今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・国税は見ている 税務署は知っている


週刊ダイヤモンド ... 国税は見ている 税務署は知っている
日経ビジネス ... 買いたい服がない アパレル"散弾銃商法"の終焉
週刊エコノミスト ... 踊る経済統計
週刊東洋経済 ... 最新科学でわかった! 「脳」入門


 今週の経済誌はどれもそれぞれの特徴が出ていて、なかなか充実していました。
 そのなかで思わず「ギョッ」と身をすくめてしまうようなタイトルを冠したのが今週の『週刊ダイヤモンド』です。国税に見られてはいないと確信していても、税務署は知っていると言われるとやましくなくとも何か悪いことをしているかもしれないと思ってしまうような怖さが確かに存在します。それほど怖い存在の国税や税務署ですが、その実態、あるいは今年1月から施行されたマイナンバー制度と徴税の関係についてはほとんど知らないというのが一般人ではないでしょうか。というわけで、この税金の総元締を丸裸にし、しかもフツーの人が何に気をつけなければいけないか、その知識を与えてくれるこの特集は価値があります。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは「買いたい服がない」とパンチ力のあるタイトルで迫る『日経ビジネス』です。苦境に喘いでいると言われるアパレル業界ですが、その根底にある病巣は何か、どうすればいいのかという基本的な課題を提起しています。各社トップのインタビューも面白く、これが今週の第2位です。
『週刊エコノミスト』は相変らず乗っていますね。今週のタイトルは「踊る大走査線」ならぬ、「踊る経済指標」というわけで、現在見直し気運が高まっているGDPをはじめとする経済指標の現状と見直しのポイントについて特集しています。これも面白い企画です。
 第4位の『週刊東洋経済』ですが、「脳」についての特集です。編集長が交替し、これからが腕の見せ所でしょうが、今週の特集は多くのビジネスマンが高齢化していくなかにあってそれぞれが興味を持つ特集だと思います。特に2040年には1000万人に及ぶと言われるアルツハイマー病などの行方には関心が高いのではないでしょうか。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 後ろめたくなくてもなんだか怖い

 今年の春、シンガポールにある日本のとあるペーパーカンパニーに衝撃が走った。そもそもシンガポールは外資誘致のために法人税率が低く、そこに着目した世界の実業家や富裕層が節税のために多くのペーパーカンパニーを持っている。当然日本人富裕層も例外ではなかったが、そこにシンガポール当局から警告通知が届いたのだ。
 今年話題になった「パナマ文書」の流れを受けて、世界的に過度な租税回避策を規制するという流れができつつある。そんなエピソードで始まる今週の『週刊ダイヤモンド』。第一特集は「国税は見ている 税務署は知っている」。富裕層に照準を定めた国税の本気と庶民の財布を丸裸にする税務署の野望をレポートする。副題は「あなたに迫りくる徴税包囲網の真実」だ。
 先進各国の財政は今、絶望的な状況に置かれている。各国は富裕層が資産とともにタックスヘイヴンへ旅立つのを見過ごさない方向に舵をきった。日本での国税庁は富裕層への課税包囲網として四枚ものカードを切った。一枚目は海外に持つ5000万円以上の資産の書類提出を義務づける「国外財産調書制度」。二枚目は富裕層をターゲットとした国税マンの人員増員。三枚目は資産の海外持ち出しを防ぐ「国外転出時課税制度」。四枚目は基準以上の所得と財産を持つ者にその調書の提出を義務づける「財産債務調書制度」だ。庶民はマイナンバーでその懐をガラス張りにしていく方向だろう。税金を払うのは国民の義務だけど、後ろめたくなくても国税組織と聞くとなんだか怖い(笑)。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< アパレルの競合もグーグル、アマゾン

「これからは普通の服でも顧客が注文したものを作って(短期間で)届ける方法になるだろう」−−−−。ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正氏の言葉だ。一時期流行った言葉で言えば「マスカスタマイゼーション」というわけか。実際衣料品各社は、あたかも散弾銃を打ちまくるかのように闇雲に商品を作り続けてきた。その服が売れていない。大手アパレル各社はかつてない大量閉店に迫られ、時代を塗り替えてきたあのユニクロでさえ岐路に立っている。
 今週の『日経ビジネス』はずばり「買いたい服がない アパレル"散弾銃商法"の終焉」を特集する。
 いまや消費者は、衣類に関してもネット通販や中古品の売買、レンタルと、既存のアパレル産業のずっと先を行く消費活動を展開している。その結果、アパレル業界は在庫の山を築き、市場縮小と供給過剰が止まらない。日本では年間100万トンの衣料品が廃棄されているという。この地殻変動にどう対応するのか? 特集では消費の現場と生産・販売の変革を追う。エピローグは柳井氏へのインタビューだ。ファッション販売戦の現場もグーグルやアマゾンが競争相手になるとの見解だ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< GDPって結局なんだ?

「GDPの基礎統計の充実に務める必要がある」−−−−−昨年の10月16日、経済財政諮問会議で麻生太郎財務相が放ったこのひと言をきっかけに、経済統計をめぐって、政府・日銀で新たな指標づくりや既存の統計の見直しなどの動きが活発化している。経済統計の数値が、政策判断や市場に及ぼす影響が高まり、アベノミクスでその傾向はさらに強くなり、選挙の結果も左右する。『週刊エコノミスト』は、この高まる経済統計の見直し機運を「踊る経済統計」として今週特集した。
 基礎統計が時代の変化に追いついていないのか、あるいは政策効果が出ない政府の焦りなのか。冒頭ではアグレッシブな日銀の動きをレポートすると同時に、見直しを推進する山本幸三氏(地方創生•行政改革担当相)と林芳正氏(自民党税制調査会副会長)へのインタビューを掲載して、問題点や潮流を明らかにする。
 後半では、著名エコノミストが注目し活用する様々な統計資料を解説。GDPは本当に日本という成熟経済の実態を測れる数字なのか、民間エコノミストと経済学者による匿名座談会で問題点を指摘する。
 第2特集は「韓国の騒動」。韓進海運の破綻やロッテ創業家のお家騒動、北朝鮮情勢の継続する緊張など、韓国のいまに迫った。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  ヨガや座禅は実用的な脳の休息法

 脳科学が進展している。長年未知の領域だったものの仕組みが解明され始め、その活用、休息、病気など、脳とうまく付き合うための科学が垣間見えてきた。最近「マインドフルネス(瞑想の一種)」が脳のストレスを和らげるとしてほうぼうで取り上げられているが、これも脳研究進展の成果だ。そんな「脳」を『週刊東洋経済』が「最新科学でわかった! 『脳』入門」として特集した。
 脳とは大きく分けると大脳や小脳、脳幹等に分けられる。このうち脳幹が基本的な生命活動、小脳は体のバランスを司っており、大脳は本能や情動、認知、嗜好、判断といった高度な知的活動を行っている。脳に障害が発生するとアルツハイマー病や脳梗塞といった症状が起きてしまう。ビジネス世代としては何時こういった病気にかかってしまうかというのは心配なところではあるが、順天堂大学の新井平伊教授は「認知症になったら人生終わりと思う人が多いが、アルツハイマー型認知症は発症から高度障害にいたるまで20年ほどかけて進行する。落ち着いて家族と本人が人生を考える時間がある」と述べる。効率的な記憶塾、ゲームとスマホが子供の脳に与える悪影響、脳の疲労を回復させるマインドフルネスについてもレポートされている。ヨガや座禅でおなじみの瞑想は、神秘的なものではなく、実用的な脳の休息法だったようだ。やってみたい。


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