今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・三菱に喝!


週刊エコノミスト ... 三菱に喝!
週刊ダイヤモンド ... 世界を変えるiPS
日経ビジネス ... 三菱、必然の凋落
週刊東洋経済 ... 伸びる会社、沈む会社

 今週は三菱自動車の燃費不正問題絡みで特集を組んだ経済誌が2誌ありました。他の2誌にも関連記事が在り、やはり三菱問題は日産の傘下入りや業界再編などさまざまな影響を及ぼすようです。そのなかでも『週刊エコノミスト』が三菱自動車と関連するグループ各社を取りあげ、「喝!」を入れるという特集を組みました。これがなかなかパンチ力があっていい企画でした。ということで3週続いて『週刊エコノミスト』が第1位です。
 次は特集で「iPS細胞」を取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。最近の経済誌はこうした医療ものの特集が多いのですが、中でも夢の治療が可能になるこうした新技術に関しては誰もが興味を持つところです。それにしても2006年に山中伸哉京大教授ががiPS細胞の作成に成功してからはや10年ですか。
『日経ビジネス』の特集もやはり三菱絡みで、これは三菱グループではなく、日産の傘下入りとそれに伴う世界再編の問題を取りあげています。これが第3位です。
 そして、第4位は『週刊東洋経済』です。特集は同社の『四季報』をベースにした企業業績特集で、恒例の企画です。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 三菱的なるものとは何か?

今週の『週刊エコノミスト』も前週同様迫力のある特集だ。タイトルはストレートだが、読者目線が行き届いているから好感が持てるのだろうし、「オッ」という感情を突き動かすものがにじみ出るのだろう。
 で、今週の特集は「三菱に喝!」。
 単純だが、読者の思いを表している。もちろんこの三菱は三菱自動車の燃費不正問題に焦点を当てているのだが、それだけでなく親的な立場であった三菱重工における防衛産業の問題、三菱自動車といちばん結びつきが強かった三菱商事、そして金融の要となる三菱UFJフィナンシャル・グループなど関連するグループ企業の問題点も俎上に載せている。
 特集は2部構成で、第2部では「三菱とは何か」を考える。歴史をひも解き、匿名座談会ではその病巣の根源にある三菱的なものに迫る。浜矩子氏の「岩崎弥太郎の海賊魂を思い起こせ!」もいいですね。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< iPS覇権争い

「夢の万能細胞」と謳われたiPS細胞も開発から10年が経過した。世界初となる患者への移植手術も成功し、「夢」が現実へと近づいてきた。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は市場規模で50兆円を超えると言われているこのiPSを特集として取りあげた。タイトルは「世界を変えるiPS」だ。
 確かに、産業界は世界中でこの技術を活用した治療薬や治療法の開発などで激しい争いを繰り広げている。例えば、製薬国内最大手、武田薬品工業の湘南研究所では、その中央部に京都大学iPS細胞研究所との共同研究プロジェクト「T-Cira」が居を構える。武田は10年間で計200億円もの研究費に加え、設備の提供を含めた120億円相当の研究支援を提供する。武田が持つ国内屈指の新薬スクリーニング用の「化合物ライブラリー」を自由に利用できるといったメリットもある。一方で武田側にもiPS細胞で「創薬のあり方を変えたい」という思惑がある。それも、特許が切れればジェネリックに勝つ事ができない低分子医薬品と違い、細胞治療は高度なノウハウが必要と言われている。そのため低分子医薬品と違い、ひとたび成功すれば長く商売に繋げることができるからだ。このような例を基に得意の取材力で同誌はこの新技術の世界を丹念に探訪している。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< どうなる? 自動車産業の世界再編

 燃費不正問題にて経営危機へと陥った三菱自動車。その終着点は日産自動車の傘下に入るというモノだった。その背景にあるものは何か。それを今週号の『日経ビジネス』が特集している。特集のタイトルは「三菱、必然の凋落」である。
 もちろん、日産自動車がわざわざ火中の栗を拾うのは、ブランドや技術力を手に入れる事だけが目的ではない。その最も大きな理由は規模の拡大。自動車メーカーは世界シェアで首位を争う「1000万台クラブ」と特定の分野に特化し、小規模ながら収益性を高めている「200万台クラブ」の二極化が進んでいる。トヨタやフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズといった「1000万台クラブ」に追いつくために低迷が続く中規模帯を抜け出す為の電撃提携なのだ。
 日産の他にも自動車業界全体を再編の波が襲っている。同誌はメーカー相関図と題して世界の自動車産業の技術や資本の提携がどうなっているかを図示しながら、その関係を解く。全方位的な技術開発を進められるのは、大企業である「1000万台クラブ」のみ。それができる企業だけが世界シェアを伸ばし二極化はより進むと言われている。また、その再編の波は部品メーカーにも及ぶ。新技術の発達によって技術の主導権が部品メーカーへと移りつつあり、影響力を増している。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 企業業績は停滞へ?

 企業の業績が停滞している、と『週刊東洋経済』は得意のでーたをもとに2016年度の営業利益予想をしている。それによると3月末決算の上場企業2163社の営業利益予想を集計したところ、前期比1.8%減になる見込みであることがわかった。前年度が9.4%増だったことを考えると、企業業績にブレーキがかかっている事が改めて浮き彫りとなった。
 そこで同誌は「伸びる会社、沈む会社」という特集を組んだ。要は6月13日発売の「会社四季報」の先取り企画として、企業業績を全展望する内容だ。
 ただ、同誌によると市場関係者のなかには「会社予想が保守的すぎる」という指摘もあり、細かく分析を行うと、過去最高益を見込まれる企業も少なくなく、業績実態はそこまででもないのではという意見もあるようだ。
 確かに円高や外需低迷といった逆風下においても成長を続ける会社は存在する。同誌はその一つとして三菱電機を取りあげる。今年2月、時価総額でトップとなった三菱電機の特徴は徹底した守勢だった。成長戦略が描けない事業を徹底して見直し、安定した事業の育成を貫いた結果、不景気においても黒字を守り抜き業界トップへと躍り出たのだ。また、ここからこの殻を破り、攻めに転じる動きも見せている。


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