2016年12月22日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・次代を創る100人 2017


日経ビジネス ... 次代を創る100人 2017
週刊東洋経済 ... ビジネスマンのための近現代史
週刊ダイヤモンド ... 知らなきゃ損する夫婦の法律相談
週刊エコノミスト ... 日本経済総予測2017

 この時期の週刊誌は忙しいものです。年末年始は休みとなるため、通常の進行ができず、合併号もその次の年明け第1号も年内に作らなければなりません。しかも特大号なのでページ数も多く、それらしい企画にしなければなんとなく読者も納得しないものです。
 特大号(合併号)の本命は来週ですが、先陣を切って『日経ビジネス』が「次代を創る100人」と言う人もの特集を組みました。2017年注目の100人と言うわけです。日本人だけでなく外国人も多く99番目が安倍晋三首相、100番目がドナルド・トランプ次期米大統領となっています。それぞれの人物をゆかりのある有名人が評している形で面白さは膨らみます。今週の第1位はこれですね。
 第2位はと言うと『週刊東洋経済』です。特集は同誌得意の歴史物で、「近現代史」をビジネスマン向けに解説しています。ナショナリズム、ポピュリズムの台頭、あるいは保護主義と言葉は違えど、今の世界の動きのなかに共通するものの正体を見極めようと言うのが狙いです。お勉強もの好き、現代史好きにはいい企画でしょう。
『週刊ダイヤモンド』は「夫婦の法律相談」と言う企画です。社会の最小単位である家族の法律にまつわる事柄を解決策付きであまねく紹介しています。これが第3位です。
『週刊エコノミスト』の特集は年末恒例企画の1つである「経済予測」です。来週は他誌も同じような企画になるのでしょうね。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< エネルギーのある人100人

 雑誌は年末に恒例特集を組む。経済誌がよく企画するのは「来年の予測もの」である。この中で『日経ビジネス』のみが、毎年予測ものではない特集を組んでいる。今年もその例に漏れず、ちょっと面白い特集を組んできた。それが「次代を創る100人」と言う特集である。
 今年はイギリスのEU離脱、韓国の大統領問題、そしてトランプショックなど様々な事件が世界に混沌をもたらした年だった。正念場を迎えた世界の不安を希望に変えられるのは、人のエネルギーしかない、と巻頭のリードで謳っている通り、希望のもてそうな100人をいろいろなカテゴリー別にピックアップした。ただし、このカテゴリーはちょっと分かりにくい。
 例えば、こんな具合だ。
「天才」「技術者」「冒険者」「挑戦者」「女城主」「再挑戦者」「二刀流」「クリエイター」である。分かるものとそうでないものがある。「女城主」は主に女優や女性起業家で、もちろん来年の大河ドラマのタイトルにちなんでのものだ。「二刀流」は異なる二つの肩書きを持つ人物がピックアップされている。
 これらの中でピックアップされた人物のコメントを書いているのが、また別の有名人である。例えば、羽生善治についてコメントするのは鈴木敏文、本田圭祐は池上彰と言う具合。こうしたコメンテーターも多士済々でお笑いのダンディ坂野まで登場する。その人との関係を想像すると言う意味ではコメンテーターの名前も目次に入れてほしかった。いずれにしても選び抜かれた100人の「2017年を動かす人物」を、これまた著名な100人がコメントすると言うのは、何というか「お読み得」なんだろうな。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<<  グローバル化が生んだ新帝国主義

 英国のEU離脱決定に米国大統領選でのトランプ大統領候補の勝利。さらに欧州各国で存在感を増す大衆迎合のポピュリズム政党。後の時代から見た2016年はもしかしたら歴史の転換点だったのかもしれない。『週刊東洋経済』はこうした一連の動きを近現代史の視点から取りあげ特集に仕立て上げた。題して「ビジネスマンの近現代史」である。
 実際世界全体の動きとして、政治家達はグローバル化の弊害を訴え始めている。それはあたかも第二次世界大戦前に保護主義の動きが台頭してきた当時を彷彿とさせる。これらの時代の動きの末にどのような世の中になるのか、世界史を読み解きながら現代への教訓を探ろうというわけだ。
 読み解き自体はある意味で単純だ。近年進行しているグローバル化に対しての反動ともとれる帝国主義的傾向を「新帝国主義」と同誌はまず定義する。先の米大統領選で「米国第一」を唱えて当選したトランプ次期大統領はそのいい例と言うわけだ。冒頭に上げた出来事の裏にはこの「新帝国主義」が存在する。ではこれはなぜ生まれてきたのか。そこでスポットを当てたのが民族である。そもそも近代国家の地盤には民族が主体となっている。ところがソ連崩壊から始まった新自由主義の蔓延によって世界のグローバル化が進み、一人一人が原子的な個体に分解されるようになった。つまり新帝国主義とはこうした事象に対しての激しい抵抗なのだ。面白いのはグローバル化が蔓延することで抑圧されてきたこの民族意識が、やはりグローバル化によってもたらされたインターネット等のツールを最大限に利用し、逆流して発生したという点である。果たしてグローバル化の功罪は?


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 夫婦の間だけでないトラブル解決法

 今週号の『週刊ダイヤモンド』の特集は「知らなきゃ損する 夫婦の法律相談」である.この特集にピンと来ない人はもちろんいるだろうが、経済誌がこうした特集を組むと言うことは、相当悩んでいる人が多いのだろうということだ。  
 実際、2006年に解説された日本司法支援センター(法テラス)にはこの10年で300万件以上の相談が寄せられており、法律相談のポータルサイト「弁護士ドットコム」にも05年設立以来140万件超の相談が寄せられているのだとか、すべてが夫婦のトラブルではないものの、読み進めていくとわれわれの周りのトラブルの多くは夫婦で解決しなければならないものか、または夫婦をはじめとする親族間の争いによるものだと言うことが分かって来る。
 あるなあ。
 ママ友同士の金の貸し借り、欠陥住宅、騒音問題、自治会への加入、家賃、公園での子どもの怪我、子どもへのイジメ......。夫婦の法律相談と言えば、離婚問題と相続問題かと考えていた人には思わぬ役に立つ特集かもしれない。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 来年は消費が好調になる?

 年末恒例企画で押してきたのは『週刊エコノミスト』である。タイトルは「日本経済総予測2017」。毎年同じ企画ではあるが、その年々で打ち出し方も違う。今回(つまり来年)のそれはトランプノミクスの影響だろう、同誌の冒頭の記事もそのことから入っている。野村証券グループが12月の13〜14日に開いた資産運用フェアには2012年以降過去最高となる約1万4300人が訪れたと報じている。
 大規模なインフラ投資や大型減税を行なうだろうと予測されるトランプ次期大統領に対する期待感の表れと言うことなのだろう。実際トランプ相場で株価は上昇しており、2万円台にもあと僅か。14日には米連邦準備制度理事会が1年ぶりの利上げを決めたこともあって、およそ10ヵ月ぶりの円安水準となっている。
 ずっと読み進めていくと、割に景気の良い言葉が並んでいると感じさせられる。例えば「内需」の項では<補正予算と五輪で公共投資増 節約疲れで消費改善へ>と消費は上向く見通しを掲げているのだ。
 こうした経済予測とは別に同誌は産業がどのように推移していくかも取りあげている.そのキーワードはシェアリングエコノミーとロボットと言うことになるようだ。シェアリングエコノミーは日本の婆アイいろいろな規制がありなかなか広まらないと言われているが、しかし、タクシーのシェアができないならお店の配達を登録した配達員が届けると言うような新たなサービスも生まれているようだ。
 ま、来週には『週刊エコノミスト』や『週刊東洋経済』も同様の特集を組んで来るだろうから読み比べも一興ではある。