今週の第1位は『日経ビジネス』・・・景気失速の主犯

日経ビジネス ... 景気失速の主犯
週刊ダイヤモンド ... ゼネコン・不動産開発バブル
週刊東洋経済 ... マンション防災修繕管理 完全マニュアル
週刊エコノミスト ... 水素車・リニア・MRJ

 いよいよ総選挙が公示され、街角では演説、テレビでは政権放送が始まりました。師走の選挙と言うと前回を思い出しますが、その争点は明確ではありません。そこにタイミング良く『日経ビジネス』が「アベノミクスは成功していない」との主張を掲げて安倍政権の何がどう成功していないかを分析しています。表紙には神妙な安倍首相の顔。これもインパクトがありました。今週の第1位です。
 次に面白かったのは『週刊ダイヤモンド』のゼネコン・不動産の開発がらみの特集です。東京が2020年に向けて大きく変貌する7つのエリアを図示、わかりやすく解説し、どう変わっていくかを読者に伝えています。それにしても、日本はバブル好きの国なのだなということがよく分かる特集でもあります。
 第3位は『週刊東洋経済』です。マンションの防災、修繕、管理といった観点からマンションの価値をどれだけ上げ(守る)て行くのかをマニュアル風に特集しています。これとは別に巻頭特集で外食産業を取りあげ、ブラック企業として話題になったゼンショーの小川賢太郎会長兼社長に独占インタビューを行なっています。
『週刊エコノミスト』は運輸のハード部分である鉄道、自動車、航空機の日本が誇る再先端部分の技術にスポットを当て、その将来性と課題とを分析しています。

nikkei_20141204.jpgdia_20141204.jpgtoyo_20141204.jpgeco_20141204.jpg


第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 景気上昇、街角を取材してみれば

 日本の7〜9月期の実質GDPが事前の市場予想を覆し、マイナスに陥った。これに伴い日経平均株価が落ち込む一方で米国のヘッジファンドのハワード・スミス氏は「消費税再引き上げの延期が確実になった、日本株にはポジティブだ」と呟いた。
このGDPショックの17日前、日銀の黒田総裁は市場関係者の意表をつく大規模なサプライズ緩和を発表しており、国内外の投資家は日本株買いに奔走した。
 これら二つの日本市場における"サプライズ"の影響が色濃く残る中、阿部首相は消費増税の延期を発表するとともに衆院の解散に踏み切った。それに伴い株価も上昇した。
 しかしこれらのサプライズは景気の変調を予感させるサインでもある。黒田総裁も「今はまさに正念場」と述べており、エコノミストの間では「景気は今年1月をピークに下り坂にある」という説もまことしやかにささやかれている。
 同誌は実際に街角に出て、アベノミクスが描く理想の景気とその実体の乖離が如実に現れ始めている事を通説に対するアンチテーゼとして検証している。曰く「富裕層消費は活発」の? 「接待需要が復活」の? 「都市部消費は堅調」の? 復調した消費、物価、雇用や外需による牽引等は一時的にはその様子こそ見られたもののどれも長期的な成果をあげられていない事が分かってくる。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 東京五輪に向けて「東京は大改造」

 日本橋や大手町、銀座、虎ノ門から六本木、そして渋谷や品川。都内を行き来していると、工事中の大規模開発案件があちこちに見られる。2020年の東京オリンピック開催という1つのゴールも設定され、都心部の不動産市場が沸き返っている。五輪、海外投資家の熱い視線、特区認定などによる政府の後押し、これらが相まってゼネコン・不動産業界が待ちに待ったバブルがやってきたのだ。今週の『週刊ダイヤモンド』は、「ゼネンコン・不動産 開発バブル」と題して、東京大改造の全貌と業界の内情、全国主要地域の事情をレポートする。
 まずは「劇的! 東京大改造の全貌」だ。「銀座」、「大手町・丸の内・日本橋・八重洲」、「虎ノ門・六本木」、「渋谷」、「品川」、「湾岸」、「神宮外苑」の7エリアの再開発案件を地図上にまとめた。「大手町・丸の内・日本橋」エリアでは、三菱地所VS三井不動産、そこに割って入る住友不動産の三つ巴の戦いが繰り広げられている。「虎ノ門・六本木」エリアは森ビルの独壇場と思いきや、森トラストや住友不動産などの再開発も目白押しだ。そしてそんな老舗都心エリアから「油断できない街」と警戒され発展が期待される「渋谷」。読めば都心部の今後の変容が想像できる特集だ。
 そのほか、逼迫する建築現場の人材不足、地方主要都市の不動産市場現状と今後、上場建設174社収益力ランキングも。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< モンスター理事というのがいるらしい、やっぱりね

 今週の『週刊東洋経済』<巻頭特集>は「外食! 苦しむ!」。外食業会を代表する大手が軒並み2014年度決算で多額の赤字となることが判明したいま、上位各社の動きを追う。この特集の目玉は、ゼンショーホールディングス会長兼社長・小川賢太郎氏への独占インタビュー「すき家のブラック批判にすべて答える」だろう。それを読む限りベンチャー起業家・小川賢太郎のパワフルな経営論理に変化はない。 
 第1特集は「資産価値を上げる! マンション防災・修繕・管理 完全マニュアル」。マンション住人限定の実用特集なので、多くの人の胃袋を支える外食産業を巻頭特集に持ってくることでバランスがとれる感じだろうか。
 マンションでは、地震の際に「机の下に入る」「風呂に水を貯めておく」はNGなのだそうだ。今までの防災対策は戸建て住宅メインに語られてきているため、マンション住人限定の防災特集は目からウロコの情報だったりする。そんなマンション防災の基本から応用までが前半。後半は工事費高騰に負けない「攻めの大規模修繕」、そして「管理会社ランキング」だ。記事のなかに「モンスター理事」というワードが出てきた。発生しているんですね、どこの世間にもモンスターが。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 裾野の広い旧来型「新・産業」

『週刊エコノミスト』は8月に「水素・シェール・藻」という素材としての特集を組んだが、今週は「水素車・リニア・MRJ」と交通のハードとして再度取りあげている。それぞれのプロジェクトがもたらすインパクトは水素車=4.4兆円(2030年)、リニア=16.8兆円、MRJ(航空機)=80兆円(2030年)となっているという。
 自動車、鉄道、航空機は部品点数が多いため波及効果が大きいと言う。しかも、それぞれの技術は他の製品にも転用される可能性があるから、さらに膨れ上がることも考えられるのだ。航空機こそ敗戦で作れなった時期があったが、どれも日本を代表する産業には違いない。これらの産業が先端技術を駆使して花開けば日本の発展に大きく寄与するには違いない。同誌ではその将来性とクリアすべき課題とを上げ、どのような道程でこれらが押し進められていっているかを検証している。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『日経ビジネス』・・・景気失速の主犯