今週の第1位は『日経ビジネス』・・・スクエア・インパクト

 今週もっとも興味を引いたのは、『日経ビジネス』の「スクエア」の特集でした。と言ってもピンと来ない人がいるかもしれません。なんと、スマホのイヤホンジャックにちょこっとつければカード決済の端末になるという優れもの。手数料は現行のカード会社手数料よりうんと低く、端末は実質0円でコンビニで購入できます。だから、個人商店主でもすぐにカード決済が導入可能になる! 詳しくは本誌を読んでいただきたいのですが、アメリカではこの創始者(実はツイッターの創始者)ジャック・ドーシーをジョブズの再来のように捉えているようです。とにもかくにもこれが今週の第1位です。
 第2位は「起業のヒント」を満載した『週刊東洋経済』で、100の新しいビジネスを取材しています。いわゆる本格的なモノ作りから家事代行サービスまでバラエティに富んだ事業がその会社と共に紹介しています。
 そして第3位はシャドーバンキングの危うさに揺れる中国の危機を取りあげた『週刊エコノミスト』です。このシャドーバンキング、実態がつかみにくいため、恐ろしさのみが増大しているようにも見えますが、そんなことはない! 本当に中国経済を根底からひっくり返すようなインパクトがあります。こちらもぜひご一読を。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は年金を特集しました。そのポイントは「年金はどこまで減るか!」。例によって、年齢別、月収別などのシナリオに基づいて将来もらえる年金額をシミュレーションし、その対策も併せて掲載しています。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<<  第2のジョブズ現る

 渋谷に「FabCafe Tokyo」というカフェがある。3Dプリンターなど最先端の工具が並び、ものづくりカフェとして若者に人気がある。そんな時代の先をゆくお店が今年5月に導入したのが「スクエア」の決済サービスだ。2006年米国で生まれた、スマートフォンやタブレットを決済端末として使えるサービスで、年間取扱額は110億ドルを越える。今週の『日経ビジネス』の特集は「スクエア・インパクト」。「スクエア」を中心としたスマホ決済がもたらす変化を描く。
 端末「Squareリーダー」導入の垣根は低い。小さな店舗やメイクアップの出張サービスをする個人、露天のイベント店舗でも導入できる。Squareリーダーはローソンの店頭にて1000円で売られてもいる。購入後に指定口座に返金されるので、初期費用0円、決済手数料は利用金額の3.25%のみ。月額利用料もない。この「誰もが加盟店になれる」決済のキモはセキュリティの確保だが、どうやらGPSを利用したリアルタイム審査を行なっているらしい。加盟の垣根が高い日本のクレジットカード会社や端末会社、NTTデータは、ここでもガラパゴス化の危機に直面しそうだ。
 しかし、この特集の核となるのは米スクエアCEOであり、創業者であるジャック・ドーシーの存在だ。次期ジョブズとの呼び声の高い起業家であり、Twitterの創業者でもある。単独インタビューも掲載されている。そこでは、類似サービスが生まれていることを尋ねられると彼は「魂はコピーされない」と、強く言い切った。そして、「スクエアは単なる決済機能の端末ではない」とも。「わび・さび」といった日本文化や思想を愛するなど、なるほどスティーブ・ジョブズとイメージが重なる。
 ラリー・ペイジ、マーク・ザッカーバーグと並び、米起業家の象徴ともいえるジャック・ドーシー。彼の人間的魅力が伝わってくる特集だ。また、記事でも触れていたが、雑誌『WIRED』がロングインタビューを行なっている。Web版でも読めるので、URLを記す。
 http://wired.jp/2012/12/22/the_many_sides_of_jack_dorsey_vol5/
 第2特集は「伊豆諸島に学ぶ日本再生策」。少子化、資源不足、環境問題と数々の問題を抱える日本。その解決のヒントを伊豆七島の施策に見る。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< 起業のヒント、ここにあり!

 2020年、東京オリンピックの開催が決まった。建築、不動産、観光など五輪特需に関連する産業の特集はいずれ4誌それぞれで扱われるだろう。今回は、その他に成長を見せる業界について。『週刊東洋経済』の特集は「新成長ビジネス100」。以前、同誌で「起業100のアイデア」といった特集があったが、構成は同じだ。分野ごとに伸び盛りの企業が紹介される。
 分野は「ものづくりの底力」・「いつまでも健康」・「日本発グローバル」・「子育てママの強い味方」・「脱常識の農業&水産業」・「高くても売れる趣味系」・「観光&地方の活性化」・「新しい働き方」の8つだ。
 どれも時代を感じる事業が多く、いくつか使ったことのあるサービスも。人気ラーメン店を冷凍で宅配する「宅麺.com」を運営するグルメイノベーション。絵本が全ページ試し読みできる絵本ナビ。他にも、イベント写真をネットで買えるサービス「はいチーズ!」を運営する「千」など、ありそうでなかった事業だ。"起業のヒント"的にも使える特集といえる。
 第2特集は「ASEAN 経済統合と日本」。人口6億人の大市場である、ASEAN
。日本企業の進出先であり、技術流出先でもある諸刃の剣だ。大市場に飲まれないための現状を把握できる特集だ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 日本のGDPをも押し下げる中国ショック

 中国で深刻度が増しているというシャドーバンキングの問題。実態のつかみにくいシステムであるがゆえに、どのくらい実際の中国経済に影響を及ぼしているのかが分からない。
 この実態を解明すべく今週の『週刊エコノミスト』が特集を組んだ。タイトルは「堕ちる中国」だ。シャドーバンキングは理財商品と信託商品の2種類があり、前者は満期が2週間から半年程度で5%程度の予想運用利回り。個人や企業が対象。後者は1年以上だが、利回り10%程度と高く購入者は大口の個人富裕層だ。邦の指導層の家族も買っているので、まさかのことはあるまいと拡大した。こうして集められた資金は地方債を発行できない地方政府のインフラ開発用投資会社などに融資されている。これらが12年には9000億元(14兆6000億円)もに膨らんでいるという。こうした融資先の投資が行き詰まったら......。空恐ろしいことになるわけだ。この中国ショックによって日本のGDP視聴率が前年同期比でマイナス1.7%まで落ち込むという試算もある。一通り読んでおいて損はない。

第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 年金は本当のところいくらもらえるのか

 今週の『週刊ダイヤモンド』は「ここまで減る!あなたの年金」。改革先送りで一寸先は暗闇の年金制度を特集する。
 かの標語大好き元首相が「100年安心!」と豪語していた年金制度。豪語されればされるほど、とくに若い世代は、その胡散臭さを本能で察知しているかのように、その後若い世代の節約志向と消費意欲減退が発生したように思う。ま、消費減退の理由はこれだけじゃないが。 
 その年金制度、来月段階的な受給額引き下げの1回目が行なわれ、2015年4月には特例水準が解消されることも決まっている。1999年に適用された特例水準は、"厳しい経済環境下で年金を減らすのは酷"という理由で据え置かれたもので、この解消がやっと始まるにすぎない。政府・厚生労働省はそれでも「年金制度は大丈夫」と繰り返す。そりゃそうだろう。たとえ1円の給付になっても「制度は維持されている」と言える。ただ、国民のほうは年金では生活が維持できないだけだ。「本当にもらえる年金額試算」や「知って得する年金ノウハウ」など、ご興味がある方はどうぞ。
 第2特集は、「音楽会社じゃない!エイベックスの正体」。ここ数年で、音楽からライブ・映像にシフトするエイベックス。周辺ビジネスとさらなる成長を松浦勝人社長が語る。


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