今週の第1位は『日経ビジネス』・・・日本の革新者2014 世界を動かす12の発想

日経ビジネス ... 日本の革新者2014 世界を動かす12の発想
週刊ダイヤモンド ... JA解体 農業再生
週刊東洋経済 ... 就活 先手必勝、後ろ倒しに備えよ!
週刊エコノミスト ... アベノミクス相場 第2幕
 
「新しい波が来ている」といった話はいつ読んでも楽しいものです。今週の『日経ビジネス』にはそういう楽しさがありました。同誌が独自に行なっている「日本のイノベーター大賞」で大賞を受賞した人たちを特集として誌面で取りあげています。日本酒の獺祭を海外に広めた旭酒造やクロマグロの養殖で有名な近畿大学の水産研究所など知っている人たちもいるものの、どの人も確かにユニークな足跡を残し、日本を変えていっている人だなと感じさせられました。これが今週の第1位です。
 第2位は農業を正面から取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。よくも悪くも日本の農業を支配する全中にスポットを当て、官邸が主導して行なおうとしている農政改革の実態と併せて興味深い特集に仕上げています。
 第3位は「就活」を特集した『週刊東洋経済』です。解禁が後ろ倒しになったことで、いろいろな問題が出ているその様を取りあげています。それにしても昨今の就活は「親掛かり」なのでしょうか。
 そして『週刊エコノミスト』は緊急特集と銘打ってアベノミクス相場がどのようになっていくかマーケット予測と総選挙の展望を特集しています。

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 主流から外れていることの大切さ

 第13回を迎える日経BP社主催「日本イノベーター大賞」。今週の『日経ビジネス』は、その受賞者、2014年に花開いた日本のイノベーター12人が登場する特集「日本の革新者(イノベーター)2014 世界を動かす12の発想」だ。
 大賞は、7人乗り飛行機「ホンダジェット」を米国で開発し来年発売開始するホンダ エアクラフト カンパニー社長・藤野道格氏、優秀賞は純米大吟醸「獺祭」を日本のみならず海外でも人気ブランドに育て上げた旭酒造社長・桜井博志氏、そして砂利道も走れる電動車椅子「WHILL Type-A」をこの9月に日米で世に送り出したWHILL CEO・杉江理氏だ。彼らのイノベーターとしてのエネルギーやエピソードをもっと読みたくなる。ほかの9人もそれぞれ個性的でエネルギッシュで、日本のイノベーターの系譜は脈々と受け継がれていると嬉しくなる情報だった。『日経ビジネス』編集長はイノベーターに共通するのは「辺境の人」そして、「主流からは革新は生まれないのは世の常。重要なのは辺境からのイノベーションを主流にするメカニズムが日本にあるかどうか」と言う。今号の編集長インタビューは昨年この大賞を受賞したLINE・森川亮社長。辺境で生まれたLINEも、今後王道のメインストリーム"生活のインフラ"を目指すという。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 「ニッポン的農業」の行方

 日本の農業が大激変期を迎えているという。TPPなど他国農産物との競争がすぐに頭に浮かぶが、今回の特集テーマは内側の変化。タイトルは「JA解体 農業再生」だ。
 平均年齢66歳という高齢化の波、農産物価格の乱高下の波。この2つが同時に襲来し、農業は本当に厳しい時代を迎えている。それら対策に無策であり非効率的な今のままのJA体制では生き残れないのではないか? 官邸は全国のJAを指導・監査する全中(全日本農業協同組合中央会)の廃止を画策する。国としては、分厚いセーフティーネットを前提とした現在の農業制度を維持できない台所事情を抱えており、自ら販路を開拓する農業生産法人や実力のある地方JAの独自の活動を推進する方向だ。
 特集では、農協間で広がる本業での実力差がわかる「全国農協ランキング」を掲載。回答のなかった農協の実名も公表した。Part2では、農業をめぐってかつてない動きを見せる巨大企業、JAの株式会社化を追い、農業再生の主役を探る。農家になりたい人向けには「金なしコネなし知識なし 農家超入門講座」、農水省にも迫る。「農家が貪るおいし過ぎる特権」では、農家の優遇されっぷりがまとめられている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  親から動く? 就活 

 表紙には、売り場のラックに置かれた時に目に入るよう、誌名のさらに上の部分に記事や特集にまつわるキャッチーな言葉が並べられている。『日経ビジネス』以外の3誌がみな同様のデザインだ。今週の『週刊東洋経済』には、その誌名の上部分に「大特集 まず親から動く!就活 後ろ倒し元年で大波乱!」と書かれている。「まず親から動く!」。つまりこの特集は学生ではなく親をメインターゲットにした特集だ。親が手に取り購入し咀嚼した上で、経済誌に縁がなかった息子娘に渡すことが前提なのだろう。リードには「選考時期が大幅に"後ろ倒し"される、2016年卒の就活。だが、企業はもう動いている。売り手市場でも油断禁物。年明けからでは遅い。どこよりも早い就活情報で万全の準備を」と、学生が「後ろ倒しの意味がなーい!」と叫びたくなるような文言が並んでいる。「就活が"後ろ倒し"でも企業はこっそり"前倒し"」が実態のようなので、関係者の方はどうぞお手に取ってみてください。くれぐれも勇み足によってお子さんの足かせにならぬよう。
 さて、巻頭での特集を充実させる方向の最近の『週刊東洋経済』。今週の巻頭特集は「ファンドはなぜ電機を買うのか」。高まっている巨大ファンドの"電機買い"の背景を追った。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< アベノミクスと解散

 先週記者発表された衆議院解散・総選挙。全誌が巻頭でその後を追う記事を掲載したが、最もボリュームを厚く掲載したのが『週刊エコノミスト』だ。タイトルはそれぞれ「消費税先送りが招く負の連鎖」(週刊ダイヤモンド)、「瓦解したアベノミクス解散の"真の目的"」(週刊東洋経済)、「安倍首相『先手必勝』の胸の内」(日経ビジネス)、そして『週刊エコノミスト』は「アベノミクス相場 第2幕」だ。アベノミクスとその解散をどう見るのか、伊藤光晴・京都大学名誉教授、竹中平蔵・慶應義塾大学教授、榊原英資・青山学院大学教授のオピニオンが並び、有力アナリストが株・為替のマーケット予測を行なう。表紙でもこの緊急特集の扱いのほうが大きい。
 通常の特集は「競争激烈! 税理士・会計士・弁護士」だ。税理士・会計士の世界は、リーマン・ショック後、資格を取得しても就職できない事態を受けて受験者が急減。しかし現在「過去に例がないほどの採用難」と大手監査法人に言わしめるほどの人手不足だという。一方、法曹の世界は、今のところ法的ニーズの掘り起こしに失敗したのか、まだまだ食えない若手弁護士が出ている。明暗を分けたような形だが、共通しているのは受験者数の減少だという。専門家への期待は大きいが、求められる専門性を身につけられる環境にない若手士業が多いようだ。


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