今週の週刊経済誌の読みどころ_2013.2.13

今週の第1位は『週刊東洋経済』

週刊東洋経済 ... シェール革命で日本は激変する
週刊ダイヤモンド ... 売れる仕組み 集客の秘密
日経ビジネス ...  インフラ クライシス
週刊エコノミスト ... 円安加速

 何週間か前の『週刊エコノミスト』で特集した「シェールガス・オイル」に今度は『週刊東洋経済』が飛びついたーーと言っては失礼かもしれませんが、同誌の特集は「シェールガス革命」です。今やアメリカの復興の最大の切り札であり、これにより人類が利用できる資源量が何倍にも拡大したと言われています。まさに革命的な資源でこれを採掘可能にしたのは中小企業の技術だと言います。同誌はこの革命によって日本も大きな影響を受けると言い、その様を描いています。これが今週の1位です。
 次に面白かったのは、『週刊ダイヤモンド』の特集でした。今売れているもの、今人が集まっている場所のその仕組みを解剖するという特集です。大変具体的な技術や仕組みの解説が丁寧で面白い。この具体性がいいですね。
 そして、第3位は『日経ビジネス』の特集です。テーマはインフラ危機。詰まり日本が高度成長時代に作ってきたインフラが老朽化によってがたが来ている、その問題を解決するために欧米(老朽化先進国)に学ぼうという特集です。アベノミクスの柱の一つである国土の強靭化に関連する企画ですね。『週刊エコノミスト』はそのアベノミクスの象徴とも言える「円安」の特集です。私が聞いた予測のなかでは某自民党の政治家が「参院選までに130円にする」と豪語していたのが印象的ですが、この円安がもたらす効果と、一体どの辺りまで円安が進むかを予測しています。

第1位
■週刊東洋経済■ <<<  米国の中小企業が開発したシェールガス

「いまやシェールガス・オイルを知らずして日本の未来は語れない」......あっという間にそう言い切れる材料がそろってきた。その背景を『週刊東洋経済』が詳細に肉厚にレポートしてくれた。「シェール革命で日本は激変する」画素の特集タイトルだ。
 2013年の仕事始めすぐ、1月22日号の『週刊エコノミスト』でも「シェール革命の衝撃」として、塗りかわる軍事バランスやマネーフロー、米国復権のシナリオなど多角的な分析を行なっていた。これに対して『週刊東洋経済』は、高揚感に包まれる米国採掘現地の取材も交え、それらをさらに深堀りしてレポートしてくれる。
 シェールガス・オイルは、シェール層といわれる地下数千メートルのナノレベルの岩盤の隙間に気体や液体で存在する。ほんの数年前まで、採掘は「不可能」と言われていた。それが、米国の中小企業が開発した水平掘りや水圧破砕技術によって採掘可能となり、エネルギー事情を激変させるインパクトをもつ存在に上り詰めた。「リーマンショックが発生した頃からシェールブームが本格化したことは、金融からエネルギーへの経済の主役交代ともに、運だけではない米国の底力と懐の深さを印象づける」と本文にある。運と底力。安い国産エネルギーと国内回帰する製造業、それを後押しする国家政策。アメリカは本当に強い。
 ぜひご一読を。活気づく米国諸都市のレポートは、読んでいてわくわくする。
 第2特集は、「安倍予算 3つの争点」。


第2位
週刊ダイヤモンド■ <<< 店には売上げが上がる人員配置がある

 今週の『週刊ダイヤモンド』は、最新のマーケティング術、最新の「売るための仕掛け」を一挙に紹介する企画だ。題して「売れる仕組み 集客の秘密」。サブタイトルには「『よいもの』だけではダメ。『よい仕組み』を作って売る!」とある。「仕組み」のところが肝要で、ITあり、非ITあり。知っている人にはすでに古い手法もあるかもしれないが、次から次へと紹介される仕組みは、いろいろと新鮮なものが多かった。最近の繁盛メソッドを垣間見せてもらった。
 オンラインとオフライン(実店舗)の連携・融合を「O2O(オンライン・トゥ・オフライン)」と言うが、昨今、スマホを使った実店舗・町・サービスへの集客術が面白い展開になっている。マピオンが運営するスマホ片手に街をうごめく大人向け"位置ゲーム"「ケータイ国盗り合戦」は、全国からやってくるプレーヤーに墨田区商店街が驚いた。地図で現在地を押すとタクシーがやってくるサービスもある。携帯割引クーポンの発行は、すでに定着。SNSを活用した成功例も増えつつある。
 Part2.「個客を知り尽くせ」には、進化した顧客データの分析で50%の売上増に成功したJRの自販機、徹底した調査を背景に店舗デザインを変更して来客数を16%伸ばしたau・NAGOYAの事例など盛りだくさんだが、最も興味を引かれたのは日立が開発した「ビジネス顕微鏡」! 名刺型センサーを用いた行動計測システムなのだが、このデータ解析からさまざまなものが導きだされるという。例えば、データで見いだされた「高感度スポット」に人員を1人配置するだけで、実店舗実験では客単価が15%上がったというのだ。これ本当か!? とても興味がある。
 第2特集は「2013年 大学3年生が選んだ就職人気企業ランキング」。眺めていると、いろいろ時代を反映しているのがよくわかる。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<<  インフラがたがたの国日本

 全面通行止めや車両のみ通行止めなど、通行規制がかかる橋は、2012年4月時点で全国1379箇所もあるそうだ。3年間で実に5割増。1960年代の高度成長期に建設された橋や道路、トンネルなど、インフラの老朽化は急ピッチで進行している。笹子トンネルの事故も起こった。都内の主要道路の地下も、実は空洞だらけだという調査もある。今週の『日経ビジネス』はこの「イン
フラ・クライシス」の特集である。副題は「老朽化先進国・欧米に学ぶ処方箋」。そういえば、1980年代、アメリカで起こる橋の崩落や道路の陥没事故のニュースに「ヤバいよ!」と目を丸くしたものだ。米国では30年代に造られたインフラが、ちょうど50年経った80年代に一斉にガタガタになった。「日本よりも先に大量の公共インフラの老朽化に直面した米国と欧州。財源不足を、民間企業の資金と運営ノウハウの活用で突破」した事例が「処方箋」としてレポートされている。先週の『週刊ダイヤモンド』は「公共工事バブルで踊るゼネコン」の特集だった。土建・建築業界では、現場で働く24歳以下の若者が年々減少しているという。国家予算がついても作り手がいなければ話にならない。それで思い出したのだが、最近ニッカボッカを履いた現場帰りの若者を都心の電車の中などで見かける機会が増えた。実直そうなイケメンが多く印象に残ったのだ。もしやガテン系といわれる職種に、勘のいい冴えた若者がジワジワ進出してきている? いや、経費削減のため会社でバンを出してないだけかもしれないが、でも、現場で汚れたウェアで帰宅する彼らの様子はなかなか清々しいものだ。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 1ドル=100円時代の到来

 先々週の特集「安倍バブル」に続き、今週の『週刊エコノミスト』は加速する円安がテーマだ。題して「円安加速 1ドル=100円時代がやってくる」。主要ストラテジスト12人による「2013年為替レート予測」でいくと、年内は円安が続き、だいたい1ドル=100円程度の予測が大方だ。アベノミクスの金融緩和策とシェール革命が後押しするドル高ベクトルは揺るぎなく、このト
レンドは確実だろう。
 執筆者の一人、棚瀬氏(JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジスト)は「投資家のリスク許容度の上昇も円安要因の1つ」とリードにしたためた。これは、弊社『CEO社長情報』の最新号(2月末発行)で伊藤元重東京大学教授が言うところの「グローバル経済はリスクオフからリスクオンへとスイッチが切り替わった」ことと同義だ。経済が動きだし、潜在的に期待されてきた「バブル」的なるものは再来するのか? 円安はデフレ脱却の好機だが、スイッチ「オン」となったリスクを厭わない経済行動から次に視界に開ける風景はどんなものなのだろう。


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