今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・電通


週刊エコノミスト ... 電通
週刊東洋経済 ... ビジネスマンのための世界史
週刊ダイヤモンド ... どうする!「実家」の問題
日経ビジネス ... どうした50代!君たちはゆでガエルだ

 今週号はお盆休みがアリ、どの雑誌も合併号ですが。唯一先週の『週刊エコノミスト』だけが一号前に合併号を組んできました。それがなぜだったかは知る由もありませんが、昨日送られてきた『週刊エコノミスト』の表紙を見てちょっとびっくり。特集は総力31ページで「電通」を扱ったからです。マスコミの悪い癖でこの聖域化された会社の特集はほとんど組みません。下手なことを書くと広告収入に響く可能性があるからです。しかし、それほど広告に依存していない(失礼!)同誌であるが故に踏み切ったのかも知れません。私も昔出版社にいた時は、随分と付き合いもあり、この種の特集は組んでいませんでしたから、やはり新鮮でした。以前に、他誌が特集したことがあるように覚えていますが、今回の『週刊エコノミスト』は(噂レベルでは巷間ささやかれていることではありますが)なかなか鋭く切り込んでいるように思います。したがって今週の第1位はこれです。
 第2位と第3位は『週刊東洋経済』と『週刊ダイヤモンド』です。どちらも、夏の合併号らしい特集で一つは教養的、一つは実用的な特集です。まぁ、この辺は好みもありますが、「世界史」を特集に持ってきた『週刊東洋経済』を第2位に「実家の片付け」という実際的な特集を組んだ『週刊ダイヤモンド』を第3位にします。
 そして第4位の『日経ビジネス』ですが、50代社員の奮起を促す特集です。同時に(表紙にはそちらをメインに扱っていますが)孫正義氏(彼も50代)へのインタビューも行なっています。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>


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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 電通怖い!?

 思い切った特集をこのお盆休みの合併号の時期に持ってきた。『週刊エコノミスト』の特集「電通」がそれだ。何やらテレビを見ていると「SMAP解散」の発表とタイミングが似ている。SMAPの発表に関して言えば、お盆休みで、しかも連日のリオ五輪報道に沸くこの時期ならスポーツ紙もとり上げにくかろうというような配慮があったと解説がなされていたが、確かにこの時期は休み気分で関連各所(電通?)の動きも鈍い。同誌は合併号を他誌と足並みを揃えず1週前に行なったのだが、そこにはこれを特集する背景があったのかと思わず疑ってしまった。
 さて、その電通特集である。表紙にはホイチョイプロダクションズの人気マンガ「気まぐれコンセプト」の絵を配し、第1部「利権と圧力編」、第2部「企業編」となっていて、特報「『8万人』のウソと神宮外苑再開発利権」と国立競技場問題まで扱っているではないか。
 記事を読んでみると特に84年ロス五輪から始まったとされる五輪、サッカーなどにまつわるスポーツ利権の構造と歴史が詳しく報じられ、そして東京五輪招致を巡る裏金報道まで「大電通の裏側」がしっかりと描かれている。
 また、証言としてロス五輪放映権のテレ朝1社獲得に動いた大物イベントプロデューサーの康芳夫氏や元電通社員の起業家藤沢涼氏の生々しい証言もあって、なかなか読ませる構成になっている。これがどんな反応を引き起こすのか(あるいは引き起こさないのか)、ちょっと楽しみな展開ではある。
い。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 世界史を知らなきゃビジネスマンに非ず

 合併号というのは大体読ませる特集を持ってくるものだが、その例に漏れず『週刊東洋経済』は「ビジネスマンのための世界史」と言う特集を組んだ。
 世界の情勢が混沌とし、流動化している中、混迷が深まる21世紀をどう読み解くかというテーマはなるほど今のビジネスマンに必要な素養かもしれない。 特に日本人にとって、世界史は分かったようでよく知らないテーマである。そこには王家の勃興と策略、キリスト教とイスラム教との対立、そして海を越えて広がった経済活動までさまざまな側面があり、そのどれもが緊密に結びついている。特に最近のテロと関係が深い中東とイスラム教の歴史などは本当に分かりにくい。
 同誌はパート1「世界史がわかれば世界がわかる」、パート2「世界史と現代を結ぶ視点」、パート3「世界を動かす3大宗教」の3部構成でこの大きなテーマをさまざまな視点から解説している。佐藤融資の「価値観の揺らぎが世界史の変容を迫る」という文章はなかなか読ませた。
 ただ、残念なことに何週か前の『週刊ダイヤモンド』の特集が同じような特集(「大経済史」)だったのが気になった。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< お盆に考えておきたいこと

 今週の『週刊ダイヤモンド』の合併号特集タイトルを見ると、「夏休みがきたな〜」と思う。お盆に合わせた合併号では、毎年、相続や実家など家族で話したい現実的な問題と、じっくり読みたい壮大な経済お勉強ものが特集として組まれることが多いからだ。
 今年は『週刊ダイヤモンド』が「どうする!『実家』の大問題」に取り組み、近年社会問題化する"空き家"問題と相続をからめた特集を組んだ。『週刊東洋経済』は「世界史」を特集したので、2代経済誌がきれいに別方向に分かれた。
 3件に1件が空き家になる−−−。野村総研が発表したショッキングな試算だ。高齢の親が亡くなり、2033年時点で住む者のいなくなった空き家は2100万戸になるという。すでに現在、東京郊外でも23区内でも空き家となった家屋が溢れ、昨年5月には空き家対策特別措置法が成立し、国も対策に乗り出した。
 では、個人ができる対策は何か。特集では、実家の相続から片付け、売却や賃貸・管理に至るまで、「実家の片付け」を徹底解説する。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<< 50代よ。しっかりせよ!

「日本に元気がないのは50代がしっかりしないからではないか」−−−−今週の『日経ビジネス』「編集長の視点」にはこのように書かれている。
 若い時には日本の経済成長を謳歌し、終身雇用を信じて就職したのが今の50代。そして、バブル崩壊。本格的な成果主義とIT化の洗礼を浴び、上には重しのように団塊の世代がいた。その中で変化に目を背け、身動きが取れなくなった50代が大量発生していないか? 
 今週の『日経ビジネス』はそんな50代を"ゆでガエル世代"と命名した。特集タイトルは「どうした50代!君たちはゆでガエルだ」。50代男性の生き方が日本の浮沈を握る! 50代よ、変革の旗手になれ!
 そんな50代の中で猪突猛進を続ける代表選手が、6月に引退を撤回したソフトバンクグループの孫正義社長。後継かと思われたインド人社長が突如退任し、その話題覚めやらぬうちに7月に英半導体大手のアームを買収した。今週は「緊急特集」としてこの孫社長の「孫正義『本音を話そう』」も組まれている。
 孫正義社長曰く、「人工知能におけるシンギュラリティは必ず訪れる。それによって生み出される『超知性』と人類の幸せをハーモナイズすることを望んでいる」という。そのための一手として最強となるのがアームの買収らしい。


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