今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・鉄道新発見!

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』

週刊ダイヤモンド ... 鉄道新発見!
週刊東洋経済 ... マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈
日経ビジネス ... 爆発する日本食経済圏
週刊エコノミスト ... 新興国投資の終わり

 今週は切り口の面白い特集が集まりました。これくらいバリエーションがあると経済誌も読み出があります。そのなかで、一押しに感じたのは『週刊ダイヤモンド』です。特集のテーマは鉄道なのですが、この種の特集をよく載せる『週刊東洋経済』と違って、鉄道と街(というか消費)を組み合わせたような特集で、それが面白さになっていました。東京では東急東横線と地下鉄副都心線の相互乗り入れが実現し、渋谷で降りる人が減ったとか、実際にもインパクトがあるものです。今週の第1位はこれでしょうね。
 もう一つ毛色の変わった特集は世界的なコンサルティングファームであるマッキンゼーの人材に焦点を当てた『週刊東洋経済』です。マッキンゼーでは卒業生のことをAlumni(アルムナイ)と呼んでいますが、その人たちが総出演しています。これが第2位です。
『日経ビジネス』も「世界に広がる日本食」をテーマに面白い特集を組んだのですが、ちょっとボリュームが足りない感じです。同誌はおそらく幾つもの小特集を組み合わせて、雑誌全体にバリエーションを持たせる方針だと思いますが、昨今の週刊誌は情報のスピード的にいうと昔の月刊誌のような位置づけです。だとすると、もっと一つの特集を掘り下げて勝負する方がいいように思います。
 そして、第4位は『週刊エコノミスト』です。特集のテーマは「新興国投資の終わり」です。先週号でマネーが新興国から米国へと還流している実態を特集しましたが、その続編的な扱いでしょうか。

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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  鉄道が変われば、街が変わる

 のっけから余談で恐縮だが、7月31日で渋谷東急本店のデパ地下の象徴であるスーパーの紀伊国屋が閉店となる。なぜだろうと考えていたら、はたとこの特集で気がついた。渋谷を素通りして、新宿伊勢丹に行くようになったんではないか知らん? そんな思いにさせる特集が『週刊ダイヤモンド』に現れた。今週の同誌特集「鉄道新発見!」だ。
 東横線と副都心線が繋がって4ヵ月。渋谷の駅構内を右往左往する人もだいぶ見かけなくなった。しかしながら、どうやら鉄道を中心とした街の変化はまだまだ始まったばかりのようで、その辺りの最新情報を読み取ることができる。
 鉄道と表裏一体とも言われる不動産開発。特集のパート1は、鉄道によって変わる街を取りあげた。冒頭で挙げた渋谷では、"渋谷大改造"と称される再開発が実行に移されている。ヒカリエを筆頭としたオフィス需要や一大商業施設計画など、勢いは止まらない。その他にも田園都市線の二子玉川や品川・田町間にできる新駅など、資産価値の向上が見込めるところは多く存在する。
 続くパート2では、都市鉄道の新潮流を扱う。丸の内に新東京駅を開設し、羽田と成田が乗り換えなしで行き来できるようになるらしい。航空需要の高まりを背景に政府が打ち出した「都心直結線」構想の一環だ。総事業費4000億円と実現にはまだまだ時間はかかるが、大規模な変革が始まっている。
 パート3は身近な鉄道の使い方を紹介。クレジット機能付きの鉄道系ICカードの使い方や、ビジネスマンのための鉄道アプリなど明日から使える情報だ。
 第2特集は「国内減速で海外注力 キリン 覚醒なるか」。度重なるM&Aで海外事業の拡大を計ったキリン。やっと業績に出てきたが、国内を含め課題は多い。競合ひしめく飲料業界でキリンは勝つことができるのか。


第2位
■週刊東洋経済■ <<<  マッキンゼー・マフィア全紹介

 政治、企業経営、NPOまで、ここ何年かマッキンゼー出身者の活躍が目立つ。古くはかの大前研一元日本支社長しかり、南場智子・DeNAファウンダーに茂木敏充・経産相しかり、高島宏平・オイシックス社長や朝倉祐介・ミクシィ社長もマッキンゼー出身者だ。いまやトップクラスの東大生は、官僚ではなくマッキンゼーを目指す傾向もあって、新たなエリートコースとなっている。今週の『週刊東洋経済』は、その「マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈」が第1特集だ。マッキンゼー出身者は各所で緊密に結びつくことも多いので「マッキンゼー・マフィア」と呼ばれるらしいが、その相関図が壮観。国内では1971年の支社設立来まだ「卒業生(これを社内的には"アルムナイ:alumni=卒業生、OB・OG"と呼んでいる)」は1000人未満というのに、見開き2ページにわんさかいる。近年起業家が多いのもたのもしい。
 マッキンゼー出身でキャリア形成コンサルタントの伊賀泰代さんのコラムから引用すると、「高確率に多彩な人材を輩出できるのは『グローバルに活躍できるリーダーを養成する』という人材育成上の明確な目標設定にある」そうだ。採否を分けるのは最終的に「リーダーシップの体験」で、「そういう人を採用する以上、退職者も多くなる」のだとか。記事には"アルムナイ"が次々登場。ご興味のある方はご一読を。
 第2特集は「原発と東電 再稼働7つの争点」。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  世界で当たり前に食べられる日本食

 7年前の、時差を考えると夕食に重いものは食べられないと入ったパリのラーメン屋さん。右隣のテーブルも左隣のテーブルも、仕事帰りの女性連れや大学生と思しきグループなど現地の普通の人たちだった。日本人がほとんどいない! 日本の大衆食が外国で普通に受け入れられているのを実感した瞬間だった。そしていまや日本食は海外でさらに人気を博しているらしい。今週の『日経ビジネス』が「爆発する日本食経済圏 世界が食いつくブームの裏側」として特集を組んだ。
 海外の日本食レストラン数は、わずか3年で2倍近くに増加したのだという。寿司だけでなく、ラーメン、カレーライスなど「低価格」な「大衆食」もウケ、裾野はどんどん広がっている。現在、海外で5万5000店舗。その8〜9割を経営するのは日本人以外だ。イタリアでもフランスでも韓国でも中国でも、好きでよく外食する外国料理の1位が「日本食」。もう上から目線で「正しい日本食とは」などと言っていられない。がんばれ日系外食産業! 食材産業! と思わされた特集だった。
 第2特集は、「『ポイント』ウオーズ」。TポイントにPonta、楽天スーパーポイントとポイント戦国時代ともいえる業界。そんな中、「O2O(Online to Offline)」をキーワードに新たな動きが見られる。またもう1つの経済圏、仮想通貨の現状も伝える。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<<  総崩れの新興国がらみ金融商品

 今週の『週刊エコノミスト』の特集は「新興国投資の終わり」。先週、「新興国から米国に逆流するカネ」と題して、一連の動きを分析した。特に中国を中心としたシャドーバンキング問題などを取りあげたが、今週は新興国投資について。
 特集は2部構成となっており、第1部が「投資の見直しどき」。ハイリターンを声高にうたい新興国投信が売られてきたが、どれも総崩れ。ここ1ヵ月のファンドの運用成績ワースト50を「通貨選択型」、「株式」、「債券」、「コモンディティ」別に表組で列挙している。第2部は新興国の「大荒れの政治・経済」に焦点を当て、デモが活発化し政情の不安定化するブラジルやトルコを伝える。他にも中国はもちろんのこと、成長率低下に見舞われているインドや、汚職により生産性があがらないロシアも取りあげる。


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