今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・病める製薬 王者タケダの暗雲

週刊ダイヤモンド ... 病める製薬 王者タケダの暗雲
週刊東洋経済 ...  海外投資家の正体
日経ビジネス ... 人事部こそリストラ
週刊エコノミスト ... 官製相場の賞味期限
 
 今週の経済誌は興味深いテーマがそろいました。それは日本という国や企業の在り方を考えさせられるテーマだったからです。その最たるものは『週刊ダイヤモンド』の特集「タケダ」でしょうか。ご存じの通り、タケダはグローバル化に対応するために社長をはじめ多くの外国人役員を登用してきました。それが問題だと同誌は指摘しているのですが、でもそれは単なるタケダの問題ではなくグローバル化に対応する日本企業の問題であることがみえてきます。なかなか考えさせられるテーマで、これが今週の第1位です。
 第2位に挙げるのは『週刊東洋経済』です。特集のテーマは外国人投資家。よくいわれることですが、彼らは60%もの日本株を所有し、キープレーヤーとして活躍しているが、そこでいろいろな問題が起こってきます。それを同誌が取りあげたというわけです。これも考えさせられる内容でした。
 そして『日経ビジネス』は日本企業の人事部の在り方をテーマに特集を組みました。人材不足があらゆる企業で叫ばれるなか、人事の在り方、人事部の在り方を問う声は多いようで、それを同誌が形にしました。これも日本企業の在り方を考えさせられるテーマでした。
 最後に『週刊エコノミスト』はアベノミクスによって作られた株価対策を特集に取りあげました。株価、為替、そして成長率の予測もついています。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 外国人をトップに据える企業の混乱

 国内製薬業界のトップ、武田薬品の雲行きが怪しくなっている。主要幹部が外国人で埋まり、新社長も外国人となりグローバル企業へと変貌を遂げたかに見えたが、その後業績は低迷、巨額買収の成果もみえず新薬もできない、という結果に陥っている。
 なぜこうなってしまったのだろうか。
 そもそも日本企業は多数の民族がひしめき合う諸外国の企業と構造が違う。外国の企業、とりわけ他民族国家の企業は積み木型で従業員の役割がブロック化されており、経営陣や上司が変わったところで全体は崩れにくい。しかし日本は違う。もちろんそれゆえの強みもあるが、経営陣等が変わるとバランスが崩れる恐れがあるというのが同誌の指摘だ。故に幹部に外国人を据える場合、まず日本に通じた外国人を置き、時間をかけて変えていくのがベターだと。
 が、長谷川閑史現社長はそのような定石を無視して有能と思われる外国人や外資系出身者をヘッドに据えた。結果として国内社員が環境の変化について行けず、「プロジェクト・サミット」という大規模な組織の再編を行い、それによりさらに一部の外国人幹部までもが離れて行ってしまうという悪循環に陥ってしまっていると同誌は報じている。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< アベノミクス相場第2弾が始まる

 日本の株式市場の売買シェアの6割強は海外の投資家達が占めている。しかし今年に入って、この投資家たちが日本市場から離れ鳴りを潜めている。その原因は何か。今週の『週刊東洋経済』が「海外投資家の正体」として、「アベノミクスの第2幕を仕掛けるやつら」を特集する。
 安倍首相率いる現日本政府は6割ものシェアを持つ外国人投資家を重要視して彼らに対して熱烈なアピールをし続けていた。動きの速いヘッジファンドがこれに食いつき、火付けの役目を果たした結果、昨年のアベノミクス相場があったと言ってもいいだろう。しかし現在は彼らの中で日本の成長戦略に対して懐疑的な意見が多く、移り気な投資家の興味はインド等の新興市場に向いていってしまっていた。
 しかし5月半ば頃から変化があった。直接の買い増しはまだ無いが日本市場に興味を示す海外投資家の動きが顕著になっている。
 そもそも海外投資家が離れていった原因としてあげられていたのは消費増税への警戒、日銀の追加緩和が無い、保守的な企業の業績予想といったもので、消費増税に関しては影響は残るものの脱デフレ傾向が鮮明になり、業績予想に関しては別段例年通りという認識が広がったのだと思われる。つまり日本市場の様子を伺っていた海外投資家が「良さそうだ」と顔を出し始めた。株式市場を動かす海外勢の動きを読む!


第3位
■日経ビジネス■ <<<  新しい人事部の姿

 人材不足があらゆる業界、企業で顕在化している。グローバル化への対応、多様化の促進と重要な課題の多くは"人"に関わるものばかり。それぞれの企業が持つ「人財」を最大限生かさなければ成長は無い。必然的に経営の根幹とも言える人事部の役割こそ再構築する必要がある。今週の『日経ビジネス』の主張はこうだ。特集では新しい人事セクションを模索する各社の事例を紹介する。
 たとえば銀行。既存の人事部の中で最も力を持っているのは銀行の人事部である。なぜなら銀行には明確な製品は無い。人が資産なのだ。よって必然的に人事部に権力が集まる。しかしそんな人事部が姿を消した銀行がある。りそなホールディングスだ。りそな銀行の人事部は2003年に人材サービス部へと姿を変えた。当初は元人事部の社員を各地域に配置し、より現場に近い人事運営を目指した。しかし優秀な社員の囲い込み等が起きてしまう等の弊害もあり2008年に再び本社に再集約した。「またもとに戻ってしまうのでは」等の懸念もあったが、「現場ファーストの意識をもち、本社に戻ってきた」(人材サービス部・直江部長)と経過は良好。現在は本社から全国の支店を回っている。
 他にもソニー銀行や積水化学工業等が人事部を撤廃、それに変わる新たな人事のあり方を実践している。各社の最新施策をチェックされたし。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  日本株の6割が外国人投資家という現実

 安倍政権は就任以来、株式市場を重視した政策を取っていた。それが近日なりふり構わない株価対策を取る様になってきている。年金基金の国内株比率を引き上げる事で株価上昇を目論むが、政府が関与する所謂「官製相場」にはあらゆる危うさが潜んでいる。
 まずあげられるのが持続性だ。いくら巨額な年金基金を動かしたとしてもいまや日本株式市場の6割強を占める外国人投資家は短期志向である。特にその大部分を占めるヘッジファンドは超短期志向だ。ヘッジファンド以外の中長期型の外国人投資家が日本株を買い続けない限り持続的な株価上昇は望めない。
 さらに世界情勢にも目を移したい。宗教対立によりイラク情勢が不安定な今原油価格の変動により世界経済に影響が出る可能性が非常に高い。現状は大きな波がないため変動率は緩やかだが、ひとたび大きな波が来た場合政府主導の官製相場が受ける影響は非常に大きい。同誌ではこうした分析と同時に、2014年度の株価と為替、そして成長率の今後を主要なエコノミストやストラテジストなどに予測させている。


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