今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・最強のテーマパーク

週刊ダイヤモンド ... 最強のテーマパーク
週刊東洋経済 ...  親と子の相続
日経ビジネス ... 限界都市東京
週刊エコノミスト ... 資本主義をとことん考えよう

 今週は合併号の週なので、来週はお休みとなるのですが、以前のように合併号ならではの力を入れた特集は見当たりません。雑誌販売自体が低迷していることの証左でしょうか。そんななかで面白そうだなと感じさせたのは『週刊ダイヤモンド』です。特集は多様合併号らしいテーマで「テーマパーク」です。ディズニーリゾートはもちろん、USJの脅威のV字回復や、奇跡の復活を遂げたハウステンボス等取りあげる中身もバラエティに富んでいて、なるほどといった集客のノウハウがいっぱい詰まっています。これが今週の第1位です。
 第2位はどちらにしようか考えたのですが、『週刊東洋経済』にしました。特集では『日経ビジネス』が面白かったのですが、『週刊東洋経済』は吉野家社長を退任した安部修仁氏をフィーチャーした巻頭特集やソニーの背水の陣の経営等を取りあげ、それに加えて特集で「相続税の問題」をわかりやすく解説している、そのボリューム感で『日経ビジネス』に勝っていました。
 一方、『日経ビジネス』は東京一極集中の問題を取りあげました。東京への一極集中が加速するほど日本の人口が減るという問題提起から、どうやって地方を活性化するかを考える特集です。これは割に面白かったですね。
 そして、『週刊エコノミスト』の特集は何号か前で『週刊東洋経済』が取りあげた「ピケティ理論」を中心にした」資本主義を考える」特集です。ま、お盆休みの方が多いでしょうから暇な方にはお勧めします。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 人を呼び込む手法が分かる

 7月15日、大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)で新アトラクション「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」(以下ハリポタ)がオープンし、大盛況だ。一時は「死に体」とまで言われたUSJはどうしてV字回復したのか!? 今週の『週刊ダイヤモンド』を読むとその答えが見える。特集タイトルは「最強のテーマパーク」だ。
 USJにハリポタ導入を実現させた男がいる。森岡毅マーケティング本部長・執行役員だ。第3セクターから事実上の民間企業への移行を推進したグレン・ガンベル現社長が、「自らリスクを取るマーケティングのプロが欲しい」と引き抜いた元P&Gの辣腕マーケッターだった。年間の売上げの半分に当たる450億円をかけて作られたこのアトラクション。USJに人を呼び込む最後の切り札として、3年がかりでキャッシュフローを増やし、最小限の借り入れで費用を捻出したという。
 この特集、もちろんUSJだけではない。テーマパーク業界の頂点・東京ディズニーリゾート、地獄から生還したハウステンボス、そして、続々と開発される新型パークや集客の仕掛けなど、人を呼び込む各地の手法をレポートする記事も読み応えある。
 第2特集は「2014完全版 社長・役員の年収ランキング」だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 難しくなる相続対策

 夏休み合併号の『週刊東洋経済』は「親と子の相続」が第1特集だ。親の心子知らず、子の心親知らず。遺産相続に関する問題の多くは親(被相続人)と子(相続人)の齟齬が原因である。兄弟姉妹がいる場合は相続額の比率等でのいがみ合いは避けたいが、親に向かって「遺言を書いてくれ」とは言いにくい。さらに2015年から相続税が増税され、課税対象が広がる。主な相続遺産であるのは不動産だが、路線価等土地の価格も上昇しており、課税対象となるケースが増えるのは間違いない。
 さらに二次相続という落とし穴がある。両親のうち一方が死亡した場合、相続税が軽いのでとりあえずもう一方の親が相続する場合が多いが、その後に残された親が死亡した時に起こるのが二次相続である。主に一次相続時の金融資産は生活に使われ減少しており、被相続人も大抵自宅を持っているために家屋も税控除の対象にされにくく、かといって売ろうとしても経年劣化により買い手はつきにくいため非常に面倒なことになる。遠くを見通した相続対策が必要である所以だ。
 今週の『週刊東洋経済』で一番読んでほしいのは<巻頭特集>「さようなら、ミスター牛丼 安部修仁と吉野家の時代」だろう。アルバイトから入社して42年、社長になって22年の安倍氏。読ませる14ページである。


第3位
■日経ビジネス■ <<< 若者が東京に来るほど日本の人口は減る

『日経ビジネス』のみ、合併号は来週。今週も通常号として発売になっている。特集は「限界都市 東京 一極モデルを打ち破る新未来図」。人口減少はこれまで<地方の問題>としてとらえられてきた。しかし、若者を東京に供給してきた地方が崩壊したら? それは東京を支えるシステムそのものが崩壊することにつながる。
 2020年の五輪も決定し、沸く東京。しばらくは若者の流入も増えていくだろう。だが、東京は結婚・子育てにおける環境が劣悪ゆえ、生まれる子どもはさらに減る。地方から若者を引き寄せるものの若者を増やさない、そんな人口減少促進装置が、東京への一極集中そのものなのだ。世界的に見ても特異な一極集中モデルを見直さなくては日本の未来はない。
 指針として、アメリカ北西部にポートランドという都市の事例が紹介されている。80年代は不況に喘いでいたが今は毎週500人程度の勢いで若者を中心に移住者を迎え入れているそうだ。ポートランドは都市における機能を一部の地域に集約し、郊外の乱開発を規制し自然等の保全につとめている。中心部をコンパクトにすることで住民は移動の手間を大いに省け、さらに車を使えば即座にアウトドア等も楽しめる。そういった都市と自然を一体とした町づくりをしているのだ。「魅力的な地方都市」。そういう場所を各地に生み出していく必要がある。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< またも取りあげられたピケティ理論

 7月中旬の『週刊東洋経済』が大々的に取り上げて以降、各誌で引っ張りだこの「ピケティ理論」。今週は『週刊エコノミスト』が、ピケティを切り口に「資本主義をとことん考えよう」という特集を組んだ。
 先進国を中心に長期的に労働分配率が低下し、停滞論が叫ばれている。資本主義は限界論に達したのか? そのタイミングで出版されたフランス人経済学者、トマス・ピケティ氏(43歳)の『21世紀の資本論』が、米国でたいへんなブームを巻き起こしている。なぜそれほどまでのブームを巻き起こしているのか。本誌にコンパクトにまとまっているので引用する。
「ピケティの本がすごいのは、格差が拡大しているという事象を、過去100年以上の統計データを使って、これが一過性の現象ではなく長期にわたるトレンドで、『富と所有の格差の拡大それ自体が資本主義市場経済に内在する』ことを論証してみせたことにある。これはこれまでの経済学の常識を覆す衝撃的な主張である」。
 米国を中心に肯定と否定の論評かまびすしい『21世紀の資本論』。日本語訳版出版前に、日本でも多くの専門家に刺激を与えているようだ。


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