今週の第1位は『日経ビジネス』・・・トヨタ 迫る崖っぷち

週刊経済誌の読みどころ20140702

今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... トヨタ 迫る崖っぷち
週刊ダイヤモンド ... 物流ビジネス大異変
週刊東洋経済 ...  得する年金
週刊エコノミスト ... とことん分かるマーケット 2014年下期

 今週の経済誌のなかでいちばん読みごたえがあったのは、『日経ビジネス』のトヨタ特集です。売上高25兆6919億円、営業利益2兆2921億円の会社が実は崖っぷちにあるということで、問題提起としては迫力がありました。読んでみても、「カイゼン」件数が減少していたり、新興国で思うようにシェアを伸ばせない現状がある、といった成功モデルに陰りが見え始めているのではないかというレポートです。豊田章男社長へのインタビューも含めて面白い中身でした。今週の第1位はこれです。
 内容の充実という点では、『週刊ダイヤモンド』の「物流業界」特集も読みごたえがありました。ネット社会になっていちばん注目されるようになったのは物流業界と言っても過言ではないでしょう。この業界の大きな変化を取材して上手くまとめています。これが今週の第2位ですね。
 そして、年金の問題を扱ったのが『週刊東洋経済』です。いったいいつから、いくらもらえるのか。実際に働いている60代以上の人はまだそれほどピンときていないはずで、それをハウツー特集で上手くまとめています。
 第4位の『週刊エコノミスト』は下期のマーケット予測を特集しました。日本株、グローバルマーケット、そして原油や、ガス等の国際商品を扱っています。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  過去最高利益の大企業の前途

 2013年度決算で完全復活したといわれているトヨタ自動車。世界販売では前人未到の年1000万台販売を達成。売上高25兆6919億円、営業利益は過去最高の2兆2921億円だった。だが、現場は危機感をあらわにする。新興国では思うようにシェアを伸ばせず、技術者を世界に送り出し続けてきた生産現場は「製造現場の本質を理解する技術者の厚みが失われつつある」という。
 豊田章男社長は「持続成長を果たす」と宣言しているが、再びの転落も無いとは言い切れない。今週の『日経ビジネス』がトヨタの危機の正体を特集する。
 新興国の中でも特に目覚ましい中国とインド、この二つの国でトヨタが苦戦している。とくにインドでは盤石であった従来の海外小売りモデルが通用しなくなっている。その主な原因は値段の高さだ。低価格帯の車を発表するもはじめは売れたものの徐々にシェアが奪われ、最近は労働者のストライキ等もあり工場が閉鎖した。米国市場でのプリウス販売も鈍化している。最高益に潜む綻びの芽を豊田社長がどのような戦略で乗り越えようとしているか。
 カリスマ性とは縁遠い印象、強いリーダーシップを感じさせない、そんな豊田章男氏。カルロス・ゴーン氏の対極にあるようなキャラクターだが、強い責任感と実直さで異色の経営者像を見せてくれている。インタビュータイトルは「私は太陽となり、土となる」。本人の言葉だ。米国での品質問題で矢面に立った時、トークショーに招かれ最後に口にした「I love cars」のひと言で米国の世論が変わったという。彼が「参考にしている」という経営者、それが伊那食品・塚越会長の経営だったとは。

第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 急激に変化する物流業界の動向

 物流業界に異変が起こっている。運送会社は口をそろえて「運べない」「運ばない」と言い、物流費を削る荷主は大改革に舵を切り始めた。また、コンビニエンスストアやインターネット大手等が新たな物流モデルを引っさげて参入しようとしている。今週の『週刊ダイヤモンド』は「佐川男子、クロネコ男子が悲鳴! 物流ビジネス大異変」と題し、変化の時を迎えた物流の世界を特集する。
 1997年には15億個だった宅配便はネット販売による追い風により2012年には35億個にもふくれあがっている。これにより日本の物流網がとうとうパンクした。特に13年の年末商戦と14年春の消費増税前の駆け込み需要では期日通りに荷物が届かないケースが全国で多発した。新しい大口依頼などが運輸会社に断られるケースも相次いでいる。佐川急便がAmazonと決別したのは記憶に新しい。さらにこの構造は長期的に続くと予測されている。物流費の上昇も始まる。これを商機と捉え、新規参入や物流価格に乗り出す企業も出始めている。とくにオムニチャネルを打ち出し、全国1万6千店舗を擁するセブン&アイ・ホールディングスが構築しようとしている物流インフラが注目だ。
 第2特集は「100年もたない年金」。サントリー新社長に決まった新浪剛史ローソン会長の話題も、各誌取り上げている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 制度改正後の年金

 今週の『週刊東洋経済』第1特集は、「得する年金」。
「いつから、いくらもらえるか?」を、基礎知識編、シミュレーション編、年金財政編の3部構成でわかりやすく解説する。
 今年から一部変更になる「年金制度4つのキーワード」、50歳で送られてくる「『ねんきん定期便』が届いたらどこをチェックするか」、「年金を早く受け取るには、遅く受け取るには」、「年金受取額をもっと増やしたいときは?」、「一目でわかるあなたの年金受取額」、「働きながら受け取る60歳以降の年金」、「来年から大きく変わる公務員の年金」などなど、ちょっと気になる年金まわりの情報あれこれが満載、といったところか。
 巻頭特集では、一世を風靡した任天堂の今を「任天堂 孤立する娯楽の王国」としてレポート。スマホに押され、かつての勢いもなく、次の一手も見えてこない任天堂の経営体制に焦点が当てられる。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  今年後半のマーケット予測

「いまマネーはどこに流れているのか?」
今週の『週刊エコノミスト』が「とことん分かるマーケット 2014年下期」と題してマネーの流れを分析する。「日本株編」「グローバルマネー編」「国際商品編」で18人の外部専門家執筆陣が「解」を求める。
 世界的に長期金利の低下傾向が続いている。同時に欧米と一部の新興国の株価は過去最高水準までじわりじわりと上昇し、その変動幅は小さい。ドイツDAX指数は過去最高水準で推移している。欧州債務危機の影響でユーロ圏から流出していたマネーが戻り、自国債や自国株式の購入に当てられているのだ。南欧では特にこれが顕著で、イタリア国債やスペイン国債の利回りも米国債と同水準まで低下した。また今年始めの米国の量的緩和縮小によりマネーが流出した新興国の一部にも資金が回帰している。
 欧米等に資金が戻っている中で、日本株だけ上昇が鈍いのはなぜなのか? 
『週刊エコノミスト』流の識者分析に興味のある方はどうぞ。


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