2016年2月25日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・ここが変だよ 電力自由化


週刊エコノミスト ... ここが変だよ 電力自由化
日経ビジネス ... 家の寿命は20年
週刊東洋経済 ... 中東危機
週刊ダイヤモンド ... 円高襲来! 為替と通貨の新常識

 今週の第1位は『週刊エコノミスト』です。特集テーマは「電力自由化」。今盛んに宣伝しているアレです。これを<何か変だよ>と切り込みました。各社のメリット、デメリットの比較はもちろん自由化の背景にある業界の歪みや海外の先例までを取りあげて、この自由化を分析しています。
 次に上げるのは『日経ビジネス』で、特集のテーマは不動産業界における歪みです。建物価格がゼロになっていくその構造に象徴される不動産業界の悪習に切り込んでいます。これが第2位。
 そして第3位は『週刊東洋経済』です。特集の中東危機は先週の『週刊ダイヤモンド』が取りあげた「地政学」的な切り口に加えて中東の「なぜ」を分析しています。また巻頭企画では以前から追いかけているシャ−プを買ったホンハイを取りあげています。
『週刊ダイヤモンド』は特集で円高を取りあげました。他誌も取りあげているテーマですが、ちょっと食傷気味ですかね。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 電力自由化に群がる企業

 最近の『週刊エコノミスト』は、何か元気がある。今号のタイトルも普通に元気がある。「ここが変だよ 電力自由化」が特集のタイトルだ。なぜこのタイトルがいいかというと、みんながそう感じているからで、それをストレートに出したのが凄い。
 とまあ、講釈はそれくらいにして4月に全面自由化になる電力の小売りだが、これほど多くの企業が参入するとは思っても見なかった。異様と言ってもいいだろう。首都圏のスーパーでは「電力いかが」と店頭で電気の販売を始めたところがあり、その背後にいるのは伊藤忠商事が出資する新電力である。
 本家本元の電力会社はもちろん、石油の元売り、都市ガスにLPガス、通信・放送会社や商社と業種も多様化しているのが特徴で、これらのサービスや特典を並べた比較表はもちろん、その料金体系のウラにある卸以上の歪みや、先例であるイギリスの自由化後などこまめにレポートしている。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 不動産業界の「建物価値ゼロ」の悪習

「住宅は資産」。という思い込みをあっさりと覆す、あるデータが存在する。1969年以降、500兆円を超える国民の住宅資産がひっそりと消え失せているというデータだ。不動産という独特の業界慣行が生んだいびつなマーケットに、『日経ビジネス』が同誌の今年のテーマである「日本が危ない」という視点からメスを入れる。
 不動産業界には「囲い込み」という悪習がある。企業が売り主と買い主の両方から手数料を取るために他者からの依頼を断るだけに空き足らず、自社買い主と商談を成立させるために売り主に値引きをせまったりする企業もある。度重なる是正策に姿勢はとるものの、業界の体質までは変わっておらず、実質的な囲い込みは続いている。このように不動産業界にはびこる悪習は多い。その一つが築20年でほぼ価値が0になってしまう建物の査定システム。これも業界慣習であり、メンテナンス状況や現状の品質も全く加味されない。つまり価値が維持されないため実質消費財として扱われているわけだ。これもあって日本の中古住宅流通の割合は約13%と非常に低い。しかも20年で価値が0になるという慣習の根拠も定かではないのだ。何故これが見直されないかといわれると、新築の住宅で消費税と固定資産税を二重取りできる政府、中古取引が増えれば利ざやが大きい新築が売れなくなる不動産、中古建物の価値を評価すれば融資が焦げ付くかもしれないと考える金融機関のそれぞれがこの状況を全力で見逃しているのだ。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 本当の中東とは

 深刻化するシリア内戦や、「イスラム国」によるテロ、原油価格の暴落にサウジアラビアとイランの対立と中東発のニュースは事欠かない。中東の情勢は「地政学リスク」という言葉とともに世界経済の波乱要因として強く印象づけられている。原油調達の8割をこの地域に依存している日本にとって、中東の情勢は非常に重要だが、地理的にも文化的にも中東や北アフリカは遠く、その問題の事情や本質を理解している人は少ない。逆に言えば、これらの地域の文化や歴史について大まかに理解すれば、中東が今どのような状況化にあるか理解できるというわけだ。
 というわけで『週刊東洋経済』の特集はズバリ「中東危機」。サブタイトルの<グローバル危機の震源>もストレートに響く。
 中東・北アフリカに於ける大きな国家は3つ。エジプト、トルコ、イランだ。しかしこの中でアラビア語を使っているのはエジプトのみ。イスラム圏と言えど中身は違う。だから中東を理解するにはこれら3つの国家が形成している異なる文明圏文明圏をりかいしていくのがいい、と同誌はこの地域への「視点」を与えてくれる。また「アラブの春」でエジプトの影響力が弱まり、代わりに台頭してきたのサウジアラビア、そしてイランとの関係を知ることが肝要とも。


第4位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< どうなる? 為替 

 誤解を恐れずに言えば、外国為替市場に確立された理論は存在しない。為替を動かす基準は時間軸で変わって来るし、投資家の心理状況にも左右される。その解読困難な市場でいま、異変が起きている、ドル円相場が歴史的な円高。このまま円安から円高へのパラダイムシフトは起こるのだろうか。と冒頭の記事がスタートする『週刊ダイヤモンド』。特集のタイトルは「円高襲来!」だ。
 大手銀行の為替ディーラーは「(略)こんな相場、誰も予想できない」とこぼす愚痴を紹介しながら、年明け以降の波乱の連続の為替市場を俯瞰する。年初の中国の混乱の伝播に始まり日銀のマイナス金利のサプライズ発表、その後欧州の金融不安、他にも原油価格の低迷や米国の減速等が重なり乱高下を繰り返している。
 同誌では「中国の減速と元安」「米国の減速と利上げ」「原油価格の低迷」「マイナス金利導入」「地政学リスク」「欧州発金融不安」をあわせて新六大リスクとして、ドル円市場を見据える指標としている。これらは時に共振、連鎖しお互いに密接に絡み合いながら相場に影響を及ぼす。特に昨年まで影響の大きかった原油安と中国の景気減速に打って変わった米国の景気後退がドル円市場に与える影響は計り知れない。世界最大の経済大国の地盤沈下の反動で歴史的な円高水準を記録するかもしれない。

2016年2月18日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・逃げ切り世代


週刊ダイヤモンド ... 逃げ切り世代 駆け込みセーフは何歳まで?
週刊東洋経済 ... 給料が上がる仕事 下がる仕事
日経ビジネス ... コマツ再攻
週刊エコノミスト ... 暴れる通貨

「声を大にしてはいえないが、なんとなく分かっていることを正面から取りあげてくれた」などと思っている人がいるのではないかと思う、そんな特集を組んだのが『週刊ダイヤモンド』です。内容を明かせば、極端な少子高齢化によって「得する世代」と「損する世代」が如実に明らかになってくる、そのボーダーはどこかという特集なのです。タイトルも「逃げ切り世代」とストレートで、何歳までが逃げ切れるかとは、分かりやすい。「こうした実態を露わにして警鐘を鳴らすのは経済誌の役割だろう」、なんて大げさなことを言わずに面白かったです。この企画。これが今週の第1位です。
 世代間格差に対して、職業間格差を取りあげたのが、『週刊東洋経済』で、こちらも「給料が上がる仕事 下がる仕事」とストレートです。生涯給料のランキングなどもあって分かりやすいのですが、それにしても生涯給料(上場企業)のトップとワーストとではその差が9億2659万円とは!! これが第2位です。
『日経ビジネス』の今号は正統派企業特集でコマツを取りあげました。グローバルな建機ブームが中国経済、あるいは資源国経済の減速で行き詰まりを見せているその内実に迫ります。
 最後は『週刊エコノミスト』で先週に続いて世界経済危機モノ特集で「通貨を取りあげています。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 脱シルバーデモクラシー

 社会保障を手厚く受け優雅に暮らしているように見える豊かなシニアへの若年層の憎悪感情のことを「嫌老」というのはご存知か? 
 今週の『週刊ダイヤモンド』は20代、30代、40代の「嫌老感」をちょっと煽っちゃうような特集タイトルである。「逃げ切り世代 駆け込みセーフは何歳まで?」というのだが、優雅なのは60代半ば以上の団塊の世代まで! それ以下は若けりゃ若いほどみーんな大変なんだよっ! という現役世代の心の声が上がるのが見える。編集部、それを狙ったか? ともかく、子育て給付は打ち切られ、低所得年金受給者への一律3万円給付! 総額3600億円! はさっさと決まった。まさに「若肉老食」。世代間格差はいまや広がる一方である。
 特集では、個人が一生の間に支払う税金や社会保険料といった「負担」額と国から受け取る年金や医療保険、補助金などの「受益」額との差額を世代別に算出して現在価値に割り戻して比較する「世代会計」手法を使い、どの年代までがとんとんでいけるのかを冷静に算出。55歳あたりがそのボーダーライン、もっとも得するのがどうやら2000万円超受益分が大きい70歳あたりだ。相続も高齢化のために高齢者から高齢者への引き継ぎが多い現状。孫への教育費や住宅取得費用の移転など、ようやく現役世代への富の移転が始まりつつあるが、政治家がシルバーから票を集めるための「シルバーデモクラシー」は止まらない。若者よ、もっと政治家に働きかけねば! それが特集の心の声だ。


第2位
■ 週刊東洋経済■ <<< 生涯給料トップ企業は10億円超

 かたや世代間格差がテーマなら、こちら『週刊東洋経済』は職業間格差とでも言うのだろうか。今週の『週刊東洋経済』は「給料が上がる仕事 下がる仕事」を特集する。
 特集のキモは柳川範之・東京大学大学院教授が語ってくれている。インタビューのタイトルにもなっているが、「誰もが大きな変化に直面する 会社任せは禁物 スキルは自分で磨け」なのである。IT業界に限られていた変化のスピードが、いまや伝統的な産業の中にも入り込んできている。
 例を挙げれば、トヨタ自動車が米シリコンバレーに人工知能研究所を設立した。ITスキルが生き残りスキルの重要な1つであることは間違いない。どの業界であれ、自分が働いている間に大きな変化に直面する! それがいまという時代なのだ。特集には「最新版・生涯給料 トップ&ワースト企業100」も掲載され目を引くが、ここには企業内格差もあり、息子娘の就職指南には役立たないかもしれない。
 第2特集はいよいよ身近に迫った「電力自由化!」。あなたはどこと契約しますか?


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 中国が落ち込み超優良企業にも陰

「ダントツ」に強い企業だったコマツがもがいている。主戦場である中国では建機需要がピークの5分の1以下に縮小。中国工場の生産量は最盛期の1割に落ち込んでいる。資源安で鉱山用機械も売れない。株式市場の時価総額もこの1年で4割も目減りしたという。コマツは再び攻める経営で次のステージに行けるのか?! 
 今週の『日経ビジネス』は「コマツ再攻 『ダントツ』の先を掘れ」と題してコマツの経営を特集する。
 コマツの2016年3月期は3期ぶりの営業減益となる予想だ。が、それでも2210億円の黒字(見込み)。この段階で思い切った戦略を打とうというのがコマツの強さにつながると、ドローンや自動運転など、ベンチャー企業との提携やオープンイノベーションの推進など、優等生の殻を破る戦略を模索する。建機世界最大手キャタピラー社との比較や、編集長による大橋徹ニ・コマツ社長兼CEOへのインタビューも。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< リスクの高まり

 米国が利上げ姿勢を維持するなか、自国通貨が対ドルで史上最安値をつけた国は約1年間で59ヵ国・地域に急増したという。1997年のアジア通貨危機をはるかに上回る規模で、アフリカ、南米、中央アジアなどに広がり、これはもう世界通貨危機の様相を呈している。
 今週の『週刊エコノミスト』は「暴れる通過〜世界経済危機の予兆」と題して、米国ひとり勝ち経済とドル高の行方を検証する。
 同時多発にもかかわらず、アジア通貨危機よりも破壊的な局面を迎えていないのは、新興国が外貨準備を積んでいたためだ。しかし昨年来それが大きく目減りした国も多く、通貨危機が世界を襲うリスクは高まっている。日本は年初来の円高株安に日銀のマイナス金利導入で市場関係のニュースに耳を傾ける毎日だが、各国の金融政策が現状長続きしないのも、今後の展開の不安要素だ。ドルは? ドル円は? 人民元は? ユーロは? 主要通貨と新興国の現状と今後をそれぞれの専門家が解説する。
同誌は先週に続き、第2特集も組んできた。「ネットスーパー戦国時代」がそれだ。

2016年2月12日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・地政学 超入門


週刊ダイヤモンド ... 地政学 超入門
週刊エコノミスト ... マイナス金利
日経ビジネス ... チャイルショック
週刊東洋経済 ... 世界経済危機

 今週の経済誌はどの雑誌も視点の違いこそあれ、世界経済危機に焦点を当てました。そのなかで多少違った視点で特集を組んだのが『週刊ダイヤモンド』です。もちろんマイナス金利導入については巻頭で取りあげていますが、それよりも複雑化する世界の状況を「地政学」の視点で考えようというのです。世界経済危機の背景にある複雑化する国際社会をこうした視点から見るというのは非常に有益です。今週の1位はこれで決まりです。
 第2位は『週刊エコノミスト』のマイナス金利特集です。いろいろな要素が複雑に絡み合って先行きが見えなくなっている世界経済を「日銀のマイナス金利政策」を通してみてみようというわけです。
『日経ビジネス』は造語を特集のタイトルにしました。「チャイルショック」というのがそれです。「中国(チャイナ)」と「原油(オイル)」が絡み合った危機がどのように世界を覆っていくかを分析しています。
 そして、『週刊東洋経済』は真っ向から「世界経済危機」を特集に据え、さらに巻頭には日銀のマイナス金利政策を取りあげています。世界経済危機をあらゆる側面から取りあげた集大成の特集です。


   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< この危機に備える学問

 1月29日、マイナス金利という未踏の領域に足を踏み入れた日本銀行。経済4誌はどこも緊急特集や本特集でこれを取り上げ、歴史的な事象の解説に大わらわだ。『週刊ダイヤモンド』は巻頭5ページにマイナス金利を取り上げた。
 さて、第1特集は先週の農業に引き続き、力の入った特集である。タイトルは「地政学 超入門」。2015年春にも「地政学」を取り上げた『週刊ダイヤモンド』だが、それをさらにパワーアップさせた編集となっている。さあ、地図と歴史を武器に、激動する世界を読み解こう! 
 日本では戦後その研究をGHQから禁止された地政学。しかし、複雑怪奇な国際情勢を理解するには地政学的なものの見方の重要度が日に日に増している。米露中では盛んに研究されており、いまや日本の弱みともなりつつある視点なのだ。地政学では、ある地域の政治、経済、軍事、社会的な動向には、その地理的な位置や形が大きな影響を与えていると考える。またその歴史は、地域や民族が持つ行動原理を知る上で欠かせない。地政学の"イロハ"は佐藤優氏がわかりやすく語る。「第3次世界大戦下」と言われる現代の解説と、ビジネスパーソンが読むべき地政学の入門著書なども教えてくれる。15ヵ国の地政学的分析が掲載されているPart3「この国が見ている世界」は必見。コンパクトに各国の地政学的理解が進む。


第2位
■ 週刊エコノミスト■ <<< マイナス金利で、どうなる?

 今回の世界経済不安の特集はそれぞれの視点があって面白いが、なかでも『週刊エコノミスト』は「マイナス金利」に絞って特集を組んだ。それもあって分かりやすいメッセージの特集になっている。
 日銀が初のマイナス金利導入を決めたのは1月29日。すぐさま市場は反応し円安が進み、株価は乱高下しつつも高騰した。しかし、それも束の間、2日間大幅に上昇した株価は一転、2月2日には原油価格の下落を受けて全面安の展開となる、その後の連続的な下げは既に知られている通りである。
 年初からの世界同時株安や原油安に対抗するために黒田日銀総裁は「マイナス金利」という劇薬を投じたわけだが、今のところ既に賞味期限切れとなりかけている。だが、このマイナス金利が今後どのように推移していくかはいずれにしても注目を集めているところ。同誌では9人のプロに「このマイナス金利をどう評価するか」をコメントさせている。面白いのは今年の相場を新たに予想していることだ。昨年末の予測から1ヵ月で大きく状況が変わったということだろう。しかし、日経平均は2万円を越えるというプロの予想は現実に続落する株価を見ているとつい「?」がついてしまう。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 中国経済減速と原油安の複合不況

『日経ビジネス』は新たな造語で特集を組んできた。その名は「チャイルショック」副題に<リーマンより怖い現実>とある。世界経済の得体の知れない不安をその構成要素である「中国(チャイナ)」と「原油(オイル)」を組み合わせたのだ。
 中国、米国、欧州、そしてASEANと地域ごとに現状と先行きを分析していて、特に資源産出国であるブラジル、ガーナなどの新興国の先行きを取材してレポートしている。
 最後にユーラシアグループが発表した2016年のトップリスク10を掲載していて、これがなるほどと思わせた。「1 同盟の空洞化」「2 閉ざされた欧州」「3 中国の存在感」「4 ISとその支援者たち」「5 サウジアラビア」「6 IT技術者たちの台頭」「7 予測不能なチーダーたち」「8 ブラジル」「9 少ない選挙」「10 トルコ」となっている。
 一言で言うと、世界の秩序がなくなってきているということで、何が起こるか分からない世界になってきたということである。経営が備えるべきリスクも多様化し、しかも負担は重くなってきているということだ。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< リスクオフの蔓延

『週刊東洋経済』は黒田日銀のマイナス金利政策に巻頭14ページを割いた。そして第1特集「世界経済危機 リーマンショック以来の黄信号点灯」へと続く。
 緊急特集で大々的に経済危機を取りあげたわけだが、実際世間は年初から原油安、人民元安、世界同時株安と嵐のような様相に、誰しもが世界経済は大丈夫か? と不安におののいているのだから、当然の特集だ。
 この状況を読み解こうと同誌はまず巻頭で世界経済の「負の連鎖」を図解している。その上で世界的なリスクオフ(より安全な資産へと流れる相場の傾向)によって日本株はどうなるのか(パート1)。そして、これまでの世界経済の牽引役である米国の状況(特に最もリスクの高いジャンク債の影響)について触れている(パート2)。また、パート3ではこうしたリスクの火種とも言うべき、中国経済の減速と中東情勢(シリアに加えて、イランとサウジアラビアの対立など)にも言及する。
 こうしたリスクが重なって、複雑な様相を示す世界経済だが、先行きは読めないのが実態だ。

2016年2月 3日

今週の第1位は『週刊ダイヤモンド』・・・儲かる農業


週刊ダイヤモンド ... 儲かる農業
日経ビジネス ... 凄い売り方
週刊エコノミスト ... 投資が恐い人の 資産防衛大綱
週刊東洋経済 ... ホテル 激烈30年に一度の活況

 先週、『週刊エコノミスト』が第2特集で農業を取りあげましたが、今週は『週刊ダイヤモンド』が「儲かる農業」をテーマに特集しています。TPP合意でニッポンの農業が大きく変わろうとしているこの節目の時、全国の有望な農家の取材やデータ分析を基に組んだ大特集はなかなか迫力がありました。これが今週の第1位です。
 第2位は規格外の「凄い売り方」を理論を元に検証し紹介している『日経ビジネス』です。営業の特集というのは経済誌のネタとしては割によくあるのですが、日経の特徴でしょうか、凄い売り方を個々の特質としてではなくその背景にある理論に目を付けたのが目新しいところでしょう。
『週刊東洋経済』の特集は「ホテル」です。恒例の企画ですが、同誌の特徴は名だたるプロ36人に聞いたアンケートになっていて、ランキングもなるほど説得力があります。例えば東京のベスト10で弊社の『CEO社長情報』でも取りあげた「庭のホテル」が第7位に入っている点など興味を惹きました。これが第3位です。
 そして、今勢いのある『週刊エコノミスト』ですが、資産防衛を特集しています。ただそれ以上に気になったのが、特集の最後のページにでていた書籍の広告。同志社大学大学院浜矩子教授の『さらばアホノミクス』(毎日新聞出版刊)です。いっそこれで特集やったら如何?

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 攻める農業の息吹

 ニッポンの農業が大きな節目を迎えている−−−−−。農政改革の敢行、TPP合意で始まる貿易自由化、農家の世代交代が、待ったなしで農業に押し寄せる。自民党は小泉進次郎氏を党の農林部会長に任命。農政への注目度を高めて本気度を示した。日本の農業は、農協が牛耳る農業から生産者・消費者双方がトクをする世界で競争力のある農業へと生まれ変われるのだろうか。今週の『週刊ダイヤモンド』は「攻めに転じる大チャンス 儲かる農業」と題して、これからの農業に迫る。
 まず自民党農林部会長・小泉進次郎氏へのインタビューから特集は始ま
る。昨年末1月末の2回にわたって話を聞いている。小泉氏は地方に稼げる仕事を生み、人口減少に歯止めをかける1つの「解」が「農業の復活」にあるという。遅ればせながらも政治が動き始めた、そう感じさせる必読インタビューだ。
 特集の柱は「担い手農家アンケート」だ。その分析からあぶり出された「モデル農家」の経営力の強さがすごい。その共通点は「独自の販路」「コストダウン&付加価値を高める"減農薬"」「農協や補助金に依存する発想なし」の3つだ。取材先農場のなかには、生産技術に精通する現場のマネージャー育成に定評ある農場もある。その農場は経営ノウハウの講義を映像化し無料公開して農業を支える人材育成を進めている。すごい。そのほか、「生き残る農協はここだ! 全国JA支持ランキング」など。
 第2特集は「世界中を惹きつける 銀座の磁力」。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< 商品を売りまくる人々

「普通の会社ではやっていない 凄い売り方」の特集である。特集ボリュームの少なさを生かして、『日経ビジネス』はエッジの効いたテーマで果敢に攻めてくる。ケーススタディとしてビジネス思考の刺激にはなるかもしれない。
 アベノミクス効果によって一部で回復の兆しは出たものの、全体としては物が売れない時代が続いている。上昇が伸び悩む賃金、再び迫る消費増税。この売れない時代はしばらく変わりそうにない。が、そんな状況化でも商品を売りまくる企業と個人がいて、それを特集に持ってきた。世界の果てから地方まで、過酷な市場環境で戦う営業マンの知恵は、普通の会社では思いもつかない「規格外」の営業術満載だ。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<< 30年に一度の活況!?

 今週の『週刊東洋経済』は2つの特集を大きく表紙に持ってきた。1つは同誌では久々だが定番の「ホテル 激烈30年に1度の活況」。そしてもう1つは<緊急特集>「世界株式原油 非常事態」だ。ホテル特集が40ページ強の第1特集、緊急特集は実に20ページのボリュームだ。
 アベノミクスによって最も変化した産業、それはホテル業界かもしれない。訪日外国人の数は増え続け、国内のビジネス需要も堅調。ホテル幹部は「30年に一度の活況が来た」と述べる。また新たなホテルの開発も地方都心問わず活発であり、この活況に減速の兆しはないという見方が大半だ。
 北海道ニセコ町に存在する国内最大級のスキーリゾートであるニセコユナイテッド。ここが今ホテル業界のホットスポットとなっている。アジア国内外の富裕層をターゲットに外資の高級ホテルが我先にと開発を行っている。ニセコは01年以降主に豪州のスキーヤーに注目されてきたが、近年アジア近辺への需要が拡大。外国人に向けたホテルが外資によって作られるという状況となっている。しかしそれでもなおニセコから溢れ出す勢いで外国人需要は拡大しており、近隣ゲレンデにもホテル開発の波は広がっている。しかし今回も日本のベストホテルに選ばれたのは日比谷のあのホテルではある。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 資産を殖やさないと資産は守れない

 年初に『日経ビジネス』以外の経済3誌が株式投資特集で開けた経済誌の2016年。しかしご存じの通りの大波乱に見舞われ"視界ゼロ(『週刊東洋経済』緊急特集のお言葉)"。そんな時だからこそ!? の特集を組んできたのは『週刊エコノミスト』だ。
 タイトルは「投資が恐い人の 資産防衛大綱」だ。激変相場でも慌ててはいけない。銀行任せにして投資を恐がっている人も税制の仕組みをフル活用して投資関連コストを抑制! 長期視野で投資して賢い投資で資産を増やそう! でないと資産は守れませんよ。と、『週刊エコノミスト』が「資産防衛大綱」を編纂した。ご興味がある方はどうぞ。