今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・鈴木敏文の破壊と創造


週刊ダイヤモンド ... 鈴木敏文の破壊と創造
日経ビジネス ... 日本の医療を救え
週刊東洋経済 ... 物流大激突
週刊エコノミスト ... 中国株バブルがきた!

 タイトルだけ見るとあまり面白くなさそうでも、読んでみると意外に面白い特集があります。今週の『週刊ダイヤモンド』と『日経ビジネス』がまさにそうでした。前者は「鈴木敏文氏」の特集。後者は日本の医療の特集。読まないうちに何となく想像がつくわけですが、『日経ビジネス』と来たら表紙に日野原重明氏と稲盛和夫氏両氏の写真が取り上げられていてちょっと引いてしまいました。(もっとも『週刊ダイヤモンド』も鈴木敏文氏の写真でしたが......)
 でも中身は面白かった。セブンイレブンの成功の原点である破壊と創造を取材し、さらにグループ全体で展開するオムニチャンネルについても載っていて、同誌の方が若干面白かったという評価です。この『週刊ダイヤモンド』第1位です。
『日経ビジネス』の医療費の問題も分かりきったテーマですが、病院の経営力という観点でこの問題を取り上げたことを評価しました。
 第3位の『週刊東洋経済』は今話題の「物流」が特集テーマです。首都圏、関西圏の状況が分かるのはやはり同誌の取材力の賜物です。
 最後に『週刊エコノミスト』ですが、「中国株バブル」の特集です。株に興味のある方はご一読を。

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 成功体験を捨て、新たな価値を創造せよ

 セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長。商品を仕入れたことも無ければ売ったこともない素人ながら独特の管制と発想力で日本最大の小売りグループのトップに君臨する男である。
今週の『週刊ダイヤモンド』はその鈴木氏の経営力にスポットを当て、彼が勝者でありつづける理由に迫った。題して「鈴木敏文の破壊と創造」だ。
 5月13日の取引先懇親会にて鈴木敏文氏が訴えた「過去の成功体験を捨てて壊し、新たな価値あるものを開発して次々に提供しろ」というもの。ビジネスモデルの"破壊"と"創造"の繰り返しを行う事で、随時その時々の経済状況に適した動き方で生き抜いてゆく。それこそが鈴木敏文氏の真骨頂であった。
 同誌のインタビューによると、この発想の根幹にあるのは客の立場で考えるということだそうだ。流通が今程発展する前は物が足りない売り手市場であった。が、今は物が飽和する買い手市場。商品を置いておけば売れる時代から如何に消費者に買われるかという変化に対応できなかった企業がいくつもあったと述べている。
仕入れも営業もやった事が無いが、お客様の1人にはなる事ができる。だから常にお客様の立場で考えてきたのだと鈴木敏文氏は言う。セブンのオムニチャンネル構想がようやく見えてきたことがこの特集で分かる。(『週刊東洋経済』でもこの部分は取り上げられているが......。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<<  2015年に50兆円を突破する日本の医療

 今週の『日経ビジネス』はこれからますます混迷を深めていくだろう医療の問題を「日本の医療を救え」というタイトルで特集した。
 長い間長寿大国として名を馳せてきた日本。しかしいま、その長寿のための老人の医療費負担が現役世代へと重くのしかかっている。2000年には約30兆円だった国民医療費は2025年には50兆円を突破する見込みだ。支え手の負担が限界を超えてしまえばバランスを失い、長寿社会は崩壊する。この特集はJALのコスト構造を見直し再生した京セラ名誉会長の稲盛和夫氏と聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏の対談から始まる。稲盛氏は「医療に従事するすべての人が経営マインドを持てば、できる事はまだまだある」という。病院には「医は仁術。算術ではない」という言葉もある様に採算を軽視する傾向がある。現に病院の約7割が赤字経営だ。
 これに対して日野原氏は社会全体の意識から変えて行く必要があると述べる。ベルギーの医学者ルネ・サンド曰く、「国民の参与なくして国民の健康は作られない」。膨大なコストがかかる延命治療が盛んな日本であるが、死に抗うのではなく、死を受け入れる考え方が社会に根付けば、コストを抑制しながら医療の質を上げられるとの事だ。
 一方で稲盛和夫氏は同じくサンドの言葉をとり病院内の前従業員の参与が無ければ良い経営は実現できないと述べる。ドクターや看護師、医療に関わる全ての人がコストを抑えて医療の質を上げられるかについて考えて行く必要があるとの事だ。初公開の病院経営力ランキングが掲載されている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< ネット通販伸びて、倉庫が増える 

 物流業界が活況を呈している。以前にも他の経済誌が特集したが、今週は『週刊東洋経済』がこれを取り上げている。
 物流業界は確かに空前の巨大物流センターの建設ラッシュである。特に消費者の多い首都圏や関西圏の圏央道沿いや湾岸エリアを中心に続々と建てられている。その裏にあるのはインターネット通販市場の拡大だ。急速な拡大によって在庫管理や商品発送のためのセンターの需要が高まったのだ。しかもネット通販の波は通販業者だけでなく小売をも動かした。既存大手小売業者が物流投資へ積極的に動き始めた。
 大手コンビニを擁するセブン&アイホールディングスは10月からネット通販とリアル店舗の融合を謳った「オムニチャネル」を始動する。グループ企業内のネット通販サイトを統合し、全国のコンビニを受け取り口にするのだ。そこからさらに自宅へと届けるサービスも検討中だと言う。コンビニ最大手を武器に物流業界に殴り込みをかける。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 今買っても間に合う中国株

 中国株にバブルが起きていると報じたのは『週刊エコノミスト』である。特集タイトルもズバリ「中国株バブルが来た!」。
 しばらく安値圏にあった中国株だが、その背景にあるのは習近平国家主席が進める改革だと言う。それまでのどのリーダーも「改革」を唱えていたが、初めて本気になって改革を押し進めている事実が理解されてきているのだという。株よりも理財商品に目が行っていた国民も地方財政改革やシャドーバンキングの取り締まりを強化する習体制に信任が集まり、さらに何度にもわたる利下げ効果もあって、株価は徐々に上昇に転じている。
 今買っても間に合う中国株、下がったら買いたい中国株のリストなどもあってちょっと面白い。


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