今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・世界を揺るがす 原油安 超入門

週刊ダイヤモンド ... 世界を揺るがす 原油安 超入門
週刊東洋経済 ... 原油安ショック
日経ビジネス ... 物流の復讐
週刊エコノミスト ... 世界金融不安

 今週は『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』の2誌がともに「原油安」を特集しました。しかし、両誌の内容で言うとページ数の厚みと内容の咀嚼の仕方で、『週刊ダイヤモンド』に分があったと思います。こちらは圧倒的にわかりやすかった。そこで、『週刊ダイヤモンド』を今週の1位、『週刊東洋経済』を今週の2位にします。2位の『週刊東洋経済』は原油安以外にも、「イスラム国」の特集や「シャープ再び赤字への転落」といったタイムリーな話題に事欠かず、この路線をとり始めて以来、週刊誌らしさを打ち出しています。
 第3位の『日経ビジネス』も面白い視点の特集を組みました。「ネット通販が急拡大した結果、物流で人不足が急速に起こり、この構造が破綻しかねない」という問題提起型の特集です。しかし、20ページしかなく、ちょっと物足りない感じです。
『週刊エコノミスト』は、今週の2誌の「原油安特集」を先週いち早く取りあげていました。今週は「世界金融不安」を取りあげています。


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第1位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 世界一わかりやすい「原油安」!

 先週『週刊エコノミスト』が「原油安」を特集。今週は『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』がそろって「原油安」を特集した。その途端、先週末からじわり上昇を始め、2月4日朝のニュースでは「原油相場の上昇を好感し、NY株式市場が大幅続伸」との報道だ。「メジャー経済誌で取り上げる頃にはその相場はおしまい」とのジンクスがあるが、さて今回はいかに。
『週刊ダイヤモンド』は「世界を揺るがす原油安 超入門」と題し、生活に必要不可欠なエネルギー源、大国間の外交の材料、金融市場での投機の対象...と、複雑怪奇で多様な面を持つ原油の世界を、「世界一分かりやすく解説する」特集をめざす。Part分けが秀逸で確かに分かりやすかった!
 プロローグ:超入門 世界一分かりやすい石油の常識。Part1:絶対に知っておくべき原油相場のカラクリ。Part2:石油のヤバい未来と黒い歴史。Part3:原油安で得する業界 損する業界。そこに『週刊ダイヤモンド』得意の図表、グラフ、相関図などなど、チャートが駆使され、編集の構成要素は『週刊エコノミスト』に近いだが、とにかくわかりやすく読ませていく。とくに「本邦初!サウジ国王死去で混迷の業界完全人脈図 これが現代の石油の支配者だ!」のまとまり具合は一見の価値あり。


第2位
■週刊東洋経済■ <<< 同じ「原油安」特集での他誌との比較

 雑誌巻頭から複数ページにわたる「巻頭特集」や「深層リポート」でタイムリーな話題をがんがん攻める編集に変わった『週刊東洋経済』。今週もその姿勢に変わりはない。
 今週は、日本人も意識せざるを得なくなったイスラム過激派がもたらす脅威について扱った「巻頭特集:グローバル・ジハードの実態『イスラム国』の戦慄」から始まり、「深層リポート:さまようユーロ」では量的緩和に踏み切ったものの不安が消えないEU経済に焦点を当て、さらに2本目の「深層リポート:シャープ 裏切りの再赤字」で、順調に業績回復しているはずだったシャープの今に迫る。これに第1特集「世界大激震 原油安ショック」が加わる。
 しかし、各レポートにパワーが分散されるのか、第1特集の濃さ・編集の工夫に関しては『週刊ダイヤモンド』に軍配が上がった模様だ。効率よくこの「原油安」の背景と今後を頭に入れるなら『週刊ダイヤモンド』がおすすめ。巻頭のリポートに興味と関心を寄せるなら『週刊東洋経済』だろうか。個人的にはこの2大経済誌の編集方針の差が今後何をもたらすのか、興味がある。


第3位
■日経ビジネス■ <<<  ネットで買い物、でもモノが届かない時代はすぐそこ

「2015年にはドライバーが14万人不足する」。2008年に予測されていた「2015年問題」だ。「頼んだ荷物は時間通りに届く」という常識を支える運送インフラの破綻が近づいている。理由はネット通販の急拡大による負担増と人手不足だ。このままでは物流コストは跳ね上がり、結果的に運送市場は高度な物流機能を持つ企業による寡占状態となるのではないか。それは国家間の競争の軸ともなる。物流を前提として事業構造を再構築する「物流ファースト」の時代がきた。また「物流ファースト」でなければ生き残れない。その現場を『日経ビジネス』が「シリーズ逆転の経済 物流の復讐 変わる産業の主導権」と題して特集した。
 セブン&アイホールディングスは高度な物流機能を作るために倉庫と店舗を融合した客が来店しないネット専門店舗「ダークストア」を住宅街に作った。倉庫のように見えるが店舗の位置づけで、総菜等の調理もこの店舗で行ない、生鮮食品も扱い届ける。生鮮食品の扱いを始めるアマゾンへの対抗策ともなる。そのほか、日本郵便,ヤマト運輸、海外の取組みなど、先進事例に迫る。
「考える工場」「円安経営」「超多極市場」「日本初標準」「主役の物流」と、新年から始まった<シリーズ逆転の経済>は「物流」を最後のピースとした。ドイツが掲げる「Industrie4.0(第4次産業革命)」でも最後は物流まで含めた効率化がカギになるという。ハブ空港・国際港の整備、規制緩和や産業政策と、国としての総合力も問われる。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< 米国の利上げはいつ?

『週刊エコノミスト』はマクロが得意だ。今週「原油安」を特集した『週刊ダイヤモンド』『週刊東洋経済』を尻目に、昨年11月に「原油急落と中東情勢」、同月後半に「資源安ショック」と立て続けにとりあげ、先週も「とことんわかる原油安」として特集した。そんな『週刊エコノミスト』が今週は「世界金融不安」を特集する。サブタイトルは「日米欧緩和が醸成する国債暴落」。
 日米欧がそろって歴史的な超低金利の状態にあるなか、今年米国が利上げに踏み切れるかに市場関係者の注目が集まっている。昨年後半時点では6月頃の利上げが予想されていたが、年が明けてみれば「秋頃ではないか」とささやかれ始めた。日欧の金融緩和圧力は強力だ。これに原油安で運用益を少しでも積み増ししたいオイルマネーも加わり、溢れ出したグローバル・マネーフローはハイリスク商品にも流入し始め、市場は高いリスクを抱え込む。国債金融市場は不安定な状況のままだ。このような現状を11人のエコノミスト、アナリストが、専門家の視点から最新情報で解説する。


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