今週の第1位は『日経ビジネス』・・・ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状

日経ビジネス ... ビットコイン 国家に突きつけた挑戦状
週刊ダイヤモンド ... ソニー消滅!! 尽き果てる"延命経営"
週刊東洋経済 ... 小売り激変 消費税8%でどうなる 
週刊エコノミスト ... 中国危機の正体を見た!

 ビットコイン(仮想通貨)=危なっかしい仕組み、と捉えている人が大多数かもしれません。何せ東京の渋谷にあるビットコイン最大の取引所であるマウントゴックスが破綻したからです。しかし、この仮想通貨には支持者が多いのも確かですし、ああした事件の後、さらに利用者が増えたという話もあります。いったいこの仮想通貨とは何なのか、これを正面から捉えて特集にしたのが『日経ビジネス』です。ご一読をお勧めします。これが今週の第1位です。
 第2位は苦悩するソニーを特集に取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。以前『日経ビジネス』で、奇跡の復活を遂げつつあるパナソニックの特集が組まれた時にその好対照として取りあげられたのがソニーでした。というわけで、同誌のタイトルは「ソニー消滅!!」ですから穏やかではありません。
 消費税増税から3週間あまりが経ち、そろそろかなと思っていたらやはり特集が組まれました。それが『週刊東洋経済』の小売業特集です。個人的にはセブン&アイホールディングスのオムニチャネル戦略には興味があったので、面白く読みました。
 第4位の『週刊エコノミスト』は中国特集です。1ヵ月前に組んだ中国特集の続編的位置づけでしょうか、危機の正体を分析しています。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  ビットコインへの可能性を解く

 国家権力の及ばない仮想通貨が現実の通貨に成り代わり世界に流通する。そんな未来が間近に迫っているかもしれない。
 先日東京・渋谷にオフィスを置く仮想通貨「ビットコイン」の最大の取引所の一つだったマウントゴックスが破綻した。しかしそれによってビットコインの名は日本にも知れ渡り、口座も国内外各国で増えたという。ビットコインを巡っては、懐疑派と推進派にくっきりと分かれる。『週刊ダイヤモンド』では、野口悠紀雄・早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問が、人気連載「『超』整理日記」で、このところずっとビットコインについての考察を書き続けている。肯定派の1人だ。
 さて、今週の『日経ビジネス』は「既存の金融制度に問題点がある以上、仮想通過の普及の流れは不可逆的だ」と言い切る。「ブロックチェーン」というビットコインの根幹をなすテクノロジーがキモなのだという。30〜31ページに図解が掲載されている。ビットコインが普及した近未来シミュレーションもある。そこには「国家」という枠組みの薄れた様子が書かれるが、にわかに肯定できない混乱がサラッと描かれている。
 しかし、最も読むべきは、特集の外に書かれた「時事深層」15ページか。ブロックチェーンをコイン以外の分野、たとえば株や債券の売買、投票権の管理などに応用しようとする「イーサリアム」というプロジェクトの話だ。今週の『日経ビジネス』は、世の中から置いていかれないためにも読んでおこうと思う。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  浮かばないソニー

『週刊東洋経済』が「ソニー シャープ パナソニック」と題して、経営不振に喘ぐ3社を特集したのは2012年5月の連休明けのことだった。3社ともに同時期に社長を交代させている。あれから2年。3社の命運は3様だ。
 パナソニックは、3月に『日経ビジネス』が「浮上!Panasonic」で取り上げた通り、社長交代1年目から本社機能を7000人体制から130人体制に変革、事業のB to Bシフトなどが奏功し、急速に浮上している。シャープは、一時は存亡の危機に立たされていたものの粛々と歩を進めている感じ。
 ではソニーは? 今週の『週刊ダイヤモンド』が「ソニー消滅!! 尽き果てる"延命経営"」と題して取り上げている。実は2月にも『週刊東洋経済』が巻頭のレポートで「ソニー非常事態」として「『資産売却』が本業? ソニー決算の異常事態」と報道。"延命経営"とは、資産売却などその場しのぎの数字のマジックで延命に奔走する経営陣の姿勢を表したものだ。出井氏、ストリンガー氏という2人の戦犯経営者は勇退し、ストリンガー氏の息がかかった経営陣はまだ多く居座っている。しかし、立て直しのために期待の幹部2人がソネットから本社経営中枢に入った。新たな平井体制は新戦略を推進できるのか。
 第2特集は「カジノ狂騒曲」。市場規模2兆円と期待される日本のカジノ市場。いち早く主導権を握ろうと企業や自治体が群がり始めている現況をレポートしている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  小売業界もオムニチャネル

 2014年4月の消費税引き上げによる反動減は、小売業では予想より比較的穏やかに推移しているようだ。だが、人口減や少子高齢化によって国内の市場は今後も縮小傾向である。さらに15年秋にはさらなる消費税引き上げも予定されている。反動減が終わり増税の影響が一巡したあと、トップに立つ小売りはどこか。いま業界各社はまさにスタードダッシュを決めようとしている。
 例えばセブン&アイホールディングスは今年の1月に、イオンは昨年の8月にM&Aを行なっている。注目すべきなのは同じ業態同士の統合だけではなく、異業種との融合を戦略として取り入れていることだろう。セブン&アイが代表的だがなぜ異業種をM&Aにより取り込んでいるか。それはセブン&アイが掲げる戦略、「オムニチャネル」による。オムニチャネルとは、有り体に言えばリアルとネットの融合である。傘下の多くの企業をネットワークで結び、ある傘下の商品を別の傘下の店舗で注文したり、ネット通販で頼んだ物を傘下の店舗で受け取ったりというものだ。まさに「いつでも、どこでも、誰でも、そして何でも」を実現しようとしているのだ。
 さらに本誌では「小売りの新戦略」と称してローソンほか多様な業態の戦略を解説している。ローソンは昨年10月「マチのほっとステーション」というキャッチコピーを「マチの健康ステーション」に変えたそうだ。顧客の深堀り戦略も激烈だ。
 さて、今週『週刊東洋経済』では、巻頭企画で16ページを割いてLINEを深堀している。準備していたものが先週の『週刊ダイヤモンド』で先を越されたのだろう。こちらはこちらで面白い内容になっている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  中国で急拡大するネット金融の危うさ

『週刊エコノミスト』は、3月初旬に「中国危機の真相」とのタイトルで中国経済の特集を組んだ。そして再び今週も「中国危機の正体を見た!」と掘り下げる。前回特集は理財商品とそれを扱うシャドーバンキング(影の銀行)の問題が記事の中心だった。今回は「影の銀行より恐ろしい中国危機の"核心"」としている。その間、日本でいえば信用金庫的な存在の地方銀行で取付け騒ぎが起きた。刻々と状況が変化している。
 変化しているものの一つに「中国で唯一自由な業界」といわれるIT業界での動きがある。急拡大するネット金融だ。「政府もおびえるITマネー」のページに詳しい。行天豊雄・国際通貨研究所理事長は、「鄧小平の政策、国家資本主義の発展モデルが限界に達した」わけで、習金平はなんとか安定的に軟着陸させなければならないが、「きわめて慎重だ。中国当局はかなり長期的な視点を持っている」との見解だ。
 第2特集は「激震NHK」。安倍政権への密着度が取り沙汰されているが、政府と公共放送の関係を日英仏独米5カ国で対比する。だがボリュームは4ページと少ない。


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