2016年6月24日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・創価学会と共産党


週刊ダイヤモンド ... 創価学会と共産党
週刊エコノミスト ... もう乗れるぞ!自動運転・EV
週刊東洋経済 ... 自動車 風雲急
日経ビジネス ... ストップ 暴走社長

 今週は自動車を取りあげる経済誌が2誌ありましたが、その内容はまったく別物でした。それはさておき、今週ダントツだったのは『週刊ダイヤモンド』が取り上げた「創価学会と共産党」の特集です。どちらも一緒にされたくないと思っているでしょうが、それがまた興味を惹く、というわけです。10年近く前(?)に同誌は「創価学会」の特集を組んで話題になりました。訴訟もあったと聞いています。読者に取っては関係ありませんが、またいろいろ抗議等の物議はかもすかも知れません。これが今週の第1位です。
 そして自動車特集からは『週刊エコノミスト』の自動運転特集を第2位として取りあげます。車の素人にも分かりやすく、自動運転の未来を描いています。
『週刊東洋経済』も自動車特集ですが、こちらは燃費不正問題やそれに端を発した自動車再編など、減速下の経済の中で世界的一大産業であるこの業界がどうなっていくのかをレポートしています。
 一方『日経ビジネス』はここ最近の経営者の動きにスポットを当てています。突然辞任に至る経営者が目立つ現状を分析し、その背景にあるものを探ります。同誌の特集タイトルに言うところの「暴走」というくくりはそればかりではないような気もしますが......。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<<  巨大組織を暴いて、またも増刷必至!?

 4週前に特集した「慶應三田会」は2度増刷をかけるほどの大人気特集となったようだ。「創価学会と共産党」、こちらも所属する方々を中心に「どう書かれているか?」とこれまた増刷必至特集となるのではあるまいか? 参院選を前に永田町の台風の目として注目される創価学会と共産党。あくまでも"経済"の視点から『週刊ダイヤモンド』がこの2つの巨大組織をどう切り取るか、信者や党員でなくとも興味津々である。
 創価学会の最高学府といえば創価大学。偏差値の割には大手有名企業への就職率が高いことで知られている。同様に、創価学会の周辺には多くの企業が「お得意先」として群がる。全国津々浦々にある関連施設を狙うゼネコンなど建設・不動産関連企業、メガバンク、新聞・書籍にまつわる印刷・製紙業界などがその代表例だが、それら以外にも聖教新聞を覗くとあらゆる企業からの広告が殺到している。信者数公称827万世帯、聖教新聞発行部数550万部(読売、朝日に次ぐ部数だ)、職業・年齢・性別で縦横無尽に張り巡らされた信者をつなげる組織。「創価民族」「創価経済圏」とも言える独自の価値観を持った巨大集団がそこにはあった。
 与党の鍵を握るのが創価学会ならば、野党の鍵を握るのが共産党だ。しかしこの勢いを党員拡大に結び付けられていない。政党助成金を受け取らず「赤旗」の売り上げを主要財源とする活動と国会内での役割に注目が集まる。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<<  本当に乗れそうな自動運転車

『週刊エコノミスト』は、『週刊東洋経済』と同じ自動車業界でも「自動運転・EV」に焦点を当てた。特集タイトルは「もう乗れるぞ!自動運転・EV」だ。
 特集冒頭の「試乗リポート」では、現時点で日本で体験できる自動運転として、テスラ「モデルS」、メルセデス・ベンツCクラス、スバル「アイサイト」搭載車で首都高を走っている。ベンツEクラスの自動駐車機能が欲しいドライバーは少なくないだろう。いずれも「ここまできているのか!」とクルマに興味のない私には驚くような情報ばかりだった。
 各社の自動運転最新技術、進化のカギとなるAIのほか、完全自動運転達成後の「移動」のありかたなど、未来のモビリティー社会を示す。が、これってかなり近い未来ではある。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  自動車業界は世界再編が加速する

 ここ数年好況ムードにあった自動車業界の風向きが変わった。燃費不正問題、電撃的な再編、そして世界経済の減速。数々の嵐の先に自動車業界の未来が見えにくくなりつつある。そうした状況を踏まえて今週の『週刊東洋経済』は「自動車 風雲急」という特集を組んだ。
 円安が円高へと転じ、それまでの好調さに陰りが見え始めた自動車業界。そんな中今年に入り、「不正」と「再編M&A」という二つの嵐が巻き起こった。三菱自動車から起きた火の手はスズキにも飛び移った。その3週間後、日産自動車が三菱自動車の救済に急遽乗り出し、電撃再編。瞬く間に業界の構図が形を変えた。
 さらに言えば、今まで自動運転の技術で自動車業界から距離を置かれていたグーグルがフィアット・クライスラー・オートモービルスと提携、業界一位のトヨタもライドシェア世界大手の米Uberに出資、グーグル傘下のロボット開発会社の買収にも動きだしている。多くの企業が未来を見据えて動き出しているというわけだ。
 また、巨大な世界の自動車市場にも減少傾向が見え始めている。業界構造そのものを破壊しうるビジネスモデルであるライドシェアや自動運転という技術の実用化がこうした構造変化を現実のものとしているのか。いずれにしても自動車メーカーは現状のまま売り続けるわけにはいかない。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<<  暴走社長は自らストップできるか

 セブン&アイ、LIXIL、ベネッセ、セコムーー。
 ご存じのように、これらの企業は近頃トップが突然退任した企業である。単に「辞めた」のではなく、辞めざるを得なくなったのだ。こうした動きの背景にあるのは何か。『日経ビジネス』は今週号で「ストップ 暴走社長」という特集を組んで、こうした背景にあるものを探っている。
 この動きには様々な要因がある。株主の利益を重視する機運の高まり。社外取締役の活発な動き。アクティブな物言う株主の発言力。こうした状況の中で経営者は社内外の「異論」と渡り合う必要が出てきている。
 まず同誌は、セブン&アイの事例を元に経営者の首を飛ばす4つの要因を探っている。1つは創業家。セブン&アイの鈴木敏文氏は子会社の社長に退任を要求時、創業家がそれを承認しなかったのが退任への決定打になった。そして2つ目が創業家にも関わって来るファンドの存在。ファンドや創業家のような所謂「物言う株主」の影響力が大きくなっている。そして3つ目が社外取締役。上記の退任要求時は社外取締役の反発により否決されている.これら全ての裏に存在する4つ目の理由がコーポレートガバナンスの強化という政策である。
 これは大まかに言うと投資家との対話を促し経営者を律するための指針で、主に海外投資家を呼び込むための動きの一環だった。だがこれによりあらゆる方面で投資家や株主の発言力があがっている。経営者たちは如何に自らを律し、株主達から「暴走」のレッテルを貼られずに立ち回るか、難しい時代になってきたものだ。

2016年6月17日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・最新 医学部&医者


週刊ダイヤモンド ... 最新 医学部&医者
週刊東洋経済 ... ビジネスマンのための 学び直し日本史
週刊エコノミスト ... トランプ円高がくる
日経ビジネス ... JT かすむ未来図

 今週はいわゆる典型的な経済誌の企画とはちょっと毛色の変わった面白い企画が並びました。中でも『週刊ダイヤモンド』は「医学部と医者」という特集を組みました。「医学部」特集ではなく「医者」でもない「医学部と医者」の特集です。世間では医学部に入ると、とりあえず凄い事で。そのあとの関心はあまりありませんが、実は入る医学部によってその後の医者の人生は変わるというのです。聞けば当たり前ですが、そういう視点の特集は今までありませんでした。でもこの視点が新たな医者の世界の実像を描き出しています。これが今週の第1位です。
『週刊東洋経済』も面白い企画です。今ブームの「日本史」をビジネスパーソンも知っておこう!というもの。確かに昔から、日本人は日本の事をよく知らないと海外で言われます。これだけグローバル化した社会ではますます自分の国の事を知っていなければ信用もされない、というわけでの特集ですが単純に面白い特集でした。これが第2位です。
 3週連続1位の『週刊エコノミスト』ですが、今週は3位に甘んじました。でもタイトルの「トランプ円高がくる」という言葉が効いていて、相変わらずの切れ味の良さを示しています。
 そして、4位は『日経ビジネス』です。特集はJT。M&Aの巧者として、世界でもトップクラスにのし上がった企業ですが、同誌はその問題点を指摘しています。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 聖域医学部の序列

 受験生たちの大きな目標となる医学部。学歴が重要視される今の社会においても頂点に君臨するのが医学部であることは間違いないが、医学部の真の序列を知っている人は少ない。
 そこで『週刊ダイヤモンド』が「最新 医学部&医者」という特集を組んだ。何週か前の慶應三田会特集で増刷までした同誌。同じような売れ線っぽい企画を配して2匹目のドジョウを狙っているというとちょっと言い過ぎかもしれないが、同じような構えの特集である事には違いない。
 なぜ医学部を取り上げたかというと、医学部にも序列があるからだ。医学部に入る事即ち医師になる事だが、入る医学部によっては今後の人生を大きく左右してしまう。そこで同誌は日本81カ所の医学部を徹底分析し、全国医学部序列マップを掲載している。
 どの医学部に入っても必ず医師になれるから安心と思う人もいるかもしれない。しかし実態は異なる。全国81の医学部の中には歴史に裏打ちされた"格"が厳然として存在する。単に偏差値の高さによる序列だけではなく、医学部の歴史や医者一人あたりの発表論文数、運営交付金の多さ等も判断の要素として上げられる。一度入ってしまえば序列の変動は中々起きにくいため安心だが、近年は首都圏の私立御三家の一角と言われていた日本医科大の地位が揺らぎ、順天堂大学や昭和大学が学費を大きく引き下げた事に寄って優秀な学生の取り込みに成功しており、勢いを見せている。ちょっと面白い企画ではないか。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 海外に行くなら歴男歴女

 ビジネスマンにとって、経済や経営の知識は必須というのは当たり前の話である。実際に多くのビジネスマンはそれらの事柄に対して積極的に情報収集を行っているだろう。しかし日本の歴史や文化に関してはどうだろうか。グローバル化が叫ばれる現代、日本の歴史を知っておく事は外交面や文化の違いを説明する際に必要となる。また、歴史からは得てして多くの教訓を学び取る事ができる。という事で同誌の今週号の特集は「ビジネスマンのための学び直し日本史」である。
 実際、最近ではビジネスパーソンの間で歴史について学ぶ事が密かなブームとなっていると同誌は説く。その要因として上げられるのは先述の通りグローバル化に伴い、ビジネスで外国人と接触する際にふとした会話から自国の文化を説明せねばならない状況が少なからずあるからだ。
 例えば歴史に疎いビジネスマンはいくら英語ができても「どうして日本では茶の湯が流行したのか」という質問にどう答えればいいか分からない。それでは日本人としての信頼性が損なわれるというものだ。
 また、もう一つ要因としてあげられるのは今日本が多くの危機に直面しているという現状だ。今目の前の危機を克服するために過去の歴史を学ぶというのは経済学に於いても基本的な事だ。この事を多くのビジネスマンが意識しているという事だろう。


第3位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 米経済の予想以上の弱さ

『週刊エコノミスト』が今の円高傾向を「トランプ円高」と命名した。今年11月の大統領選で、クリントン氏とトランプ氏のどちらが勝つにしても、トランプ氏に始まる有権者のウケ狙いが作り上げたドル安志向=「トランプ円高」の流れは出来上がってしまったかに見える。今週の『週刊エコノミスト』は「トランプ円高が来る」と題し、今後の為替相場を予想・分析する。
 ルー米財務長官は4月のG20で、ドル高圧力となる各国の通貨安競争の回避を主張した。黒田日銀総裁が行き過ぎた円高に懸念を示したのに対し、ルー長官は「為替相場は正常」と返し、米政府がドル安傾向を是とし、日本の円安政策推進は続けられない情勢がはっきりした。そして6月。米雇用統計が市場予測を下回る雇用者数と発表された3日、およそ1カ月ぶりに再び1ドル106円台と、ドル円相場は円高に動いている。大統領選に向け、米経済の予想以上の弱さがさらなる「トランプ円高」として日本経済に襲いかかる、かも。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<< 一見好調、実は......

 M&Aを繰り返し、たばこ業界世界第3位となった日本たばこ産業(JT)。堅調な業績を評価され、株価は5年で3倍になった。一見好調に見えるJTだが、たばこに対する規制は強化される一方で、業績には不穏な兆しが見え隠れする。また、先進国では電子タバコも台頭しており、経営陣は危機感を募らせている。今週の『日経ビジネス』はグローバル市場で成長の限界に挑むJTの姿に日本企業の未来を重ねる。タイトルは「JT かすむ未来図 M&A巧者の苦悩」だ。
 今年1月、JTが「ナチュラル・アメリカン・スピリット(アメスピ)」で有名な米レイノルズ・アメリカンを約6000億円買収した。アメスピの日本でのシェアはJTの約60%に対して約1%であり、多くの投資家達の間では「投資額を正当化できない」とマイナス評価へと繋がった。それでもM&Aを統括する新貝康司氏は「むしろ保守的に算出した買収額だ」と強気に出ている。確かにアメスピはシェアこそ小さかったものの、15年度の伸び率は46%と異常な数値を示していた。こういった未来のライバルを巨額投資で飲みこんだのだ。
 しかし世間の健康志向を追い風にシェアを急速に伸ばしている電子タバコはどうだろうか。匂いや灰を出さず、有害物質も少ないと謳う電子タバコの「iQOS(アイコス)」は紙巻きたばこを電子タバコへと全て塗り替えさんと大攻勢をかけている。一方でJTは電子タバコの開発では一歩遅れをとっており、盤石と言われていたJTの「勝利の方程式」に綻びが生じようとしている。

2016年6月 9日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・三菱に喝!


週刊エコノミスト ... 三菱に喝!
週刊ダイヤモンド ... 世界を変えるiPS
日経ビジネス ... 三菱、必然の凋落
週刊東洋経済 ... 伸びる会社、沈む会社

 今週は三菱自動車の燃費不正問題絡みで特集を組んだ経済誌が2誌ありました。他の2誌にも関連記事が在り、やはり三菱問題は日産の傘下入りや業界再編などさまざまな影響を及ぼすようです。そのなかでも『週刊エコノミスト』が三菱自動車と関連するグループ各社を取りあげ、「喝!」を入れるという特集を組みました。これがなかなかパンチ力があっていい企画でした。ということで3週続いて『週刊エコノミスト』が第1位です。
 次は特集で「iPS細胞」を取りあげた『週刊ダイヤモンド』です。最近の経済誌はこうした医療ものの特集が多いのですが、中でも夢の治療が可能になるこうした新技術に関しては誰もが興味を持つところです。それにしても2006年に山中伸哉京大教授ががiPS細胞の作成に成功してからはや10年ですか。
『日経ビジネス』の特集もやはり三菱絡みで、これは三菱グループではなく、日産の傘下入りとそれに伴う世界再編の問題を取りあげています。これが第3位です。
 そして、第4位は『週刊東洋経済』です。特集は同社の『四季報』をベースにした企業業績特集で、恒例の企画です。


  <第1位>        <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 三菱的なるものとは何か?

今週の『週刊エコノミスト』も前週同様迫力のある特集だ。タイトルはストレートだが、読者目線が行き届いているから好感が持てるのだろうし、「オッ」という感情を突き動かすものがにじみ出るのだろう。
 で、今週の特集は「三菱に喝!」。
 単純だが、読者の思いを表している。もちろんこの三菱は三菱自動車の燃費不正問題に焦点を当てているのだが、それだけでなく親的な立場であった三菱重工における防衛産業の問題、三菱自動車といちばん結びつきが強かった三菱商事、そして金融の要となる三菱UFJフィナンシャル・グループなど関連するグループ企業の問題点も俎上に載せている。
 特集は2部構成で、第2部では「三菱とは何か」を考える。歴史をひも解き、匿名座談会ではその病巣の根源にある三菱的なものに迫る。浜矩子氏の「岩崎弥太郎の海賊魂を思い起こせ!」もいいですね。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< iPS覇権争い

「夢の万能細胞」と謳われたiPS細胞も開発から10年が経過した。世界初となる患者への移植手術も成功し、「夢」が現実へと近づいてきた。
 今週の『週刊ダイヤモンド』は市場規模で50兆円を超えると言われているこのiPSを特集として取りあげた。タイトルは「世界を変えるiPS」だ。
 確かに、産業界は世界中でこの技術を活用した治療薬や治療法の開発などで激しい争いを繰り広げている。例えば、製薬国内最大手、武田薬品工業の湘南研究所では、その中央部に京都大学iPS細胞研究所との共同研究プロジェクト「T-Cira」が居を構える。武田は10年間で計200億円もの研究費に加え、設備の提供を含めた120億円相当の研究支援を提供する。武田が持つ国内屈指の新薬スクリーニング用の「化合物ライブラリー」を自由に利用できるといったメリットもある。一方で武田側にもiPS細胞で「創薬のあり方を変えたい」という思惑がある。それも、特許が切れればジェネリックに勝つ事ができない低分子医薬品と違い、細胞治療は高度なノウハウが必要と言われている。そのため低分子医薬品と違い、ひとたび成功すれば長く商売に繋げることができるからだ。このような例を基に得意の取材力で同誌はこの新技術の世界を丹念に探訪している。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< どうなる? 自動車産業の世界再編

 燃費不正問題にて経営危機へと陥った三菱自動車。その終着点は日産自動車の傘下に入るというモノだった。その背景にあるものは何か。それを今週号の『日経ビジネス』が特集している。特集のタイトルは「三菱、必然の凋落」である。
 もちろん、日産自動車がわざわざ火中の栗を拾うのは、ブランドや技術力を手に入れる事だけが目的ではない。その最も大きな理由は規模の拡大。自動車メーカーは世界シェアで首位を争う「1000万台クラブ」と特定の分野に特化し、小規模ながら収益性を高めている「200万台クラブ」の二極化が進んでいる。トヨタやフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズといった「1000万台クラブ」に追いつくために低迷が続く中規模帯を抜け出す為の電撃提携なのだ。
 日産の他にも自動車業界全体を再編の波が襲っている。同誌はメーカー相関図と題して世界の自動車産業の技術や資本の提携がどうなっているかを図示しながら、その関係を解く。全方位的な技術開発を進められるのは、大企業である「1000万台クラブ」のみ。それができる企業だけが世界シェアを伸ばし二極化はより進むと言われている。また、その再編の波は部品メーカーにも及ぶ。新技術の発達によって技術の主導権が部品メーカーへと移りつつあり、影響力を増している。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 企業業績は停滞へ?

 企業の業績が停滞している、と『週刊東洋経済』は得意のでーたをもとに2016年度の営業利益予想をしている。それによると3月末決算の上場企業2163社の営業利益予想を集計したところ、前期比1.8%減になる見込みであることがわかった。前年度が9.4%増だったことを考えると、企業業績にブレーキがかかっている事が改めて浮き彫りとなった。
 そこで同誌は「伸びる会社、沈む会社」という特集を組んだ。要は6月13日発売の「会社四季報」の先取り企画として、企業業績を全展望する内容だ。
 ただ、同誌によると市場関係者のなかには「会社予想が保守的すぎる」という指摘もあり、細かく分析を行うと、過去最高益を見込まれる企業も少なくなく、業績実態はそこまででもないのではという意見もあるようだ。
 確かに円高や外需低迷といった逆風下においても成長を続ける会社は存在する。同誌はその一つとして三菱電機を取りあげる。今年2月、時価総額でトップとなった三菱電機の特徴は徹底した守勢だった。成長戦略が描けない事業を徹底して見直し、安定した事業の育成を貫いた結果、不景気においても黒字を守り抜き業界トップへと躍り出たのだ。また、ここからこの殻を破り、攻めに転じる動きも見せている。

2016年6月 2日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・固定資産税を取り戻せ!


週刊エコノミスト ... 固定資産税を取り戻せ!
日経ビジネス ... 有機ELの破壊力
週刊東洋経済 ... がんとお金
週刊ダイヤモンド ... ファイナンス力の鍛え方

 このところ絶好調の『週刊エコノミスト』が、またも好特集を組みました。固定資産税の問題にメスを入れたのです。読むと、なるほど。600万円以上取られすぎていた例、2000万円を還付された例などゾロゾロと出て来るではありませんか。これは、この号を読んで勉強しておかねば、ということで今週の第1位です。
 次に面白かったのは『日経ビジネス』の特集「有機EL」です。液晶よりも省電力だし、薄いし、曲げられるしと言われて久しいこの最先端技術がようやく日の目を見ることになったというわけで、気になるのは日本の力です。その辺りを同誌は取材して押さえています。これが2位。
 一方、『週刊東洋経済』はがんとお金の問題を取りあげました。働き盛りの世代がこの病気にかかると、お金がかかり、生活もままならなくなることさえあります。ではどうするかを、いろいろな側面から考えています。『週刊ダイヤモンド』の特集は「ファイナンス力」を身につけよう! という特集です。もちろん知ることはいいことですが、どうも分かったような分からないような......。


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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 固定資産税は取られ過ぎ

 複雑怪奇なのだと言う。
 固定資産税の評価とそこから決まる税額とがだ。市町村が課税するこの税は、毎年ミスが相次いでいることでも有名。そこで、このところ元気な『週刊エコノミスト』がこの問題を取りあげた。タイトルは「固定資産税を取り戻せ!」と、またもシンプルにしてパンチ力のあるタイトルだ。
 しかし、特集を読んでみると本当に問題の多い税だということがよく分かる。札幌市では最大で689万円を徴収しすぎていたことが判明。茨城県河内町でもこの11年間で808人から6758万円を過大徴収していたことが発表された。
 実際この問題は根が深い、その算定方法の複雑さに音を上げる市町村も出てきているからだ。また、昨今の不動産金融商品ブームも在りリートなどを運営する企業は独自に調べ上げ、異議を申し立て2000万円も還付されたリートも出てきていると言う。
 同誌ではこの複雑な固定資産税の構造を解説し、基礎知識をはじめとしたさまざまなハウツーを提供している。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 液晶の次はお前だ!

「液晶の次」と長年言われ続けてきた有機ELが長い黎明期を乗り越え、遂に発展期に入った。この台頭によってディスプレー産業は再び成長期に入ると言われている。そこで『日経ビジネス』が特集を組んだ。タイトルは「有機ELの破壊力」。
 そもそも有機ELとは何か。有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)は発光ダイオードの一種で自ら発光するため、液晶のようにバックライトが要らず、したがって薄く省電力のディスプレーができるというわけだ。折り曲げることも可能だとか
 発展期と言わしめる要因を作ったのはその米アップル。同社が次期iPhoneに向けて有機ELの採用に踏み切った事だ。それを受けて韓国ではLGディスプレーがELパネルの生産拠点となる巨大工場を建設中している。
 一方で日本勢は技術的には高水準のモノを作っているが、狙う市場や投資規模も小さく、イマイチ振り切れていない印象が強い。
 現在この市場をリードしているのは韓国勢で、シャープを買収した台湾の鴻海精密工業も後を追っている。そこに中国企業も投資競争に参戦しようとしているが、そのなかで日本企業の存在感は乏しい。果たして日本は脇役に甘んじるしかないのか。この部分を同誌は取材している。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< やはり金額的にも大きな負担の病気

『週刊東洋経済』の特集は「がんとお金」である。
 日本人の国民病、がん。近年のがん治療の進歩は目覚ましく、ガン治療の主流も入院・手術から通院中心のものへと変化してきている。一方で、長期化しがちな治療によって家計への負担や患者の仕事との共存など、新たな問題も噴出している。同誌では、そういった働く盛りの世代に向けて、知っておいた方が良い社会保障の知識やお金と仕事に関するノウハウ、情報の入手方法まで幅広く取り上げている。
 がんの治療にかかる自己負担額は、がんの種類によっても異なるが、その平均はおよそ100万円と言われている。一方で、払い戻しされるおカネもあり、がん保険や1ヶ月に支払った医療費が高額になった場合に適用される高額療養費制度、勤務先の健康保険の傷病手当金等で平均は60万前後、差し引きの自己負担額は平均30万程度となる。「そのくらいならなんとかなる」と思うかもしれないが、住宅ローンや教育費を設計している場合、休職による収入減等と合わさり大きな負担となる場合もある。これは治療が長引けば長引く程悪化してしまうわけでわざわざ同誌が「お金」の文字を入れたのもそこに理由がある。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 会社の健康状態を見抜く

 結構難しそうな特集を組んだのは『週刊ダイヤモンド』だ。昨今、ビジネスパーソンの新必須スキルとして、会計とファイナンスが急浮上しているという主張のもと、「ファイナンス力を鍛えよう」と言う特集で、特集タイトルもそのものズバリ「ファイナンス力の鍛え方」である。
 売上高や資産等、企業の経営データを集計する会計と、それを基に調達や投資の戦略を立てるためのファイナンス。この二つは切っても切り話す事ができず、セットで覚えるのがおすすめと同誌は説き、会計とファイナンスの基本的な考えを解説している。
 その解説とはざっとこんな具合だ。
「財務3表とは企業の成績や健康状態を示す物で、人間で言うなら人間ドックの結果のような物と思えばいい。その結果を元に経営者は経営の方針を決める」。「簿記や仕分けはこれを『作る』ための技術だが、一般的なビジネスパーソンには『読める』ことが求められる」。3表の内訳とは損益計算所(PL)と貸借対照表(BS)とキャッシュフロー計算表(CF)であり、これらはそれぞれ企業を別々の側面から見た物だ、とまあ、当たり前のことが書かれている。これを読み解く技術はもちろんあった方がいいに違いない。事業を起こそうなどと思っている人ならなおさらだ。