今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・英国EU離脱の衝撃


週刊エコノミスト ... 英国EU離脱の衝撃
週刊東洋経済 ... 「子なし」の真実
日経ビジネス ... 本当は凄いニッポンの発明力
週刊ダイヤモンド ... 落語にハマる!

 今週の経済誌はこぞって「英国のEU離脱」を取りあげました。それぞれのページ数は本特集そのものとして扱った『週刊エコノミスト』が20P、緊急特集として巻頭で扱ったその他3誌は『週刊東洋経済』が18P、『週刊ダイヤモンド』と『日経ビジネス』が9Pとなっていました。しかし、『週刊ダイヤモンド』以外の3誌はどれも表紙は「英国のEU離脱」です。これを表紙に持って来るインパクトが大きいと考えたのでしょう。まっとうな考えですが、『週刊ダイヤモンド』だけが表紙に特集「落語にハマる」と大書して、独自性を出しているのが印象的でした。
 閑話休題。中でも即時性という意味合いから「英国のEU離脱」を取りあげた『週刊エコノミスト』が今週の第1位です。欧州連合の行方や連合王国の危機、ポンド危機など分かりやすいキーワードに基づいて書かれています。
『週刊東洋経済』は「子なし夫婦の在り方」についての特集です。今や25%近くの人が子どもがなくてもいい、との認識なのだとか。同誌は「英国のEU離脱」についてもページを割き、しかもソフトバンクの副社長ニケシュ氏の唐突な辞任についても20ページの巻末特集を組んでいます。読みごたえのある特集でした。これが第2位です。
 3位は「本当は凄いニッポンの発明力」という特集を組んだ『日経ビジネス』です。エアバッグも、3Dプリンターもスマホもドローンも本当は日本人が最初という情けない特集ですが、問題提起にはなります。
 4位の『週刊ダイヤモンド』は落語の特集です。面白いネタですし、なるほど知らない話も満載でしたが、ま、この企画は1位にするか4位にするかという議論になりますので、今回はやはりEUネタを重んじてこのランクです。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  大型買収を即座に取りやめたブランソン

 コトが起こったとき、まず第1特集で扱うのは時事性の高い『週刊エコノミスト』の長所だ。4誌それぞれ発売日がずれているので有利・不利はあるが、英国のEU離脱に関しては、『週刊エコノミスト』だけが今週第1特集として30ページのボリュームある記事を提供している。専門分野のエコノミスト、アナリスト、ジャーナリストによるテーマを絞った解説もこの緊急時には多角的な視点としてより的確な編集仕様の印象だ。
 ヴァージン・グループの創業者、リチャード・ブランソン会長は国民投票結果を受けて、進めていた大型買収を即座にとりやめた。テレビインタビューに「国民投票の結果でかなり多くの仕事が失われるだろう。我々は大惨事に向かおうとしている」とコメント。海図なき視界不良の「政治危機」「経済危機」を示唆した。英国だけではない。EUはどこへ向かうのか。「アラカルト欧州」化の着地点はどこか。日本をはじめ世界への影響も掘り下げる。
 合わせて特集の1ページ前にある「グローバルマネー」という常設コラムも読んでほしい。そのタイトルは「我々はいったい何から『離脱』するのか」。ここに英国の現状がコンパクトにまとめられている。「イングランドとウェールズは離脱派一色で、その海にEU残留派のロンドンが浮かんでいる様子は衝撃的」だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 今や4人に1人

 表紙にドドーンと「EU離脱 英国発世界不安」と打ったのは『週刊東洋経済』である。ところがページをめくると、様相は変わっていて特集は別のものだということが分かる。そちらのタイトルは「子なしの真実」。つまり少子化の危機が叫ばれる中、国を挙げて子どもを持つ事を奨励する動きが活発となっているのだが、いや待てよ、という特集なのだ。
 子どもを持つ、持たないという選択は本来各々の夫婦の決断によるものだ。
「結婚したら、子どもは持つべきだ」という考え方に対して反対と答えた人は2010年で24.3%。つまり4人に1人は子どもがなくていいと考える人たちというわけだ。
 だが、「子なし」夫婦に対する世間の風当たりは以前と変わる気配は無い。それもそのはず。彼らのもっと上の世代では夫婦が子どもを持つのは半ば「常識」であるからだ。社会的に苦しい立場に立たされている「子なし」夫婦。子どもに対する多様な価値観を受け入れたうえで、平穏に暮らせる社会を目指す事は日本の急務だと同誌は主張して、その第一歩として「子なし」夫婦の実像に迫る。
 一概に「子なし」と言ってもその理由は多岐に渡るようだ。不妊体質や無精子症といった体質面の問題もあれば、職業柄妊娠や子育てをする暇がない場合が理由として上げられている。
 だが、最大の理由は子育てや教育におカネがかかり過ぎるという経済的な理由。一般的に、子ども一人を大学卒業まで育てるのにかかる費用は2400万円と言われている。年収〜600万円の世帯にとって大きな負担となる。奨学金等の制度を利用するにしても限度はあり、そもそも後々返さねばならないケースも多い。社会の作りから変えていく必要があるということが分かってくる。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<<  情けない日本の真実

『日経ビジネス』も『週刊東洋経済』と同様に実際の特集とは別に表紙に緊急特集と題して「英離脱ショック」と謳った。巻頭9ページの小さな特集であるところが『週刊東洋経済』の18ページと比較すると取ってつけた感があるのは否めない。
 で、本当の特集は「本当は凄いニッポンの発明力」である。
 副題には必ず作れる! 世界がほしがる商品18と銘打っている。面白そうじゃないか。パート1は<世紀の発明、調べりゃ大体日本発>として、数多の商品を取りあげている。同誌はそれらを「取り逃がした大魚」としているではないか。
 どんなものがあるか。エアバッグ、3Dプリンター、ロボット掃除機、スマートフォン、腕時計型端末、ドローンとある。なるほど大魚には違いない。これらの技術をもしも日本が商品化していると、というタラレバの話だが60兆円にものぼると言う。
 このていたらくはいったい何に原因があるのか、ということでパート2は<宝の種が育たない8つの理由>を挙げている。詳細は読んでください。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< ビジネスマンと落語の関係

 今週は各誌「英国のEU離脱」を大きく表紙で扱うなか、『週刊ダイヤモンド』だけが違う。英国のEU離脱は右肩に小さく納め、第1特集タイトル「落語にハマる!」の文字がドドーンと大きくはっちゃけているではないか。もちろん表紙をめくると9ページの英国離脱に関する緊急特集記事で始まっているが。
 さて、なぜいま「落語」なのだろうか。日本テレビの人気番組「笑点」が50周年を迎え、大喜利司会者も春風亭昇太に代替わりし、視聴率20%越えを連発して大きなニュースとなった。しかしそれ以上に落語そのものがビジネスマンを中心にファンを増加させているらしい。例えば、落語家数は過去最高の800人を越え、月当たりの高座件数は右肩上がりを続け、ついに昨年首都圏だけで1000件を突破。
「平成の落語ブーム」と言える状況なのだ。
 特集では落語界の勢力図からギャラ、高学歴化、そして大御所や人気真打へのインタビューを交えつつ、落語の今を詳細レポートする。もちろん「ビジネスで使える落語」の視点も忘れない。そういえば数年前から毎週寄席に通っている地方在住の知人もいる。


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