2015年12月10日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・銀行の破壊者「フィンテック」


週刊エコノミスト ... 銀行の破壊者「フィンテック」
週刊ダイヤモンド ... 無敵の手帳術&情報管理術
週刊東洋経済 ... TPPで激変する日本の食
日経ビジネス ... 謝罪の流儀

 最近、『週刊エコノミスト』が元気です。MRJを3週間前にいち早く取りあげたのに続いて、今週は「フィンテック」を特集に取りあげました。フィンテックとはIT技術をベースにした金融の新サービスです。これによって既存のサービスが劇的に浸食されていっているその現状と可能性を浮き彫りにしています。これが今週の第1位です。
『週刊ダイヤモンド』は年末ということもあり手帳とそれにまつわる情報管理の特集です。私自身は紙の手帳を使わなくなって久しいのですが、年間1億冊市場は健在のようです。糸井重里さんの『ほぼ日手帳』など55万冊のベストセラーなのだとか。
 第3位はTPPの影響を「日本の食」にフォーカスして、それがどう変わるかを取りあげた『週刊東洋経済』です。残念ながら先週『週刊エコノミスト』が特集していて、周回遅れの感があります。
 第4位の『日経ビジネス』は今年が『企業の不祥事=謝罪』の年だったとして、その対応でどのように違ったかを特集しています。しかし、考え落ちのところがあって、それほどインパクトはありません。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 金融業界を大きく変える新サービス


 特集タイトルの「フィンテック」ってなんだ? それはIT技術を駆使した金融の新サービス群のことを指す。NHK朝の連ドラ「あさが来た」では、江戸から明治に移行するにつれ「両替商」から「銀行」への商売替えが進んでいくようだが、現実でもシリコンバレーから世界の金融ビジネスを大きく揺るがす"革命"が進行中。今週の『週刊エコノミスト』が「銀行の破壊者(フィンテック)」と題して特集する。
「ロボット・アドバイザー」なる投資助言サービスが米国で急拡大している。パソコンやスマホ上で「年齢」「年収」「希望する利回り」など簡単な質問に答えるだけで、適切な資産ポートフォリオを提示してくれるものだ。手数料は従来の運用サービスに比べて10分の1程度。すでに運用資産が30億ドルを超える企業も登場した。日本でも動きはある。10月、みずほ銀行がロボ・アドバイザーサービスを無料で提供し始め、「お金のデザイン」という専業ベンチャーも登場している。
 日米欧の有力金融機関は、提携や協業できるフィンテック企業を探すべくシリコンバレーに殺到する。が、駐在員が2〜3年で入れ替わる日本の大手金融機関はやっぱり苦戦。シリコンバレーはカリスマ起業家の閉鎖的なインナーサークルが強力で、その信用と人脈が第一となる。
 金融・IT関係者以外も読んでおかないと置いていかれる特集かもしれない。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 年収の高い人間は手帳を2冊持つ

 スマホ所有率の高まりとともに手帳は廃れていくのかと思いきや、紙の手帳のマーケットは拡大しているそうだ。その数、なんと年間1億冊! しかも、本誌副題によれば「年収1000万円以上は2冊持ち!」なんだそうな(笑)。今週の『週刊ダイヤモンド』第1特集は「無敵の手帳術&情報管理術」。デジタルにはない手書きの良さ・効用が注目されている手帳の世界を、選び方、新潮流、達人の情報管理術など、濃厚に特集する。
 なんと、日本の手帳の歴史は、1862年福沢諭吉がパリから持ち帰ったのが始まりだという。それから150年。大蔵省印刷局の「懐中日記」から近年の有名人が考案した手帳まで、手帳評論家・舘神龍彦氏の「手帳進化論」が面白い。では実際どんな手帳が売れているのか? 本誌は4大手帳売り場のランキングを紹介する。渋谷ロフト1位は、ここでしか店頭販売していない「ほぼ日手帳」。丸善丸の内店1位は「能率手帳ゴールド」。銀座伊東屋は「伊東屋オリジナル手帳」。そして、1万3500アイテムを揃える日本最大の手帳売り場Amazonの1位は「ジブン手帳」。コクヨ製品だ。これ、発売3年だが、「自分の生きた証を残せる」とフェイスブックなどSNSで話題となり、使用者全体の5割がネット経由で存在を知り購入に至っている。趣味に特化した「ワナドゥ手帳」(ロフト)など、新潮流を見に手帳売り場に行ってみようかな。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  TPPで日本の食はどうなるのか

 先週『週刊エコノミスト』が特集したTPP。今週は『週刊東洋経済』が「食」に絞って特集を組んだ。題して「TPPで激変する 日本の食」。「『影響は限定的』なんて本当か!?」と、日本の消費者や生産者が直面するであろうメリットとデメリットを「食」に限定して徹底解説を試みる。
 TPPは太平洋をぐるりと囲む12ヵ国で統一経済圏の形成を目論むものだ。12ヵ国のGDP合計は3500兆円。実に世界の約4割を占める巨大な経済圏だ。この史上最大の圏内貿易自由化で、日本は輸入する9018品目のうち、95.1%の関税が取り払われることになる。TPPへの不安を一番募らせているのは農業従事者だ。ただでさえ急減している小規模農家の減少に加速がつくことは間違いないと思われている。そこに海外から輸入食糧品が入ってくるわけだから、日本の「食」の未来予想図が特集されることもうなずける。特集では品目別の影響予想のほか、遺伝子組換え食品や成長ホルモンの添加など、食の安全への懸念にも迫る。


第4位
■ 日経ビジネス■ <<< お詫びの仕方で天と地との差

 1月スカイマーク、2月日本マクドナルド、3月東洋ゴム、7月東芝、10月旭化成。この並びはいったいなんだろう? そうです、2015年にニュースとなった主な謝罪会見です。
 今週の『日経ビジネス』特集は「謝罪の流儀」。「炎上の旭化成、火消しのトヨタ」という副題もついている。特集扉には1月から11月までの毎月、企業・団体による謝罪会見お詫び写真が整然と並ぶ。頭を下げる企業のトップの姿が日常風景となった1年だった。有事の対応を誤ると企業価値は一瞬にしてしぼむ。ましてやソーシャルメディアが普及した現在、従来の危機管理手法は通用せず、かえって「炎上」してしまうこともある。その事例として「炎上」した傾きマンションの旭化成と、新任広報担当アメリカ人女性役員の麻薬密輸容疑(不起訴処分)で即座に社長が会見し短期間で事態を収束したトヨタを取り上げ、「いま」通用する3つの「謝罪の流儀」をまとめた。
 警察の捜査段階でのトヨタの社長会見はリスクマネジメントのプロや企業の常識からすると「あり得ない」ものだったようだ。広報や法務など専門分野からみたリスクより社会への説明を重視した決断は、「自分たちの常識が通用しないことを、トップも各部門も思い知らされていた」過去の経験がものを言ったのだろう。