今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・中国「逆回転」/マンション大規模修繕 完全マニュアル

週刊東洋経済 ... 中国「逆回転」/マンション大規模修繕 完全マニュアル
週刊エコノミスト ... 世界経済「出口」の後
日経ビジネス ... 2013年版 アフターサービスランキング
週刊ダイヤモンド ... 相続税対策の落とし穴

 今週はお盆前の合併号で、どこも分厚い特集を組んだ経済誌。だが、夏休みに読むべきテーマを眺めてみると共通するのは「切実さ」。どうも経済誌にも生活感が相当生活感が増したようです。
 だって『週刊ダイヤモンド』の特集は「相続」だし、『週刊東洋経済』のそれは「マンションの修繕」だし。ただ、『週刊東洋経済』の方は若干違いがあり、巻頭に20数ページの特集を持ってきています。このテーマが「中国経済」。逆回転し始めたと言われる中国をフィーチャーして、これが強みとなりました。よって、第1位は『週刊東洋経済』です。
 そして、第2位は同様に中国を意識して「世界経済」に焦点を当てた『週刊エコノミスト』です。震源地となる中国、そして米国の行方を追っています。
『日経ビジネス』は毎年恒例のアフターサービスランキングを特集しました。今回の特長は初めて調査した「証券会社」部門の結果でしょう。トップに立った松井証券をはじめ、ネット証券会社が軒並みランキングの上位を占めたのは面白い結果だと言えるでしょう。
 冒頭でご紹介した『週刊ダイヤモンド』はそういうわけで第4位です。ただ、去年も同時期に同じ企画をやっている同誌のことです。きっと売れるんでしょうね。

toyo_2013.8.7.jpgeco_2013.8.7.jpgnikkei_2013.8.7.jpgdia_2013.8.7.jpg

第1位
■週刊東洋経済■ <<<  中国は「リコノミクス」

 今週の『週刊東洋経済』は、お盆前の合併号ということもあり3つの特集が並んだ。
 第1特集は「マンション大規模修繕 完全マニュアル」。6月8日号「マンション時限爆弾」で扱った内容を、管理・修繕に絞った形だ。前回のマンション特集が好評だったのだろう。国内マンションの3棟に2棟が「修繕適齢期」だという。昨今問題の老朽化するインフラ修繕と並ぶニッポンの課題だ。
 さて、今週読むべきは第1特集ではなく、巻頭特集の「中国『逆回転』」だろう。新政権となって、前政権の高成長路線の矛盾が一気に噴出し始め、経済減速による先行きが不安視される中国。李克強首相の経済方針は「リコノミクス」と呼ばれている。「財政出動の抑制」「過剰融資の是正」「産業構造の変革」が3本柱。7月末には、国務院(内閣)から国家審計署(日本の会計検査院)に中央と地方の全政府を対象に債務を巡る監査を行なうよう要請が出された。最大のリスクと目される地方債務問題に中央政府がメスを入れる。シャドーバンキングによって巨額の過剰投資を続けている地方政府や国営企業。これを許した前政権「胡−温体制」。「習−李体制」は経済の失速を前政権に押しつけることはできたにしても、大国をまとめていけるのだろうか。「逆回転」の現状を現地に精通する特約記者を起用し、生々しくレポートしている。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  中国から米国へ、その後は?

 このところ、『週刊エコノミスト』がマクロもので飛ばしている。「マネー大逆流 出口と中国」(7/16号)、「新興国投資の終わり」(7/23号)、「機関投資家の正体」(7/30号)、そして今週(8/13・20合併号)の特集、「世界経済『出口』の後」。同誌のタイトルを見ていくだけで、米中で、あるいはグローバル金融界で阿吽の呼吸で合意されたであろうシナリオが見えてくる。
 先週の『週刊ダイヤモンド』特集、「ヘッジファンドが仕掛けるバブル相場」で機関投資家が読むシナリオとだいたい流れは一緒だ。つまり、「新興国投資は休止し、当面米国を軸とする先進国が世界経済を牽引する」というものだ。米国の「出口」は金融緩和を縮小し正常化する道。中国新政権の意思はこれ以上バブル経済を膨張させてはならないというもの。その軟着陸に挑む過程で、今後も日本は畳み掛けるように追加緩和に踏み切り、なりふり構わぬ景気の底支えに走るとの観測が市場関係者の間に広がっているようだ。8月2日、米国ではダウ工業株平均が2日連続で史上最高値を更新した。米国の景気回復に支えられ、日本も浮上できるのだろうか。
 特集は2部構成で、第1部では「『震源地』中国・米国全解明」と題して、アメリカ、中国、そして欧州の現状分析を行っている。「深化する米中関係 その舞台ハーバード大の実態」が面白かった。第2部は日本について。有力ストラテジストによる年末までの日経平均株価予測もみな上昇、1万5000円以上だ。肝になってくるのが、アベノミクス第3の矢「成長戦略」だろう。民間投資をより早く喚起できるかが今後の行く末を決める。アメリカなどの他国頼みや一時的な金融緩和ではなく、根本的な改革が必要ということだ。『週刊東洋経済』「中国『逆回転』」と合わせて読むとより深いかもしれない。


第3位
■日経ビジネス■ <<< アフターサービスは後始末ではなく第一歩

 今週の『日経ビジネス』は、恒例の特集となった「2013年版 アフターサービスランキング」だ。特集の目の付け所もさることながら、1万7075人の有効回答を集められるネットワークにいつもながら感心する。
 今年は証券会社部門が新設され、既存部門でも5つのトップが塗り変わる結果となった。アフターサービスから企業はどのように見えるのだろうか。まず、初調査の証券会社部門。1位松井証券、2位マネックス証券と5位までネット証券が独占した。ネット証券は、コールセンターに問い合わせが集約されるため、必然的に力を入れざるをえない点はある。しかしながら、各社ともに並々ならぬ思いがある。松井証券では、社員100人に対してコールセンターの人員は150人とのことだ。また育成制度も完備し、質の向上を忘れない。企業の顔ならぬ声は、コールセンターのスタッフになるからだ。
 次に変化を見るとすると、トップが変わった部門。共通することは、対応の速さ。携帯電話・PHSの通信会社でトップになったイー・アクセス。コールセンターのスタッフが手を上げると上司が駆け寄ってくる。解決できない問題に直面した時の顧客対応を早めるためだ。パソコン部門トップになったパナソニックは、持ち込み修理の99%を即日で完了させる。他にも、数々の施策を成功させた企業がランクインしている。それらの企業に共通するのは、アフターサービスを「後始末」ではなく次への「第一歩」と考えていることだ。


第4位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  争族回避の相続術!

 お盆前後の特集に通ずるものがある『週刊ダイヤモンド』。2010年は病院。2011年は介護。2012年は相続。今年は昨年に引き続き「相続税対策の落とし穴」を特集に持ってきた。といっても、昨年より特集の重みは増している。2015年1月1日に税制改正が行なわれることが決まったからだ。これにより、今までの相続税対策では効力を失うものもあり、課税対象者は増え、首都圏の持ち家に住む者なら検討が必要だ。
 Part1は「変わり始めた相続節税」。都内の億ションの売れ行きがいいが、相続対策でシルバー世代が購入しているのも背景にあるのだとか。税制改正で変わりつつある節税対策を、メインとなる不動産を中心にタイプ別に解説する。Part2は「贈与は最大の相続税対策」だ。教育資金、住宅補助、生前贈与の3大贈与の徹底活用と注意点がまとめられている。Part3「"争族"回避の相続術」。このパートは実践&心構え編だ。「生前の準備マニュアル」なんてのもある。税制改正で相続税対策が必要な層が増えるいま、時間がある夏休みに読むべき!ってことか。
 第2特集は「産めなきゃ終わりの日本経済」。共働きが増えているのに出産・子育て環境整備はちっとも進まない。 夫婦ともに非正規雇用で出産に踏み切れない人も多い。"マタハラ(マタニティハラスメント)"が横行する職場もいっぱいある。サブタイトルどおり、現状では働きながらの「出産・育児は絶望的」とも言えるような状況だ。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・中国「逆回転」/マンション大規模修繕 完全マニュアル