2016年10月27日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・副業のススメ


週刊東洋経済 ... 副業のススメ
週刊エコノミスト ... 図解でわかった 東京都 カネと人脈
日経ビジネス ... 日本電産
週刊ダイヤモンド ... コンビニを科学する

 昔は副業とか兼業とか言うと、あまりいいイメージが得られませんでした。それは企業社会に終身雇用が根付き、会社に入れば「安定」という現実があったからです。しかし、そんな「安定」は崩れ、企業社会は混沌としています。政府が「働き方改革」を押し進めるのもそんな背景があるからで、それを『週刊東洋経済』がうまく切り取りました。これからの若い人の働き方は間違いなく変わる、そんな視点で取りあげた実例が豊富で問題点もしっかり紹介しているこう特集です。これが今週の第1位です。
『週刊エコノミスト』は今最も旬の話題の一つ!「東京都」を取りあげました。それも相関図など図解をふんだんに盛り込んで分かりやすくしたもの。これは分かりやすいでしょ、ということでついつい読み進めてしまうこの特集が第2位です。
 第3位は『日経ビジネス』で、特集は「日本電産」(というより永守社長?)です。同社は有名な割にその実態を知っている人は少ないということで、この特集になったのでしょう。私はン十年前にインタビューしましたが、その時も今も変わらずインパクトを与えているその現実が凄い!
 そして、『週刊ダイヤモンド』の特集は「コンビニ」です。但し、よくある業界特集ではなく、コンビニという事業(あるいは店舗形態)を科学的に分析してみようと言う試みです。将来のコンビニの予測なども入って面白く読めました。


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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<<  人口減少時代の収入の求め方

 政府が本格的に取り組み始めた「働き方改革」。その中の九つの議論テーマの一つとして盛り込まれたのが副業・兼業による柔軟な働き方だ。国内における副業を持つ人の割合は就業者全体で3.64%ととても少ない。決してメジャーとは言えない副業だが政府がこれを奨励する背景には日本のあらゆる経済問題のボトルネックとなっている人口減少がある。労働力の中核を成す生産年齢人口が下り坂へと傾いた今、労働力不足を解消するために副業・兼業の大々的な浸透を狙っているというわけだ。
 というわけで、今週の『週刊東洋経済』の特集は「副業のススメ」である。
 実際、就業者側の副業への関心も高い。長寿化と年金の関係、雇用環境の激変が背景にはある。今までは小遣い稼ぎ程度の意味合いしかなかった副業だが、今では新たなスキルアップの機会と考えるビジネスマンも多いようだ。同誌はさまざまな企業や実際の副業体験者を取材し、そのメリット、デメリットを紹介している。そこにはスキルアップや人脈、新たなキャリアは築ける一方で、身体的な負担は大きくのしかかるという現実も露わにしている。また、アメリカではギグエコノミーという言葉でこの副業が表現されているが、パートのタクシー運転で副業ができるUBERなど先鞭を付けた企業と実際の運転手の間での係争なども取りあげられており、興味深い内容になっている。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< GDPで世界16位に相当する都市の帰趨

「五輪ファースト」から「都民ファースト」へ。初の女性東京都知事・小池百合子氏への都民の支持と期待は相変わらず高い。今週の『週刊エコノミスト』は、小池都知事への独占インタビューを目玉に、伏魔殿とも言われる「東京都のカネと人脈」を図解とレポートで読み解く。
 東京都庁の職員数は、警視庁も含め16万人を超える。GDPは9312億ドル。国別で比較すると、15位のメキシコ(1兆1443億ドル)の下で、インドネシアやオランダ、スイスより規模が大きい。国から交付金をもらっていない唯一の自治体だ。この巨大な東京都の五輪利権・豊洲利権というパンドラの箱を開けた小池百合子氏。着地点をどこに見いだすのか? 都民の期待が大きいだけに今後の展開によっては「青島幸男化」も懸念されるが。
 特集副題に「図解でわかった」と掲げられているように、今の東京都の問題がコンパクトにわかりやすくまとまっている。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 世界の果てまで永守流!?

 M&Aをテコに急成長を果たし、一躍高収益企業の代表格となった日本電産。創業者であり会長兼社長の永守重信氏の歯に衣着せぬ発言は常に世の注目を集めてきた。その一方で日本電産がどのような企業なのか、その実態を知る人は少ないだろう。
 今週の『日経ビジネス』はこの売上高10兆円へと突き進み、世界を目指す日本電産の実像に迫る特集を組んだ。タイトルは「日本電産」とズバリ。サブタイトルの<世界の果てまで永守流>が興味深い。
 日本電産は今大きな転換期を迎えているという。今まで同社の成長を支えていた精密小型モーターの市場が成熟化してきているからだ。こうした変化に伴い「車載」と「家電・商業・産業用モーター」というあらたな柱を作り上げようとしている。そのために行なっているのが得意のM&A。それも海外企業に的を絞っている。足りない技術を補い、繋ぎ合わせることで新事業を送出し、2005年からの10年間で事業構造における車載および家電・商業・産業用モーターの比率を40%以上上げ、売上高も倍増している。
 その根底にあるのは海外企業の経営者すら引きつける永守重信氏の経営哲学の徹底だ。その経営哲学とは何か。創業以来掲げてきた「情熱・熱意・執念」の三大精神をバックボーンとして「高成長・高収益」といった高い目標を「スピード感」を持って達成する事だという。
 単純な精神論だけに収まらず、ノウハウの伝授や徹底した問題解決等目標を達成するためにあらゆる方面から徹底的に突き詰めるというのが特徴だ。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< コンビニの将来はどうなる?

 コンビニがわれわれの生活に登場して40年余り。2014年には5万店を突破し、売上高10兆円、年間来客数はなんと167億人! 大手3社だけで年間34.3億個のおにぎりを売る。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は、この凄すぎる「コンビニを科学する」という特集だ。
 コンビニの出店は、統計・IT、認知心理学、データ分析、技術革新を駆使して行われる。そして開店後はそれらを統合した店舗経営アドバイスで科学的に売り上げを伸ばしていく。特集では、30坪の売り場、で3000品目の商品を売るコンビニの科学を徹底分析。ローソン、ファミマ、セブン大手3社のトップインタビューほか、20年後のコンビニを予測のプロ達が描く。

2016年10月21日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・半導体バブルが来る!


週刊エコノミスト ... 半導体バブルが来る!
日経ビジネス ... 働き方革命2.0
週刊ダイヤモンド ... 退職金・年金 〜知りたくなかった禁断の数字
週刊東洋経済 ... 不動産投資 勝つ人負ける人

 業界の人でない限り普通の人は半導体業界のことは知らないでしょう。半導体業界が活況? と思う人も多いかもしれません。でも『週刊エコノミスト』の特集を読めばなるほどよくわかります。半導体業界活況の理由とそれがバブルへと膨らんでいく危険性をはらんでいることが。この特集は面白い! というわけでこれが今週の第1位です。
「すき家」を展開するゼンショーという悪名高い外食企業の名前は全国に知れ渡りましたが、そのゼンショーの業績が上がっているというのを知らない人は多かったのではないでしょうか。この事実とその背景にあるものを『日経ビジネス』が解説しています。これも中身の濃い特集となりました。これが今週の第2位。
 年金や退職金に依存できない現実が迫りつつあるという、あまり知りたくない(でも知っておかなければならない)テーマに肉薄したのは『週刊ダイヤモンド』です。有名企業53社の退職金の実額などが紹介されていて、衝撃的ではありますが、薄々と理解している現実でしょう。
 そして、『週刊東洋経済』は最近若い人にブームの不動産投資に実態に迫ります。本当にも受かるの? と思う人は多いでしょうが、その真実を明らかにして、儲かっている人とそうでない人の違いを教えてくれています。


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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 半導体活況の理由

 半導体業界が10年に1度の活況なのだという。これによって半導体関連株も上昇していて、米国の半導体関連株を集めたフィラデルフィア半導体株指数が過去最高水準の800ポイントで推移しているのだという。いったい半導体業界で何が起きているのか。
 その背景にあるのはゲームや動画、音楽などの配信により必要とする記憶装置がとんでもない数で増えているという事実。現在の世界のデータ生成量は推計8ゼタバイト(ゼタは10の21乗)と言われるが、これが2020年までには40ゼタバイトにまで膨れ上がる。
 これによって今までサーバーはHDD(ハードディスクドライブ)が主流だったのが、フラッシュメモリーに置き換わっていくというのだ。フラッシュメモリーは価格が高いのが難点だったが、それも技術開発によって価格の高い分、大容量や低消費電力を実現し、結果として割安となるのだそうだ。この分野のプロでなくとも、こんな話を聞けば業界が大きく変わっていくということはおぼろげながら分かろうというものだ。
 一方、グーグル、アマゾン、アリババなど名だたる企業が自社用の半導体開発を行なっている、その方が高性能で低消費電力の製品が手に入るからだとも。ネットを利用した大容量の通信が世界を変えていく! なるほどそういうことか。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< ゼンショーの業績が上がっている!

 あの劣悪な労働環境で悪名を轟かせたゼンショーホールディングスの業績が好調なのだと言う。その背景にあったのは徹底して行なった「働き方改革」だったという。今、ゼンショーに限らず働き方を改革し業績に繋げている企業が多くなってきている。そこを『日経ビジネス』が特集した。特集のタイトルは「働き方革命2.0」である。折しも電通の新入社員の自殺が労災認定されたこともあり、タイミング的にはぴったりの特集だろう。
 実際、政府は遂に働き方改革の実現に向けて動き出した。近年問題が顕在化している長時間労働の是正や、非正規雇用者の待遇改善等々テーマは色々あるが、労働環境の悪しき慣習を打ち払うだけでは日本経済の復活は見込めない。賃金制度、労働時間、そして契約形態などを根本から見直し、社員の生産性を上げなければ強い会社は生まれない。社会全体を改善し、企業の競争力を高め経済を好循環に入れなければこの先の日本はないというわけだ。
 例えば、イケア・ジャパンでは、「同一労働、同一賃金」制度を2014年に導入した。これは仕事内容が同じであるならパート、アルバイト、正社員関係なく同じ賃金とするという制度だ。効果は上々で離職率の半減に加えて同業他社から優秀な人材が集まる様になった。しかしその一方で当然人件費は嵩んでいる。「会社とともに働き手が成長し生産性を高めるための投資」と同社の本部長氏は述べている。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 年金指数で27ヵ国中、26位の日本

 残念な現実だが、退職金と公的年金で老後をのんびり過ごせる日本人は少数派になりつつある。今週の『週刊ダイヤモンド』は不透明感を強めるばかりの老後を支える2本柱、退職金・年金に焦点を当てる。タイトルは「退職金・年金 知りたくなかった禁断の数字」だ。
 最新の調査では、退職金制度を廃止する企業が続出し、いまや4社に1社が退職金制度を導入していない企業であるという。年金額も年々心細い金額になりつつある。人事コンサルティングの世界大手マーサーがまとめた最新の「グローバル年金指数ランキング」では、日本は27ヵ国中26位。ワースト2位であり、ワーストは2001年にデフォルトを経験したアルゼンチンなのである。さて、そんな不安を煽るばかりの現状だが、特集では若い世代に「(会社の)福利厚生を使い倒せ」と説く。そして絶対に外せないのが法改正で話題沸騰中の確定拠出年金だ。「賢者は国に頼るな!」そんなメッセージが伝わってくる。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  初心者大家さんがいっぱいの日本

 空前の低金利を受け、ごく普通の会社員が不動産投資に乗り出している。背景には年金など将来不安から、新たな収入源としてまた長期の資産保有として不動産投資が選択されているらしい。今週の『週刊東洋経済』が「不動産投資 勝つ人負ける人」と題して、増加するサラリーマン大家の投資実態と、不動産投資の基礎知識を伝授する。
 人口減少の中で、大家になることにリスクはないのか? 営業電話がかかってくるような新築ワンルームに投資してもいいのか? その辺も含め、不動産投資で負ける人にならないための専門家からの解説や、初心者大家のケーススタディをどうぞ。

2016年10月14日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・顧客を依存させる 凄い囲い込み


日経ビジネス ... 顧客を依存させる 凄い囲い込み
週刊エコノミスト ... さまよう石油再編
週刊東洋経済 ... 高校力
週刊ダイヤモンド ... ニッポンのリゾート


 以前から「ポイントカードをお持ちですか?」と問いかけられるのが、利用しないだけに苦痛でした。ところが、その問いかけは実は消費者の囲い込みに必ずしも寄与していないと言う記事を見て、なるほどやはりと思いました。『日経ビジネス』の特集はそうした消費者の囲い込みをどのようにすべきか、どのような囲い込みが凄い囲い込みか、と言ったテーマで特集を組みました。なかなか機智に富んだ面白い企画でこれが今週の第1位です。
『週刊エコノミスト』は業界再編という固いテーマなのですが、ことが石油であるだけに内容が面白い。特に出光と昭和シェルの合併について、出光創業家が反対しているそのいきさつや理由などが、代理人の浜田卓二郎弁護士へのインタビューで詳しく記されています。
 高校の格付けが変わってきたと言うことなのでしょうか。『週刊東洋経済』は<公立の逆襲>というサブタイトルをつけて高校の今を追いました。と言っても、中身は高校ランキングであったり、ライバル対決であったりと卒業生が買いそうな面白い内容であるだけに少々あざとい気にもさせられましたが。でも日比谷高校の復権がなされていると言うのは知りませんでした。
 そしてリゾーとの特集を組んだ第4位の『週刊ダイヤモンド』ですが、面白くないわけではありません。現在のホテル&リゾート業界内での競争の実体が余すところなく描かれています。


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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 「おもてなし」より「快適性」

 成熟市場で企業が生き残るには、商品力は当然として、いかに顧客を囲い込みリピーターを増やすかにかかっている。
「あらゆる手を講じて、消費者を自社の商品・サービスに依存させる」−−−−それほどの心持ちを実践する先進企業の「凄い囲い込み」を今週の『日経ビジネス』が特集する。タイトルは「顧客を依存させる 凄い囲い込み」だ。
 米最大手レンタカー会社、ザ・ハーツ・コーポレーションは顧客を抱え込む段階で利用者の快適性向上を突き詰めた企業だと同誌は紹介する。オンラインで予約することで従来のレンタカーにとって必須である事務所での長い手続きを一切スルーして車を借りられる。しかし日本ではこのサービスができない。法律に阻まれていることと、ていねいな「長い手続きによって顧客が安心感を得ている」と企業が判断している面があるからだ。
 特集では、「おもてなし」より顧客の「快適性」追求にシフトすることが今後必要と問題定義している。そのほか、よくあるポイントカードのマイナス面や、いま最も注目されている「五感吸引法」のレポートも。どんな方法でも企業側の意図が消費者に少しでも見透かされたら囲い込み戦略の効果は半減する時代。五感吸引法が成功すれば、嗅覚や視覚、聴覚など無意識下に訴えて知らず知らずに商品や店に依存してしまう。
 MacBookや人気のチーズケーキ店の実例で感じてほしい。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 石油業界は思惑の入り乱れ

 世界経済の減速とシェール革命によって原油価格の低迷が続くなか、海外のメジャーは先細りする日本市場から撤退し、原油以外の成長分野獲得へと動いている。この流れを受けて、国内の石油元売り各社の再編が引き起こされている。
 こうした状況を、今週の『週刊エコノミスト』が「さまよう石油再編 官僚たちの晩秋」と題して特集する。
 石油業界は2017年4月には、以下の石油元売り会社がそれぞれ統合し、2強体制となる予定だった。すなわちJXホールディングスと東燃ゼネラル石油、出光興産と昭和シェル石油である。しかし、ここに来て出光興産と昭和シェル石油の経営統合が出光の創業家の反対表明により白紙に戻ろうとしている。そもそもこの経営統合の背景にあるのは、原油価格が高騰している時に備蓄した業界各社が現在の原油価格下落によって安い価格でガソリンを売らなければならないという負のサイクルが存在するからで、これには国の定めた70日分の備蓄を義務づける政策が関係している。ゆえに経産省はこうした統合のシナリオを描き主導してきたわけだが、これが頓挫するとなると国の威信にも関わる。
 ということで経産省や業界各社、さらには創業家など、政官業の思惑が入り乱れ、経産省が描く総合エネルギー企業の再編につながるかどうか先は見えないのが現状だ。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  公立校の復権

 凋落したと言われていたかつてのエリート養成校、都立日比谷高校が復活を果たしつつある。時を同じくして全国的に公立名門校が勢力を拡大。いま、中高一貫ブームが一服し、公立トップ校が復権。新たな地殻変動が起こっているらしい。今週の『週刊東洋経済』が「大学より濃い校風と人脈 高校力〜公立の逆襲」と題して特集する。
 2016年3月の東京大学合格者数53人。名門私立の中高一貫校がトップを占める中で、3年制の公立高校である東京都立日比谷高校が11位とその真後ろに着いた。公立校の復権は、なにも日比谷だけの話ではなく、過去10年間における難関国立大学への合格者増加数のランキングでは、一位こそ私立の渋谷教育学園幕張高校だが、2位以下は公立高校が多くランクインしている。
 08年のリーマンショック後、私立中学受験者数が低下し、優秀な一部の生徒が経済的な理由で公立中学に進み、そのまま公立高校へと進学。公立高校の学力向上へと繋がったという見方もある。一方、都府県が主導して、「進学指導重点校」指定などの積極的な公立校改革も進められている。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< リゾート後進国からの脱却

「日本」という言葉と「リゾート」という言葉は一世代前には交わることのない言葉として捉えられていた。それもこれもバブル時代に数多のリゾートが誕生し、そのほとんどがバブル崩壊と共につぶれ、多くの負の遺産が残った。それ以来リゾートイコール悪の権化のようにいわれてきた。つまり日本はリゾート後進国だった。
 ところが最近、この後進国に続々とリゾートが誕生している。訪日外国人の2000万人越えというインバウンド効果もあり、ブームのようにこの分野が活況を呈していると言うのだ。『週刊ダイヤモンド』が「ニッポンのリゾート」という特集を組んだのもこんな背景があったからだろう。
特集は今日本各地で生まれているリゾーとを紹介し、なかでもエッジの効いた最先端のリゾーとを紹介している。仕掛人の話から得意のランキングまで、内容は多岐にわたっていて好きな人には面白い特集だろう。

2016年10月 5日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・国税は見ている 税務署は知っている


週刊ダイヤモンド ... 国税は見ている 税務署は知っている
日経ビジネス ... 買いたい服がない アパレル"散弾銃商法"の終焉
週刊エコノミスト ... 踊る経済統計
週刊東洋経済 ... 最新科学でわかった! 「脳」入門


 今週の経済誌はどれもそれぞれの特徴が出ていて、なかなか充実していました。
 そのなかで思わず「ギョッ」と身をすくめてしまうようなタイトルを冠したのが今週の『週刊ダイヤモンド』です。国税に見られてはいないと確信していても、税務署は知っていると言われるとやましくなくとも何か悪いことをしているかもしれないと思ってしまうような怖さが確かに存在します。それほど怖い存在の国税や税務署ですが、その実態、あるいは今年1月から施行されたマイナンバー制度と徴税の関係についてはほとんど知らないというのが一般人ではないでしょうか。というわけで、この税金の総元締を丸裸にし、しかもフツーの人が何に気をつけなければいけないか、その知識を与えてくれるこの特集は価値があります。これが今週の第1位です。
 次に面白かったのは「買いたい服がない」とパンチ力のあるタイトルで迫る『日経ビジネス』です。苦境に喘いでいると言われるアパレル業界ですが、その根底にある病巣は何か、どうすればいいのかという基本的な課題を提起しています。各社トップのインタビューも面白く、これが今週の第2位です。
『週刊エコノミスト』は相変らず乗っていますね。今週のタイトルは「踊る大走査線」ならぬ、「踊る経済指標」というわけで、現在見直し気運が高まっているGDPをはじめとする経済指標の現状と見直しのポイントについて特集しています。これも面白い企画です。
 第4位の『週刊東洋経済』ですが、「脳」についての特集です。編集長が交替し、これからが腕の見せ所でしょうが、今週の特集は多くのビジネスマンが高齢化していくなかにあってそれぞれが興味を持つ特集だと思います。特に2040年には1000万人に及ぶと言われるアルツハイマー病などの行方には関心が高いのではないでしょうか。


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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 後ろめたくなくてもなんだか怖い

 今年の春、シンガポールにある日本のとあるペーパーカンパニーに衝撃が走った。そもそもシンガポールは外資誘致のために法人税率が低く、そこに着目した世界の実業家や富裕層が節税のために多くのペーパーカンパニーを持っている。当然日本人富裕層も例外ではなかったが、そこにシンガポール当局から警告通知が届いたのだ。
 今年話題になった「パナマ文書」の流れを受けて、世界的に過度な租税回避策を規制するという流れができつつある。そんなエピソードで始まる今週の『週刊ダイヤモンド』。第一特集は「国税は見ている 税務署は知っている」。富裕層に照準を定めた国税の本気と庶民の財布を丸裸にする税務署の野望をレポートする。副題は「あなたに迫りくる徴税包囲網の真実」だ。
 先進各国の財政は今、絶望的な状況に置かれている。各国は富裕層が資産とともにタックスヘイヴンへ旅立つのを見過ごさない方向に舵をきった。日本での国税庁は富裕層への課税包囲網として四枚ものカードを切った。一枚目は海外に持つ5000万円以上の資産の書類提出を義務づける「国外財産調書制度」。二枚目は富裕層をターゲットとした国税マンの人員増員。三枚目は資産の海外持ち出しを防ぐ「国外転出時課税制度」。四枚目は基準以上の所得と財産を持つ者にその調書の提出を義務づける「財産債務調書制度」だ。庶民はマイナンバーでその懐をガラス張りにしていく方向だろう。税金を払うのは国民の義務だけど、後ろめたくなくても国税組織と聞くとなんだか怖い(笑)。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< アパレルの競合もグーグル、アマゾン

「これからは普通の服でも顧客が注文したものを作って(短期間で)届ける方法になるだろう」−−−−。ファーストリテイリング会長兼社長・柳井正氏の言葉だ。一時期流行った言葉で言えば「マスカスタマイゼーション」というわけか。実際衣料品各社は、あたかも散弾銃を打ちまくるかのように闇雲に商品を作り続けてきた。その服が売れていない。大手アパレル各社はかつてない大量閉店に迫られ、時代を塗り替えてきたあのユニクロでさえ岐路に立っている。
 今週の『日経ビジネス』はずばり「買いたい服がない アパレル"散弾銃商法"の終焉」を特集する。
 いまや消費者は、衣類に関してもネット通販や中古品の売買、レンタルと、既存のアパレル産業のずっと先を行く消費活動を展開している。その結果、アパレル業界は在庫の山を築き、市場縮小と供給過剰が止まらない。日本では年間100万トンの衣料品が廃棄されているという。この地殻変動にどう対応するのか? 特集では消費の現場と生産・販売の変革を追う。エピローグは柳井氏へのインタビューだ。ファッション販売戦の現場もグーグルやアマゾンが競争相手になるとの見解だ。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< GDPって結局なんだ?

「GDPの基礎統計の充実に務める必要がある」−−−−−昨年の10月16日、経済財政諮問会議で麻生太郎財務相が放ったこのひと言をきっかけに、経済統計をめぐって、政府・日銀で新たな指標づくりや既存の統計の見直しなどの動きが活発化している。経済統計の数値が、政策判断や市場に及ぼす影響が高まり、アベノミクスでその傾向はさらに強くなり、選挙の結果も左右する。『週刊エコノミスト』は、この高まる経済統計の見直し機運を「踊る経済統計」として今週特集した。
 基礎統計が時代の変化に追いついていないのか、あるいは政策効果が出ない政府の焦りなのか。冒頭ではアグレッシブな日銀の動きをレポートすると同時に、見直しを推進する山本幸三氏(地方創生•行政改革担当相)と林芳正氏(自民党税制調査会副会長)へのインタビューを掲載して、問題点や潮流を明らかにする。
 後半では、著名エコノミストが注目し活用する様々な統計資料を解説。GDPは本当に日本という成熟経済の実態を測れる数字なのか、民間エコノミストと経済学者による匿名座談会で問題点を指摘する。
 第2特集は「韓国の騒動」。韓進海運の破綻やロッテ創業家のお家騒動、北朝鮮情勢の継続する緊張など、韓国のいまに迫った。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  ヨガや座禅は実用的な脳の休息法

 脳科学が進展している。長年未知の領域だったものの仕組みが解明され始め、その活用、休息、病気など、脳とうまく付き合うための科学が垣間見えてきた。最近「マインドフルネス(瞑想の一種)」が脳のストレスを和らげるとしてほうぼうで取り上げられているが、これも脳研究進展の成果だ。そんな「脳」を『週刊東洋経済』が「最新科学でわかった! 『脳』入門」として特集した。
 脳とは大きく分けると大脳や小脳、脳幹等に分けられる。このうち脳幹が基本的な生命活動、小脳は体のバランスを司っており、大脳は本能や情動、認知、嗜好、判断といった高度な知的活動を行っている。脳に障害が発生するとアルツハイマー病や脳梗塞といった症状が起きてしまう。ビジネス世代としては何時こういった病気にかかってしまうかというのは心配なところではあるが、順天堂大学の新井平伊教授は「認知症になったら人生終わりと思う人が多いが、アルツハイマー型認知症は発症から高度障害にいたるまで20年ほどかけて進行する。落ち着いて家族と本人が人生を考える時間がある」と述べる。効率的な記憶塾、ゲームとスマホが子供の脳に与える悪影響、脳の疲労を回復させるマインドフルネスについてもレポートされている。ヨガや座禅でおなじみの瞑想は、神秘的なものではなく、実用的な脳の休息法だったようだ。やってみたい。