今週の第1位は『日経ビジネス』・・・昭和な会社が強い スマホ・パソコンを捨てる

日経ビジネス ... 昭和な会社が強い スマホ・パソコンを捨てる
週刊ダイヤモンド ... 消費増税でも売れる! お客をつかむ33の新法則
週刊東洋経済 ... 人口減少の真実
週刊エコノミスト ... 世界史に学ぶ経済

 面白い視点だな、と思ったのは「昭和な会社が強い」と特集タイトルを表紙に謳った『日経ビジネス』です。副題がまた効いていて、<スマホ・パソコンを捨てる>とあります。これは確かに一面の真理で、ITでかなりの業務が効率化されたのに、生産性は昭和と比べてそれほど上がっていない現実があるからです。そこで同誌はそんなアンチITの方針を貫く会社を集めてその強さの裏にあるものを探りました。別にIT廃止論を展開しているわけではなく、だからこそ新鮮に映ったわけです。これは目のつけどころがよかったですね。今週の第1位です。
 第2位は消費税増税を前に「お客をつかむ=売るための極意」を33の法則で展開する『週刊ダイヤモンド』です。面白かったのは地方消費の最大のボリューム層であるヤンキー世帯を大企業もメディアも無視してきた現実を明らかにしている点です。把握しようにも、分析する側にそんなヤンキーの人がいないので分からない、という理屈には思わずなるほどと思った次第です。結構面白かったですね。
 そして第3位はシリーズで高齢化社会を取りあげている『週刊東洋経済』です。先週の「70歳まで働く」という特集から、今週号は人口減少社会の本当の怖さにスポットを当てています。ソニーが危ないという冒頭のレポートも一読の価値ありです。
 第4位は経済は世界史に学ぼうと謳う『週刊エコノミスト』です。特に特集後半の「これが世界史を変えた」では「砂糖と紅茶」「気候変動」「麻薬」「ファッション」「オリンピック」などのキーワードが並び読み物としても面白く仕上がっています。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  昭和と平成ではほぼ生産性は一緒

 今週の『日経ビジネス』の特集は「昭和な会社が強い スマホ・パソコンを捨てる」。IT化、ネットワーク化、欧米流労務管理、組織のフラット化、科学的経営。これら平成流最新経営法の負の側面に切り込む特集だ。アナログな「昭和な」手法をあえて取り入れ成功している「昭和な会社」がたくさん紹介されるとともに、先週の特集「働き方革命 『超時間労働』が日本を救う」特集と同様、さらなる"働き方革命"の提唱とも言えるレポートとなった。
 私用でスマホを使わない社員には月5000円を支給する、機械部品メーカーの岩田製作所。朝9半まではPCの電源を入れない電機メーカーのキャノン電子。CCメールは許されないソフトウエア開発・販売のドリーム・アーツなどなど、これらの企業は、あえてアナログの手法を選択して経営効率を上げている。メーカー営業部や販売といった部署での例が多いが、どこも業績は上がっている。
 なぜ彼らは禁止や制限をしたのか? その理由は、彼らには弊害の方が大きかったからだ。社員同士や顧客に対するリアルでの対話が少なくなり、対話もメールといった楽な手段に流れた。これは、顧客の要望や情報共有が少なくなりメーカー営業部にとっては致命的。また、メール作成の時間コストや私用による活用といった新たなロスも生まれたというのだ。
 決して「IT化が間違っている」という話ではない。しかし、盲目的にIT化や最新経営手法を信用することは、間違いである。原点回帰も立派な"働き方革命"だ。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 地方消費の最大層は分析不可能な「ヤンキー世帯」

 今週の『週刊ダイヤモンド』は、「今どきの消費者像」を掘り下げるマーケティング特集、「消費増税でも売れる! お客をつかむ33の新法則」だ。「間違いだらけの消費者像」「見えない消費者を捕まえろ」の2部構成でマーケティングの新法則を伝える。中身はこうだ。
 従来のマーケティングは通用しなくなっている。「両親と子ども」が揃った"標準世帯"は1980年代に43.1%あったが、今や23.3%に。そして、地方消費の最大層となっている"ヤンキー世帯"。「彼らには自らを語るすべがない(斎藤環・筑波大学教授)」から、これまでマーケティングの分析ターゲットとして注目されてはこなかった。分析する側に同じような境遇の者がいないのも仇となった。さらに消費者を正確に捉えること自体も依然、一筋縄にはいかない。人口統計的区分は役に立たないし、インタビューで深層心理まで知ることは難しい。そこで、「視線」や「データ追跡」といった新たな手法を有効に活用することが必要とされているのだ。鋭い市場分析に定評ある三浦展カルチャースタディーズ研究所代表のインタビューに現状がよくまとまっている。長くマーケティング畑にいる人ほど読むべき特集となった。
 第2特集は「信用金庫の光と影」。規制と地方衰退の狭間に揺れる信用金庫を伝えた。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  東京では介護が不足し、東京周辺では医療が不足

 連続特集「高齢ニッポンを考える」第二弾。『週刊東洋経済』の特集は「人口減少の真実」。先週は「高齢化社会のなかで70歳まで働く」方法を考えたが、今週は「人口減少の影響」によって起きうる問題について考える。
 代表的な人口推計が2つある。1つは2100年に4959万人、もう1つは同年8447万人というものだ。ダブルスコアに近い差だ。前者は、"明治回帰説"と呼ばれ今まで頻繁に使われてきた国立社会保障・人口問題研究所の数値。しかし、こちらは最近の出生率上昇傾向を反映していないとの声が出ている。そして、そこを加味していると思われる値が国際連合による後者の予測値になる。
 これらの前提を踏まえたうえで問題に取り掛かる。東京23区に横浜地域を含めた「東京」、その他を「東京周辺」と規定するとそれぞれに深刻な問題がある。「東京」は介護、「東京周辺」は医療が不足している。地方は人材流出による過疎化の影響がさらに大きく出てくる。特に20〜39歳女性の減りが大きくなる。「就職の際に適した職場が少ない」からだ。人口の再生産能力がある女性人口の減少は各自治体にとって脅威だ。
 特集では、人口減少の解として移民政策を検証する。移民後進国とも呼べる日本ではあるが。この章には谷垣法務大臣も登場する。
 さて、今週末、22日にソニーから2つの商品が発売される。1つは次世代ゲーム機のPS4。先行して発売された欧米では好調な売上げを記録しており、日本でも売上げが期待される。対して、もう1つはVAIO。先日、事業売却が発表され、ソニー製VAIOとしては最後となる商品だ。ソニーはどうなるのか。本誌巻頭「核心リポート」で「ソニー非常事態」として語られる。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  米国に振り回される金融の歴史

「米国の金融政策はなぜ市場を乱す?」―― 金融緩和縮小により、新興国をはじめ多くの市場が混乱した。再浮上した新興国不安が、国際的な資本の米国回帰を強めたためだ。しかし、本当に問題はそこにあるのだろうか。なぜ、米国にこれほどまでに左右されるのか。それを読み解くには、歴史を振り返ると分かることがある。今週の『週刊エコノミスト』の特集は「世界史に学ぶ経済」。
 冒頭の質問に戻ると、特集では世界的なドル体制に混乱の一端を見るべきだとする。ドル体制の始まりは、1944年の国際会議。第二次世界大戦後の通貨体制について検討され、米国が基軸通貨として「金・ドル本位制」を勝ち取った。いわゆるブレトンウッズ体制である。英ポンドからドルへの移行が徐々に行なわれ、73年には変動相場制に移行。それでも地位は揺るがず、世界各国に根付いた。しかしこれは、新興国や途上国など脆弱性のある国の経済は、米国の金融政策に大きく影響を受けることをも意味している。現に、ことあるごとに影響を受けてきた。81〜83年の累積債務問題や97年のアジア通貨危機、渦中にあるアルゼンチンは2001年にもアルゼンチン・デフォルトを起こした。この事実を踏まえれば、金融緩和縮小にばかり言及することは、全体を見失っていると言える。ドル体制が続く限り、今後も新興国は米国に振り回されるというわけだ。
 特集では他にも、「歴史で今を読み解く」「これが世界史を変えた」の2パートに分けて、経済に関する世界史を伝える。


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