今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・物流最終戦争

週刊東洋経済 ... 物流最終戦争
日経ビジネス ... イスラム・パワー
週刊ダイヤモンド ... 離婚・再婚の損得
週刊エコノミスト ... 円安再来の日/日本産ウイスキー

 最近物流が話題です。ネット文化が進み、日常の消費行動のなかでもネットが主要な位置を占めるようになってきたからで、となると、問題はネットで買ったものが「いつ着くか」。物流が注目される所以です。この春には大きな事件があった。それまでアマゾンと組んでいた佐川急便が契約を切り、代わってヤマト運輸が契約を結んだ。こうした最近の物流の最前線の動きを特集で取り上げたのが『週刊東洋経済』です。先週号では『日経ビジネス』が特集していましたが、こちらのほうが、充実していたかな? ということで、今週の第1位です。
 第2位はちょっと変わった特集を組んだ『日経ビジネス』です。テーマは「イスラム」。全世界で16億人超の人口を有する一大パワーの分析です。海外に強い同誌らしく、取材も豊富です。
 先週第1位だった『週刊ダイヤモンド』の今週の特集は離婚と再婚です。何せ日本の離婚率は36%といいます。つまり3人に1人が該当するわけで、これは新たなマーケットを開発したかな? などと思わせる企画です。でも売れるのかな? 
『週刊エコノミスト』は第1特集が円安ですが、それよりも巻末の日本産ウイスキーの特集の方が面白かったのでそれについて書いてみました。


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第1位
■週刊東洋経済■ <<<  ネット社会で最重要課題は物流

 ここのところ物流がテーマになることが多い。先週の『日経ビジネス』第2特集が「物流大激変」。ヤマト運輸とアマゾンを中心に、物流を取り巻く企業の思惑が取りあげられた。今週は、『週刊東洋経済』が「物流最終戦争」と題して第1特集に持ってきた。多少、重複する内容もあるが、こちらの方が丁寧に組み立てられている感はある。
 うごめく物流を知るうえでのキーポイントは3つ。「アマゾン震源の大革命」、「ネット通販の配達戦争」、「世界を巻き込む新潮流」。1つ目の「アマゾン震源の大革命」は、アマゾンと組んだヤマト運輸とそのアマゾンと決別し、中小企業向けのB to B案件に先祖返りした佐川急便の戦略について。2つ目の「ネット通販の配達戦争」は、ネット通販の物流拠点について。アマゾンは勿論のこと、拠点を作り昨年から物流展開を始めた楽天の攻防が中心となって描かれる。
 3つ目の「世界を巻き込む新潮流」は、外資が参入してくるなか、日本の物流業界がどのような変革をしていかなければならないかを実例と共に紹介。海外物流企業に勝てる確率は、楽観的なものではないが、その上で、勝つ方法を探っている。
 第2特集は「激変!コーヒー市場」。利益率から「ドル箱」商材と呼ばれるコーヒー。コンビニにファストフード、飲料メーカーから商社までごった返し、こちらでも戦争が起きていた。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 世界の25%のパワー

 今週の『日経ビジネス』の特集タイトルは「イスラム・パワー 16億人の知られざる『世界』」。時期もテーマも他誌と一線を画す『日経ビジネス』得意の新鮮味のある特集だ。
 最近、渋谷や銀座、秋葉原でもマレーシアやインドネシアなど東南アジアイスラム圏からの観光客に遭遇する頻度が増している。それもそのはず。1990年には10億人だったイスラム教信者人口は、2010年に16億人に達した。世界人口の約23%を占め、今後も右肩上がりの伸びが予測され、2030年には21億人に増加する見通しだ。TV番組でもムスリムが安心して口にできる認証「ハラール」が紹介され、日本に観光に訪れたムスリム一家の同行取材なども放映されている。この成長するイスラム市場、消費地としても生産拠点としても絶対に無視できない。
 本誌ではイスラム圏の今を紹介し、西のゲートウェイ「トルコ」と東のゲートウェイ「マレーシア」の戦略をレポートする。文化的商習慣的に大きく違う「食」と「金融」を参入障壁ととらえず、商機として生かしていく事例も紹介される。大正製薬は「ハラールマーク」を印字した「リポビタン」を売る。東京海上ホールディングスは「タカフル」と呼ばれるイスラム式の保険を売る。医療品や化粧品など、非食品市場も巨大だ。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  人口の30%が読む特集?

 子供の進学問題も扱えば、医療や老後、株にネット、ありとあらゆるテーマに「経済」という切り口で切り込む経済誌だが、今週の『週刊ダイヤモンド』は「離婚・再婚の損得」がテーマだ。ショルダーには「夫婦で読む! 離婚の現実、失敗しない再婚」とある。データでは、結婚しているカップルの3組に1組が離婚するそうだ。離婚も生活上の基礎知識として「読んどいて!」というテーマになったということだ。
 Part1.「離婚の現実と相場」には、慰謝料データも養育費シミュレーションも弁護士の選び方もいろいろ満載。Part2.で再婚を扱ってるのが「イイネ!」。なぜなら、Part1.を読んでいると、なんだか話題にへこんでしまうんですよね。「次こそ失敗しない再婚」とか、形容詞に「余計なお世話」感が漂うが、再婚時に押さえるべき10のポイントなどかなり現実的な話題でいっぱいだ。
 面白いのはインタビューとコラム。
「女性が男性の収入やリソースを一方的に吸う」日本の夫婦像を、肉食水生昆虫タガメと補食されるカエルに例えた著書『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』が話題の深尾葉子・大阪大学大学院准教授がインタビューに登場する。「タガメ女」、すごい反響だそうだ。Re婚カウンセラー・鈴木あけみ氏はコラムで「夫を否定し、平気で暴言を吐くダメ妻=プチモンスター妻」なら「浮気は妻の責任!」と言い切る。男性読者が多いせいか、随所に男性へのエールが散りばめられているような気もする。20歳以上年上の俳優・石田純一と結婚した東尾理子ちゃんへのインタビューもあったりして。
 第2特集は「メットライフアリコ 崩壊への足音」。あまり評判が芳しくないメットライフアリコ。"転換"なのか"崩壊"なのか、分析する。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  円安と国産ウイスキー

 数ヵ月に1回? 『週刊エコノミスト』は面白い特集をする。しかも、第2特集やエコノミスト・レポートといった立ち位置の記事で。今週がそういう巡り合わせなのか、第2特集は「日本産ウイスキー」。日本ウイスキー史の始まりとも呼べるサントリー山崎蒸溜所の建設着手が、1923年10月1日。それからちょうど90年という年月を読み解く特集だ。
 日本ウイスキー史を語るうえで、欠かせない2人の偉大な男がいる。1人はサントリー創業者の鳥井信治郎、もう1人はニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝だ。甘味ぶどう酒「赤玉ポートワイン」で成功した鳥井は、スコッチに負けない国産ウイスキーを作りたいと考える。長い貯蔵期間などから周囲の猛反対をうけるが押し切り、事業を始めた。その際、招聘したのがグラスゴーで技術と経営を学んだ竹鶴なのだ。しかし、ウイスキーの成功はトントン拍子という訳ではない。第1号は不発に終わり、考えの違いから2人は袂を分かつ。苦難を乗り越えての37年、サントリー「角瓶」でヒットを飛ばすのだ。しかし、その後も安定ではない。戦争に高度経済成長期、酒税改正と浮き沈みを繰り返した。そして、ハイボール人気に繋がる。「ウイスキーが、お好きでしょ」のカバー曲は耳馴染みだろう。かなりはしょってしまったが、特集では丁寧な歴史解説とともに、世界へ展開する日本ウイスキーの姿が描かれる。
 順序が逆になってしまったが、第1特集は「円安再来の日」。QEの継続を表明したことにより、各所で予測の見直しが迫られた。新たな円安期待を探る。


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