今週の第1位は『日経ビジネス』・・・移民ノミクス


日経ビジネス ... 移民ノミクス
週刊東洋経済 ... 経営者 豊田章男
週刊ダイヤモンド ... 踊る米大統領選
週刊エコノミスト ... どん詰まり 中国

 日本が実は移民を最もしやすい国になっているということは、何回か前のこのメルマガでご紹介しましたが、それでも人は来ないという現実があります。正確に言うと優秀な人材が来ないというのが正しいでしょう。そして実際の外国人の人たちが働きにきても、上手く付き合っているか、そこも疑問です。そんな状況を『日経ビジネス』が特集でまとめました。「移民ノミクス」というタイトルです。中小やベンチャー企業での外国人の活用例が紹介されていて、なるほどと思いました。これが今週の第1位です。
『週刊東洋経済』のトヨタの豊田社長の特集は面白かったです。しかし、14ページものインタビューは長過ぎる。例えば章立てをするとか(つまり編集する)しないと読むのはつらいのではないかと思います。でもこれだけの長時間のインタビューを取ったのは立派ですね。これが第2位。
 米大統領選を取りあげたのは『週刊ダイヤモンド』です。話題性もあり、読み物としては面白いのですが、もう一つパンチがなかった気がします。
『週刊エコノミスト』は行き詰まりを見せる中国経済の行方をレポートしています。パナマ文書が出てきただけに、そちらのレポートがあれば最高だったでしょうが、そうは上手くいきません、


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

nikkei20160407.jpgtoyo20160407.jpgdia20160407.jpgeco20160407.jpg


第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 外国人労働者との付き合いかた

 日本で働く外国人。その数が今年100万人の大台を超える見込みである。労働者の多くを外国人に頼っている業界も多く、彼らなくして日本経済は成り立たない。ただ、付け焼き刃での労働力確保としての外国人登用は限界に近い。彼らをより上手く取り込み、多様性を新たな力とし、今まで以上の価値を生むにはどうすればよいか。『日経ビジネス』の今週号はそうした背景を踏まえて、「移民(イミ)ノミクス」という特集を組んだ。
 冒頭の記事は三菱重工業の巨額損失の裏側に、実は外国人労働力の問題が存在したことを暴く。2016年3月期までに1872億円もの特別損失を計上したわけだが、この一因に現場で働く外国人労働者たちとの意思疎通の問題があったというのだ。
 その一方で彼らの力を上手く生かすことのできている企業も存在する、と同誌は解説する。東京都調布市の中古車のECサイトを運営するビィ・フォワードは社員の約3割が外国人。国籍の数は約30にも及び、彼らが各国のディーラーと直接対応する事で販路を広げてきた。また新たな地域に進出する際も、その国出身の社員を中心としてチームを作る。なるほど、抱え込んだ外国人社員の力を上手く成長へと転換させているのである。また、東京都八王子市の栄鋳造所は社員の5分の1が外国人。彼らが増えるにつれて海外売上高を増加させてきた。栄鋳造所はリーマンショック後、海外への進出を断念する代わりに組織のグローバル化に踏み切り、ホームページを従業員皆が使える様に6ヵ国語表記に変え、組織体系からも日本独自の体系を払拭した。するとそれまで無かった外国からの依頼が徐々に増え、利益率は劇的に改善した。
 移民をただ受け入れるだけではなく、その力をいかにして利益へと繋げるか、そのポイントは雇い方ではなく付き合いかたなんだなということが分かって来る。これから先、企業に必要な考え方なのだろう。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 14ページにわたる豊田章男インタビュー

 歴史的に、日本経済を牽引してきた二大産業である電機と自動車。だが既に勢いが衰えていた電機は昨年度の東芝やシャープの相次ぐ不祥事でもう見る影もない。一方で自動車はどうだろうか。2012年末からの円安を追い風に多くの企業が過去最高益を更新している。中でも業界トップのトヨタ自動車は販売台数で世界一に上り詰めた。躍進の影で、日本経済の自動車産業への依存度もまた問題視されている。事実上のトヨタ頼み。
 そこで『週刊東洋経済』はそのトヨタのリーダー豊田章男を中心に、トヨタの強さを解剖する。
 リーマンショックや大震災を乗り越え、大胆なグループ・事業の再編を成し遂げた豊田社長。輝かしい実績とは裏腹にその経営者としての実像はつかみどころがない。あえて数値で経営を語る事はなく、また自らハンドルを握りレースに出場する事もある。その豊田章男は14ページにわたる独占インタビューの中で、「豊田」性に対する思いや会社を動かしていく上での考え方、また経営者以前の人としての心構えを語っている。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 破天荒な人生、破天荒な大統領候補?

 異様な雰囲気に包まれる米大統領選。その中心にいるのは紛れもなく過激な発言でライバルも民衆をも手玉に取るトランプ氏だ。先日のウィスコンシン州の予備選でクルーズ氏に負け、潮目が変わったとも言われるが、いずれにせよこの熱狂に踊らされては米大統領選が持つ本質を見失ってしまう。
 そこで「踊る米大統領選」という特集を『週刊ダイヤモンド』が組んだ。大統領選の結果が与えるさまざまな影響をしっかりと分析し、見極めようというわけだ。
 米国での異様なトランプ旋風の背景には今まで溜まり続けてきた民衆の不満と怒りがある。アメリカでは1%の富裕層が富の多くを占有しているといわれ、国民の経済力は低まり、特に白人の低学歴男性は職に就くことが難しいという。彼らの怒りは仕事を奪うメキシコや中南米からの不法移民や市場シェアを脅かす各国からの貿易品に主に向けられる。というわけで、トランプ氏が演説で下品で過激な言葉を使うのは、こうした民衆の怒りを代弁したものに過ぎない。  
 一方、民主党の最有力対立候補であるヒラリー・クリントン氏は対立候補のバーニー・サンダース氏の躍進を受けて優勢ではあるものの予想を上回る苦戦を強いられている。サンダース氏は学生に向けた公約を携え、若者の人気をわしづかみにしているため、相対的にクリントン氏の人気は低空飛行だ。
 まあ、こうしたことはテレビでもしょっちゅう解説がなされているので、多くの人が知っていることに過ぎない。面白かったのはイアン・ブルマーユーラシアグループ社長の大統領選分析記事と「やりたい放題!? トランプ人生すごろく」で紹介されているトランプ氏の経歴だ。ペンシルベニア大学ウォートン校出身だとか3度の結婚相手はモデルか女優だとか、結婚を繰り返したため大家族で、結構仲はいいとか。カジノ運営会社を破産させたりとか、破天荒な人生ではある。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< チャイナリスク倒産は増える?

 突然噴出してきた「パナマ文書」疑惑で、おそらく政権内部は騒然としているだろうことは容易に想像できるが、それでなくとも中国経済の行方については世界中が関心を寄せている。3月の全人代では大規模な改革を打ち出し、この難局を乗り切ろうと習近平政権が躍起となっているが、その行方は混沌としていて、はっきりとした道筋はまだ見えてこない。
 こうしたタイミングで『週刊エコノミスト』がその中国を特集した。タイトルは「どん詰まり中国」。つまり中国の今後の行き場、やり場のないことを示している。いいタイトルだ。
 まず記事は遼寧省政府傘下の国有企業である鉄鋼メーカー東北特殊鋼集団の董事長自殺の背景について資金繰りの問題を上げ、同様のケースはこれからも起きて来ると説く。実質的に破綻しているにも関わらず生き残っているゾンビ企業が多く、改革を叫んでも共産党一党支配ゆえの矛盾点や問題点が背景にあり、改革は容易に進みそうにない。こうした現状を分析、レポートしている。
 また、香港において、言論統制を強める習政権の思惑や、もちろん日本企業の「チャイナリスク倒産」も増加すると同誌は解説している。



トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『日経ビジネス』・・・移民ノミクス