今週の第1位は『日経ビジネス』・・・東北モデル 被災地が生む革新

日経ビジネス ... 東北モデル 被災地が生む革新
週刊東洋経済 ... 工場異変 どうした日本の製造業
週刊ダイヤモンド ... 最上のエアライン 豪華客船&観光列車
週刊エコノミスト ... アメリカと日本株

 今週は火曜日が3月11日でした。東北大震災から丸3年が経ったこともあり、経済誌のなかで特集を組むところがあるかなと思っていましたが、そのなかで取りあげたのは『日経ビジネス』だけでした。正確に言うと特集以外では『週刊東洋経済』が福島の農家の現状をレポートした記事で取り上げ、『週刊エコノミスト』が「言言語語」の欄で取りあげています。私の見落としもあるかもしれませんが『週刊ダイヤモンド』はまったく取りあげていません。もちろんこれは、いい悪いを行っているのではなくテレビや新聞があれほど特集的な番組や記事を組んでいるのと対照的な問題意識だと感じたからです。
 だからというわけではありませんが『日経ビジネス』が取りあげた被災地が生み出している「革新的ビジネスの現状」の特集が読者としてはいちばんピンと来ました。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのはモノ作り日本の根幹である「工場の危機」を訴えた『週刊東洋経済』です。確かに三菱マテリアルの工場の爆発事故や、マルハニチロの子会社の農薬混入事件など、いろいろと問題が起こっているのは事実で、そこにフォーカスした必然性は感じられましたし、レポートもしっかりしていました。
 第3位は恒例のエアラインランキングを特集した『週刊ダイヤモンド』です。エアラインだけでなく、豪華客船と観光列車の情報も併せて掲載しています。そして第4位はアメリカの景気動向が、どう日本株に影響を与えるかという特集を組んだ『週刊エコノミスト』です。今年から金融緩和縮小を始めたアメリカですが景気回復がそのまま行くのか、どうかで日本の株式市場も影響を被るというお話です。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  震災地で奮闘するリーダーたち

 今週の『日経ビジネス』は経済誌で唯一、震災関連を第1特集に持ってきた。悲劇の後に芽生えたイノベーションに期待を込め「東北モデル 被災地が生む革新」とした。
 今の日本は、第1次産業の疲弊、少子高齢化、医療過疎、買い物難民などなど、多くの構造的な課題を抱えている。東北では、その課題が震災の勃発の時から一気に目の前に差し迫り(そんな生易しいものではなかったと思うが)、立ち向かわざるを得ない状況になった。山川編集長も「編集長の視点」で書いているが、「東北は震災によって、日本の中の『課題先進地域』になって」しまった。そして3年の歳月の中でそれを克服しようと奮闘するリーダーも生まれつつあり、そんなリーダーのうちの7人に焦点を当てて、彼らの取り組む事業について今号で紹介し、地方蘇生のヒントとして提示している。
 漁網作りを支えてきた「編み物」技術を生かしたニットブランド「気仙沼ニッティング」を真の地域ブランドに育てようとする若き女性経営者、限界集落の買い物難民を「自動販売機」でフォローするビジネスモデルを確立させつつある60代の社長、東北の意義ある起業を後押しするベンチャー支援事業、漁業の復興に港町の再興をかける遠洋漁業会社社長など、その小さな芽、力強い1歩が紹介されている。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 危ない「製造業日本の工場 」

 食品工場で日本人パート従業員が異物を混入する事件が起きた。化学メーカーではここ数年爆発事故が頻発している。工場の閉鎖・移転が相次ぎ、高卒正社員は消え、地方経済の地盤沈下は著しい。日本のものづくりの現場が危ない。『週刊東洋経済』はその岐路に立つ日本の製造業の現場を「工場異変」というタイトルで特集した。Part.1「工場の安全 工場で作るモノは安全か」では、「日本の工場から消えた高卒正社員」に人材育成力の低下を見て取れる。Part.2「工場の立地 工場は日本で成立するのか」では地方経済の地盤沈下とともに、世界の縫製工場となったバングラデシュの現状や、台湾系EMSの想像を超える規模なども伝えられる。
 もはや構造的に日本の製造業は成り立つのか? 不安と懸念が尽きないが、Part.3「工場の未来 それでも生き残る工場はどこだ」では、国内生産を深化・進化させようという取組みに希望を見出だすレポートを読むことができる。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  日本の空は変わってきた

 エアラインの特集は、『週刊東洋経済』が2013年5月に「沸騰!エアライン&ホテル」をやって以来、今週『週刊ダイヤモンド』が「最上のエアライン 豪華客船&観光列車」を第1特集に持ってきた。もちろん目玉は「航空会社ランキング」だが、今年は豪華客船と観光列車も組み込まれた。旅好きは春に旅行計画を立てるのか? いや、どうやら3月30日の羽田空港国際線拡充に合わせた特集タイミングのようだ。
 3月30日、羽田発着の国際線が欧州・東南アジアを中心に大幅に増える。主に昼間の便が増えるので、格段に利用しやすくなり、そのぶん価格やサービス面でも利用者は恩恵に預かれそうだ。そのあたりはプロローグの「変わる日本の空」に詳しい。さて、総合満足度第1位の航空会社はどこか? 1位ピーチ・アビエーション。なんと関西を拠点とする関東ではなじみの薄いLCCが第1位。価格・サービスなどカテゴリー別のランキングのほか、「ビジネスクラス格付け」「CA制服対決」などもある。Part3.は「乗る」を楽しみたい人のための「観光列車&豪華客船」情報。旅好きには楽しい特集ではなかろうか。
 第2特集は、1月に『日経ビジネス』が取り上げたイオンに見える負の側面をレポートしている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 日本経済の行方はアメリカ次第

 今年も日本経済の行方はアメリカ次第。今週の『週刊エコノミスト』はそうスパッと言い切る特集タイトルだ。「アメリカと日本株」という。とにかくパッとしない国内の株式市場だが、この命運を握るアメリカの株、経済、政治を分析する内容だ。
 まずヘッジファンドなど外国人投資家のアベノミクスに対する関心が薄れているとのことだ。そこに追い討ちをかけた安倍首相の靖国参拝。「もっと経済や市場の基盤が固まってからすればよかったのに、早すぎたと話す外国人投資家は多い」という(在米証券会社幹部)。大胆な規制緩和策がなかなか出てこないのも停滞の原因だという。
 過去1年間と5年間の対米国株感応度を計ったランキングが面白い。5年データで上位50社に入った銘柄のうち、1年データでも上位50社に入った銘柄はわずかに9銘柄。誤差もあるだろうが、市場環境の変化が大きいのでは?と思わせる。その他、「日本人が知らない米国の成長を支える50銘柄」など、10人の専門家の分析記事が並ぶ。


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