今週の第1位は『日経ビジネス』・・・おらが村のインバウンド


日経ビジネス ... おらが村のインバウンド
週刊エコノミスト ... そうだったのか! TPP
週刊ダイヤモンド ... 暴れる地球 気候変動の脅威
週刊東洋経済 ... 資産価値をどう守る? これからのマンション選び

 世は地方創生で盛り上がっています。インバウンドで盛り上がっています。その盛り上がる2つに関連性があり、しかも可能性があると特集のテーマに掲げたのが『日経ビジネス』です。つまり、地方に外国人観光客を呼び込む、そんな動きを実例と共に取り上げ、その成功するポイントを紹介しています。記事を読むと、なるほど日本人が見過ごしていたり無視していた日本人社会特有の活動や行事が、外国人には新鮮に映るということがおぼろげながら分かってきます。こうした成功例が地方に広がれば、まさに一石二鳥でしょう。そんなわけでこれが今週の第1位です。
 もう一つ、タイトルではそれほどピンとこなかった特集で読んでみるとなるほど工夫が凝らしてあり面白かったのが『週刊エコノミスト』です。特集のタイトルは「そうだったのか!TPP」と借り物ではありますが、上手く分かりやすく作ってある、これはこの雑誌の行き方の一つになるのではないか知らん、と思いました。
 第3位は『週刊ダイヤモンド』の異常気象特集です。異常気象が常態化してきた現在の状況を分析して、例えば100年で3度も気温が上昇している東京がどれほど異常な常態かがよくわかります。
 そして、『週刊東洋経済』はマンション特集です。杭打ちの偽装に端を発したマンションの問題を中心に、これからのマンション選びについて取材しています。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

nikkei20151203.jpgeco20151203.jpgdia20151203.jpgtoyo20151203.jpg


第1位
■ 日経ビジネス■ <<< インバウンドは地方へ

 訪日観光客増加の勢いが止まらない。2020年の東京五輪に向けた年間2000万人の目標は既に射程圏内で、既に4000万人説が出始めている状況だ。訪日観光客による「爆買い」によって関連企業も好決算に沸いている。しかもこういった効果は今まで、都心に限定されていたが、それが今、地方に波及し始めているのだ。
 そんな状況を『日経ビジネス』が今週号で特集した。題して「おらが村のインバウンド」。
 日本人にとっては何気ない田舎の日常風景であっても、外国人にとっては新鮮な観光場所となる。観光資源が無いと嘆いていた村に外国人を呼び込むことが地方創生の原動力となるか。
 実際に外国人の呼び込みに成功している企業や地域はどのような手段を取っているだろうか。たとえば飲食店検索サイト「ぐるなび」は「H.I.S.ANAナビゲーションジャパン」が運営する旅行予約システムを利用し、「食」をテーマにした地方旅行を提案している。言語が通じず苦労することが多い外国人客に対して、対応の整った店を厳選して紹介することを可能にしている。
 また、企業でなくともこういったツアーにより人を呼び込んだケースもある。京都府北部、天橋立がある宮津市の旅館「酒鮮の宿 まるやす」のオーナー、古田豊弘さんは地元の酒蔵に声をかけ、酒蔵をワイナリーに見立てた酒蔵巡りツアー「丹後天酒まつり」を企画。地酒の知名度も上昇し、外国人観光客が頻繁に訪れるようになった。地方創生の真髄がここにあるのかもしれない。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 実はメリットが薄いTPP

 この企画は意外に面白かった。『週刊エコノミスト』の特集「そうだったのか! TPP」のことだ。特集の扉ページに副題として<期待はずれの政治ショー 経済へのメリットは薄い>とあるように、そのメリット・デメリットを解説している。
 例えば<こう変わる日本の産業>の項では、「自動車・自動車部品→現地生産で薄まる関税の重み」「外食→牛丼値下げ期待できず」「衣料品→価格に影響なし」といった具合で、ご丁寧にも別のページではスーパーのチラシ風にレイアウトして「カレー816円→672円」「競走馬540万円→200万円」「ナポリタン1188円→1057円」などとしてその理由を解説している。もちろん懸念される農業の問題からTPPで上がる株・下がる株まで満載である。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 30年に一度が10年に一度

 11月30日からパリで安倍首相、オバマ大統領、習近平国家主席ら世界の要人が参加してCOP21(気候変動枠組み会議)が始まった。今週の『週刊ダイヤモンド』は、COP21に時期を合わせて「暴れる地球 気候変動の脅威」を特集する。スーパー台風や集中豪雨、火山の噴火に地震と、近年極端な気象現象が頻繁に起きるようになり、地球気候の暴走を誰もが感じ始めているだろう。特集では国内外で起こっている異常気象の実態を3人の人気気象予報士が解説。そして気候変動がわれわれの生活やビジネスにもたらすメリット・デメリットに迫る。
 今年9月の豪雨による鬼怒川の堤防の決壊、2014年の関東甲信での大雪や広島市の豪雨と土砂災害。気象庁が「30年に1回以下」と定義する「異常気象」が毎年のように起こる。日本ではこれまで温暖化一辺倒の報道ばかりだが、11月にはNASAが「南極の氷が増加」と発表。産業革命以降の人間による二酸化炭素排出量増加だけがこの極端現象の原因と考える人はさすがに減り、近年では「温暖化」なのか「寒冷化」なのか、専門家の論争も真っ二つだ。その辺の論争がコラムにまとめられていて興味深い。気候変動によって発生するリスクをビジネスチャンスにする企業もレポート。トヨタ自動車など巨大企業のほか、ウェザーニューズ社のグローバル展開にも焦点を当てる。
 巻頭「ダイヤモンドレポート」で取り上げるのは「電子領収書が問う総額1兆円のムダと日本の"紙信仰"」。経費のデジタル領収書化で経理部門の人件費が70%削減だそうです。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  自分のマンションは自分で守る

 今年10月、横浜市都筑区の大規模マンションの1棟で発覚した建物の傾き。難しい地盤に打ち込まれた杭データの偽装が元凶だった。今週の『週刊東洋経済』は、「資産価値をどう守る? これからのマンション選び」と題して、購入から管理、修繕まで、マンションの新常識を徹底検証した。
 そもそも杭問題で話題となった三井不動産レジデンシャルは、定期的な検査や補修を行なうアフターサービスや欠陥に対する手厚い補償等品質にこだわりを持っていることで知られ、人気のブランドだ。そんな三井不動産でも防げない欠陥には業界の構造である"まず価格ありき"という思考がある。マンションの収益構造のモデルにおいて特徴的な部分は二つ。一つがデベロッパー側の販売促進費の多さ。モデルルームや広告等、総事業費の約7%を占める。一方でゼネコンの設計・管理費は1.5%と事業構造そのものから設計や管理が軽視されている。二つ目は下へ下へとひずみが集中する構造だ。一次、二次、三次の下請けを含めると一つのマンションに関わる企業の数は500以上。本来元請けの責任である品質の確保も下へ下へと回され、品質検査に約6割の下請けが関与しているのが実態だという。
<巻頭特集>は「企業もカネも群がる AIの破壊力」。グーグル、フェイスブックに続き、国内でもドワンゴ、リクルートがAI研究所を設立するなど、本格化するAIブームを追う。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『日経ビジネス』・・・おらが村のインバウンド