今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・高校野球 熱狂の表裏


週刊東洋経済 ... 高校野球 熱狂の表裏
週刊エコノミスト ... 世界の危機 分断と反逆
週刊ダイヤモンド ... 死生学のススメ
日経ビジネス ... 新・グループ経営論 縛らず統治せよ

 発売日の違いもあると思いますが、今週は『週刊エコノミスト』が合併号、おそらく来週は他の雑誌が合併号になります。というわけでもないでしょうが、夏らしい特集が見られるのも事実で『週刊東洋経済』は「高校野球」の特集、『週刊ダイヤモンド』はお盆も近く「死生学」の特集です。特に『週刊東洋経済』の高校野球特集は今までに見ない特集で、同誌の表紙にあるように<経済効果も超ド級>(同誌は夏の甲子園で344億3897万円と試算しています)なら尚更です。これが今週の第1位です。
 で、第2位はというと世界が分断と反逆で満ち始めていると特集を組んだ『週刊エコノミスト』です。ユーラシアグループ創業者兼社長の慰安・ブレマー氏への巻頭インタビューから始まる特集は説得力があります。
『週刊ダイヤモンド』の死生観の特集は、巻頭に五木寛之のインタビューあり、原始時代から現代までの日本の死生観の歴史ありと、バラエティに富んでいるのですが、どうももう一つピンときません。誰がこの特集の主要読者なんでしょうか。
 そして『日経ビジネス』は得意のテーマ型特集です。「新・グループ経営論」と題してグループ経営に今重要な要素は何かを分析しています。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 「生」あるうちに考える「死」

 大好きだった俳優ロビン・ウィリアムスの自殺の原因をこの特集で知った。彼はレビー小対型認知症に苦しみ、自ら命を絶ったのだった。さて、自分がさらに歳をとりロビンのような重大な壁にぶち当たったらどうするか。
 今週の『週刊ダイヤモンド』の第1特集は「死生学のススメ どう生きますか 逝きますか」。親の介護や墓・葬式選び、終末期医療まで、人生のさまざまなステージにおいて「死」というものに対してどう向き合うのかがテーマだ。特集では、哲学、宗教、医学、科学といった多角的なアプローチで、死生学について解説した。
 6つの項目の1つに臨死体験についての項目がある。オカルト的な要素が強いため日本においては研究者から避けられてきた臨死体験。しかしその事例は単なるオカルトと吐き捨てるにしては多く存在する。現にアメリカでは臨死体験者への調査を通じて臨死体験の内容に典型的な要素があることを見いだしてもいる。このほか、病気によって余命を宣告された者の生き様、延命治療を含む終末期医療のあり方と安楽死に対する各国の対応など、誰もに必ず訪れる「死」を「生」あるうちに考える。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 熱狂を生む仕組み

 夏の一大イベント「全国高等学校野球選手権大会(以下甲子園)」がもうすぐだ! 高校球児たちの懸命なプレーに日本中が熱狂するだろう。テレビ視聴率は人気校ともなると15%を超えてくるし、約15日間の入場者数は80万人! 関西大学・宮本名誉教授の試算によれば、その経済効果は夏のみで実に344億円を超える。今週の『週刊東洋経済』がそんな国民的行事となった甲子園の裏側に多角的に迫る。タイトルは「高校野球 熱狂の表裏」だ。
 そもそも野球というのは失敗がとても多いスポーツだ。プロでも3割打てれば一流。打席も一試合に数回だ。また守備も一試合当たりの平均守備機会はポジションによるが2〜7回。練習にかける膨大な時間から考えると練習にかけた時間(投資)に対して試合での活躍(回収)できる確率が低い非効率なスポーツであると言える。さらに甲子園では審判もボランティアとなり、より「運」要素が増す。しかし、これが教育という考え方が入ることによって瞬く間に美しくも心惹かれる物語に変わる。膨大な練習が人間形成として受け入れられ、日頃の努力や一生懸命さに人々は心を打たれる。またトーナメント性を採用し、一発勝負。それがさらにドラマ性を助長させている。ベンチ入り出来る人数も限られており勝ち進んでも連戦で過酷な環境下におかれる。野球の持つ非効率さをより強めることで番狂わせを意図的に起きやすくし、そこにドラマを生んでいるのだ。しかしごく稀にその不確実性を物ともしないずば抜けた実力を持ったスターが現れ、それもまた世間をにぎわせる。今年も確実に盛り上がる(笑)。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 抗議のための支持が世界に蔓延

 今週の『週刊エコノミスト』は一足お先に夏の合併号だ。合併号にふさわしく、マクロの視点から大きく重大なテーマに取り組んだ。タイトルは「世界の危機 分断と反逆」。世界に広がる反グローバル化のうねりや国家の分断を掘り下げる。
 格差拡大で没落した中間層が支配者層にNOを突きつけ、移民や難民排斥に動く。行き場と希望を失った移民が過激思想に染まりテロを引き起こす。世界各地でこの悪循環が始まり、混沌が止まらない。
 特集では世界各地の現状を分析する。まず「基調講演」とも言えるトップバッターは、地政学的なリスク分析を行ない、「世界10大リスク」毎年発表して注目されるユーラシアグループ創業者イアン・ブレマー氏だ。彼は欧米で始まった反グローバリズムは、今後日本や中国にも広がると予測する。従来の支配層である政党は、保守であれリベラルであれ中道であれ、人々の声を吸い上げてこなかった。だから英国では他に何の選択肢もない国民が「抗議のための投票」を目的に「離脱すればいい」という政治家の声に傾倒する結果となった。米トランプ氏への支持も、何もしてくれない既存の支配層に委ねたくないという「抗議のための支持」だと分析する。
 もう1つの特集は「この夏に読む本」。8人の各界著名人が渾身の3冊をそれぞれ紹介する。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<< 村落共同体の落としどころ

 多くの子会社を傘下に抱え、TVCMでグループの大きさを大々的に宣伝していた日立。しかし低成長の時代に入り、グループの肥大化は次第に子会社同士の食い合いによってグループ自体を苦しめていく。グループ経営に於いて最適な規模とは何か。そして方針とは何か。
 今週の『日経ビジネス』が今なお成長するグループ企業に解を求める。タイトルは「新・グループ経営論 縛らず統治せよ」だ。
 約1000社もの連結子会社を持つ日立製作所。「君臨すれども統治せず」がモットーだったが、リーマンショックによってその方針は崩れ去った。かつて副社長を務めていた川村隆氏を呼び戻し、構造改革プランを練り上げグループの大規模再編を行なった。その際の肝は「日立のコアコンピタンスは何か」ということ。大量の事業を「遠ざける事業」「近づける事業」という基準に基づいて整理し、ポートフォリオを組み直した。川村氏は「日本企業の多くは村落共同体」と述べる。「村落共同体は村長がみんなの意見を聞いて、真ん中を落としどころにする。先人が気付いた事業だから様子を見ようとか、畳むにしても一部にとどめようとかする。だから会社は機能体でなければならない。機能体のトップは老化した事業を見極めて迅速に畳み、そこで人材とカネを作って成長分野に振り向けるのが役目」と日立グループ再編について語っている。その他、LINE、リクルートホールディングスなどを取り上げる。


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