今週の第1位は『日経ビジネス』・・・戦う取締役会

日経ビジネス ... 戦う取締役会
週刊ダイヤモンド ... 韓国3大企業 サムスン 現代自動車 ポスコ 失速!
週刊東洋経済 ...  保険のウソとホント
週刊エコノミスト ... とことん考える人口減少

 今週の『日経ビジネス』は地味な特集タイトルでしたが、中身はそれに反して面白いものでした。なぜ取締役? と思われがちですが、改正会社法が15年4月から適用され、社外取締役をおかなければならない環境が一層強化されるからです。社外取締役と言えば、いわば名誉職的な位置づけのようにも思われがちだが、それでは絶対に会社が機能しなくなるというこの特集の提言は一読の価値があります。成功しているオリックス、失敗したソニーと(ここでもソニーか)いう対比もわかりやすいものでした。これが今週の第1位です。
 次に注目したのは『週刊ダイヤモンド』の特集です。内容は「韓国大手企業3社の失速」がテーマです。韓国という国は富が大企業に集中しているため、大企業が失速するということは韓国経済が失速するということに他ならないということがよく分かります。これが今週の第2位。
『週刊東洋経済』は定番化したテーマである「保険」で特集を組みました。どうも保険加入大国の日本は「入りたがり」が多いようです。その辺りを上手くついた中身となっていますが、しかし、マンネリ感は否めませんね。
 第4位は「人口減少問題」を特集した『週刊エコノミスト』です。ピケティの資本論の欧米でのベストセラー以来、何か日本の人口減少論が盛んになってきたような気がします。

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第1位
■日経ビジネス■ <<< 飾りの社外取締役は姿を消す?

 2015年4月に施行される改正会社法によって、社外取締役選任への圧力は相当強まることになる。選任義務化こそ見送られたが、選任しない企業には株主総会でその理由を説明する義務が課された。海外投資家を呼び込むためにも、今後、社外取締役選任は経営のスタンダードになっていく。今週の『日経ビジネス』はこの流れを汲み、「社外取締役の存在を経営にどう生かすか。ポイントはどこにあるのか」を特集した。タイトルは「戦う取締役会 プロ経営者育てる"社外の目"」だ。
 特集冒頭は、オリックス、アクセス、三菱自動車、3社の社外取締役も務めるサントリー次期社長・新浪剛史氏の提言から始まる。新浪氏はローソンにおいても社外取締役を選任し、その鋭い指摘を経営戦略に反映させてきたという。一つの成功例だ。記事には社外取締役を生かせなかったソニーの事例も紹介される。
 現在、社外取締役を導入している企業は東証1部上場企業の7割に上るという。導入が経営改善に効果があったか否か、EY研究所とともに分析した「社外取締役の割合×ROEの変化」を分析したものが面白かった。ボリュームは少ないが、興味深い特集だった。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 韓国は何年か前の日本?

 今週の『週刊ダイヤモンド』第1特集は「韓国3大企業 サムスン 現代自動車 ポスコ 失速!」だ。実は『週刊ダイヤモンド』では2013年11月に「サムスン 日本を追いつめた"二番手商法"の限界」という特集を組んだ。今回はその後の韓国経済を読み解く格好だ。
 サムスン、現代自動車、ポスコ。
"日の丸キラー"の代名詞だった韓国3大企業の失速は、①ウォン高、②外資攻勢、③内需不振、④中国の台頭、⑤無謀外交(トップ外交の行詰り)、⑥労働問題。いわば、これら「六重苦」が韓国経済を襲っているわけで、3社がこけたら韓国経済もこけるのだ。
 この3大企業の失速は、何年か前の日本企業を見るような感覚だ。韓国企業から中国への技術と人材の流出は、かつて日本企業が韓国に対して味わったもの。加えて「創業者からの事業継承」という時期も重なる。いま韓国では、セウォル号の沈没により埋もれてしまった「クネノミクス」に代わり、「チョイノミクス」が発動されている。チェ・ギョンファン経済副首相兼財政経済部長官が取りまとめた景気浮揚策だ。韓国経済は、矛盾を孕みながら自信を回復していけるのか? 


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 保険は本当に必要か

『週刊ダイヤモンド』は春先、『週刊東洋経済』は夏。これが「保険」を第1特集に持ってくる両誌の定番時期のようだ。2年さかのぼって調べてみた。そんなわけで、今週の『週刊東洋経済』の第1特集は「保険のウソとホント その契約必要ですか?」。
 日本は保険天国と言われている。「安心だから」とか、「お守りとして」といった情緒的な理由で、「結婚したから」「子どもができたから」加入する人が多い。かく言う私もその1人ではあるが。しかし、冷静な経済合理性で考えると、「日本で売られている生命保険の多くが『実は必需品でない』」と言い切る保険のプロもいる。そこのところ、しっかり合理的に考えるために組まれたのが今回の特集というわけだ。保険の支払が結構な額になっているそこのあなた、ご一読をお勧めします。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 地方が消滅し、東京や大阪が限界集落になる?

『週刊ダイヤモンド』が7月に「2020年からのニッポン 人口減少ショック」で、『日経ビジネス』が8月初旬に「限界都市 東京」で、それぞれ「人口減少」をテーマに特集を組み、問題提議しているが、今週は『週刊エコノミスト』が「とことん考える人口減」として「人口減少問題」を取り上げている
 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2048年に日本の総人口は1億人割れとなる。これら推計を受けて政府は、今年6月、「50年後に1億人程度の安定した人口構造の保持を目指す」との基本方針(いわゆる「骨太の方針」)を閣議決定した。人口減少スパイラルに陥って「もはや回復困難」とならないための数値目標設定だ。昨今発表される人口減少数値の過激さに、わかっているつもりでも「ギョッ」となった方も多いだろう。
 このままいけば、多くの地方が消滅し、地方から若者の供給を受けてきた東京や大阪などの大都市も、「限界集落」ならぬ「限界都市」になる。なぜなら都市ほど出生率は低いからだ。本文中で増田寛也氏も言っているが、「地方をよくして、そこで子育てする、仕事に従事する、豊かな老後を暮らすという社会を作りださないと問題は解決しない」。政策とともに、価値観の大きな変容・多様化が推進されなければ魅力ある地方を維持していけない。


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