今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・楽天 ネット通販王国の異変

週刊東洋経済 ... 楽天 ネット通販王国の異変
週刊ダイヤモンド ... 東京電力 救済で笑うのは誰か
日経ビジネス ... 禅と経営
週刊エコノミスト ... マーケット総予測2014

 年末が本当に近づいてきました。今週と来週で今年の経済誌も終わりとなります(まぁ、そうは言っても来年も続いて出るのですけれど)。そろそろ、この時期になると「総予測」ものが特集のタイトルに出てきます。今週は『週刊エコノミスト』がいち早くそう予測ものの特集を組みましたが、他はいたって普通の特集でした。
 そのなかで目についたのが、『週刊東洋経済』です。野球が日本一になったのはよかったが、日本一セールでミソをつけた楽天の特集です。ネット通販の世界では一強として君臨してきた同社のほころび、財界人としての三木谷浩史氏の先行きなど、歪みと考えられる点を洗い出して分析しました。これが今週の第1位。
 第2位は、東京電力の救済問題を扱った『週刊ダイヤモンド』です。自分の町へ帰れなくなった人たちをヨソに事故を起こした側の東京電力は救済されようとしているばかりか「復活」まで画策されているという。どろどろとしたお話です。
 第3位は「禅と経営」の関係を特集した『日経ビジネス』です。故スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたのは有名な話ですが、日本航空を再生させた稲盛和夫もその一人。禅に仕事の法則を見つけます。
 最後は冒頭に紹介した『週刊エコノミスト』のマーケット総予測。4月の消費税増税など難関もある来年の経済について、分析・予測していきます。

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  急成長企業のほころび

 今年の楽天は目立っていた。東証一部変更や球団日本一と、年末にかけて話題にのぼることが多かったからかもしれない。しかし、16年で時価総額2兆円企業を、9年で日本一の球団を作ったと考えれば、特別な年であることは間違いない。そこで『週刊東洋経済』の今週の特集は「楽天 ネット通販王国の異変」。
 確かに業績は絶好調である。しかし、異変が起きていると特集は指摘する。その一例が、二重価格問題だ。77%引きをうたった球団優勝記念セールで、一部の商品の通常価格を高額に設定し、そこから割引をしていたことが明るみに出た事件。ただし、同誌が問題とするのはこの二重価格問題ではない。取沙汰されてはいないが、こういった問題はスーパーセール時だけでなく、しばしば起きていた。そして、その都度、出店者やユーザーもリスクを被ってきていた。今後も大手の出店者を取り入れ、さらなる利益を生み続けるだろうが、この「胴元」のセール志向はちと強すぎる気もする。
 財界でも波紋を呼んでいる。三木谷浩史・新経済連盟代表理事は次なるリーダーの呼び声も高かったが、しかし、その自社利益第一の姿勢が強すぎるあまり、冷めた評価も出始めてきたのだ。現代の「楽市楽座」を目指し生まれた楽天。そして、自由経済を理想とする三木谷浩史にとっては、何の曇りのない利益追求姿勢なのだろう。これからも、話題に事欠かない存在であることは間違いない。
 今週は他にも、第2特集「改革か死か 習近平の賭け」。第3特集「今が買い! 銘柄ランキング」と続く。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  東電救済、最後に笑うのは誰か?

 2011年12月16日に野田政権下で出された事故収束宣言。あれから2年経ったが、どれほどのことが収束したと言えるだろうか。除染・賠償・廃炉どれをとっても、未だ道半ば。というより、まるで先が見えていない。そして、今後の原発との付き合い方も日々、揺らいでいる。7月13日号の第2特集以来となるが、今週の『週刊ダイヤモンド』は東電を第1特集にもってきた。タイトルは「東京電力 救済で笑うのは誰か」。
 "笑うのは誰か"とは挑発的なタイトルだが、東電に政府、地方自治体、金融機関に電力業界と、くんずほぐれつの駆け引きが水面下で激しさを増しているようだ。また、一括りに東電や政府と言っても、大きく2つの派閥がある。1つは、柏崎刈羽原発をはじめとする原発再稼働を目指す守旧派。もう1つは、分社化や外部提携と自前主義を撤廃する改革派。この2つの派閥のどちらが電力・原発の日本の今後の方針となるのか。「東電が長年かけて構築してきた、必ず儲かる"モンスターシステム"を再稼働させて息を吹き返せば彼らの勝ち」(『原発ホワイトアウト』著の現役キャリア官僚)との流れで、負担をすべて国民にツケ回して、東電は復活するのだろうか。電力を巡る現況が見える特集だ。
 第2特集は白斑問題について語る「花王・カネボウ化粧品統合への隘路」。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  スティーブ・ジョブズと稲盛和夫の共通点

 今週の『日経ビジネス』は表紙買いしたい1冊。スティーブ・ジョブズ、稲盛和夫、安倍晋三の顔が横に並び、上にはタイトル「禅と経営 一流が実践する仕事の法則」の文字。全体的に和をモチーフにした表紙である。
 和食が世界遺産になり世界への日本文化の発信が注目されるが、もうすでに世界の著名政財界人に支持される文化のひとつが、禅。日本ではジョブズからの逆輸入で注目した若い世代も多い。しかし、それは単なる偶然ではないと特集は解説する。なぜなら、禅と経営は親和性の高いものであり、生かせることが多いからだという。
 その代表的人物が、稲盛和夫氏だ。西郷隆盛が好んで使った「敬天愛人」や生長の家創設者・谷口雅春の『生命の實相』など稲盛哲学を作った数々の思想がある。そしてその中に、禅があるのだ。例えば、アメーバ経営。花園大学学長・細川景一師は「随処に主となれば、立つ処皆真なり」に通じると説く。どのようなに状態においても主体的に考えれば、そこには真実がある、といった意味の言葉。確かに、アメーバ経営に通じている。
 誌面では、稲盛和夫の考えに加えジョブズの生涯を振り返る。経営者から社員まで、ビジネスで幅広く活用できる禅を説いた今回の特集。この年末年始に深めてみてはいかがだろうか。
 第2特集は「ケリングの研究」。日本人には馴染みが薄い社名だがグッチやサンローランなど22ものブランドを傘下に収めるのがケリング。効率と非効率を使い分ける経営戦略を読み解いた。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  短期で見れば「買い」

 『週刊エコノミスト』が一足早く、来年度予測を持ってきた。今週の特集は「マーケット総予測2014」。昨年も同様の特集を組んでいた。当時の総予測のテーマは、円安と株高の動きと海外リスク。1万円台回復の瀬戸際で出された記事だと思うと、感慨深い。
 それから1年。今年のテーマは短期楽観、長期悲観。5月に一度落ち込んだりもしたが、引き続き上がり続ける円と株。しかしそれは、これまでの同誌が伝えてきた、実態の伴っていない相場であることを忘れてはいけない。潜在成長率は低下し、少子高齢化や先送りにする財政事情を加味すると、長期的見通しは立っているとは言えない。
 だが、短期的な見方では話は別で、来年も続くと考える。円安と株高、低金利という絶好の相場環境は、これからも投資を活性化し、強気相場は続く。日本株を持たざるリスクという表現も飛び出すほどで、消費増税前の3月までに株価1万6000円〜1万8000円という声も出ている。この状況を鑑みれば、短期とは分かっていてもこの狂想曲に乗らざるをえないのだ。(そんな訳で、今週の表紙にはレコードが描かれたのだろう。The doors の『STRANGE DAYS』とは、なかなかしぶい選曲だ。)
 短期楽観については米国から新興国までの予測が、また第2部では株、為替、金利、商品の各分野での予測がされている。


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