大泉町)が9月中旬、事業統合することを発表した。富士テクニカは政府系の企業再生支援機構から53億円の出資を受け、宮津製作所の事業を買収する。

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第48回 円高よりももっと深刻なのは内需の成長という現実

群馬県の経営者が見る景気の実態
 
米証券大手のリーマン・ブラザースが破綻した2008年9月15日の「リーマン・ショック」から丸2年。ショックをきっかけに起こった、世界の経済成長率が戦後初めてマイナスとなる世界経済危機を、日本をはじめ各国は金融緩和や財政の緊急出動による需要喚起策で一応は乗り切った。

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第47回 「日本製品=高品質」の原型を作った138年前の製糸工場

未だに創業当初の雰囲気を伝える繰糸場138年の歴史
 
2007年に世界遺産の暫定リストに登録された富岡製糸場(群馬県富岡市)を先日、見学した。日本初の官営工場として1872年(明治5年)に創業。その後民間に払い下げられ、1987年まで115年間操業を続けた、明治期の「殖産興業」政策を体現した工場である。

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第46回 その数1000万人以上!? 地方で始まっている「買い物難民」の深刻

首都圏の県庁所在地でも例外ではない

「買い物難民」「買い物弱者」という言葉を頻繁に聞くようになったのは2000年代前半のことだ。当初は地方都市の商店街が、郊外型の大規模店との競争や不況により衰退し、高齢者が食料品や生活用品の買い物に困る現象を指していた。だが今や個人商店の撤退だけでなく、商店街の衰退の原因となったスーパーや大型ショッピングセンター(SC)の撤退によっても、同じ現象が起こったり、問題が深刻化したりするようになった。

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第45回 日本の消費を上昇させたいなら中国人観光客をもっと呼び込め

新しい家電の聖地池袋には中国人がいっぱい
 
6月に入った最初の週末、東京・池袋に冷蔵庫を買いに行った。パソコン関連やAV(音響・映像)機器などはネット通販で買うことが多くなったが、冷蔵庫は配送や搬入にも手がかかる商品。配送体制やアフターサービスがしっかりとした家電量販店で、しかもできる限り安く買いたいと考え、池袋を選んだ。

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第44回 iPad発売を前に書類スキャナが売れる日本の電子書籍市場の不思議

1年以上前に売り出された商品が今になって売れ始めた
 
米アップルは5月28日、多機能情報端末「iPad(アイパッド)」を日本国内でも発売する。先行する米国では4月初旬に発売、4週間で100万台以上を販売した。日本でも10日の予約開始時には量販店に行列ができ、大ヒット間違いなしと言われている。

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第43回 グローバル時代にこそ必要な「ローカル性」という名の視点

なぜ山間部の温泉地でマグロの刺身が出るのか
 
関東近郊の有名な温泉地に泊まったおり、ふと違和感を抱いてしまうことが多いのが、夕食のメニューについてだ。前菜から始まり、主菜はマグロのお造りやエビの天ぷら。最後はそばや御飯ものでしめる。

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第42回 日本有数のイベント「おきゃく」という名の接待祭りに見るパワー

ふだんは閑散としたアーケードが人また人
 
その光景は壮観だった。普段は人通りもそれほど多くはない商店街のアーケードが人で埋め尽くされ、前に進もうとしてもなかなか真っすぐに歩けない。

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第41回 「新興国への輸出増で回復」にひそむ死角

群馬県では残業や休日出勤も復活した
 
株式市場はここのところ、米オバマ政権の金融規制強化案や、ギリシャなど一部欧州諸国の債務問題への懸念から、弱含みの相場が続いている。ただ日本の実体経済を表す指標では、久々に明るい兆しが見え始めた。

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第40回 地方を衰退させたのは「小泉・竹中の構造改革路線」か?

小泉政権下で減った公共事業費の実態
 
地方の現場を歩いていると、2001年4月から2006年9月まで5年半近く続いた「自民党の小泉(純一郎)政権が地方を衰退させた」という声をよく耳にする。1月に筆者が出席したある地域の経済団体の新年会でも、商工会連合会のトップがこんなあいさつをした。

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第39回 2010年は新興市場への投資が始まる!?

1年でわずか19社しか上場がない新興市場
 
2009年末、十数年来の知り合いであるジャスダック上場企業の経営者に会って、話を聞いたときのことだ。
 
彼は最近の新興企業を取り巻く状況の厳しさに触れた後で、「日本でベンチャーを再び元気にするには、現在いくつもある新興企業向けの証券市場を統合するなどして、新興企業にリスクマネーを供給する仕組みを再び機能させないといけない」と訴えていた。

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第38回 「口利き」は姿消せども「ばらまき」はやまない日本という国家

予算の決まり方が見えなくなった!
 
一時は「年内に決まるのだろうか?」と危ぶまれていた2010年度予算案は、政府が昨年12月25日に閣議決定した。結果をみれば、スケジュールはほぼ例年通り。だが自民党・公明党連立の自公政権から民主党連立政権へと交代したことで、その予算の決まり方は様変わりした。

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第37回 緩やかな回復でも雇用や設備投資が増えないミスマッチの意味

地方都市で単身者向けアパートの需要が復活!
 
日本銀行が14日に発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)。最も重要視される指標で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業が前回調査から9ポイント改善してマイナス24となるなど、3期連続で改善した。

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第36回 ネットの世界でいち早く日本発の世界標準を世に出した経営者がいた

「世界をめざした起業家」のあまりにも早い死
 
東京都千代田区のJR水道駅近くに本社を置く、そのベンチャー企業を初めて訪ねたのは1998年の春ごろだったと思う。本社のある小さなオフィスビルの場所はわかりにくく、何度か通行人に場所を聞いてたどり着いたときには、約束の時間を少し過ぎてしまっていた。

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第35回 日本一の名湯が真剣に考える宇都宮方式「名産」の作り方

どこの店にも客が列をなす宇都宮の異様な光景
 
時間は午前11時。その店の開店時間は11時半なので、どこかで時間をつぶした方がよいかもしれない。そんなことを思いつつ、店の前まで来ると、既に数十人の行列ができていた――。11月のある週末、宇都宮市の中心にある老舗の餃子(ギョーザ)専門店、宇都宮『みんみん本店』でのできごとだ。

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第34回 東京モーターショーを見るとよく分かる、自動車「100年に1度」の大変革

相次ぐ上方修正で最悪の状態を脱した自動車産業
 
自動車産業の収益が最悪期を脱して、急速に回復している。ホンダは10月27日、2010年3月期の連結営業利益(米国会計基準)の予想を、前期比0.2%増の1900億円に上方修正した。従来予想の700億円と比べ1200億円の上積みで、減益予想から一転、増益予想となった。

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第33回 「長く使える機械」が時代のトレンドになりつつある

今でも全国で走っている蒸気機関車
 
1976年、静岡県の大井川鉄道(現・大井川鐵道)で始まった蒸気機関車(SL)の保存運転。現在、国内の営業路線を走るSLは、大井川鐵道のC10、東日本旅客鉄道(JR東日本)のD51(通称デゴイチ)、JR北海道のC11など15台前後ある。

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第32回 選挙に無視された「2009経済財政白書」が描く格差の真実

「格差」が叫ばれ始めたのは前の衆院選から
 
この夏の衆議院選挙の期間中、さまざまな候補者の主張を見聞きするなかで、気になることが多かったのが「非正規雇用」や「格差」に関する議論だ。

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第31回 鳩山政権が始動して明らかになってきた「マニフェスト至上主義」の危なさ

自民当時にはありえなかった政治主導の驚き
 
鳩山由紀夫政権がスタートして約2週間。民主党が先の衆議院選挙で掲げたマニフェスト(政権公約)に沿った新政策が、続々と動き始めた。

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第30回 巨大ダム賛成で地元民が失わさせられた「未来を作り出していく力」

総貯水量1億立方メートルのプロジェクト
 
8月30日に投開票が行われた衆議院選挙の期間中、群馬県長野原町にある吾妻渓谷を何度か訪れた。民主党が衆院選のマニフェスト(政権公約)で、「時代に合わない国の大型直轄事業」の典型例として中止を掲げた「八ツ場(やんば)ダム」の建設予定地がある所である。

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第29回 世界経済危機への対処方法は80年前の国内産業に学べ

1929年恐慌時の生糸産業は今の自動車と電機を合わせた規模
 
2007年の米国の住宅バブル崩壊をきっかけに始まり、昨秋の米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻をきっかけに、世界に広まった世界経済危機。その衝撃の大きさなどから、1929年に始まった世界大恐慌と対比して語られることが多い。

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第28回 フランスとは大違い、起業志向激減、起業が政策の争点にもならない現実

大学卒業後2年で会社を興した青年の今
   
1998年夏のことだ。インターネット関連の会社に勤める若手社員から「大学を卒業したばかりでネット系のベンチャーを興した人がいる」という話を聞き、興味を持ち、早速その若者に会いにいったことがある。

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第27回 上場意欲がしぼむ中で迎えた、新興市場6年ぶりの好機

初値200万円の株価が現在135倍の2億7080万円に
 
今から12年前(1997年)の11月4日。当時の店頭市場(現在のジャスダック)に、設立から間もないあるベンチャー企業が上場した。
 
上場の直前期に当たる1997年3月期の売上高は4億1300万円、経常利益は5000万円。利益率こそ高いものの、売上高、利益の規模は、新興企業が多い店頭市場の中でも、きわめて小さい会社だった。それに比例するように、上場時の公募増資で調達した額はわずか6億4000万円にとどまった。

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第26回 「よそ者」の感覚を大切にして成功させた地域づくりの「発想」

新幹線の駅近くで繰り広げられる幻想的な光景
 
JR東京駅から上越新幹線に乗って1時間あまり。高崎駅を発車し、いくつかの長いトンネルを過ぎると、上毛高原駅(群馬県みなかみ町)に着く。目的地に向かってまっすぐなルートを描く新幹線の場合、在来線とは接続せず、自治体の庁舎や繁華街からも遠く離れた所に駅をつくることがある。上毛高原駅もそんな駅の1つだ。

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第25回 政府が唱える「賢い支出」は一体誰がやるのか

借金なれしてしまったか日本
「816兆円」という数字をみて、すぐに何の数字かわかる人はどれくらいいるだろう。これは2009年度末の「国及び地方の長期債務残高」。いわば日本国と地方自治体の借金の総額だ。
 
国内総生産(GDP)に対する比率は168.5%。債務残高のGDP比は財政健全化の目安となるが、日本の比率は先進国の中で最悪。先進国では2番目に悪いとされるイタリアでも117%(08年)だ。

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第24回 「雇用調整助成金」の危険な側面

肌で感じた生産・輸出の落ち込み
 
この春、関東近辺の、ものづくりの中小企業を取材するようになって最初に驚いたのは、経営者や関係者のこんな言葉だった。
「いやあ、生産量や出荷額が前年比5割減なんてザラですよ。なかには9割減の会社もあるくらいです。だから今は4勤3休だけでなく、3勤4休、2勤5休なんて会社もたくさんありますよ」。

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第23回 「バイ地元製品運動」、「地産地消」の光と影

太田市の製造品出荷額は沖縄県の4倍規模
 
5月20日に行われた富士重工業の新型「レガシィ」の発表会を見にいった。
 
この日、富士重はレガシィの記者発表を東京都内と、自動車部門では国内唯一の生産拠点である群馬製作所(群馬県太田市)の2カ所で行っている。私が出席したのは、後者の方だ。

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第22回 「高速道路1000円」が変えた観光地の"遠近感"

アウトレットパークに追い風
 
5月の大型連休中、埼玉県入間市にある三井アウトレットパーク入間へ買い物に行った。その日はあいにくの雨だったが、どの店もセール期間中と同じくらい、人でごった返している。悪天候の影響もあるのだろうが、過去に訪れたどのときよりも、周辺の道路は車で大渋滞していた。

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第21回 学生諸君! いい会社は「グローバル」から「ローカル」へ移っているぞ

がらりと変わった学生の就職志望
 
毎年、4月になるとリクルートが発表する「大学生の就職志望企業ランキング」。広告代理店や出版社など俗にかっこよいと思われやすい業種が上位になりやすいという、大学生を対象にした調査特有の傾向はあるものの、継続的に見てみると、そのときどきの「大学生の就職観」が表れていて面白い。

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第20回 山奥の養蚕農家にも及んだグローバル化の恩恵

明治中期に山奥に建てられた3階建ての豪邸
 
草津温泉の玄関口となるJR吾妻線の長野原草津口駅(群馬県長野原町)。ここから白砂川という川に沿って、草津へと向かう曲がりくねった国道を車で10分ほど上っていくと、急に視界が開け、川向こうの山裾に、六合村(くにむら)の赤岩地区が見えてくる。

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第19回 カネをかけずに高齢者の体力を向上させた自治体の意外な方法

予算100万円で高齢者の健康増進はできるか
 
もし、あなたがある地方自治体の保健関連部署に勤めているとしよう。この自治体の住民は高齢者の割合が高く、介護保険の費用や医療費が増加傾向にある。そのため、あなたは上司から、高齢者住民の体力を高め、介護を必要とする人たちを少なくするような施策の立案を命じられた。

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第18回 経営者の年代意識を取り除くことが地方の活性化につながる

果たして40代は若い経営者か
 
地方の中小企業の経営者と話をしているときに、ちょっとした違和感を抱くことがある。
 
それは「○○県の経済を活性化するために、我々40代の若手が、もっとがんばらないといけない」といった言葉が、彼らの口からふと出たときだ。中には「我々40代、50代の若手経営者が」と表現する人もいる。

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第17回 ゲームやネット、ケータイに続く「塊」を欠く日本のベンチャー

iモードを牽引したネットベンチャー
 
この2月22日、始まったときにはほとんど注目されなかったが、この10年間で日本の社会を大きく変えることになったサービスが開始10周年を迎える。それはNTTドコモが1999年2月に始めた、携帯電話によるネット接続サービス「iモード」だ。

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第16回 マンチェスター・ユナイテッドを率いる老将の「柔らかな頭」の意味

2005-06年は最悪の年だった
 
2008年末に日本で開催されたサッカーのクラブワールドカップで、エクアドルのリガ・デ・キトを1―0で破り、再び「世界一」の座についたイングランドのマンチェスター・ユナイテッド。このユナイテッドを監督として率いるのが、イギリス・スコットランド出身の"老将"アレックス・ファーガソンだ。

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第15回 こんな時代だからこそ必要な「大企業発ベンチャー」

スピンアウトではなくカーブアウト
 
ビジネスの世界にいる人でも、「カーブアウト」という言葉を聞いてピンと来る人は少ないかもしれない。大企業(主に製造業)が社内に眠る有望技術や事業のシーズ(種)を社外に切り出し、投資ファンドなどの支援を受けて事業化する経営手法のことだ。

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第14回 時価総額ランキングを見るとよく分かる産業構造転換の遅れ

日本経済の隠れた問題点が見えてくる

「時価総額経営」という言葉を耳にしなくなって久しい。2006年のライブドア事件などをきっかけに「M&A(合併・買収)などで意図的に株価をつり上げる経営」というイメージが染みついてしまったためだろう。

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第13回 この時期に賃上げ? 組合が要求する格差拡大

定番を選ばなければならない理由
 
街に、リクルートスーツ姿の大学生を見かける季節になった。私がときどき講義を受け持つ大学の講座でも、3年生がスーツを着てくるようになった。
 
久しぶりの講義があった12月上旬。その日に2社の会社説明会に参加したという3年生の男子の話を聞いた。

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第12回「NPO法人ができて10年」で明らかになった数の多さと貧しさ

「民が担う公」NPOの可能性
 
先日、市民ボランティアが森林を間伐し、運搬や販売まで担う活動を四国でしている特定非営利活動法人(NPO法人)の話をうかがう機会があった。

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第11回 民俗学者ゆかりの地で聞こえてきた「サザン」の情けなさ

この夏、瀬戸内海に浮かぶ周防大島(山口県周防大島町)を訪れた。周防大島は民俗学者、宮本常一が1907年(明治40年)に生まれ、1981年(昭和56年)に73歳で没した場所である。彼はその生涯で、民俗調査のために計16万キロを歩いたといわれるが、その旅と学問の原点となったのが故郷の周防大島だ。

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第10回 円高が、地方の産業政策を揺さぶるという現実

法人税収で潤う財政
 
最近、2006年3月の北九州空港の開港とともに就航したスターフライヤー(本社:北九州市)を初めて利用した。
 
乗ったのは、土曜日の夕方に羽田空港を発つ北九州空港行き。週末だというのにほぼ満席で、ほとんどがスーツ姿のビジネスマンだ。「会社関係の人がやけに多いな」というのが、座席に着いた時の第一印象だった。

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第9回 世界金融危機でも、しっかり覚えておきたい「バブルの効用」

毎朝の通勤電車。ふと周りを見渡すと、若者も、大人も、携帯電話を手にしている人が多い。電車の中で新聞や雑誌、本を広げる人より、携帯をいじる人が多くなったのはいつからだろう。NTTドコモが携帯電話によるインターネット接続サービス「iモード」を始めたのが1999年2月。それから10年足らずで、日本の通勤電車の風景は、それ以前とはすっかり変わった。

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第8回 革命的新薬を発見しても、開発に遅れた日本企業社会の土壌と姿勢

今年もノーベル賞の季節が巡ってきた。6日に発表されたノーベル医学生理学賞で、惜しくも今年の受賞は逃したものの、有力候補の1人に挙げられていたのが、遠藤章・東京農工大名誉教授(バイオファーム研究所所長)だ。

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第7回 米アップル S・ジョブズに学ぶ「経営に飽きない」生き方

上場すると店を作りたがる
 
2004年の正月明けだったろうか。上場してしばらくたった企業の社長と、食事をしたことがある。1次会の店を出ると、その社長は六本木にある小洒落たバーに案内してくれた。「いい店ですね」と誉めると、「いやあ、最近、私個人で出した店なんですよ」と社長は語り出した。

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第6回 商店街や地場小売業の脅威、イオンとの付き合い方

南北を分かつ駅前ロータリー
 
この夏、久しぶりに高知市を訪れた。この1年ほどで最も大きな変化は、JR土讃線が高架になり、古びた駅が橋上駅舎の「新高知駅」として生まれ変わったことだ。

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第5回 堀江裁判が導く「地に足の着いた」起業家の時代

7月25日に、ライブドア事件で証券取引法違反罪に問われたライブドアの元社長、堀江貴文被告に対する控訴審判決があった。東京高裁は堀江被告の控訴を棄却、懲役2年6月の実刑とした東京地裁の一審判決を支持した。ただ控訴審では堀江被告が一度も出廷しなかったこともあり、2年半前の堀江被告らの逮捕の時や、一審判決の時に比べ、世間の関心は相当に薄らいだように感じた。

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第4回 鉄道の遅れに見る日本社会の変質

私鉄の遅れが目立ってきた
 
その日は朝のラッシュピークが過ぎたころ、ホームに滑り込んできた西武池袋線の「急行」に駆け込んだ。異変に気づいたのは、急行電車が駅を出発してすぐ。急行の停車駅でもないのに、電車は停車と発車を繰り返す。「今朝方、清瀬駅付近で人身事故がありましたため、ただいまダイヤが大幅に乱れております」のアナウンスで、合点が行った。

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第3回 日本にグーグルが生まれない本当の理由

わずか10年でトヨタ自動車の時価総額
 
日米のベンチャーを比較する時によく話題になるのが「日本にはどうして米グーグルのような会社が生まれないのか」という疑問である。

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第2回 人件費が下がって起こった「過去最悪」からの転換

無差別殺傷事件から見えてくるもの
 
東京・秋葉原で6月8日に起こった無差別殺傷事件。7人もの犠牲者を出した事件の衝撃が徐々に薄れてくるにつれ、妙にひっかかり始めたのが、加藤智大容疑者によるものとされる、携帯サイトへの膨大な書き込みだ。

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第1回 野球の独立リーグを創設した石毛宏典という名の「起業家」

野球の独立リーグが、全国に広がっている。先行した四国や北信越のリーグは、2008年から地域を広げると共にチーム数を増やし、関西でもリーグを新設する構想が進む。日本野球機構(NPB)が運営する「プロ野球」への育成機関として機能し始め、地域に活気を取り戻す担い手としても注目を集める独立リーグ。その独立リーグが日本に広まるきっかけをつくったのが、西武ライオンズの名遊撃手で、オリックスの監督だった石毛宏典だ。

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