今週の第1位は『日経ビジネス』・・・世界のトップ大学

日経ビジネス ... 世界のトップ大学
週刊ダイヤモンド ... 日本国債のタブー
週刊エコノミスト ... 宗教と経済2013
週刊東洋経済 ... おもてなしで稼ぐ

 今週の『日経ビジネス』の特集は日本の大学の世界での位置づけの問題を取りあげました。つい最近も発表されましたが、日本のトップである東京大学でさえ、世界では32位で、200位以内に入っているのはごく僅かという現状から、日本の大学のあり方を検証するといった企画でした。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは「国債」を取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。暴落の危機などと取りあげられるのはよくある話ですが、それを「なぜ暴落しないのか」という観点で、その仕組みや背景を丁寧に解説しています。これが第2位。
 そして第3位は『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは「宗教」について。ビジネスがグローバル化するに連れて日本企業も無関係で入られなくなってきているこの問題を正面から取り上げました。第4位『週刊東洋経済』の特集も面白かったのですが、ちょっとインパクトにかける気がしました。そのテーマとは「おもてなし」です。外国人観光客を呼び込むために、現在、旅館やホテル。観光施設などでどんな取組みがなされているかを細かな取材でレポートしています。惜しむらくはもうちょっと盛り上がっているところで組んでほしかったですね。

nekkei_2013.10.16.jpgdia_2013.10.16.jpgeco_2013.10.16.jpgtoyo_2013.10.16+.jpg


第1位
■日経ビジネス■ <<<  日本のトップ大学は世界32位

 日本でナンバーワンの最高学府と言えば東京大学。しかし、世界大学ランキング(クアクアレリ・シモンズ調査)で見ると(日本の大学ではトップだが)32位(別のランキングでは23位)だ。一昨年が25位、昨年が30位に位置している。ここ数年はアジア圏でも他国の進出が著しく香港大学(24位)、シンガポール国立大学(26位)とアジア圏でもトップであり続けられなくなっている。
 果たしてこれで日本の大学はよいのか? 大丈夫なのか? 今週の『日経ビジネス』は「世界のトップ大学」サブタイトルに< 「東大」は生き残れるのか>と冠している。
 特集は東京大学の濱田純一総長のインタビューから始まる。「今の東大は、学生の潜在力を十分に引き出せていない」―― 危機感のある言葉で語られるのは、東大を含めた日本の大学の実状だ。日本語の壁、学期制度と問題点が語られる。そして、これらは多様性の阻害にも繋がっている。
 では、どのようにすればよいのか?
 記事「目指せ、世界基準」では日本の有名大学の取り組みが取り上げられる一方、経営者の視点として岩瀬大輔・ライフネット生命保険社長COOからの提言も述べられる。
 しかし、制度面だけで片付けられれば話はもっと速いはずだ。社会的な風潮にも問題がある。同誌のアンケート調査では、社会人の4割が「勉強しなかった」と回答するデータが挙げられている。もちろん各大学も改革に取り組んでいるのだが、海外の名門大学に入学した大学生の声は厳しい。
「日本の大学では今以上の英語レベルの授業は受けられない」、「就活を優先するのは理解に苦しみます」など痛いところをついてくる。日本教育の停滞は、確実に学生流失を進めている。また特集では、無料ネット講義配信「MOOC」を取り上げ、マイケル・サンデル教授が直々にその可能性について語る。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  国債の仕組みが破綻する時

 常に暴落がうわさされるが、事は起きずに済んでいる日本国債。しかし、そこで安心してはならない。そこには、知られざる大きなからくりが存在するからだ。今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「日本国債のタブー」。国債を丁寧に解説しながら、国債のタブーにメスを入れる。
 なぜ、国債は大暴落しないのか。特集では大きく2つを挙げる。1つ目は、談合体質である。財務省、日本銀行、メガバンクが蜜月関係を続けているからだ。国債市場のヒエラルキーでは、財務省がトップ、メガバンクが続き、生保・ゆうちょ・年金、地銀、信金、証券会社という順になる。そのため、国債が行き渡る順番、量が違い「市場」とは名ばかりの談合体制となっているのだ。これは、買い入れ時にも同じように作用する。
 2つ目は、入札至上主義。もし、完全な市場にすれば短期的には不安定だが、長期的には安定する。しかし、安定消化を最優先としたがために、入札の失敗が許されざるものになった。それは、入札さえ行なわれれば流通市場で暴落しても構わないと言わんばかり。こういったムラ社会の掟が日本の国債市場には存在するのだ。
 そんな掟が、暴落を招きかねないことは重々分かるが、他にも水面下にリスクは存在する。貯蓄率はマイナスに、経常収支は赤字に、海外保有比率は拡大と、金利安定の条件を揺るがすものばかりだ。掟の是正が先か、国債の崩壊が先か。状況は瀬戸際まできている。
 第2特集は「オリンピック便乗交通」。インフラ大改革の可能性を探る。


第3位
■週刊エコノミスト■ <<<  ビジネスと宗教の関連性

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「宗教と経済2013」だ。
 ビジネス社会がグローバル化していく中で、好むと好まざるとに関わらず日本企業は、日本とは違う文化に触れていく。そのなかで違和感を持ち、対応が難しい最たるものが宗教だろう。日本では宗教的知識を要さずともできてしまうことが、グローバル社会ではできない。一歩対応を間違えば大変な事態を巻き起こすことさえある。
 冒頭では「近代資本主義のあり方と日本経済への示唆」と題して、橋爪大三郎(社会学者)、大澤真幸(社会学者)、保坂俊司(比較宗教学者)の3氏が語る。資本主義とはどういった変遷を辿ってきたのか、経済と幸福とは、などのテーマが論じられ、独自の発展をとげた例としてイスラム・中国のシステムを挙げている。そして、日本の経済へと話は続く。
 日本の経済システムを支えてきたものとして政治や法律も挙げられるが、それ以上に大きいのが教育の役割。しかし明治から100年経った今、その教育が機能不全を起こしていると保坂氏は見る。そして、それは宗教性がおろそかになったからだとも。
 特集はその後、さまざまなテーマに言及する。「米国人の宗教観」、「イスラム金融」、「ユダヤ教」などなど。こういったテーマが経済誌で語られることそのものが、ビジネスがグローバル化した証左だろう。
 経済に宗教を持ち込むことを毛嫌いする人は多いし、「ビジネスライク」を求める声もある。しかし、「ビジネスライク」の国たちはしっかりと宗教という土台の下に成り立っている。


第4位
■週刊東洋経済■ <<< お・も・て・な・し、ブーム?

 今週の『週刊東洋経済』はインバウンド(訪日旅行)の大特集。題して「『おもてなし』で稼ぐ」。国別の入国者数ランキングというのがあるが、日本は増えてきたとはいうものの、現在33位。ちなみに観光大国1位フランスは8000万人超、2位米国、3位中国で、国家戦略的にインバウンドに力を入れている韓国は、大健闘の23位だ。
 さて、日本も2003年から政府が「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を繰り広げ、今年、目標の入国者1000万人が見えてきた。2020年東京オリンピックの開催決定もあり、インバウンドの拡大が期待される。そこでどうやってこの成長市場インバウンドを取り込んで儲けるか。日本の「おもてなし」である。
 特集では、現在外国人客に支持されているあらゆるフェーズの宿泊施設やサービス、地域を取り上げ、「おもてなし」成功の秘訣をレポートする。詳しくは本誌ご一読を。日本人が知らない日本があって、結構おもしろい。
 また、インバウンドに成功しつつある長野や、外国人富裕層を狙う京都、ムスリムフレンドリーな空港を標榜する関西国際空港など、各地の戦略も紹介されている。
 第2特集は「鉄道がおかしい」。こちらも読み応えがある。相次ぐJR北海道のトラブル、都市圏で増加する運行遅延。安全で正確なものの代表格だった日本の鉄道に何が起きているのか。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『日経ビジネス』・・・世界のトップ大学