今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・2015大予測

週刊東洋経済 ... 2015大予測
週刊ダイヤモンド ... 2015総予測
日経ビジネス ... GEの破壊力
週刊エコノミスト ... 世界経済2015

 今週で年内の経済誌発行はほぼ終わりです。ほぼと書いたのは『日経ビジネス』だけが合併号ではないからですが、年末の合併号と言うと、恒例の「予測もの」が各誌の特集となります。各誌それぞれ甲乙つけがたいのですが、なかでも面白かったのは『週刊東洋経済』でした。特に冒頭のスペシャルインタビューがいい出来でした。特に世界編は、バブルへの警戒をはじめ日本に警鐘を鳴らしているものが多く、考えさせられました。これが今週の第1位です。
 第2位も予測もので『週刊ダイヤモンド』の総予測がとにかくボリュームがすごく圧倒させられました。こちらも副題に「バブルがやってくる」とあり、両誌とも同じ論調のようだが、警戒感が強い『週刊東洋経済』とあくまで分析的に書いている『週刊ダイヤモンド』とで差が出たような気がします。
『日経ビジネス』はこうした予測ものをやりません。GEを特集に持ってくるあたりが同誌らしさと言えるでしょう。
 第4位は世界経済の予測特集を掲げた『週刊エコノミスト』です。先週が日本経済の予測でしたから、当然と言えば当然なのでしょうね。

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第1位
週刊東洋経済■ <<<  安倍首相は日本を破滅させた男として歴史に名を残す

『週刊東洋経済』ももちろん合併号。そして、『週刊ダイヤモンド』と同じく「2015 大予測」と銘打つ大特集を組んだ。こちらは多くのエコノミストを招いた73テーマの予測とともに、特集巻頭で、ジム・ロジャーズ(著名投資家)、チャールズ・マレー(政治学者)、内田樹(思想家)、武藤敏郎(大和総研理事長)など、10人の著名人が各々の専門分野について予測見解を述べるインタビューに応えている。『週刊ダイヤモンド』より世界経済からの視点が濃い編集となっている印象だ。
 消費増税やアベノミクスで荒れた2014の日本経済。その流れを汲む2015年の日本経済、ひいては世界経済はどう動いて行くのだろうか。『週刊東洋経済』は、Part1.日本経済、Part2.世界経済、Part3.ニッポンの岐路、Part4.歴史は繰り返す?、Part5.五輪後の景色と日本人、この5つの分野に分けて予測を行なっている。
 注目は冒頭のジム・ロジャーズへのインタビュー。彼には私もインタビューしたことがあるが、なかなかはっきりとものを言う人で、なぜ自分はバイクで世界中を回っているかを理路整然と話してくれ、なるほどと、その慧眼に瞠目したものだ。その人が「2020年までに世界規模の破綻が来る」「安倍首相は日本を破滅させた男」として歴史に名を残すと言っている。なかなか興味深いではないか。


第2位
週刊ダイヤモンド■ <<< 8分野100項目の予測

 合併号の季節だ。それにしても今週の『週刊ダイヤモンド』は厚い! 総ページ数230超え、実に通常号の2倍である。特集は「2015 総予測 バブルがやってくる!」。「2015年はどうなるのか、8分野100項目にわたって多角的に予測」する。
 2014年の世相を表す漢字に「税」が選ばれた。消費増税が一年を通して話題となった2014年。が、日銀黒田総裁の2度にわたる異次元金融緩和、そして消費再増税の先送りによって、市場はまったく違う様相を呈してきた。巷にあふれたマネーが徐々に株式を押し上げている。東京五輪の決定により不動産もにぎわっている。これらはかつてバブル景気と呼ばれたその前兆に似ている。当時といくらか状況は異なってはいるが、金融緩和と消費増税の先送りによって下地は整っている。そんななか予測される8分野とは、経済、政治・制作、地方、国際社会、産業・企業、新産業、暮らし・社会、スポーツ・文化。編集部だけでなく、さまざまな人選で100項目の予測が語られる。
 第2特集は「2014『ベスト経済書』」。


第3位
日経ビジネス■ <<< 巨人GEの強み

 世界の産業界に君臨している米ゼネラルエレクトリック(GE)。絶え間ない自己革新によりトップを走り続けていた彼らが今、変革の時を迎えている。今週の『日経ビジネス』は「ものづくりの未来を変える GEの破壊力」だ。ちなみに『日経ビジネス』は合併号ではない。
 ものづくりのあり方を根底から変えようとしているGEが取り組んでいる事は大きく3つ。1つはソフトを活用した機器の価値向上。例えば多種多様なセンサーを作るだけではなく、それらにより集まる膨大なデータを解析するソフトウェアに力を入れることでデータにも新たな価値が生まれる。そして新たな価値からはビジネスが生まれる。
 2つめは生産技術の革新。あらゆるモノがインターネットにつながるこの時代、多くの企業がソフト技術へと力を注いでおり、GEもその例外ではないが差をつけるためにはハード面の技術も進化させる必要がある。その象徴とも言えるのが3Dプリンターの大規模活用で、これにより細かい顧客のニーズへの対応や、3Dプリンターを生産機器としての改良等に成功している。
 3つめは開発の迅速化で単純に納入を速くするというだけではなく、開発の段階から製品を顧客にみせて意見を聞きながら改良を重ねた上で迅速に開発を行なうという。作り手の思い込みを排除し、顧客にとって価値の高い物を迅速に生み出そうという考えだ。
 特集の冒頭では、ソフトバンク(孫正義)とGE(ジェフ・イメルト)の両トップが提携した話から始まる。さて、その姿から日本の企業は何を学べるのだろうか。


第4位
週刊エコノミスト■ <<< 原油価格急落が2015年の懸念事項

『週刊エコノミスト』は、年末年始の合併号に「世界経済2015」と題した特集を持ってきた。先週の「日本経済総予測」に続くものだ。米国の順調な景気回復によって2015年の世界経済は緩やかな成長を続ける。が、ここに一つの懸念事項が浮上している。原油価格の急落だ。14年の後半に始まった原油価格の低下が、15年半ばに予想されている米国の利上げをトリガーに緩やかな成長を続ける世界経済をかき乱す要因となり得るとしている。しかし、原油価格が下がるということはデメリットばかりではない。日本や欧州といった近年低成長に苦しむ原油輸入国にとってはメリットも大きい。世界経済が乱れはするが、米国の一人勝ちの状況が崩れるということでもあるので、一概に悪いばかりとは言えない。一方で原油輸出国が多い新興国らは近年の高成長を維持するのは難しいだろう。中国やインド、ロシア等の国も成長率の減速が見込まれている。
 2015年予測もの3誌読み比べはいかがだろうか。ぱらぱらとページをめくっていると50歳を過ぎて女装を始めた安冨渉・東京大学教授の「問答有用」も面白く読ませていただいた。


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