今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・健康格差


週刊東洋経済 ... 健康格差
週刊ダイヤモンド ... 確率・統計入門
日経ビジネス ... 社会保障 非常事態宣言
週刊エコノミスト ... Fin Tech 最前線!


 やっぱりそうかとは思っていたのですが、所得の格差が健康の格差に繋がるという分かりやすい特集を組んだのが『週刊東洋経済』です。今までは糖尿病などというといいものばかり食べ過ぎた所為と言われていたが、実は違うということが分かってきました。そういう所得の格差が人の健康にどう影響を及ぼすかを描いています。この特集が今週の第1位です。
『週刊ダイヤモンド』は今年の1月に組んだ「数学特集」の第2弾とも言うべき特集を組んできました。今度は「確率・統計」です。文系でも使えるというようなキャッチフレーズが興味をそそります。
 第3位は『日経ビジネス』です。消費税増税延期がいかに日本の社会保障に影響を及ぼすか、というテーマです。そして『週刊エコノミスト』はFin Techの特集です。分かりやすい特集ですが、もう散々他誌がやりつくしたテーマですので、ランク的には4位にしました。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  所得格差は健康格差

 健康でいられるか否かは個人の管理能力の問題......いま、この認識が急速に揺らぎ、「所得格差=健康格差」が定着しようとしている。今週の『週刊東洋経済』がこの問題を取り上げる。タイトルは「健康格差 雇用と所得の差が、命の差につながる」だ。非正規の糖尿病・貧困家庭の肥満児&虫歯・管理職の早死に、これらは自己責任では片ずけられない深刻さだ。公衆衛生の研究者が「日本の経済成長を損なう時限爆弾」と呼ぶ健康格差の実態に迫る。
 一昔前まで、糖尿病はぜいたく病とも揶揄され、飽食が原因と見なされていた。しかし現在、糖尿病は不安定雇用や低所得等、社会経済状況が悪い人ほど罹患しやすい病だと認識されている。新鮮な野菜よりファストフードやジャンクフードのほうが安い。そして腹一杯になる。だから生活に余裕のない非正規雇用者が糖尿病発症のサイクルに陥りやすい。医療の受診も控えるため重症化して合併症等を発症する確率は正規雇用者の1.5倍程度になる。
 後半は先端的健康オタク・高城剛氏へのインタビューや、糖質制限ダイエット、サラメシ健康化作戦など、健康獲得・維持の情報満載。しかし、今週の『週刊東洋経済』を手に取る層は健康意識の高い人だと思うんだよね。これで健康意識高い系とそんな余裕ない系の健康格差がまた開く......(苦)。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  入場者数は確率論で分かる

 先々を予測し、意思決定し、検証・改善をしていくのがビジネス。今週の『週刊ダイヤモンド』は「ビジネス数学の最終兵器 確率・統計入門」と題して、ビジネスの現場で助太刀してくれる確率論とそれを基礎とする統計学の基礎知識から実践まで紹介する。
 プロローグは近年大躍進を遂げたUSJのサクセスストーリーだ。その大車輪となったのが「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」。当時の年間売上の6割に当たる450億円が投じられた「大博打」の裏には、確率論による確かな勝算があった。USJの躍進の立役者であるチーフ・マーケティング・オフィサーである森岡毅氏は「テーマパークは数学で変わる」と語る。「成功確率が高いアイデアを成功確率が高い順番で繰り出す」ことを意識し、V字回復のための戦略を練ったという。ハリー・ポッターという特大ロケットの投資資金確保のため、まずは成功確率の高い小型ロケットを連射した。ファミリー層を狙った新エリアの建設や「進撃の巨人」「ワンピース」という大人気漫画とのタイアップで、多くの層を来場者として取り込んだ。確率思考に裏打ちされたアイデアはことごとくヒットし、投資資金を確保。ハリーポッターエリアオープンの認知率90%実現と来場者数200万人を達成するシナリオが作られた。
 後半ではビッグデータ時代に注目される「ベイズ統計」と、「文系でも使える微分積分」を解説する。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<<  増税延期で社会保障が危ない

 今年2016年の『日経ビジネス』年間テーマは「シリーズ日本が危ない」。今号はそのシリーズの一貫として社会保障を取り上げている。タイトルは「社会保障非常事態宣言 増税延期の罪」だ。
 年金・医療・介護・保育・生活保護−−−社会保障制度が非常事態領域であることは間違いない。しかもそれぞれの社会保障に多くのムダや矛盾を抱え、国民にも既得権益者にも痛みが生じる改革には目を背ける政府。財源確保のためと言ってきた消費税増税も選挙前にいち早く先送りを決めた。
 声の大きい既得権益領域「医療費」を取り上げてみよう。2000年代以降、高額医療費が上がり続けこの15年で2.8倍となっている。薬価算定ルールが古いまま放置され、新薬の超高額化が加速。例えば年間3500万円かかる超高額ガン新薬もある。個人の負担は月8万円あまりに抑えられているため、国庫の負担は増すばかりだ。人の命にどこまで国の負担を認めるか......といったシビアな判断は、英国などではすでに20年前から始まり「年3万ポンド(約450万円)」と規定している。一方、病床数が多い県ほど1人あたりの入院医療費が高額でもあるという。病床を埋めるために入院頻度や期間が増加する傾向にあるのだ。財政破綻して域内に総合病院が無くなった夕張市の死亡率は、破綻前と変わらないそうだ。何をか言わんや。
 これから本番を迎える社会保障の劣化に改革は、国民の意識は追いつくのか?


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< Fin Tech は人減らしの道具

 金融とテクノロジーの融合Fin Tech。2015年に風速を増した「フィンテック旋風」は今年さらに加速。国内金融機関の「お勉強期間」は過ぎ、具体的な事業化が始まっている。今週の『週刊エコノミスト』がその最前線を特集した。
 フィンテックの取り組みで世界を牽引する米国では、商業銀行の雇用数が大きく減少を始めている。リーマンショック前のピーク時136万人がいまや126万人だ。例えばJPモルガンが最近行なったグローバル採用募集では、従来型の投資銀行業務とリサーチで123人募集したのに対し、IT業務では2000人以上の採用を予定。金融業務が激変しようとしている。日本でもその流れに対応するため、この4月には「フィンテック関連法」とも言える銀行法および資金決済法改定案が国会で可決・成立した。ネット専業銀行・証券、商社、IT企業、そして3大メガバンクもフィンテック関連企業との提携や協業を進めている。出資関係も複雑化し、最新業界地図も掲載されているが、今後もその変化に目が離せないだろう。形成過程の群雄割拠の流れの中で生き残り拡大するテクノロジー、サービス、ビジネスは何か?


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