今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・IoT発進!


週刊東洋経済 ... IoT発進!
日経ビジネス ... テレビ地殻変動
週刊ダイヤモンド ... 皇室
週刊エコノミスト ... シン・円高


 IoTという言葉が飛び交いますが、本当にその意味を把握している人は少ないのではないでしょうか。モノのインターネットと言っても結局よくわからない。そんな状況だからなのでしょう。そこで『週刊東洋経済』がこの「IoT」を丸ごと理解できるよう特集を組みました。これがなかなか分かりやすく、今週の第1位にします。
 第2位もIT絡みですが、『日経ビジネス』がテレビビジネスの地殻変動を取り上げています。地殻変動とはなにか。ここにきてどんどん展開されている海外のネットTVの日本進出と、それを迎え撃つ側の日本のテレビ局の対応です。
『週刊ダイヤモンド』は皇室を特集として取り上げました。ページ数も多く渾身の特集ですが、3週間前に『週刊エコノミスト』が特集していたのが気になります。それで3位。
 その『週刊エコノミスト』ですが、円高の特集です。大ヒット映画「シン・ゴジラ」にあやかり「シン・円高」というタイトルですが、前々週の「マーケット怪奇現象」と言い、少々タイトルに凝りすぎ? ではないかと思いますが、如何。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

toyo20160914.jpgnikkei20160914.jpgdia20160914.jpgeco20160914.jpg


第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  ユビキタスではなくIoT

 市場最大のデジタル革命と謳われるIoT(モノのインターネット)。あらゆるモノにセンサーが搭載され、集められた膨大なデータをクラウド化し、それをモノにフィードバックすることでモノが次第に賢くなってゆくというのがIoTの構想だ。とにかく最近は、自動運転だ、人工知能(AI)だ、IoTだと、喧しい。毎週どこかの雑誌でこの手の特集が組まれるが、今週は『週刊東洋経済』である。特集タイトルは「IoT発進!」表紙には鉄腕アトムが登場する。
 市場は170兆円と見込まれ、その分捕り合戦のさまを特集で浮き彫りにしようと言うわけだ。ただ、同誌は過去にも目を向けている。「忘れてはならないことがある」と同誌が指摘するそれは、2004年に構想が謳われた、「ユビキタスネットワーク」だ。
 あらゆるモノをインターネットへと接続し、それを反映するといったユビキタスはIoTと同じ様にも聞こえるが、この二つの決定的な違いは何か。それはズバリ、コストだ。ユビキタスは維持管理コストが大きく、家庭内まで広く浸透しなかった。そこでセンサーの汎用化を進め、センサーのコストを切り詰め改良を果たしたのが今騒がれているIoTなのだ。
 IT業界史に詳しい日立製作所研究開発グループの矢野和男技師長は「ユビキタスの際に不十分だった部品、技術、インフラがそろい始めた」と述べる。これを追い風に当時果たせなかった社会を目指してIoTが邁進しようとしている。産業界もその大きな波に乗ろうと躍起になっている。
 例えば、ソフトバンクグループは本年7月18日、日本経済史上最大と言われる約3.3兆円で英半導体チップ企業のARMホールディングスを買収すると発表したが、孫正義社長曰く、「地球上のあらゆるデータを吸い寄せるためにチップがカギになる」と、IoT時代を見据えての買収であることを高らかに謳っているのである。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< テレビは明治維新前夜!?

 テレビの時代は60年続いた。どんなビジネスでもこれだけ続けば歪みが生じる。それはテレビも同じであるが、それ以上にデジタルとネットと言う新たな技術に基づいたサービスが急拡大していることもあり、このビジネスが大幅に変化しようとしている。例えるなら明治維新前夜と言うことか。新たなメディアであるネットTVが海外から続々と押し寄せ、テレビでは放送されない独自のオリジナルコンテンツをネットユーザーに提供するなど日本市場に浸透し始めている。この状況に焦点を当てたのは『日経ビジネス』である。特集のタイトルは「テレビ地殻変動」。日本に進出する大手ネットメディアと迎え撃つ日本のテレビ各局の攻防を描いた。
 脅威はやはり外国勢だろう。ネットフリックスは又吉直樹の芥川賞受賞作『火花』の独占配信権を得て話題を振りまいた。アマゾンや英パフォームも戦略を練っている、一方日本でも動きが激しくなってきた。サイバーエージェントと組んでネットTVに打って出たテレビ朝日はそのいい例だろう。ついこの前までネットなど歯牙にもかけなかったテレビ局が、変身し始めており、それに伴って広告代理店も社内再編の動きがある。
 話題には事欠かない業界であることには違いない。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< やんごとなき世界

 先月の天皇陛下が生前退位の意向を表明されたことをふまえて、皇室に今注目が向いている。3週間前に『週刊エコノミスト』が組んだ特集は「天皇と憲法」だったが、これに対して今週の『週刊ダイヤモンド』は「皇室」と言う特集を組んだ。
 現代の日本では、多くの日本人が皇室に好感を持っていると言われ、NHKの世論調査でもそういう傾向が示されている。しかし、皇室とは何か、どのような構造であるかを知っている日本人の数はそう多くない。同誌は「皇室」の内部にフォーカスを当て、陛下のお仕事から皇室の面々の役割、源流や歴史的背景から現在の経済状況に至るまでをくまなく紹介している。実に68ページにわたる大特集だ。
 皇族の源流は神の子孫である神武天皇である。神武天皇を初代天皇として、今上天皇は125代目にあたる。名実ともに"神の一族"だったのだ。昭和天皇の「人間宣言」によって現人神として扱われることは無くなったが、天皇は神の子孫の一族であるという部分は譲らなかった。
 そんな天皇の普段の仕事とは大きく分けて三種類ある。憲法を引用すると、『天皇』としての仕事と『象徴』としての仕事、そして私的な仕事だ。一つ目は首相の任命や国会の召集といったいわゆる国事行為。二つ目が歌会始や慰問などの一般公務と呼ばれるものだ。これがお仕事の大多数を占める。最後の私的な行為とは年間30弱あると言われている皇室内に於ける祭祀だ。主に国家の安寧や国民の幸福を祈る物が多いが、政教分離の原則により私的な行為として位置づけられている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  気になる企業の下期業績

 今年に入って円・ドル相場は実に20円もの円高になっている。日銀のマイナス金利政策はどこ吹く風、企業はこの円高に翻弄されている感もある。ではこの傾向はいつまで続くのか? そこでわが『週刊エコノミスト』がこの傾向を分析する特集を組んだ。題して「シン・円高」。これはもちろん興行収入61億円超の大ヒットとなった「シン・ゴジラ」にあやかって付けたものである。映画の方のシンには「新」「真」「神」の意味を重ねて今までに見たこともないゴジラの意味があるというが、今回の「シン・円高」にも重なるところがあるのか。
 同誌は9月5日都内で講演した黒田日銀総裁の発言を読み解く。詳しくは書かないが、暗に異次元緩和が実態経済では機能していないことをほのめかしたと同誌は分析する。
 この円高が下期にも続くとなると、気になるのは企業業績への影響だ。円高即景気悪化というほど、現在の日本はヤワではなく生産拠点の海外移転が進んでいることもあり、また円高メリットを受ける業界もあることから2000年当時と比較するとそのマイナス影響は半分程度になっていると識者の意見を同誌は紹介している。しかし、これでヘリコプターマネー政策が実現の方向に進むと見る向きもあり、今後日本経済がどうなっていくのか予断を許さない状況は続くようだ。 
 元財務相(大蔵省)財務官である榊原英資氏と篠原尚之氏両氏へのインタビューが興味深い。為替相場への介入の難しさが見て取れる。


トップページ -> 週刊経済誌の読みどころ -> 今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・IoT発進!