今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・労基署が狙う


週刊ダイヤモンド ... 労基署が狙う
日経ビジネス ... 謝罪の流儀
週刊エコノミスト ... 粉飾 ダマし方見抜き方
週刊東洋経済 ... 三菱商事VS伊藤忠

 電通の長時間労働事件だけの問題でなく、今労働基準監督署はあらゆる分野の長時間労働の是正に最大限の注意を払っているそうです。それも特に今まで目を向けられていなかった分野。つまりエリートと呼ばれるホワイトカラー層の分野だそうです。投資銀行やコンサルタント、アナリストに公認会計士、はたまたマスコミと、言わずもがなの長時間労働が横行している業種への目が厳しくなっているのだとか。これを取りあげたのは『週刊ダイヤモンド』です。どんな「目」かは特集を読んでいただくとして、これは一読をお勧めします。と言うことで今週の第1位です。
 次に面白かったのは『日経ビジネス』で、テーマは「謝罪=不祥事」。不祥事が起こると企業は謝罪をしますが、その仕方でその企業に対する世間の目は辛辣にも温かくもなると言うお話です。実際最近ではネットで炎上した事件がテレビに取り上げられ、世界的に問題になるような事件もあります。事件が起きたときの対応と謝り方は決して間違えてはならないことだと言えます。これが第2位。
『週刊エコノミスト』は企業の粉飾の問題を特集しました。粉飾が普通の人に見分けられるかはともかく2011年のオリンパス事件や昨年の東芝事件などから、どうやって粉飾をしたか、またどうやって見抜くかを記事で掘り下げています。
 第4位の『週刊東洋経済』は商社の現在の2強と言われる三菱商事と伊藤忠商事の特集です。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 「かとく」のターゲットはエリート層

 通称「かとく」と言うのだそうだ。正式名称は「過重労働撲滅特別対策班」。つまり長時間労働の特捜部隊と言うわけだ。なにも長時間労働で労働基準監督署から睨まれているのは電通だけではない。昨今は大手企業のホワイトカラーがどうやら「かとく」の重点ターゲットとなっている。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は「労基署が狙う」と題して、エリートと言われる業界の長時間労働を重点的に取り締まりはじめた動向を"労基署ショック"として取り上げた。
 これまで労基署の重点ターゲットといえば、建設現場やトラックの運転手といったブルーカラーが主だった。しかし、これらの業界は働き方改革や過労死防止法の施行、裁量労働制の緩和に向けた動きなど、長時間労働の是正の機運が高まっている。
 そこでというわけではないが新しいターゲットとしてホワイトカラーの特にエリート業界にターゲットが拡大したというわけである。投資銀行マン、コンサルタント、アナリストや研究員、公認会計士、新聞記者といった、深夜労働が当たり前だった職業が労基署から狙われているようだ。この取組み自体は正しいが、長時間労働に依存したビジネスモデルで成り立っている業界もあり、過渡期のジレンマは大きそうだ。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 企業の不祥事、加速的急増中

 この近年「謝罪」が企業社会を覆っている。謝罪=不祥事というコンテクストで言えば、それだけ不祥事が多いとも言える。しかし、最近の不祥事は予期せぬことが発端となって起こるのも特徴で、それだけ企業も難しい対応を迫られることにもなる。
 こうした最近の不祥事=謝罪の動向にスポットを当てたのが『日経ビジネス』である。特集のタイトルである「謝罪の流儀」よりも、サブタイトルの<一夜明ければ社会の敵に>の方が、より実態を表している。
 同誌の特集は謝罪カレンダーから始まるが9月の電通の項は、「デジタル広告で広告主に対して過剰請求や虚偽の報告をしていた」件で、その後長時間労働による裁判所の裁定が出た問題もあり、電通にとっては大変な1年だったことを思い出すことになった。それにしても巨人の賭博、軽井沢のバス事故、三菱自、スズキの燃費不正問題、東京都の盛り土問題など、確かに枚挙にいとまがない。
 そんな中で同誌が冒頭に取りあげたのが福岡市の陥没事故問題で、その対応の素早さと情報の提供の仕方など、なぜうまく乗り越えることができたのかを分析している。同誌の特集の要点はズバリ「ネット上での拡散」。PCデポベッキーも北九州のスペースワールドでの魚の氷漬け事件も、ネットの、炎上とテレビでの拡散が相乗要因となったとしている。さらに同誌が取りあげたのが「内部告発」、そして「口だけ謝罪」の危険性など。読者が思わず頷く内容である。一歩対処を間違うと大変な事態に陥るという意味で難しい時代にはなった。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 騙し、騙される裏にある企業風土

 オリンパスの不正決算が発覚したのは2011年、東芝の粉飾決算は2015年であり、どちらも記憶に新しい。日本の上場企業の粉飾決算はこうした大きな問題が起きてもなかなかなくならない。今年1〜10月に開示された不適切会計・経理の件数は49件と過去最多であったという。不正会計や製品のデータ偽造など、劣化する日本企業の粉飾を見抜く視点はないものか。
『週刊エコノミスト』はそうした視点に立ち「粉飾 ダマし方見抜き方」と題して特集した。企業会計のスペシャリスト会計士らによる数字の見方や、監査の精度向上に期待されるAIの活用など紹介する。
 この特集を読めば、会計士ですら見抜けない事例も多々あることがわかる。個人も含めた投資家は金融や財務に関するリテラシーを高めるのはもちろんだが、われわれ一般人は、粉飾につながるダメな経営者・企業風土を感じる感性を磨くことこそ重要と思った次第。
 オリンパス事件で社長を解任されたマイケル・ウッドワード氏のインタビューを取ったことは評価できる。氏は「どんなに規制を設けても企業文化の風土が変わらないとダメ」と説く。当たり前のことではあるのだが。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  商社2強時代の勝者

 総合商社の2強と言えば、三菱商事と三井物産。これまではそれが常識だった。しかし、いまや三菱商事と伊藤忠商事が"新2強"として君臨している。勢力図は塗り変わったのだ。
「長年変わらないままであった財閥系商社優位の地図を塗り替え、新たに伊藤忠、三菱の商社2強時代が始まっています」とは、当のご本人、伸ばしてきた伊藤忠・岡藤社長の言葉だ。なぜいまこの2社が強いのか? 
 今週の『週刊東洋経済』がその構造を解き明かす。タイトルはずばり「三菱商事VS伊藤忠」だ。
 特集では、伊藤忠商事・岡藤正広社長、三菱商事・垣内威彦社長へのそれぞれ4ページにわたるインタビューを掲載。それぞれの戦略や5大商社の未来を大胆予測する。
 また、主力の戦場であるコンビニ業界での両社の帰趨。また大同団結に動いている建設資材分野での動向など、あらゆる分野に手を広げている商社であるが故に、「競合」という観点からも興味深い分野が目白押しである。


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