2016年2月25日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・ここが変だよ 電力自由化


週刊エコノミスト ... ここが変だよ 電力自由化
日経ビジネス ... 家の寿命は20年
週刊東洋経済 ... 中東危機
週刊ダイヤモンド ... 円高襲来! 為替と通貨の新常識

 今週の第1位は『週刊エコノミスト』です。特集テーマは「電力自由化」。今盛んに宣伝しているアレです。これを<何か変だよ>と切り込みました。各社のメリット、デメリットの比較はもちろん自由化の背景にある業界の歪みや海外の先例までを取りあげて、この自由化を分析しています。
 次に上げるのは『日経ビジネス』で、特集のテーマは不動産業界における歪みです。建物価格がゼロになっていくその構造に象徴される不動産業界の悪習に切り込んでいます。これが第2位。
 そして第3位は『週刊東洋経済』です。特集の中東危機は先週の『週刊ダイヤモンド』が取りあげた「地政学」的な切り口に加えて中東の「なぜ」を分析しています。また巻頭企画では以前から追いかけているシャ−プを買ったホンハイを取りあげています。
『週刊ダイヤモンド』は特集で円高を取りあげました。他誌も取りあげているテーマですが、ちょっと食傷気味ですかね。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 電力自由化に群がる企業

 最近の『週刊エコノミスト』は、何か元気がある。今号のタイトルも普通に元気がある。「ここが変だよ 電力自由化」が特集のタイトルだ。なぜこのタイトルがいいかというと、みんながそう感じているからで、それをストレートに出したのが凄い。
 とまあ、講釈はそれくらいにして4月に全面自由化になる電力の小売りだが、これほど多くの企業が参入するとは思っても見なかった。異様と言ってもいいだろう。首都圏のスーパーでは「電力いかが」と店頭で電気の販売を始めたところがあり、その背後にいるのは伊藤忠商事が出資する新電力である。
 本家本元の電力会社はもちろん、石油の元売り、都市ガスにLPガス、通信・放送会社や商社と業種も多様化しているのが特徴で、これらのサービスや特典を並べた比較表はもちろん、その料金体系のウラにある卸以上の歪みや、先例であるイギリスの自由化後などこまめにレポートしている。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 不動産業界の「建物価値ゼロ」の悪習

「住宅は資産」。という思い込みをあっさりと覆す、あるデータが存在する。1969年以降、500兆円を超える国民の住宅資産がひっそりと消え失せているというデータだ。不動産という独特の業界慣行が生んだいびつなマーケットに、『日経ビジネス』が同誌の今年のテーマである「日本が危ない」という視点からメスを入れる。
 不動産業界には「囲い込み」という悪習がある。企業が売り主と買い主の両方から手数料を取るために他者からの依頼を断るだけに空き足らず、自社買い主と商談を成立させるために売り主に値引きをせまったりする企業もある。度重なる是正策に姿勢はとるものの、業界の体質までは変わっておらず、実質的な囲い込みは続いている。このように不動産業界にはびこる悪習は多い。その一つが築20年でほぼ価値が0になってしまう建物の査定システム。これも業界慣習であり、メンテナンス状況や現状の品質も全く加味されない。つまり価値が維持されないため実質消費財として扱われているわけだ。これもあって日本の中古住宅流通の割合は約13%と非常に低い。しかも20年で価値が0になるという慣習の根拠も定かではないのだ。何故これが見直されないかといわれると、新築の住宅で消費税と固定資産税を二重取りできる政府、中古取引が増えれば利ざやが大きい新築が売れなくなる不動産、中古建物の価値を評価すれば融資が焦げ付くかもしれないと考える金融機関のそれぞれがこの状況を全力で見逃しているのだ。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 本当の中東とは

 深刻化するシリア内戦や、「イスラム国」によるテロ、原油価格の暴落にサウジアラビアとイランの対立と中東発のニュースは事欠かない。中東の情勢は「地政学リスク」という言葉とともに世界経済の波乱要因として強く印象づけられている。原油調達の8割をこの地域に依存している日本にとって、中東の情勢は非常に重要だが、地理的にも文化的にも中東や北アフリカは遠く、その問題の事情や本質を理解している人は少ない。逆に言えば、これらの地域の文化や歴史について大まかに理解すれば、中東が今どのような状況化にあるか理解できるというわけだ。
 というわけで『週刊東洋経済』の特集はズバリ「中東危機」。サブタイトルの<グローバル危機の震源>もストレートに響く。
 中東・北アフリカに於ける大きな国家は3つ。エジプト、トルコ、イランだ。しかしこの中でアラビア語を使っているのはエジプトのみ。イスラム圏と言えど中身は違う。だから中東を理解するにはこれら3つの国家が形成している異なる文明圏文明圏をりかいしていくのがいい、と同誌はこの地域への「視点」を与えてくれる。また「アラブの春」でエジプトの影響力が弱まり、代わりに台頭してきたのサウジアラビア、そしてイランとの関係を知ることが肝要とも。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< どうなる? 為替 

 誤解を恐れずに言えば、外国為替市場に確立された理論は存在しない。為替を動かす基準は時間軸で変わって来るし、投資家の心理状況にも左右される。その解読困難な市場でいま、異変が起きている、ドル円相場が歴史的な円高。このまま円安から円高へのパラダイムシフトは起こるのだろうか。と冒頭の記事がスタートする『週刊ダイヤモンド』。特集のタイトルは「円高襲来!」だ。
 大手銀行の為替ディーラーは「(略)こんな相場、誰も予想できない」とこぼす愚痴を紹介しながら、年明け以降の波乱の連続の為替市場を俯瞰する。年初の中国の混乱の伝播に始まり日銀のマイナス金利のサプライズ発表、その後欧州の金融不安、他にも原油価格の低迷や米国の減速等が重なり乱高下を繰り返している。
 同誌では「中国の減速と元安」「米国の減速と利上げ」「原油価格の低迷」「マイナス金利導入」「地政学リスク」「欧州発金融不安」をあわせて新六大リスクとして、ドル円市場を見据える指標としている。これらは時に共振、連鎖しお互いに密接に絡み合いながら相場に影響を及ぼす。特に昨年まで影響の大きかった原油安と中国の景気減速に打って変わった米国の景気後退がドル円市場に与える影響は計り知れない。世界最大の経済大国の地盤沈下の反動で歴史的な円高水準を記録するかもしれない。