2016年3月 3日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・アマゾン 12兆円の巨大経済圏


週刊東洋経済 ... アマゾン 12兆円の巨大経済圏
週刊エコノミスト ... アメリカ大失速
日経ビジネス ... 味の素 〜トップ10入りへ最後の挑戦
週刊ダイヤモンド ... 塾・予備校 入試改革で先手を打つ!

 どうも、最近の傾向ですが雑誌の勢いに差があります。タイトルによく現れていて、例えば『週刊エコノミスト』などは勢いがあるいい例ではないでしょうか。ただ、内容の厚みや視点の多様さで言えば、まだ十分でなく、今週で言えば『週刊東洋経済』が組んだ「アマゾン」の特集などには及びません。海外のIT企業ものに強い『週刊東洋経済』ですが、今週号ではアマゾンを大解剖し、米国のみならず、アマゾンジャパンに加えて欧州に広がるアマゾン恐怖症までを取りあげています。これが今週の第1位です。
「アメリカ大失速」という分かりやすいタイトルで特集を組んだのは『週刊エコノミスト』です。アメリカの利上げ、年初からの世界同時株安など世界経済の不安要因とその結果としてのアメリカの景気後退についてレポートしています。これが第2位。
『日経ビジネス』は味の素を取りあげた、いわゆる企業特集です。なぜ、味の素か? 「真・世界企業への焦燥」というシリーズタイトルが打ってあり、これから日本のグローバル企業の模索ぶりを取りあげていくようです。
 第4位の『週刊ダイヤモンド』は「塾・予備校」の特集です。小学校へのお受験から大学受験まで受験の動向と塾・予備校業界の群雄割拠ぶりを取材しています。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊東洋経済■ <<< プライム会員がお得だそうな

 われわれの日常生活のなかにいつの間にか深く浸透して来た感のあるネット通販。そのなかで世界に年間3億人の利用者を抱え、40億個もの荷物を扱う超巨大企業となったアマゾンは文字通り「帝国」である。このアマゾンを徹底して解剖すべく『週刊東洋経済』が特集を組んだ。「アマゾン 12兆円の巨大経済圏」がそのタイトルだ。
 昨年7月には、時価総額で米小売りの最大手、ウォルマートを抜き去った。ネット通販としても世界中のライバルを寄せ付けず、高いシェアを誇っている。しかしその一方でアマゾンの利益は驚く程低水準にとどまっている。それにはアマゾン創業者であるジェフ・ベゾス氏の経営哲学が深く関係している。米ナスダック上場時に「すべては長期的な価値のため」として短期的な利益を追わないと宣言したベゾス氏。今もなお将来に向けて巨額の投資を行ない、心臓部である物流とITシステムを強化し、インフラの構築を進めてきた。
 また、アマゾンの成長力を牽引するのが年会費サービス、「アマゾン・プライム」だ。お急ぎ便や日時指定分の他、1時間で商品が届く「プライム・ナウ」というサービスを利用する事ができる。
 アマゾンジャパンは日本で2番目となる巨大物流倉庫の建設を目論んでいる。プライム会員数の伸び率も高く、アマゾンの勢いは止まらない。
 巻頭特集の一つ「玉塚ローソン 3年目の反攻」の中の「ユニクロ盟友たちのコンビニ戦争」も興味を惹いた。玉塚氏と共にユニクロで活躍し、ファミリーマート社長に就いた澤田貴司氏と柳井正氏との3角関係?が面白い。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 消費も減速中のアメリカ

 昨年12月末に、実に9年半ぶりに利上げを実施した影響が徐々に現れてきたと言うべきだろうか、米国では製造業の不安が続いている。
『週刊エコノミスト』はこの状況にスポットを当てて「アメリカ大失速」という特集を組んだ。発端は中国経済の減速だが、それによって米国の輸出が落ち込み、原油安、そしてドル高が逆風となっている状況で、特に石油ガス企業の落ち込みが大きく、エコノミストの間では、景気後退議論が盛んに行なわれている。
 特集の「企業業績」の項では、特にグローバル展開をする製造業に業績悪化が顕著で、アップルのように、製造のほとんど全てをアジアでのOEMで行なっている企業にはこうした影響がもろに出ていると、同誌は伝えている。さらに、米国のGDPの70%を占める個人消費に関しては減速が著しく、既にピークアウトの動きとレポートしていて、これが米国にとっての大きな心配材料となる。
 この他、日本への影響として米国で稼いでいる企業の業績をスクリーニングし、また、日本で販売されている米国系投信についても言及している。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 国内一流、グローバル二流

 なぜ、この時期に? と、ちょっと首を捻るが『日経ビジネス』の特集は「味の素」である。シリーズ<真・世界企業への焦燥>と副題がついていることから、これから同種の企業をシリーズで追いかけていくのかもしれない。
「味の素」等を130ヵ国以上で販売する味の素はグローバル企業であることには違いない。海外事業も好調で、過去最高益を見込んでいるという。しかし、最強を自負するアミノ酸技術は潜在力を生かせず伸び悩みで、経営陣の危機感は強い。規模も世界最大手であるネスレの10分の1程度だから「国内一流、グローバル二流」と揶揄されても仕方ない。海外には古くから進出している同社はライバルの日本企業からは羨望の眼差しで見られている。販売地域も多く国内の他の大手メーカーからは羨望のまなざしで見つめられるが、経営陣の現状認識は大きく違い、その状況を脱するために改革を進めているという。そこに同誌はスポットを当てた。
 西井孝明社長は「食品業界グローバルトップ10企業と比べたら、収益性から企業価値、さらには経営の考え方まで、圧倒的な差が開いている」と、述べる。世界の食品メーカーでの味の素の立ち位置は16位。収益性も一桁で低迷し、収益の安定性も少なく、人材を受け入れる体勢も未整備、とトップ10企業に必要な物はまだまだ足りていないからだ。確かな技術力を生かして2020年に世界トップ10入りを目指すための構造改革をレポートする。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 教育改革の模索が続く

 2020年に大学入試改革が予定されている。このまま行けば現在の中学一年生から新テストが実施される事になる。大学入試が変われば、進学校や塾・予備校も変革を余儀なくされる。
 そうした親のニーズがあるのだろう。『週刊ダイヤモンド』の特集は「塾・予備校 入試改革で先手を打つ!」と題して、足元の受験事情に対応しつつ、2020年に向けての変革を進めざるをえない塾業界の内側を取材してレポートしている。
 リーマンショック以降、産業界は予想外のグローバル化の進行によって、高度なコミュニケーション能力を持つ人材の必要性が急激に上昇した。その意向を汲み取って設置された教育再生実行会議。現状の「知識偏重型の1点刻みの大学入試」を改め、「思考力」「判断力」「表現力」を問う多面的な評価を軸とする予定だ。
 文科省は一連の改革を「高大接続システム改革」と呼んでいる。大学入試にとどまらず、高校、大学での教育内容も含めた改革であるということを意味しているのだ。例えば高校の授業での「アクティブ・ラーニング」の導入。現在主流である板書形式の授業ではなく、生徒同士が互いに問題の解き方を議論し発表することで、生徒自らが主体的に学ぶ姿勢を身につける力を養うというものだ。