今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・日本の警察


週刊ダイヤモンド ... 日本の警察
週刊東洋経済 ... ゼネコン バブル超え
週刊エコノミスト ... ヘリコプターマネーの正体
日経ビジネス ... 英離脱後の世界

 今週の経済週刊誌で面白かったのは『週刊ダイヤモンド』が特集した「日本の警察」です。予算規模3.7兆円、職員29万人という巨大組織の全貌を暴いています。と言っても内容はそれほど派手なものではなく、むしろ微に要り細を穿ったダイヤモンドらしい特集になっています。最近この手の変わった特集が多く、この路線で鉱脈が見つかったような雰囲気の同誌です。冒頭には警察を書かせたら当世随一の作家横山秀夫氏もあり、なかなか面白く、これが今週の第1位です。
 第2位はゼネコン特集を組んだ『週刊東洋経済』です。バブル崩壊後にはゼネコン特集というと「倒産危険度ランキング」と相場が決まっていたものですが、今や史上最高益、それも前年の5倍にジャンプアップする企業もあるほど高収益なのだそうです。この状況を「バブルを越えた」と同誌は表現しています。
『週刊エコノミスト』は人々に直接お金をばらまくヘリコプターマネー(実際はそう簡単ではないのですが)の特集です。先日前FRB議長のバーナンキ氏が来日し、日銀総裁や首相と会談を持ったことから現実味を帯びてきたと同誌は分析しています。
 そして第4位は『日経ビジネス』です。英国のEU離脱後の経済がどうなるか、その影響を分析しています。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  29万人の巨大権力組織

 ストーカー、高齢者を狙った特殊詐欺、インターネット空間のサイバー犯罪など、事件の多様化と複雑化が拡大している。こういった環境変化に加え、今年の5月に刑事訴訟法の改正(刑事司法改革関連法案)が国会で可決され、取り調べの録音・録画義務化やいわゆる司法取引の採用など、警察の捜査手法も転換点を迎えようとしている。今週の『週刊ダイヤモンド』は、職員29万人の巨大組織「警察」を特集。タイトルは「日本の警察 もっと知りたい権力とお金」だ。
 交番や警察ドラマなどなど、日本人には身近な存在である警察。その警察職員は現在約29万人、予算規模は3.7兆円という巨大組織なのである。Part1.「転換期を迎える日本の警察」では、組織・仕事・都道府県「警察力ランキング」で全体像を紹介。続くPart2「絶大な警察権力の源泉」では、絶対的階級制度で29万人を統制する組織の仕組みを解説。Part3でその経済力=予算の使い道に迫る。
 経済誌で「警察」も注目だが、今週の本誌注目記事は巻頭<緊急特集>の「熱狂と挫折の『平成』経済録」だろう。平成天皇が「生前退位」の意向を示され、実現すれば平成の世は残り数年で次の元号に変わる。そこで平成元年(1989年)と平成28(2016)年を数値・ランキングで徹底比較している。それはまさに栄枯盛衰のドラマ、数値で見る「熱狂と挫折」です。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< ゼネコンの安値受注は過去のもの

 バブル期から現在への栄枯盛衰、熱狂と挫折を『週刊ダイヤモンド』が伝えれば、こちら『週刊東洋経済』はスーパーゼネコンの「バブル超え」大活況です。
 とにかく都心部の再開発や巨大ビル建設がすごい。ターミナル駅を降りるとクレーンが立ち並ぶ光景はここ数年の常態と言える。そこでスーパーゼネコンが絶好調なのだ。一時期の青息吐息からV字回復も甚だしく、着工単価はバブル期を超過。大成建設、鹿島、大林組、清水建設の上場4社は2016年3月期そろって最高純益を更新したという。東日本大震災が起こった11年を境に、建設業界を取り巻く環境は一変した。震災需要に加え、五輪開催を見据えた再開発プロジェクトが次々に立ち上がり、そこに人手不足が重なった。需要と供給は逆転。安値受注は過去のものとなり不採算工事がなくなりつつある。しかも、東京五輪以降も都心の再開発は止まりそうもないのが現況である。一方、地方は苦境。復興需要は2015年までで一巡し、公共事業も減少している。ゼネコン復活も、実態は東京一極集中なのだ。そして重層下請け構造の中で景気がいいのは中堅まで。下請け業者までなかなか波及していない。さらに驚いたのは、結果的に「建築家外し」となるゼネコンによる設計のIT化が進んでいることだ。若い建築家は育つのだろうか?


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 人々に直接お金をばらまく方法

 ヘリコプターからお金をばらまくがごとくお金を人々に配ることで景気の浮揚を図ろうとする政策を「ヘリコプターマネー政策」と言う。この政策を強く推奨するのが前FRB議長のベン・バーナンキ氏だ。デフレから何とか脱却しようという日本政府に対して、先頃同氏が来日し 手黒田日銀総裁、安倍首相と会談して、この政策を暗に奨めたのだと言う。
『週刊エコノミスト』がこうした状況を捉えて「ヘリコプターマネーの正体」と言う特集を組んだ。
 この政策は当然のことながら賛否が大きく分かれている。まさに麻薬のような政策で、何度も行なわれることになると人々は「麻痺」し、通貨への信任は大きく薄れていくからだ。こうした論議を同誌は両論を掲げてこの政策の正体を暴こうと試みているのだ。
 バーナンキ氏が来日して安倍首相と会談した際に同席した浜田宏一内閣官房参与はインタビューに答えて、会談ではそんな話は出なかったと語り、ヘリマネの危険性を指摘している。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<<  結局どうなる? 英国離脱後の世界

 英国離脱関連の特集が一段落したこの時期に『日経ビジネス』が同誌にしては珍しい32ページもの大特集を組んだ。特集タイトルは「英離脱後の世界」。サブタイトルは<日本も直撃「失われる10年」>とある。特集は5部構成だ。全体を通じて欧州の今後についてのみならず、特に世界の金融市場がどうなっていくのかということと、日本がどのような状況に置かれるのかという点について、詳しく言及している。
 パート1は文字通り英国の問題。メイ新首相になり、どのような状況が待ち受けているかを解説する。あまり日本人には馴染みのないEU議会の仕組み等についても細かく紹介している。パート2ではこれから起こるだろう政治リスクとその混乱がもたらす欧州を俯瞰し、世界市場、そして日本企業への影響についても触れている。そしてパート3ではEUの盟主であるドイツの行方を解説している。パート4では対EUの通商協定の見直し、パート5では米大統領選を控えた米国との関係についてレポートしている。


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