今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・激烈!流通最終決戦

週刊ダイヤモンド ... 激烈!流通最終決戦
週刊東洋経済 ... 浮かぶゼネコン 沈むゼネコン
日経ビジネス ... 東電解体
週刊エコノミスト ... 緩和相場の毒

 経済に動きがでてきたゆえなのでしょうか。今週の経済誌には業界をえぐるような特集が多く、それなりに問題点を引っ張りだしていて面白く読みました。そのなかで、いちばんビビッドだったのは『週刊ダイヤモンド』でした。いまリアルとネットの間で客の奪い合いを繰り広げている小売業の現場を取材した特集を組んでいます。いま身近な小売の現場でどんなことが起きているかを知るには格好の特集です。これが今週の第1位。
 次に面白かったのは、ゼネコンを正面から取りあげた『週刊東洋経済』です。オリンピックが始動し始め、国土強靭化、復興、リニアと活況を呈してきた建設業界ですが、そう喜んでばかりも居られず,至る所で問題が噴出しているようです。特に人不足は大きく、その辺りの問題すべてひっくるめてバブルに沸く業界の現状をレポートしています。
 第3位は東電問題を取りあげた『日経ビジネス』です。小泉元首相の原発即ゼロ発言で揺れる自民党ですが、実際の問題点はどこにあるかをレポートしています。そして第4位は『週刊エコノミスト』で、金融緩和の負の部分に絞ってレポートしています。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< ネットの圧力に耐えられるかリアル店舗

 量販店がショールーミングされていると噂される通りの結果が発表された。ヤマダ電機が42億円の赤字を発表したのである。一部上場後初。量販店で下見をしてネットで注文するという流れに打ち勝てなかったのが大きい。従来の成功モデルは簡単に崩壊する一つの例であり、ネット通販の力を示す結果となった。この流れは家電だけではなく、流通全体にも起きている。
 今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「激烈!流通最終決戦」。総合小売りにコンビニエンスストア、ネット通販とどこをとっても盤石な企業はない。生き残りをかけた試みをピックアップした。
 アパレルでのネット革命としてスマートフォンアプリ「WEAR」を取りあげた。「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが10月末にリリースしたもの。店舗にある商品のバーコードから情報を読み取り、コーディネートやネットで買うことができる。喫緊の課題でもあるオムニチャネル(ネットと現実を横断した販売戦略)として注目されている。商業施設各社の反発など、まだ波には乗れていないが1つの試みだ。
 特集では、「ヤフーショッピング」の賃料とロイヤリティの無料化、セブン&アイのPBなどその他の試みが記される。なぜどこもかしこも動いているのか? その答えは鈴木敏文・セブン&アイ・ホールディングス会長のインタビューにあった。「肝心なのは過去の成功体験を捨てて、どれだけ挑戦できるか」と述べ、サイクルの速さとそこに対応する大切さを語った。この業界において、決戦は日々行なわれているのだ。
 第2特集は「もう黙っていられない!地域住民の異議申し立て」。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  市場の拡大が急過ぎて追いつけないゼネコン

 今週の『週刊東洋経済』の特集は「浮かぶゼネコン 沈むゼネコン」。五輪にリニアとバブル到来とも言わんばかりの賑わいを見せるゼネコン。五輪特集の1つとして取りあげられる場合が多かったが、単体の特集としては初。今年では『週刊ダイヤモンド』2月9日号「公共工事バブルで踊るゼネコン」以来というご無沙汰ぶりだ。
 良い話としては、公共民間合わせた需要の拡大で受注件数、単価ともに上がっている。しかし、悪い話もある。その拡大が急激すぎて追いつけていないことだ。特に、人員不足が大きなボトルネックとなっており、一朝一夕ではどうにもならない。これが「浮かぶゼネコン 沈むゼネコン」の所以。
 また、需要拡大によりデベロッパーにも深刻な影響を与えている。ゼネコンの案件には、公共工事(土木)と民間工事(建築)の2つがある。土木は比較的採算性が高く、今春の労働単価の引き上げでさらなる収支改善に向かっている。しかし、問題は建築だ。もともと内装工事などに手間のかかるマンション。そこに資材高による建築費高騰と作業員不足の労務費アップが加わり、粗利率はほとんど5%以下。本社経費を考えると赤字も出てくる。こういった状況がデベロッパー、さらには販売価格上昇で買い手にも関わってきている。特集では「地方ゼネコンの実態」や「全国未上場ゼネコン経営健全度ランキング」なども扱う。
 第2特集は「生き残りを懸ける卸売市場」。伝統か、遺物か。イチバの生き残りを伝えた。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  どうすればいい? 東電

 11月12日の日本記者クラブで、小泉元首相が「原発即ゼロ」にすべしとの考えを明確に示したことで、自民党は揺れている。一度はなんとなく収まっていた原発問題が、再び遡上に乗ってきた。
 今週の『日経ビジネス』の特集は「東電解体」。福島第1原発の処理を核として、東京電力をどのようにしていくのかは喫緊の課題である。現在、社内分社や分割売却などの案が出ており、東電が発表予定の総合特別事業計画には社内分社が盛り込まれそうだ。しかし、本特集ではそれでは不十分だと唱える。なぜなら、社内分社が国民のための仕組みではないからだ。
 現在の案の場合、廃炉事業は分社の1つという位置づけになる。これでは、今までと根本では変わらない。そして、賠償や除染費用は事業利益から捻出する。過去の業績から見ても現状の利益で補えるはずもなく、大幅な値上げか国費をつぎ込むことになる。これでは国民の負担は増すばかり。そこで、法的整理という方法を提示する。今までも幾度となく浮上した案ではあるが、大きく3つの理由で取り下げられてきた。1、社債の償還が優先され費用が払えない。2、電力の安定供給が難しい。3、社内のモラールが下がり事業の担い手がいなくなる。
 誌面では、3つの理由に対して真っ向から考えをぶつける。償還の相対的優先、海外の電力会社M&A事情、作業員の身分保障などを例に出して。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  金融緩和がもたらす毒
20131202_週刊エコノミスト
緩和相場の毒

 ここのところ、日米の株価が良好だ。9月に開催された連邦公開市場委員会の前、株価は下がっていた。しかし、量的緩和の縮小は発表されず株価は復調、そして上昇へと向かった。この流れどう読むべきか? 今週の『週刊エコノミスト』は、「緩和相場の毒」という切り口で読み解く。
 金融緩和の目的は、投資を含めた市場の活性化である。それを考えれば非常に効果が出ているというのが現在の状況である。いずれは行なわれるだろう金融緩和縮小までの猶予がさらに伸びたわけだから、当然と言えば当然。しかし、これは健全な姿なのだろうか? 世界的投資家のカール・アイリーンは特集のなかでこう説明する。
「多くの企業の業績は幻影といえる。好経営や好景気に支えられているのではなく低金利に支えられているからだ」
 この発言の後、米国株は一時沈んだのだからあながち嘘とは言えないか?
 このように専門家のなかには実績以上の株価という見方は強く、そしてマネーゲームのタネにされてしまう。金融緩和の功罪ともとれる現象である。そしてこの先には、債券などの安全資産の利回りの低下、さらに将来的な利上げによる価格下落リスク。そしてハイイードル債に向かう動き。これが低金利の成れの果てだと、同誌は語っている。緩和相場の薬も、使い過ぎれば毒となる。言い得て妙な話だ。
 第2特集は「著作権延長は日本の衰退招く」。TPPにより、著作権が死後50年から70年になる!?日本経済から文化まで、延長が与える影響を論じる


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