今週の第1位は『日経ビジネス』・・・浮上!Panasonic

日経ビジネス ... 浮上!Panasonic
週刊ダイヤモンド ... いい会社 わるい会社
週刊東洋経済 ... 認知症を生きる
週刊エコノミスト ... 中国危機の真相

 私にも好みがありまして、注目される企業の特集というのはつい読みたくなるものです。ここのところソニーや任天堂などが(第2特集やレポートではありますが)取りあげられていました。で、今週は『日経ビジネス』がパナソニックの特集を組んでいます。2期連続の大赤字の会社がどう改革を成し遂げているのか、昔のゴーン改革は鮮烈でしたが、津賀(社長)改革も地味ではありますが、なるほどと思わせられるところが多く面白く仕上がっていました。これが今週の第1位です。
第2位は「いい会社」という実態があるようでない企業の価値をランキングで表した『週刊ダイヤモンド』です。大手口コミサイトに寄せられている会社の評価を元にランキングを作成しているところがミソ。つまり本音の声で作ったいい会社のランキングというわけです。これは試みとしては面白いですね。これから就職活動が盛り上がってくる時期でもありますし、ま、いい企画ですね。
 第3位は連続で高齢化社会をシリーズのテーマに掲げた『週刊東洋経済』で、今号はその際集会として「認知症」を取りあげています。なかなか切実で重いテーマですが参考になる話が詰まっていました。冒頭の「実際の認知症患者」からの寄稿はちょっと衝撃を受けました。オーストラリアのエリート高級官僚だった女性が46歳で認知症になった話です。
 そして第4位の『週刊エコノミスト』は中国危機をテーマにそれが起こった場合の世界への波及の深刻度をレポートしています。

nikkei_2014.3.05.jpgdia_2014.3.05.jpgtoyo_2014.3.05.jpgeco_2014.3.05.jpg

第1位
■日経ビジネス■ <<<  ツガノミクスは成功しているのか

 2期連続で7000億円を超える最終赤字を計上したパナソニックが2013年の4〜12月期にはなんと過去最終の最終利益を上げるまでに回復した。これによって津賀社長の手法がその名前をもじってアベノミクスならぬツガノミクスと言われている。
『日経ビジネス』はこのツガノミクスのこれまでの足跡と今後の戦略を検証する特集を組んだ。タイトルは「浮上! Panasonic」。冒頭のレポートはインドでの水事業の売り込みに奔走するパナソニックインドの光景。読み進めていくと、パナはBtoC事業からBtoBへと大きく舵を切ろうとしている事が分かる。津賀社長のインタビューでもその点が明言されている。面白かったのは、同時期にやはり赤字に喘いでいたソニーとのこの2年間の株価の推移だ。2013年の8月を酒井にそれまでは同じカーブを描いていた両社の株価がはっきりと分かれ、浮上(パナ)と下降(ソニー)に転じている。そのとき何があったか。なるほどと思わせられる。もちろん最後には外部の声として増収は為替要因で、収益構造は変わっていないとの声もあるが、それでもこの電機メーカーに期待したくなる特集だ。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  本当にいい会社は意外な会社!?

 目次:「本当にいい会社ランキング」、扉:「想定外の会社ランキング」、が、今週の『週刊ダイヤモンド』の特集「いい会社 悪い会社」の目玉である1つのランキングに対する表記だ。「本当にいい会社のランキングを算定してみたら、想定外のランキングになったよ」ということらしい。
「本当にいい会社ランキング」は、47万人の口コミサイト「Vorkers(ヴォーカーズ)」と連携してはじき出したランキングだ。「ヴォーカーズとは、在籍社員による『企業の働きがいレポート』を軸にした転職・就職のための口コミサイトとして2007年にスタート。現在の口コミ投稿数は47万件を超え、掲載企業は8000社に達する」という。若い転職志願者や就活生にはおなじみのサイトなのかもしれない。ヴォーカーズ内で採点された数値のうち、「風通しの良さ」「評価の適正さ」「人材の長期育成」「社員の士気」という外部からは窺い知れない4項目について、合計点の高い企業をランキングしたものらしい。
 さて、第1位はどこでしょう。気になるでしょうから3位までを。1位はリクルートマーケティングパートナーズ、2位グーグル、3位アジレント・テクノロジー・インターナショナル。確かに、就活生の人気企業ランキングとは一線を画す「想定外の」ランキングだ。機械メーカーのコマツが7位にランクインしている。
 このほか、JPタワーや大手町フィナンシャルタワーなど、8つの最先端新築ビルのテナント成約状況をビジュアル化した見開きページも見入ること間違いなし。オックスフォード大学が昨秋発表した「コンピュータ(ロボット化)の影響を受けやすい未来の仕事」も消滅する仕事と勝ち残る仕事としてわかりやすくまとめられている。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  認知症予防には運動、魚、野菜にワイン

『週刊東洋経済』連載特集「高齢ニッポンを考える」のラストは、いまや国民病とも言われる認知症を特集した。タイトルは「認知症を生きる」だ。
 2010年、介護保険制度を利用している認知症高齢社は280万人であるという。そのうち65〜70歳未満の有病率は1.5%。高齢になるほど認知症の発症リスクは高まっていくが、85歳以上では実に27%にのぼる。身近にもアルツハイマー型認知症の親を抱える、あるいは看取った経験がある人は多い。
 特集では、そもそも認知症とはどういう病気か、自分があるいは親や家族が認知症になったらどうするか、予防法は? などなど、体験談をふんだんに用意しながらじっくり読ませる作りになっている。「早期発見・治療・予防」のパートで、「運動、ワイン、魚・野菜中心の食事が◎」と紹介されている。これを解説する山口晴保・群馬大学教授は言う。
「認知症の予防をすれば、元気に生活できる期間である健康寿命は伸びます。しかし一緒に、肉体の寿命も伸びてしまいます。つれて認知症の発症リスクが高まります。『95歳以上では79.5%が認知症』という調査結果があることを知っておいたほうがよいでしょう。認知症の増加は、長生きの賜物なのです」
 そのほか、雑誌巻頭の「核心リポート」と「ニュース最前線」のネタが、バラエティに富んでいて面白かった。習政権の工場爆破命令とか、日本に1兆円投資するカジノ王の記事とか、ちょっと目を通してみてください。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  中国が転けると、みな転ける?

 中国の金融危機が現実のものとなるかどうか、『週刊エコノミスト』は特集でその可能性について言及した。特集のタイトルは「中国危機の真相」だ。
 中国危機とは、要するに利回りの高い理財商品にカネが流れ込み、急激に残高が増え、そしてその商品がデフォルトを起こす可能性が高まっていることで、なぜかといえば、理財商品でカネを集めた銀行が、正規融資が受けられずに資金調達難で喘ぐ民間企業やインフラ整備に追われる地方政府にそのカネを投資したものの、投資先が破綻などを起こしていてその危険性が高まっているからである。
 つまり、このカネはこうした中小企業や地方政府の資金調達先となって実体経済を支えていたわけで、表ではない事から俗にシャドーバンキングと言われていた。
 デフォルトになると、理財商品を買っていた市民が銀行に殺到して暴動にもなりかねないし、新たに理財商品を発行しても買い手がつかなくなって、そうするとシャドーバンキングそのものが機能不全に陥る事になる。では、政府が腹をくくって公的資金を投入するかと言えば、そのカネをどこから引っ張ってくるかという事になり、つまり米国債の最大保有国であることから、米国債の暴落危機も取り沙汰されているというわかりやすい構図である。
 日本のバブル崩壊を見てきた人間にとっては、多少の構造は違えど、歴史は繰り返す的な話ではある。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『日経ビジネス』・・・浮上!Panasonic