今週の第1位は『日経ビジネス』・・・流通新勢力

日経ビジネス ... 流通新勢力
週刊エコノミスト ... 景気の壁
週刊ダイヤモンド ... 投資マネー異常事態
週刊東洋経済 ... マンション時限爆弾

 今週も面白かったのは先週に続いて『日経ビジネス』です。流通の最前線、といってもあまり有名でないけれどキラリと光るユニークな販売をしている店を取りあげています。イオンの株主総会で「PBがどんどん増え買い物をする楽しみがだんだんなくなっている」と株主から提言があったそうですが、ここに紹介されている店はそれとは真逆の店だと言うわけです。これが面白く今週の1位です。
 2位はこれも先週に続いて『週刊エコノミスト』です。アベノミクスに立ちはだかる7つの関門を特集しましたが、異次元緩和に舵を切った黒田日銀を「爆弾低気圧」と評する中原伸之・元日銀審議委員の話が面白かったですね。
 第3位は『週刊ダイヤモンド』の投資マネーが今どうなっているかという特集です。一言で言うと異常事態なのだとか。第2特集の「2040年 全国市町村 財政貧乏度ランキング」も面白かった。貧乏度第1位は大阪の河内長野市だとか。
 そして第4位は『週刊東洋経済』です。マンションの老朽化にどう対応するかという現実的な特集で、中身は悪くありませんでしたが、タイミング的には他と比べて今一の感が拭えませんでした。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  リアル店舗はネット店舗のショールーム

 まだまだ、おもろい会社は沢山ある。そう思わされたのが『日経ビジネス』の特集「流通新勢力」だった。プライベートブランドを増やし、似たような売り場作りで商品を売る流通大手。そこに待ったを唱え、独自の手法で展開し成功を収める企業がある。今回の特集では、「売り場」「品揃え」「接客」において画一化を壊す企業を紹介している。
 例えば北九州市に本拠を置く地域スーパーのハローデイ。ここには「ハロリンピック」と呼ばれる、従業員の考えた陳列方法から新商品まで広く評価する社内コンテストがある。メリーゴーラウンドの様な「売り場」を自作し、来店客の足を止めたパート従業員が表彰されるなど、内容はユニーク。従業員の創意工夫を引き出す仕組みとして成功し、2013年度は815億円の売上高を見込んでいる。「接客」では、インテリア店「アルモニア」を運営するエイチ・ケイ・ワイ。「ここで買うより、楽天市場で買った方がポイントがついてお得ですよ」なんてことを接客で言う。これは元々、エイチ・ケイ・ワイがECを行なっていた企業であり、まだまだ家具をネットで買う抵抗感を下げるために、出店した背景にある。つまり、リアル店舗はショールームとしての意味合いが強く、ネットとリアルの架け橋となっているのだ。そのため一般的に禁止される店内での撮影も歓迎しており、ネットによる拡散も柔軟に受け入れている。
 このような企業が15社も紹介された本特集。これら企業に共通してあるのは「顧客に驚きを与えること」。合理化・画一化で低価格を実現する大手に対抗するための秘策が目白押しだ。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< アベノミクスに立ちはだかる関門

 アベノミクスを「安倍バブル」「日銀バブル」など、幾多の切り口で頻繁に特集してきた『週刊エコノミスト』。今週は「景気の壁」というタイトルでアベノミクスに立ちはだかる7つの関門を詳らかにする。7つの関門とは「制御不能な長期金利」、「輸出:限定的な円安メリット」「外需:頼みの中国は景気停滞」「設備投資:製造業に過剰感」「公共事業:人件費急騰」「消費税:増税が消す緩和効果」「地方経済:アベノミクス浸透格差」だ。
 最大の関門は「制御不能の長期金利」。「壮大な実験」とも称される異次元緩和に舵を切った黒田日銀を「爆弾低気圧」と評する中原伸之・元日銀審議委員、「(アベノミクス相場開始以来)国内機関投資家が日本株を買っている痕跡は全く見られなかった」とのデータを示す菊池真・ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役、この2人のコラム「警告」が読みどころか。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  中央銀行バブルの行方

「投資マネー異常事態」。今週の『週刊ダイヤモンド』の特集タイトルだ。5月22日、バーナンキFRB議長がQE3の年内縮小を匂わせると、5月23日、日経平均株価は1143円暴落した。その後も続く金融市場乱高下を受け、日銀黒田総裁が打ち出した"異次元緩和"やFRB(米連邦準備制度理事会)が押し進めてきた大規模金融緩和によって発生した"中央銀行バブル"で何が起きてどこに向かうのか、「彷徨う投資マネー」の行方を占う。
 表紙では「¥」がトンネルの「闇」に向かって暴走。6月7日に発表される5月の米雇用統計が目先の"関ヶ原"となるようだ。そんなわけで今週は、ボクシングでいう"インターバル"。緊張感を持って現状を振り返りつつ、体勢を整える時間なのかもしれない。
 Part1.では「黒田緩和が迫るリスクテーク」と題し、機関投資家の現状を追う。Part2.は「熱狂する個人マネー」。個人投資家の成功談と、円安により次のトレンドとなりつつある国内株投信が語られる。そして特集の最後は「2年後の日本」。短期的な結果で報道されがちだが、結局2年後に物価目標を達成できるのか。戦いはまだ始まったばかりであり、ノックアウトされないことを祈るしかない。
 第2特集は「2040年 全国市町村 財政貧乏度ランキング」。少子高齢化により、減る税収と膨らむ福祉費。30年後に財政困窮しないための、自治体の生き残り策を取りあげる。もうすでに、住民の争奪戦は始まっているのだ。


第4位
■週刊東洋経済■ <<< 業者にカモにされないマンションの修繕法

 今週の『週刊東洋経済』の特集は「マンション時限爆弾」。おっ!こちらもアベノミクスで不動産!? かと思いきや、副題「老朽化にどう対応する」が目に入った。全国600万戸のマンションに潜む「老朽化(建物)」と「高齢化(住人)」という難問を「時限爆弾」になぞらえてのタイトル付けだった。
 老朽化すると建て替えや修繕にお金がかかり、空室も増える。管理者や組合員が高齢化すると、滞納や機能不全を起こす。そして、負の相乗効果でタイムリミットが近づく。特集ではマンションが抱える時限爆弾を4つの切り口で解説する。「ほぼ無理な建て替え」「資産価値を決める大規模修繕」「揺れる管理組合」「とびきり難物のタワーマンション」だ。「間違いだらけの修繕の常識」といった記事では、業者にカモにされないための基礎を伝授。先送りにしてきた自覚があるマンション住人、今後直面する予感のある方は、まずこれを読んでみるといいかも。かく言う私も、先日管理会社から「大規模修繕の進め方」という冊子を渡されましたが。
 第2特集は「成長戦略の隠し球 カジノ解禁!!」。1999年に石原元都知事の「お台場カジノ構想」から出ては消えを繰り返したカジノ問題。あまり知られていないが、秋の法案提出に向けてまた動き出していた。マカオでの成功例を見ると、経済効果は凄まじい。しかし、公序良俗などの非難もされやすくナイーブな案件だ。今回の特集で面白かったのは、澤田秀雄エイチ・アイ・エス会長のインタビュー記事。ハウステンボスの成功例を挙げ、九州誘致を強く推す。


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