今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・東大VS慶応

今週の第1位は『週刊エコノミスト』

週刊エコノミスト ... 東大VS慶応
週刊東洋経済 ... エリート教育とお金
日経ビジネス ... 年収1000万円世帯の憂鬱
週刊ダイヤモンド ... 食べればわかる日本経済

 今週は教育にまつわる特集が2誌で組まれました。一つは『週刊エコノミスト』の東大と慶応を比較した特集、もう一つは『週刊東洋経済』のエリート教育とお金を扱った特集です。前者が早稲田vs慶応でなく、慶応を東大と比較したところがみそでそれぞれの総長、塾長のインタビューが2つの違いを表しています。
 それにしても、もはや国内の争いではない、という観点で教育特集を組んだのが後者の『週刊東洋経済』です。何せ、国内トップの東大も世界ランクにすると27位というのですから、同誌の視点も当然といわなければなりません。ただ海外(ハーバードやMIT)などの大学に行くとなるとかねがとほうもなくかかるのも事実。その辺りを特集ではしっかりと扱っています。どちらが今週の1位か逡巡しましたが、『週刊エコノミスト』を1位、『週刊東洋経済』を2位としました。
 そして3位は『日経ビジネス』です。年収1000万円というと今や高所得者ですがその人たちの家計がそう楽ではなく、しかも今後起こる消費増税などでターゲットにされ、苦しくなるその辺りの現実を分析しています。
 4位の『週刊ダイヤモンド』の特集「食べれば分かる日本経済」も面白い企画ではありましたが、ちょっとまとめ方が散漫なような気がしました。

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第1位
■週刊エコノミスト■ <<<  維持する慶応、改革する東大

『週刊東洋経済』がエリート教育を特集した。偶然なのか『週刊エコノミスト』も教育特集を持ってきた。特集のタイトルは「東大VS慶応」だ。タイトルだけみると『週刊エコノミスト』を時代遅れに感じるかもしれない。が、まあそれはそれとして「東大VS慶応」っていうコンセプトはこれでいいのかなぁとも思う。
「東大早慶」などと括られることはあっても、そこには歴然とした差が存在した。ところが、である。この特集の表すところは大学ブランド力の変化(低下?)なのだ。特集ではそのあたりの要因を大学別に分析する。早稲田は入試変更と新学部によって「気風」が損なわれたこと、東大は公務員などの進路の価値下落をあげる。それに比べて慶応が踏みとどまったことにより相対位置が比較的縮まったということのようだ。慶応も新学部の質を担保できないなど問題はあるが、まぁ東大、早稲田に比べたら、踏みとどまったということなのだろう。
 とにかく、「東大VS慶応」の対比は浜田純一・東京大学総長と清家篤・慶応義塾長のトップインタビューから始まる。そして卒業生やネットワークの話などに。慶応に関しては目新しい変化はないし、あえて大きな変化を起こさない考えを清家義塾長が述べる。対して東大は、同窓会「赤門学友会」の強化とともに「教育改革」を進める。
 世界大学ランキングにおいて東大は言わずもがな国内勢トップである。しかし27位という位置は、優秀な教員と学生をひきつけることができない現実も表している。日本の教育機関の向上はもちろんだが、やはり東大には日本の1強として君臨していてもらいたい。
 そう思うと、面白い特集ではあったのだけれど、読んでいて「日本の最高学府が慶応と同列に語られてどうする!」と、ちょっと情けない気持ちになったのも確かである。

第2位
■週刊東洋経済■ <<<  お金がかかるグローバル人材教育

 今週の『週刊東洋経済』だが、記事の端々で引っ掛かってしまった。誤解しないでほしいが、決して記事に問題がある訳ではない。非常に難しいテーマだったからだ。特集は「グローバル時代にも勝ち残れ エリート教育とお金」。経済週刊誌の売れ筋、教育ものだ。本特集ももちろん教育ものなのだが、本題はもっと大きなところに置かれている。
 日本における「エリート」の変容だ。端的に言えば、最高学歴が東大から世界の大学、ハーバードやMITへということだ。そして、その変化を念頭においた塾やお稽古などの補助教育が熾烈を極めている。競争はゼロ歳から始まり、学問だけでなく体育や音楽なども含まれる。そこで気になってくるのが「お金」。補助教育はもちろんのこと、教育機関でも大きな差が生まれる。公立幼稚園から公立高校の場合で504万円、すべて私立で1702万円。インターナショナルスクールだと2775万円にもなる。大学では国立で243万円、私大文系で386万円。しかし米アイビーリーグを考えると最低でも1629万円。個人の能力次第であり奨学金制度もあるが、大多数はお金がないと始まらない。そこで、本特集は教育投資の今を、伝えるということなのだ。
 よい教育を願う親の気持ちは変わらない。しかし、時代とともに内容は変わった。そして、本当に子供のためなのかと言われると、自問自答が繰り返される。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  目を付けられる年収1000万円族

 平均年収が400万円台というなか、年収1000万円といったら高収入となる。しかし、それだけの年収があったとしても、都会で生活しつつ子供がいたりマンションやクルマのローンがあったりするわけで、どこにも余裕がないのはみなさまご存じの通り。今週の『日経ビジネス』は、「年収1000万円世帯の憂鬱」として、増税やリストラで狙い撃ちされる年収1000万円世帯を特集している。
 実際に計算してみると、1000万円世帯の実質可処分所得は、2011年767.83万円から2016年706.15万円へと、61.68万円、つまり8.03%も低くなるのだ。これから消費増税、所得増税、児童手当減と次から次へと重荷がのしかかる。生活に多少の余裕があると見られてきた層への、まさに狙い撃ちが始まるのだ。ただし、これだけで終わらない。政府だけでなく、企業からも目を付けられている。大手企業の1000万円の社員層は40〜50代の正社員であり、企業が整理したい層に符合する。敏感な対象世帯は、外車から国産車へシフトしたり、外食を減らすなどすでに対応を始めているが、大きな不安を抱えているのは間違いない。
 第2特集は「中国内陸の光と影」。以前の『日経ビジネス』で、中国からメコンへの工場シフトが特集されていた。しかし、広大な中国にはまだまだ"内陸"市場が存在した。新たな中国進出のキーワード「内陸」、とともに3つの潜在力とリスクが語られる。


第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 唾液腺が刺激されない特集

 趣味嗜好は数あれど、「食」の楽しみは人生に欠かせない。この毎日起こる身近な欲求は、懐事情をたちどころに反映させる。近ごろ外食が増えたり、第3のビールからプレミアムビールに戻った人もいるらしい。こういった切り口で特集を組んだのが今週の『週刊ダイヤモンド』だ。タイトルは「食べればわかる日本経済」。不景気と言われつつ豊かな食文化を誇る日本。その安定感が腹に沁み渡るタイトルとなった。
 特集冒頭は「対談・安けりゃいいってもんじゃない!」。正垣泰彦氏はカイゼンと流通改革で獲得した低価格が幅広い年代層に支持されるサイゼリアの会長。お相手の坂本孝氏は、星付きシェフの料理を常識はずれの価格で提供する立ち食いレストラン「俺のイタリアン」社長。客層の違う両者だが、「腕のいい職人さん(シェフ)の特徴は、(神業的に)粗利をコントロールできちゃう」ところなど、共通意見も多く、時代を感じ取る経営者のシェフ談義がおもしろかった。で、食いしん坊としてはどんな展開になるのかちょっと期待したのだけれど、続くレポートは「脱デフレに動き出した」食品市場・外食市場、PB商品の安心度ランキング、中国産輸入食品レポート、起きかねない食料危機を描くなど、あまり唾液腺は刺激されない特集となっていたかな。
 今週は他にも特集があり、「ゴーン拡大路線に黄色信号 日産の"踊り場"」と「地域経済再生戦略『イナカノミクス』成功の極意」が続く。


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