今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.4.24

今週の第1位は『日経ビジネス』

日経ビジネス ... 「道の駅」が地方を救う
週刊ダイヤモンド ... 親子で選ぶ「老後の住まい」
週刊東洋経済 ... 死んでたまるか!日本の電機
週刊エコノミスト ... 投資大全

 今週はゴールデンウィークの合併号(『日経ビジネス』以外)とあって、各誌それなりに力を入れた格好でした。たとえば『週刊ダイヤモンド』などは84ページを割く巨大特集です。ところが視点と切り口で魅せたのは合併号ではない『日経ビジネス』でした。その特集テーマは「道の駅」。クルマで地方をよく訪れる人でも、東京の人にはあまり馴染みではない。でも、地方では確実に流通として根づいているその様が新鮮かつ、面白かったです。これを今週の第1位にします。
 第2位は大きくページを割き、老後の住まいを特集した『週刊ダイヤモンド』です。目玉は「サ高住」。つまりサービス付き高齢者住宅の全国ランキングです。これは要保存の特集かもしれません。
そして、第3位は日本の電機産業を特集した『週刊東洋経済』です。後半の「電機をダメにしたのは誰か」が面白いし、なるほどと得心させられます。
 そして『週刊エコノミスト』は指定席となった第4位。テーマはズバリ「投資」。「早耳株価材料」とか、「買い時・売り時」という直接的な言葉が、響く人には響く、ということなのでしょうね。

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第1位
■日経ビジネス■ <<< 道の駅は第3の流通

 年5億人、3500億円の市場が田舎にある。それは、「道の駅」。私は「鉄道の駅」がメインのため、なかなか立ち寄る機会はないが、数年前訪れた富士五湖近くの道の駅の活気を特集を読みながら思い出した。今週の『日経ビジネス』は「『道の駅』が地方を救う」と題して、新しい流通のかたちを提示した。
 本誌では、道の駅を"第3の流通"と名付ける。第1はイオンなどの大型ショッピングセンター。第2をセブンイレブンなどのコンビニ。そして、第3の「道の駅」ということだ。といっても、始めから流通として成り立っていた訳ではない。ちょっとした休憩所程度であり、観光資源は皆無であった。しかし、何もない中で確かな商品と人々のやる気はあった。そこで、動きだす。
 特集では、「4つの『ない』を解消」として人・ブランド・情報・リーダーの再生モデル4つを紹介した。福岡県豊前市の道の駅「豊前おこしかけ」では人が来なかった。そこで、生産に関する物語性で固定客作りを行った。名物であるコメやユズを購入する人を対象に、バスツアーを行なった。名物商品も開発し、今では平日の午前中から300人がごった返す。そして、重要なのは9割以上が市外からの来訪者である点だ。地方にとって外貨の獲得は重要であり、豊前市では年間5億円以上にもなっている。
 このように新たな流通として注目されている「道の駅」。そして、流通以上に観光スポットとしての成功が人を離さないのだ。「連休に行きたい『駅』」という記事もあるので、どうぞご参考に。


第2位
■週刊ダイヤモンド■ <<< 本邦初のサービス付き高齢者住宅ランキング

『週刊ダイヤモンド』らしい、読者層をばっちり狙った特集だ。その名も「親子で選ぶ『老後の住まい』」。昨年10月、『週刊東洋経済』では「介護で選ぶ 老後の住まい」として36ページの特集を組んだが、今回の『週刊ダイヤモンド』は80ページ以上の大特集となった。目玉はPart3の「サービス付き高齢者住宅(サ高住)ランキング」だ。全国各都市で現地調査した1218件のサ高住を、都道府県別にランキングしている。まさに本邦初のサ高住ランキング! ゴールデンウィークにはこれを片手に老後の住まい探しに出かけますか?!
 さて、プロローグにはいまある高齢者住宅と在宅サービスがチャート化され、「こんなにあるのか!」と驚かされるが、これが目次ともなっている。続いてPart1は「老人ホームvs.サ高住」。老人ホームとサ高住の違いがしっかりわかる入門編だ。高齢者住宅のピンからキリまでが紹介され、運営事業者大手6社の経営者が一挙に顔を見せて「理念・悩み・今後を語る」(表組)。とんでもケアマネの見分け方や、業界覆面座談会では業界事情やホーム選びのポイントも紹介される。Part2.は「サ高住の選び方」。サ高住はそれぞれさまざまなコンセプトを持っているそうだ。例えばロハス型や終末期型などなど、暮らし方生き方に直結するのがサ高住選びのようだ。それだけに玉石混淆。エピローグでは、この現状と乏しい情報提供力を打破しようとする動きが紹介されている。サ高住業界自らが物件の格付け評価を行なおうというものだ。現在業界団体のプロジェクトとして進められている。有料老人ホームの業界団体も施設評価の公開を検討中という。現在は不透明な問題の多い事業者も多いこの業界。利用者が選びやすい透明度の高い市場へと進化するか?


第3位
■週刊東洋経済■ <<<  電機をダメにした抜てき経営者

 今週の『週刊東洋経済』は「死んでたまるか!日本の電機」。先週の「クルマは日本を救えるか」に引き続き、日本の基幹産業の「いま」にフォーカスする。工場再編や事業譲渡、資産売却など敗戦処理ばかりが目立つ電機業界だが、本当に「日の丸電機は完敗したのか?」を問う特集だ。
 まず、工場の現状と4つの再生の芽を紹介する。前半では、パナソニック、ソニー、シャープ3社の現状と戦略だ。カメラ2強、キャノン&ニコンの展望も語られる。後半の「突破せよ!半導体」では、「半導体工場は将来のゴミ」というセンセーショナルな言葉から始まる。
 そして、ラストには「電機をダメにしたのは誰か?」。「大手電機メーカーOBに話を聞くと、必ず出てくるのが『戦犯は誰なのか』という話題」だという。それは1990年代後半にリーダーシップを取った、いわばマスコミが持ち上げた「スター経営者」たち。共通点は「従来の主流事業が低迷していく中で、傍流出身の社長として華々しくデビューした」抜擢社長たちだ。いまだから言えることだけれど、経済マスコミにも大いに責任のあることだけれど、読ませる2ページだ。
 ニュームーブメントとして、第2特集「TEDってなんだ?」とNEWS & REPORT「ネット業界の新潮流」もご一読を。


第4位
■週刊エコノミスト■ <<< いい投資先はどこかなぁ?

 特集「投資大全」と銘打った『週刊エコノミスト』。アベノミクス、黒田バブルによる良い投資先はどこか? と極めて実質的。4部構成で、1部「どっちが得?」、2部「買い時・売り時」、3部「不動産復活か?」、4部「早耳株価材料」とこれもストレート。まぁ、ストレートならではの良さと言えなくもないが。
 第1部の「どっちが得?」では2通りの答えを用意し、それぞれを深堀する形をとった。例えば「悪いインフレ」では金、「良いインフレ」なら不動産を取りあげる。「良いインフレ」となり不動産需要が高まるのか、不毛の資産で「悪いインフレ」を耐え抜くのか。こういった形で、株vs.為替、ETF vs.投資信託を分析した。
「国策に売りなし」は相場格言だが、どの分野においても異次元金融緩和を後押しする流れがある。「日銀と景気」の記事では、「リフレ・ジュグラー」なる言葉が登場した。10年程度で1周期をもつ中間循環をジュグラー・サイクルと呼ぶが、記事の分析では、2003年3月〜08年1月以来の拡張優勢に入り、17年3月まで続くと解説している。
 また、マクロ視点だけでなく、市場で話題をよんでいる企業を紹介する。「パズドラ」で頂点に立ったガンホー。そして、最近良く話題になるクボタ。TPPにより、さらなる海外展開と稲作用機械の強みが期待される。このように、企業としての成長も国策を後押しする、そんなイメージを抱く特集です。


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