2016年9月28日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・凄いネスレ


週刊ダイヤモンド ... 凄いネスレ 世界を牛耳る 食の帝国
日経ビジネス ... ニッポンの防衛産業
週刊エコノミスト ... 人口で見る世界経済
週刊東洋経済 ... 経済の新常識

 12年前までは日本では「ネッスル」と呼ばれていたネスレですが、この企業が世界最大の食品企業であることを知っている人は少ないかもしれません。2025年には世界の人口の3分の2が水不足に悩まされるという予測があり、そういえば中国人が日本の水源を買いに来ているという話を聞いたことがありますが、世界の水を牛耳っているのは実はこのネスレで多くの有名ブランドは実はこのネスレ製なのです。こうした企業の分析は面白い。知らないことだらけで、特に日本法人の成功例は読ませます。これが今週の第1位です。
『日経ビジネス』はふだんどこも扱わないような「防衛産業」を特集に持ってきました。ひと昔前まではこういうテーマを扱うことはタブー化されていましたが、「武器輸出三原則」が94年に「防衛装備移転三原則」が国会で可決され、大雑破に言えば「輸出してはいけない」から「輸出する際の注意」に法律が変わり、この産業も大きく変化しました。同誌はこの全容を特集していて、これが今週の第2位です。
 最近いつも元気な『週刊エコノミスト』の今週号は人口から世界経済を見るという特集です。経済に一番のインパクトを与えるのは人口動態の変化であり、近年では藻谷浩介氏が「デフレの正体」で実は日本経済の長期的な低迷は現役労働人口の減少によるものだと喝破したのは有名ですが、その藻谷氏も交えて人口動態から世界経済を読むという特集です。これが第3位。
『週刊東洋経済』は経済の新常識と題して今の不安定な経済状況の根本に何があるのか、その解明を試みています。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 水だけで1兆円稼ぐ企業

「ネスカフェ」「キットカット」といった商品名は有名でも、それらを製造しているメーカーであるネスレの実像を知っている人は意外と少ないかもしれない。この超巨大グローバル企業の時価総額は約26兆円、世界時価総額ランキング13位に位置する。入れ替わりの激しいランキングの中で常に成長を続け、150年間を生き抜いてきた。
 今週の『週刊ダイヤモンド』がそのネスレの強さの秘密に迫る。題して「凄いネスレ 世界を牛耳る 食の帝国」だ。
 ネスレの凄さはただ時価総額が高いだけではない。その150年の歴史の中で赤字はたったの一度だけという常に右肩上がりの超優良企業というところ。01年に食品企業から「栄養・健康・ウェルネス」企業へと転身を宣言した際も無事に転身を果たし、15年後の今、ヘルスケア分野へとその領地も広げている。そのネスレには究極の長期戦略がある。それは「文化」そのものを作り出すというところ。「食は文化」とも言うが、食のトレンドそのものを文化として長い時間をかけて食文化として根付かせていくのだという。このような戦略は概ね短期利益を求める株主に戦略変更を余儀なくされる。だからネスレは対策として短期利益を求める株主に対してヘッジを行なっている。株式上場を四半期決算の開示義務のないスイスにのみ絞り、短期志向の株主をスクリーニングしているという。
 それにしても、同社の製品で一番強いのは水事業で年間1兆円を稼ぐ。ペリエもヴィッテルもコントレックスもサンペレグリーノもすべてネスレ製品であるとは。

第2位
■ 日経ビジネス■ <<< あまり議論されない「防衛」という産業

 歴史的な経緯から、日本では「防衛産業」について表立った議論をしにくい空気がある。しかし、北朝鮮によるミサイル発射や核実験の強行、中国による尖閣諸島周辺での繰り返される挑発行為が頻発するなか、真正面から防衛や防衛産業を議論できない状況は正常なのか? 
 今週の『日経ビジネス』は「ニッポンの防衛産業」と題して、経済の視点でその現実を直視する特集を組んだ。
 防衛装備庁が2015年度に始めた「安全保障技術研究推進制度(ファンディング制度)」というものがある。防衛用途に応用できそうな基礎研究を広く公募し、資金を投じるという制度だ。一般的な大学では最終的に実を結ぶかどうか見通せない研究テーマや、短期での成果が見込めない研究テーマには研究資金が支給されづらいが、この制度ではそういった研究にも資金を注いでいる。防衛装備移転三原則が閣議決定され、日本の防衛産業の海外展開が可能となった。また、世界の現実として防衛装備と民生品で使われる技術の融合が進展し、日本であっても官民協力のもとでも技術開発が欠かせない状況もある。この流れには一部の日本産業の「軍産複合体」化として厳しい見方もあるが。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  人口減でもまだ大国

 日本の人口減少をテーマにした9月25日放送のNHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」が本当に衝撃を与えたというネットニュースを見た。豊島区、品川区、渋谷区など東京23区のうち11区が2040年には人口減少とか、地方の凄まじい寂れ様とか、さんざん報道されてきたが、やはりテレビの拡散力は大きい。
 そんななか、今週の『週刊エコノミスト』は「人口で見る世界経済」を特集した。経済に関する指標は数多ある。そのなかで最も確実かつ長期で予測可能なのが経済を大きく動かす「人口」だ。特集では、人口データを基に世界経済の未来をみる。
 これまで通り「人口増加=パワー」ととらえれば、日本の未来は"Nスペ"の指摘を待つまでもなく、暗い。しかし、2010年『デフレの正体』を著した藻谷浩介・日本総合研究所主任研究員は「人口減少は希望」と言う。「自然に人口が減り出したことは、(中略)人類の生物種としての存続の可能性を広げている。しかも減少はごくゆっくりだ。今の出生数から言えば日本の人口はいずれ7000万人程度まで減るが、それでも欧州との比較では最大級であり、小国に転落するわけではない」。また、移民政策が必ずしも経済発展の持続を約束するものでないことは、出生率の高まらないシンガポールや、文化的な対立で社会不安を持つ米国・フランスなどの例を見ても明らかだ。と、ちょっと自分がほっとできる情報を拾い出してみた。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  日本経済、本当のところはどうなんだ

 今月21日に発表された日本銀行の金融政策に対する総括検証。その中で日銀は「量的・質的金融緩和(QQE)」によって経済と物価が好転し、デフレを脱却したという見解を示した。だが、である。その一方で2013年に打ち立てた物価目標は実現できておらず、実際に人々のデフレマインドはというとなかなか変わっていない。
 そこで『週刊東洋経済』は今回、特集を組んだ。題して「経済の新常識」。サブタイトルに<日本経済の今を「総括検証」>とある。同誌によると日本銀行が今回発表した「総括検証」に金融政策の枠組み自体の作り替えを行なったという。それは量の目標を捨てて、短期長期どちらの金利も支配するようにしたというのだ。
 本来、金利において銀行が操作できるのは短期金利のみと言われている。そこから中長期の金利が市場メカニズムによって決まるというのがセオリー。だが、それを日銀黒田東彦総裁は「長期金利は十分コントロールできる」と言い張った。莫大な資金量を供給していたQQEとは別の異質な政策と言える。
 さらにそれとは別に量的な政策として「物価が上がっていく」という期待形成を強化する手法を導入する旨も発表した。これは当面は資金供給で緩和を続けますというメッセージともとれるが、市場は果たして真のデフレ脱却へと向かうのだろうか。同誌は他にも「今を読み解く厳選6講義」と題して景気の正しい読み方、一転して円が買われた理由などを専門家に解説させている。