今週の第1位は『日経ビジネス』・・・善い会社

日経ビジネス ... 善い会社
週刊ダイヤモンド ... そうだったのかピケティ
週刊東洋経済 ... 税務署が来る
週刊エコノミスト ... 中国減速リスク

 今週の経済誌で目についたのはピケティの特集でした。『週刊ダイヤモンド』が完全版的な解説本ならば、『週刊エコノミスト』は反ピケティと色合いも分かれていました。それにしてもよく売れているのでしょう、この本。そんななかで、表紙に筆で「善」の文字をあしらった『日経ビジネス』が目を引きました。今必要とされる会社とはどんな会社かという分析をし、その結果用いた言葉が「善い会社」なのだそうです。上場企業をこの観点でランキングしたというわけです。面白かったのはいわゆ有名企業ではない会社も数多く登場していた点。これが今週の第1位です。
 そして『週刊ダイヤモンド』のピケティ特集が続きます。もう既に、テレビ、新聞でも数多く取りあげられ、ピケティ氏本人も出演していることから、「r > g 」という公式は頭に入ってしまったのではないでしょうか。でも上手くまとまっていました。
『週刊東洋経済』は時節柄もあり、税務署(というか税金)特集を組みました。個人編と会社編とがあり、気になる方も多いのではないでしょうか。
 第4位は、このところ定期的にフォローしている感のある「中国特集」を組んだ『週刊エコノミスト』です。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  善い会社が今後の会社のキーワード

『日経ビジネス』は1980年代「良い会社」というシリーズ特集を組んでいた。「良い会社」の定義は「成長や収益だけが優劣を決める時代は終わり、独自のコンセプトで市場を切り拓く創造性や、社員にロマンを与える明確な目的を持った企業」だった。90年代は、「強い会社」。文字通り「成長力で他を圧する強さを持った企業」を特集するシリーズだ。そして21世紀の今年、「善い会社」を提示してきた。
「善い会社」とは、「成長の原動力となる収益性と社会への貢献を両立する企業」を指すという。上場企業3841社の過去10期の営業利益率(顧客満足)・従業員の増減率+増減数(従業員満足)・法人税額(国や地方への貢献)・株価変動率(株主への貢献)を数値化し、それを「善い会社」ランキングとして上位100社を発表した。ちなみに1位はソフトバンク、2位ファーストリテイリング。この有名企業2社を見てランキングにまたかという反応はしないでほしい。3位はキーエンス、8位にはマニー(この社名ご存じでしたか?)が入ってくる。記事では58位の浜松ホトニクス、19位ナカニシ、61位アシックスなど約20社が取り上げられ、ランキングにも影の優良企業が名を連ねている。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< よく売れるピケティ特集

 ベストセラー経済書『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティ氏の来日で、経済誌もニュース番組もピケティ連発である。関連本の動きもよく、今週は『週刊ダイヤモンド』と『週刊エコノミスト』がピケティ特集だ。『週刊東洋経済』のピケティ推しをしばらく静観してきた感のある『週刊ダイヤモンド』だが、今週、池上彰氏を引っ張り出しての「決定版 そうだったのか!ピケティ」で勝負する。
 とにかく最初の4ページ「池上流3ポイント」と「8ステップで早わかり」を押さえておけば、せっかく買った5940円の『21世紀の資本』を途中で投げ出すことにはなるまい。とてもシンプルに分かりやすくまとまっている。また、ピケティ氏と池上氏による対談もある。ピケティ氏が注目されるのはその理論本体もさることながら、著名経済学者による支持・不支持のかまびすしい議論だ。本誌でも有識者11人が支持率を%で表示し、その考えを展開している。
 ピケティ企画はよく売れているらしい。この種の特集をする気持ちはよく分かる。
 第2特集は「空の産業革命 ドローンの現実」。


第3位
■週刊東洋経済■ <<< あなたの会社が税務署に狙われる

 今週の『週刊東洋経済』は税務調査をメインテーマにもってきた。国家財政が厳しい昨今、「いよいよ本気で税金取りにくるだろうな」的な緊張感が、個人にも企業にもある。そんな空気の中、特集タイトルは「税務署が来る」だ。そういえば確定申告は2月16日から。個人は税務署に何かとお世話になる時期だった。
 さて、特集は、前半が個人の相続税を扱う「あなたの家が狙われる」。後半は企業だったら必ずある税務調査に備える「あなたの会社が狙われる」の2部構成。半世紀ぶりの相続税大改正で、首都圏の家持ちの多くが課税対象となった。これまで他人事だった"税務調査"がもしかしたら自分のところにも来るかも!?しれない。国税庁にはKSKシステムと呼ばれるデータベースがあり、過去の申告・納税情報のほか、当局が把握した資産の取引情報などが膨大に詰まっているらしい。それらデータに調査官の目利きが加わって調査対象となった事案のうち、申告漏れがヒットした率は、2013年事務年度(13年7月〜14年6月)で82.4%(!)。ここ10年8割を切ったことがないんだと(汗)。ちなみに税務調査が入るのは被相続人が亡くなってから1年半後だそうな。
<巻頭特集>は「スカイマーク経営破綻 折れた『叛逆の翼』」。<深層リポート>では国内が踊り場にさしかかり成長戦略が見えない楽天の海外事業を掘り下げる。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 中国が抱えるリスク

 今週の『週刊エコノミスト』は、珍しいことだが表紙を2枚看板にしてきた。1つは第1特集に当たる「中国 減速リスク」。世界の"マネーの出し手"である中国の異変を3ヵ月ぶりに掘り下げる。前回は昨年10月の「中国大減速」とのタイトルだったが、今回は少しトーンダウンして中国経済の減速リスクを人民元・上海株暴落リスク、反腐敗で特権を奪われた軍の反発や内部分裂リスク、低成長=新常態(ニューノーマル)適応リスクなど、中国社会経済が抱える減速リスクの現在を取り上げた。
 2つめは「ピケティにもの申す!」。表紙には同じ大きさの「中国」と「ピケティ」の活字と、習近平主席とピケティ氏の顔写真が並ぶ。来日したピケティ氏への注目度の高さに『週刊エコノミスト』もついに特集という感じだ。ピケティ本人へのインタビューと、国内識者7人によるピケティ本への異論・反論・批評で構成される。『週刊ダイヤモンド』と人選で被ったのは1人だけなので、こちらも目を通したい。
 堀江貴文氏が「なんではやる?理解できない」と期待通り100%不支持の反応だ。


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