【番外編・7】こういう状況だからこそ企業は中国市場に目を向けよう

「日本外し」は本当に深刻か

経済誌の特集などを読むと、どの雑誌も共通して扱っているテーマが二つある。一つは東京電力と原発の問題。もう一つは日本外しの問題だ。

確かに、今回の大震災とそれに伴う原発事故のために「日本外し」が起こる(起こっている)ことは想像に難くない。震災による工場や産業施設の崩壊による生産現場の崩壊は確かに深刻であり、復旧する頃には他の新興国の製品、部品に置き換わっている可能性もない訳ではない。

しかし、逆に言えば、日本製品、あるいはもの作りの技術は、それがなければすぐにラインが止まってしまうほど依存率の高い技術でもあるのだ。一時的に「日本外し」が現実のものになったとしても、徐々に回復してくるはずである。

原発事故による汚染懸念での風評被害による「日本外し」はもっと楽観的にみている。実際、原発近くの農産物、海産物は敬遠され、中国からの観光客は来なくなっている。海外の資源を運んでくる船は寄港したがらず、割増料金を要求し、外国人の人材は別にスポーツ選手に限らず、日本から帰ってしまうケースも多々あるようだ。

だが、風評はあくまで風評である。いずれこの騒ぎが治まれば自然に萎んでいくものである。

中国電子商会 曲会長、王常任副会長を囲んで日本代表団との記念撮影


大震災が遺した本当の影響

それよりも問題は、日本の国内市場が縮小する傾向が一段と強まってくることに対する懸念である。まず、震災地において、製造業の一部は海外での生産を強めることになる。被災した企業は原則的には被災地での復興が望ましいが、このグローバルな競争の中ではこれを機に海外へ生産拠点をシフトするという動きは強まるはずだ。東北地方の場合意外に工場が多いのもこうした状況に拍車をかけるし、何より日本中どこでも原発の安全性に対する不安から海外シフトは強まるのではないだろうか。

そして第二は被災地の経済は復興期が一段落した時点で縮小してくる傾向にあるという点だ。例えば阪神淡路大震災の後の神戸の人口はその事実を物語る。150万人と市だった同市は震災で人口が10万人減少し、復活するのに10年近くかかった。日本を代表する都市部でさえそのような状況だから、今回の被災地である東北の市場性や、15年前とは様相を異にする少子高齢化の進展などから勘案してもこの傾向は強まりこそすれ弱まりはしない。現に神戸市の町づくりに震災後携わった方のインタビューを読んだことがあるが、「人口は2割減、経済は6割減」と語っていたのが印象的だった。

濱野皮革工芸と中国ハイタオ社との契約調印式。テレビ通販番組として2011年2、3月に放送された日本企業のプレゼンテーション


魅力たっぷりの中国市場の安全性

そこで、というわけではないが、やはり日本企業は中国市場に顧客を求めていくことが、今後の戦略の一つとして重要になるのではないだろうか、と言いたいのである。

私はこの1年、中国の通販市場に社団法人の一員として関わってきた。実際に中国に足を運び、政府の関係者、業界の関係者ら多くの人たちと会い、議論を重ね、日本企業の商品を売る手伝いをしてきた。その経験から、改めて「中国市場」は魅力ある市場であり、日本の製品が渇望されていることに気づかされたのである。

なんと言っても日本の10倍の市場である。この市場に期待を抱かずして、世界のどの市場に期待を抱くのか、と考えさせられるほど大きな市場である。しかも、通販市場は内需拡大の影響をもろに表している、きわめて急成長な市場なのである。

確かに業界全体を見渡すとまだ未完成の部分もある。しかしそれも近年急速に整備されており、政府の業界に対する通達や声明も効果を発揮してきている。

中国電子商会王常任副会長と日本優良品協会松室代表理事の挨拶日本企業歓迎晩餐会の風景


なぜ中国市場進出が安全なのか

このように書くと「中国はまだ危ない」とか「中国ではこんな失敗をした」といった例を挙げる人がいるかもしれない、

確かに中国進出にまつわるトラブルは多い。しかし、それの多くが中国市場や中国の商慣習、商取引における構造や文化を知らずに起こっていることだ。ある企業では中国で商売をするために中国での商標を取得しようとして400万円を請求された。実際はその10分の1である。間に入るブローカーは多く、日本人と中国人がタッグを組み、手数料をダブルで巻き上げる輩もいる。

私たち日本優良品協会では、そのようなトラブルを根絶するために中国信息(情報)産業部傘下の中国電子商会と基本合意を結び、例えば日本企業が通販市場に進出する場合の商品の調査(認可にかかる時間、商標取得可能性の有無、どの通販会社と組むのが適切か等々)を共同で行ない安価で提供する仕組みを作った。

また、実際に中国電子商会通販工作委員会が主催する年1回のサミットや年次総会での日本企業の商品プレゼンテーションや商談会などを設定してきた。

何より、取引条件を従来の仕組みを変えて前金で中国サイドが支払うような仕組みの構築にも成功した。正に安心で安全な中国進出の仕組みである。

なぜ中国市場進出が安全なのか


<補足として>

私たち日本優良品協会では今年も9月に中国北京で行なわれる日中韓通販サミットに日本企業共々参加します。また、先述した中国通販市場への進出を促進するための「中国通販市場参入キャンペーン」的ないベントも計画しており、多くの政府関係者や業界のトップらを招く予定です。こうしたイベントに先駆けてトップページの写真にもあるような「中国通販業界発展白書」の日本語版の権利を取得し、発刊するに至りました。これを機会に中国の通販市場にスポットを当てていただけると幸いです。

(2011・4・27)


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