2016年4月28日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・官邸の狙い・新聞に載らない経済&投資


週刊エコノミスト ... 官邸の狙い・新聞に載らない経済&投資
週刊ダイヤモンド ... お金の賢者と愚者
日経ビジネス ... 勝機はセンサーにあり
週刊東洋経済 ... 理系社員サバイバル白書

 今週はゴールデンウィークの都合で『日経ビジネス』以外の各誌は合併号です。そのなかで、図抜けて面白かったのは『週刊エコノミスト』です。特集は2本建てで、一つは官邸の狙いをレポート。衆参同一選や憲法改正の思惑に踏み込んだ記事です。2本目は新聞に載らない経済や投資をまとめたものでこれもなかなか面白いものでした。最近の同誌は冴えているなぁ。これが今週の第1位です。
 第2位はタイトルはそれほどではなかったものの『週刊ダイヤモンド』のお金の特集です。きちっと取ったアンケートで年収を細かく分けて,お金に対して「賢者」と「愚者」を描いています。
『日経ビジネス』はシリーズ企画の一つ「IoT」をテーマにセンサー技術の可能性についてアプローチしました。これが第3位で、『週刊東洋経済』は一頃もてはやされた「理系社員」の現在と未来を取りあげました。理系社員も会社の中でなかなか難しい位置づけになってきたようです。


  <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>


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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 政治、経済の裏を読む

 特集2本立てで攻めてきたのは『週刊エコノミスト』だ。1本目は「官邸の狙い」。改憲、参院選をめぐる安倍首相率いる官邸の動きを探る特集だ。2本目は日本の動きがストップするゴールデンウイークに動きやすい(仕掛けられることが多い?)国内外経済の動きをよむ「新聞には載らない経済&投資」。どちらも興味をそそられるテーマだ。
 この3月2日、安倍首相は参議院予算委員会で「私の在任中に成し遂げたい」と、憲法改正への意欲を明言した安倍総理。その任期は2018年9月で満了。この夏の参院選を改憲へのラストチャンスとして、衆参同日選を睨んで動いてきたに違いない。しかし、熊本で起こった大地震がこのスケジュールに影響を与えている。特集では2020年までの「政治・経済・憲法をめぐる主な日程」を掲げ、9%案も出てきたとされる消費税増税、予想される経済対策など、今夏に向けた動きを探る。
 第2特集とはいえ「新聞には載らない経済&投資」は、33ページのボリューム。『週刊エコノミスト』にしては多い。「震災前よりも発電所48基分のエネルギー消費が減った?」「借金1000兆円が消えるって、なぜ?」など、17の案件で迫る。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 賢者と愚者の境目

 世帯年収を300万円から1500万円以上まで14階級に分け、各階級350人、片寄りがないよう日本全国4500人に対して実施した「お金に関するアンケート」が土台の特集「お金の賢者と愚者」が、今週の『週刊ダイヤモンド』の第1特集である。アンケートで見えてきたのは、お金の賢者と愚者の境目。まずは見開き1ページ目のチェックシートで自分が賢者なのか愚者なのか判定するところから始まる。
 賢者と愚者の境目は、年収の高さではなくてどうやら人生への満足度によって形成されるようだ。庶民賢者も金持ち賢者も「仕事」「家庭」「余暇」に対する満足度が総じて高い。こういった賢者と愚者の違いを知った上で、「稼ぐ」「削る」「殖やす」「使う」「話す」の5項目で生きていく上で不可欠な"お金の賢者"への道筋を紐解く。
 雑誌の巻頭では熊本大地震を緊急特集。熊本県は、福岡県に次ぐ九州第2の経済圏を形成する。産業界への影響に絞り、そのリスクを解説する。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 匂いに反応するセンサーまで登場

 すべてのモノがインターネットに繋がる「IoT時代」。それを成り立たせるのはありとあらゆる「センサー」がもたらすデータだ。データが価値を生み、経済を動かす原動力になる時代。
 今週の『日経ビジネス』は「勝機はセンサーにあり」と題した特集で、センサー技術が未来をどう変えていくのかを予測する。
 例えば私たちが日常生活で頻繁に使うスマートフォン。一台のスマホの中にはおよそ10個以上ものセンサーが取り付けられている。心拍数や歩行数などお手の物だ。一つの製品に搭載されるセンサーの数が増える一方で、今まで測ることのできなかった事象を測定するセンサーも続々登場している。例えば東京大学先端科学技術研究センター所長の神崎亮平教授は昆虫の嗅覚能力をセンサー化する研究を行なっている。昆虫の特定の匂いに反応する受容体のメカニズムを解析することで、特定の匂いのみに反応するセンサーを作る試みだ。また、大阪大学産業化学研究所の関谷毅教授の研究チームは冷却シートそっくりの脳波センサーを開発している。使い方も冷却シートと同じ様に額に貼るだけ。それだけで脳波を測定することができる。こちらは認知症や小児発達障害といった脳にまつわる病気の診断に使われる予定だ。


第4位
■ 週刊東洋経済■ <<< 自分を守れるものは自分

 技術立国ニッポンの立役者だった理系社員(=技術者)が揺れている。文系の職種と比べ、技術という専門性がある技術者は不況やリストラに強いイメージがある。が、陳腐化した製品の部門は退場を余儀なくされ、技術者は容赦なく切り捨てられるようになった。一昔前なら中国や韓国のメーカーへの移籍も多かった。しかし今は? 
今週の『週刊東洋経済』は「理系社員サバイバル白書」と題して、理系社員の現状と生き残る技術者の条件は何か?を特集する。
 転職した理系社員、就活中の退職者、独立成功組、ベンチャーを選んだ若手技術者、他業種からのラブコール、たくさんのケーススタディから見えてくるのは、理系にしても文系にしても「自分を守れるのは自分」というひたすら健康で前向きな姿勢しかない。
『週刊東洋経済』も雑誌巻頭で熊本地震と九州経済圏への影響をレポートしている。

2016年4月20日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・MBAでは学べない永守式リアル経営学


日経ビジネス ... MBAでは学べない永守式リアル経営学
週刊ダイヤモンド ... 保険
週刊東洋経済 ... 最新マネー術
週刊エコノミスト ... マイナス金利に勝つ! 資産運用

 今週はマネーがらみの特集を打つ経済誌が3誌もありました。興味のある人にはいいのでしょうが、どうしてもこの低金利下で「何ができる?」との思いが強い人が多いのではないでしょうか。そんな中で今週は『週刊エコノミスト』以外の各誌で「セブン&アイ・ホールディングスの鈴木会長辞任」の記事が目立ちました。
 その筆頭は『日経ビジネス』です。特集を横に追いやり、表紙には大きく鈴木氏の写真を掲げ「緊急特集」と銘打ちました。6ページにわたってその詳細と予測を取りあげています。同誌の特集は永守式リアル経営学となっていますが、実際は永守氏のインタビューと、その他の異端的な経営を行なっている企業のケーススタディです。でも、読みごたえはありました。これが今週の第1位です。
『週刊ダイヤモンド』は定番の一つである「保険」の特集です。かなりきめ細かい特集です。これが第2位で、第3位は『週刊東洋経済』、第4位は『週刊エコノミスト』のマネー特集です。


  <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 異端の経営手法に学ぶ

 今週の『日経ビジネス』の表紙は、セブン&アイ・ホールディングス会長・鈴木敏文氏。4月7日、決算発表の場で急きょ引退を表明した。カリスマ経営者が提案した後継人事案が否決されたのが直接の引き金とされる。これが<緊急特集>「セブン鈴木帝国 終わりの始まり」だ。6ページにわたり、かなり詳しい。
 さて、第一特集は、日本電産・永守重信会長兼社長が推進する経営手法を取り上げた「MBAでは学べない永守式リアル経営学」。「井戸掘り」「家計簿」「千切り」といった永守重信氏の独特の経営手法が、実は最先端の経営学に裏打ちされたものだということが、大量のデータ分析によってわかってきた。かつては「異端」とされてきた経営手法に秘められた、最先端の経営学のエッセンスを解明する。読みどころはPart1の対談。永守氏の経営手法に気鋭の経営学者・入山章栄早稲田大学ビジネススクール准教授が切り込む。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 良い保険と悪い保険

 定番特集の「保険」。『週刊ダイヤモンド』はゴールデンウイーク前のこの時期にもってきた。タイトルは「見直すなら最後のチャンス! 保険」。なぜ「最後のチャンス!」なのか? それは来年以降保険料が大幅アップする可能性が高いからだ。
 マイナス金利の導入や標準利率の引き下げ、かんぽ生命保険の上場に果ては生損保入り乱れての超大型M&A、そして5月末には改正保険業法が本施行される。保険業界はかつてない大波に見舞われている。最新のデータによれば、1世帯あたりの年間保険料は平均41万6000円。30年払い続けたとすると1248万円! 住宅の次に大きな買い物と言われるが、実は保険会社のカモにされ無駄金を払い続けている加入者も多い。保険は結婚や出産、子供の大学入学、定年、年金受給など、ライフイベントごとに見直すべきタイミングがあるという。
 辛口の保険評論家として有名な長尾義弘氏によれば、「良い保険の条件」として①一定期間の保険であること、②シンプルな保険であること、③貯蓄性の無い保険であること、④コストパフォーマンスが良い保険であること、⑤途中で変更できる等、使い勝手の良い保険であることだという。プロが進める商品ランキングを参考に、今年こそ保険の見直ししてみますか?


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< マイナス金利に負けるな

 今週は『日経ビジネス』を除く3誌がマネーがらみの特集だ。特に『週刊東洋経済』と『週刊エコノミスト』は「マイナス金利に負けない」資産運用をテーマにしてきた。『週刊東洋経済』のタイトルは「マイナス金利に負けない! 最新マネー術」。資産運用から保険の見直し、家計簿アプリまで。新年度に考えるおカネの正しい守り方を多岐にわたって特集する。
 2月に導入されたマイナス金利によって1年定期預金の金利は0.026から0.020まで低下した。金庫もバカ売れしているが、本誌の資産運用アンケートでは預貯金を運用商品へとシフトをする、または検討すると答えた人の割合は約6割に及んだ。一方で、運用商品の市場環境は良いとは言えない。アベノミクス相場は息をひそめ、先行きは読み辛い。この環境下でいかに財産を築き守れば良いか。マイナス金利に負けないマネー術を解説する。
 巻頭特集では、V字回復後2年で株式時価総額が半減した日立を特集。V字回復の立役者・中西宏明会長の神通力もここまでか!?


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 1口500万円の定期預金に殺到

『週刊エコノミスト』の得意テーマはマクロ経済。だけでなく、マネー関連もかなりの頻度で取り上げられる。今週はそのマネーの週。タイトルは「マイナス金利に勝つ! 資産運用」。
 プロでさえ運用に悩む昨今、個人のマネーはどこに群がっているのか? 特集冒頭で語られるのは、鳥取銀行インンターネット支店で取り扱う定期預金に、県外から預金者が殺到したというエピソード。その5割が関東圏からだという。マイナス金利で多くの銀行が定期預金金利を0.1%へ引き下げるなか、同支店では1年もの「大山定期」(1口500万円)で0.40%など(現在は0.28%)、少しでも金利が高い商品に金利に敏感な個人が全国から殺到しているそうだ。(すごいな〜) 預金第一、貯めるの大好きな余裕のある日本人シニアのなせる技と推測するが、特集では国際分散投資や米国株投資を解説。また、国内株式では「マイナス金利で上がる株・下がる株」、「マイナス金利に耐える投資信託」、REITの買い時解説などを取り上げている。

2016年4月14日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・神社の迷宮


週刊ダイヤモンド ... 神社の迷宮
週刊東洋経済 ... ザ・商社
日経ビジネス ... ビールM&A 最終決戦
週刊エコノミスト ... 検証なき日銀

 今週際立っていた経済誌は『週刊ダイヤモンド』です。何せ、今まで扱ったことのないテーマでしょう。神社の世界を扱いました。確かに政財界にも深く浸透していて、隠然たるなんていう言葉がぴったりと当てはまるその世界を、得意の取材力で白日の下に(大袈裟?)曝しました。知らない世界のことを知るのは単純に面白い!ということで今週の第1位はこれです。
 では第2位はというと、ウーンまあ『週刊東洋経済』でしょうか。商社の特集は先週『週刊エコノミスト』がやっていたので、少々新鮮味に欠けるきらいがありますが、それ以外の企画も含めて内容は充実していました。
『日経ビジネス』はビール業界の特集です。大昔は初夏になると「今年も泡立つビール商戦」などという典型的なフレーズの特集があったものですが、今屋と打たされています。同誌のそれは世界の飛び抜けた強豪アンハイザー・ブッシュ・インベブとの比較です。
 最後になりますが『週刊エコノミスト』はアベノミクスを陰で支える日銀の政策を検証するという特集です。量的緩和もマイナス金利も検証が必要ですね。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 神社の頂点に立つのは伊勢神宮

 今週の『週刊ダイヤモンド』は神社がテーマ! 確かに政財界には近所の氏神様からお伊勢様まで、神社参拝に熱心な方々が多いと聞く。寺の苦境は人口減とともに伝えられてきたが、神社はいかに? 特集タイトルは「神社の迷宮」だ。
 大小合わせて約10万社と言われる神社界で、優勝劣敗の二極化が進んでいるという。ピラミッドの頂点に立つのは伊勢神宮。政財界との太いパイプも維持し、格式を超越した存在だ。そこに追随するのは高円宮家次女が嫁いだ出雲大社と、神宮球場や明治記念館など宗教法人以外の分野でも経営力を発揮する新興の明治神宮。一方、名門でありながら経営難に陥っている神社、廃業する神社も少なくない。今や神社といえど経営力なくして生き残れない。
 特集では神社のヒエラルキーから勢力図、主要神社の政財界とのつながりなど、興味津々の切り口で神社界を分析する。八幡さまに小伊勢さん、天神さんにお稲荷さん、森羅万象に神が宿るという日本文化の源を現代に伝える存在ゆえ、生き残るべき神社には生き残ってもらいたいものである。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 大商社赤字の時代

 中国の高成長が演出してきた資源バブル。その宴が終わりを告げ、日本ではそのフィナーレを飾ったのが三菱商事と三井物産の「初」の連結赤字転落のニュースだった。ひと月前にも『週刊エコノミスト』が取り上げた商社の苦境。総合商社大手5社の勢力図はガラリと塗り変わった。今週は『週刊東洋経済』が「ザ・商社 資源安で大波乱 次の一手」と題して掘り下げる。
「あと10年は資源は期待できない。それを前提に経営しないと」と語るのは、岡藤正広・伊藤忠商事社長。伊藤忠は他大手商社に比べて資源が手薄で、「非資源ナンバーワン商社」を掲げて食料や繊維、機械ビジネスを積極拡大してきた。2016年3月期純利益ランキングでは、ダントツ1位が確実と予想されている。総合商社はこれまで何度も苦境に直面しながら、柔軟に事業内容を変えて生き残ってきた。今度はどうビジネスモデルの転換を図るのか。各社の現状と「次の一手」を追う。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 日本のビール4社の苦悩

 世界最大のビール会社、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)が、第2位のSABミラー(英国)を今年にも統合する。SABミラーはABインベブが攻略しきれていないアフリカ市場に強く、これで世界の3割のシェアを押さえることになる。われらが日本勢はこの企業に束になってかかっても足元にも及ばない。売上高営業利益率は国内4社合計の4.5倍。営業キャッシュフローは3.5倍なのだ。キリンもサントリーも世界戦略を進めているのではなかったのか? 
 今週の『日経ビジネス』は、「ビールM&A 最終決戦 国内4社トップが語る苦悩と覚悟」と題して、グローバル企業の経営実態に迫る。
 ブラジルの地場メーカーから四半世紀で「真の世界企業」に脱皮したABインベブ。「小が大をのむ」買収を繰り返し、世界の有力ブランドを買い集めて急成長してきた。その戦略を掘り下げ、キリンの世界戦略のうまくいっていない実情と、動き始めたサントリー、アサヒの海外戦略をトップ自らが語る。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 黒田日銀の政策に0点をつけた学者

 日本銀行・黒田東彦総裁の異次元金融緩和政策がはや4年目。マイナス金利導入後でも円高・株安の逆流、物価上昇目標2年で2%も達成されていない......など、批判の声も多い。(控えめに言って)どちらかというと安倍政権&黒田総裁政策に批判的立場の『週刊エコノミスト』が、この3年間の日銀政策を検証する。タイトルは「検証なき日銀」。
 目玉は7人の識者による「黒田日銀3年の採点」。第2部に7人の識者による採点理由がそれぞれ掲載されているが、4人は70点から85点で、「ある程度評価する」姿勢。「実験は失敗」と40点をつけたのが1人。そして満点の100点1人、0点1人である。ちなみに、100点は「2017年前半の2%達成は可能」と評価する伊藤隆敏・コロンビア大学教授。0点は、「金融政策と偽った財政ファイナンス」だと指摘する浜矩子・同志社大学教授であった。

2016年4月 7日

今週の第1位は『日経ビジネス』・・・移民ノミクス


日経ビジネス ... 移民ノミクス
週刊東洋経済 ... 経営者 豊田章男
週刊ダイヤモンド ... 踊る米大統領選
週刊エコノミスト ... どん詰まり 中国

 日本が実は移民を最もしやすい国になっているということは、何回か前のこのメルマガでご紹介しましたが、それでも人は来ないという現実があります。正確に言うと優秀な人材が来ないというのが正しいでしょう。そして実際の外国人の人たちが働きにきても、上手く付き合っているか、そこも疑問です。そんな状況を『日経ビジネス』が特集でまとめました。「移民ノミクス」というタイトルです。中小やベンチャー企業での外国人の活用例が紹介されていて、なるほどと思いました。これが今週の第1位です。
『週刊東洋経済』のトヨタの豊田社長の特集は面白かったです。しかし、14ページものインタビューは長過ぎる。例えば章立てをするとか(つまり編集する)しないと読むのはつらいのではないかと思います。でもこれだけの長時間のインタビューを取ったのは立派ですね。これが第2位。
 米大統領選を取りあげたのは『週刊ダイヤモンド』です。話題性もあり、読み物としては面白いのですが、もう一つパンチがなかった気がします。
『週刊エコノミスト』は行き詰まりを見せる中国経済の行方をレポートしています。パナマ文書が出てきただけに、そちらのレポートがあれば最高だったでしょうが、そうは上手くいきません、


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 日経ビジネス■ <<< 外国人労働者との付き合いかた

 日本で働く外国人。その数が今年100万人の大台を超える見込みである。労働者の多くを外国人に頼っている業界も多く、彼らなくして日本経済は成り立たない。ただ、付け焼き刃での労働力確保としての外国人登用は限界に近い。彼らをより上手く取り込み、多様性を新たな力とし、今まで以上の価値を生むにはどうすればよいか。『日経ビジネス』の今週号はそうした背景を踏まえて、「移民(イミ)ノミクス」という特集を組んだ。
 冒頭の記事は三菱重工業の巨額損失の裏側に、実は外国人労働力の問題が存在したことを暴く。2016年3月期までに1872億円もの特別損失を計上したわけだが、この一因に現場で働く外国人労働者たちとの意思疎通の問題があったというのだ。
 その一方で彼らの力を上手く生かすことのできている企業も存在する、と同誌は解説する。東京都調布市の中古車のECサイトを運営するビィ・フォワードは社員の約3割が外国人。国籍の数は約30にも及び、彼らが各国のディーラーと直接対応する事で販路を広げてきた。また新たな地域に進出する際も、その国出身の社員を中心としてチームを作る。なるほど、抱え込んだ外国人社員の力を上手く成長へと転換させているのである。また、東京都八王子市の栄鋳造所は社員の5分の1が外国人。彼らが増えるにつれて海外売上高を増加させてきた。栄鋳造所はリーマンショック後、海外への進出を断念する代わりに組織のグローバル化に踏み切り、ホームページを従業員皆が使える様に6ヵ国語表記に変え、組織体系からも日本独自の体系を払拭した。するとそれまで無かった外国からの依頼が徐々に増え、利益率は劇的に改善した。
 移民をただ受け入れるだけではなく、その力をいかにして利益へと繋げるか、そのポイントは雇い方ではなく付き合いかたなんだなということが分かって来る。これから先、企業に必要な考え方なのだろう。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 14ページにわたる豊田章男インタビュー

 歴史的に、日本経済を牽引してきた二大産業である電機と自動車。だが既に勢いが衰えていた電機は昨年度の東芝やシャープの相次ぐ不祥事でもう見る影もない。一方で自動車はどうだろうか。2012年末からの円安を追い風に多くの企業が過去最高益を更新している。中でも業界トップのトヨタ自動車は販売台数で世界一に上り詰めた。躍進の影で、日本経済の自動車産業への依存度もまた問題視されている。事実上のトヨタ頼み。
 そこで『週刊東洋経済』はそのトヨタのリーダー豊田章男を中心に、トヨタの強さを解剖する。
 リーマンショックや大震災を乗り越え、大胆なグループ・事業の再編を成し遂げた豊田社長。輝かしい実績とは裏腹にその経営者としての実像はつかみどころがない。あえて数値で経営を語る事はなく、また自らハンドルを握りレースに出場する事もある。その豊田章男は14ページにわたる独占インタビューの中で、「豊田」性に対する思いや会社を動かしていく上での考え方、また経営者以前の人としての心構えを語っている。


第3位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 破天荒な人生、破天荒な大統領候補?

 異様な雰囲気に包まれる米大統領選。その中心にいるのは紛れもなく過激な発言でライバルも民衆をも手玉に取るトランプ氏だ。先日のウィスコンシン州の予備選でクルーズ氏に負け、潮目が変わったとも言われるが、いずれにせよこの熱狂に踊らされては米大統領選が持つ本質を見失ってしまう。
 そこで「踊る米大統領選」という特集を『週刊ダイヤモンド』が組んだ。大統領選の結果が与えるさまざまな影響をしっかりと分析し、見極めようというわけだ。
 米国での異様なトランプ旋風の背景には今まで溜まり続けてきた民衆の不満と怒りがある。アメリカでは1%の富裕層が富の多くを占有しているといわれ、国民の経済力は低まり、特に白人の低学歴男性は職に就くことが難しいという。彼らの怒りは仕事を奪うメキシコや中南米からの不法移民や市場シェアを脅かす各国からの貿易品に主に向けられる。というわけで、トランプ氏が演説で下品で過激な言葉を使うのは、こうした民衆の怒りを代弁したものに過ぎない。  
 一方、民主党の最有力対立候補であるヒラリー・クリントン氏は対立候補のバーニー・サンダース氏の躍進を受けて優勢ではあるものの予想を上回る苦戦を強いられている。サンダース氏は学生に向けた公約を携え、若者の人気をわしづかみにしているため、相対的にクリントン氏の人気は低空飛行だ。
 まあ、こうしたことはテレビでもしょっちゅう解説がなされているので、多くの人が知っていることに過ぎない。面白かったのはイアン・ブルマーユーラシアグループ社長の大統領選分析記事と「やりたい放題!? トランプ人生すごろく」で紹介されているトランプ氏の経歴だ。ペンシルベニア大学ウォートン校出身だとか3度の結婚相手はモデルか女優だとか、結婚を繰り返したため大家族で、結構仲はいいとか。カジノ運営会社を破産させたりとか、破天荒な人生ではある。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< チャイナリスク倒産は増える?

 突然噴出してきた「パナマ文書」疑惑で、おそらく政権内部は騒然としているだろうことは容易に想像できるが、それでなくとも中国経済の行方については世界中が関心を寄せている。3月の全人代では大規模な改革を打ち出し、この難局を乗り切ろうと習近平政権が躍起となっているが、その行方は混沌としていて、はっきりとした道筋はまだ見えてこない。
 こうしたタイミングで『週刊エコノミスト』がその中国を特集した。タイトルは「どん詰まり中国」。つまり中国の今後の行き場、やり場のないことを示している。いいタイトルだ。
 まず記事は遼寧省政府傘下の国有企業である鉄鋼メーカー東北特殊鋼集団の董事長自殺の背景について資金繰りの問題を上げ、同様のケースはこれからも起きて来ると説く。実質的に破綻しているにも関わらず生き残っているゾンビ企業が多く、改革を叫んでも共産党一党支配ゆえの矛盾点や問題点が背景にあり、改革は容易に進みそうにない。こうした現状を分析、レポートしている。
 また、香港において、言論統制を強める習政権の思惑や、もちろん日本企業の「チャイナリスク倒産」も増加すると同誌は解説している。