今週の第1位は『日経ビジネス』・・・賃上げ余力 格付け500社

日経ビジネス ... 賃上げ余力 格付け500社
週刊東洋経済 ... ひとりで生きる 単身社会のリアル
週刊ダイヤモンド ... 受験に勝つ! 塾&予備校 徹底比較
週刊エコノミスト ... 負けない投信・ETF

 今週は割に地味な特集が多かった経済誌ですが、そのなかでちょっと目を引いたのは、「あなたの会社はもっと払える」と賃上げを前面に出した特集を掲載した『日経ビジネス』です。同誌の巻頭には「編集長の視点」と言うコラムがあるのですが、それを読むと同誌の明らかな主張が見えてきます。曰く「ベア1%では足りない」と。その意気に感じて(だけでなく相対的にはこれが一番面白かったので)今週の第1位です。
 もう一つ注目しているのはシリーズで高齢化社会をテーマに取りあげている『週刊東洋経済』です。これが第3弾目ですが、今号はいわば、おひとりさま特集。東京など都市部で未婚化が進む日本の「1人での生き方」(=特にお金の問題)を中心に取りあげています。
 今年は大雪で受験が混乱を来しましたが、『週刊ダイヤモンド』はその受験を業界(塾などの教育産業)の側から取材しています。例によって有名&難関校への合格者数の多い塾のランキングなど定番化した感のある特集ですが、その年代を子どもに持つ親にとっては一読しておく必要のある特集なのでしょう。
 最後は、このところ4位が定番化しつつある『週刊エコノミスト』です。今号の特集では投信とETF(上場投資信託)を扱っています。株価がもう一つ安定しないなか、資産ポートフォリオも見直す必要があるという事でしょう。

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第1位
■日経ビジネス■ <<<  1%以上のベアは可能か?

 2月に始まった春闘もちょうど折り返し地点といったところ。3月中旬まで、回答に向けて交渉が続く。トヨタ労組も月額4000円のベア、6.8ヵ月分の一時金を要求した。日本一の企業の回答は、全体の回答にも影響を与えるため注目されている。賃上げの行方はどこに行き着くのか、今週の『日経ビジネス』の特集は「賃上げ余力 格付け500社」。
 今年の春闘のキーワードは「1%」。安倍・黒田体制による再三の要求が、賃上げの気運を高めた。そこで連合は、1%以上引き上げるベアの実施を求める。どれほどの企業が、この要求に答えうるだけの体力があるのか。誌面では、主要500社の賃上げ余力格付けをする。人件費や労働分配率、今期経常利益などから、AAA〜BBに評価。AAAにはNTTドコモやKDDIなどの通信事業者、アステラス製薬などの製薬会社があがった。トヨタも次点のAAに評価。そして、200社が1%の負担は可能だということが数値的に見えてくる。また、ベアは難しい場合は、部分的な賃上げという方法もある。葛藤の末に生まれた「戦略的賃上げ」なるものを紹介する。
 しかし、そもそも「1%」は十分なのだろうか。消費税3%を考えると、1%では実質賃金は目減りする。その点、DMG森精機やアイリスオーヤマは3%のベアを実施した。また、中小企業にアンケートをとったところ、辛い結果に。9割が賃上げをせず、ベア実施となると1.7%になる。7割超が減益となる現状に余力はない。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  おひとりさまに一番必要な事

 今週の『週刊東洋経済』の特集は「ひとりで生きる 単身社会のリアル」。男女ともに未婚化が進んでいる。2030年には全国平均の生涯未婚率が男性は3割、女性は2割にもなると予測される。都市部の未婚者はさらに多く、2割、3割に収まりそうにない。単身で生きていくのはもはや珍しいことではなくなった。しかし、社会インフラは「家族がいる」前提で設計されてきたため、その負担は単身者自ら被るしかないのが現状だ。そこで特集では、単身社会に備える生き方を指南する。
 要するに一番肝心になるのは老後マネーというオチなのだが、特集前半はマネープラン一色となる。65〜95歳にかかる費用、住まい、介護などなど。健康面で「自覚症状が出たら手遅れ」というひと言がやけにリアルだ。後半は人脈作りや「晩婚」の勧め、男が単身で暮らしやすい町など、生活ソフトを追求する。
 第2特集は「日韓関係 本当に知りたいこと」。李明博前大統領末期、現朴槿恵大統領の現在、韓国民間人に留まらない日本への批判行動に端を発し、日本の世論はネットを中心に「反韓」「嫌韓」ムードが顕著だ。しかし水面下では企業強力や学生交流などが進展しているという。日韓関係の多様な実態に関するレポートだ。


第3位
■週刊ダイヤモンド■ <<<  塾業界でも進むM&A

 少しずつずれながら、1〜3月まで受験シーズンとなる。小・中学校はすでに終わり、地域差はあるが高校・大学は真っ盛りだ。先日の十数年ぶりの大雪では、試験時間が変更されるなど受験するのも一苦労だ。しかし、苦労しているのは学生だけではない。塾・予備校も市場の奪い合いに身を粉にしている。今週の『週刊ダイヤモンド』の特集は「受験に勝つ! 塾&予備校 徹底比較」。業界動向から選ぶべき塾・予備校を探る、定番の特集だ。
 そもそも少子化や大学全入時代において、市場は飽和している。しかし、事業者数は年々増えている。これは、大手塾を辞めて個別指導の個人塾を始めるケースが増えているためだ。9000億円と言われる市場規模の食い合いはさらに激しさを増している。そこで業界で起きているのが、M&Aや共同出資。大手予備校や通信教育企業が、大手塾と協力体制を打ち出す。大学受験予備軍を囲い込むためだ。また、制度や傾向が異なるために進めにくかった地方進出へも乗り出すようになってきている。この2つが、今後の業界実績を大きく変えていく。各誌の受験特集が小中高大すべてに対応するようになったのはここ数年の気がする。少子化はこんなところにも現れている。
 さて、私は巻頭のClose Up2「度重なる大寒波が直撃 撹乱される米経済の実態」に注目した。日本でも2回にわたる積雪で関東ではたいへんな被害を被った地域もある。自動車販売店では消費税アップ前の書入れ時に目算が狂ったという。日本より過酷で長期にわたる寒波が襲う米国。多くのエコノミストが1〜3月の成長率を下方修正しているという。気象の過激化を甘く見てはいけない。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  ポートフォリオ見直しの進め

 今週の『週刊エコノミスト』は「負けない投信・ETF」。塩漬けになっている投信を見直そうという特集だ。『週刊エコノミスト』の主要読者層はいまどの辺りなのだろうか。小金を持った高学歴団塊世代のイメージだが、都心部の駅売り・書店売りの主要購入者像が気になる。
 それはともあれ、昨年は上場投資信託(ETF)を含めた投信(追加型)への資金純流入が3年ぶりに増加。4兆5573億円となった。また、購入額もさることながら解約額も34兆円を超える動きを見せ、投信を買い直す動きと読める。これは、税金の優遇制度が元に戻ったことも影響しているが、もうこれ以上塩漬けにしておきたくないという個人投資家の行動の現れか。今後の金利上昇からの債券価格下落も見据えて、ポートフォリオの見直しをすすめる。
 今週『週刊エコノミスト』で私の目に止まったのは、「それでも夜は明ける」という映画の紹介だ。目が覚めたら突然奴隷になっていたというバイオリニストの米国「自由黒人」ソロモン・ノーサップの実話なのだが、すでにゴールデングローブ賞作品賞を受賞。アカデミー賞9部門にノミネートされている。監督は彫刻家でもあるスティーブ・マックィーン(イギリス出身の黒人で「大脱走」の俳優さんではありません)。プロデューサーにはブラピが名乗りを上げ、自ら出演もしている。久々に映画館まで足を運ぼうかな。


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