2015年11月19日

今週の第1位は『週刊エコノミスト』・・・世界を飛べ MRJ

週刊エコノミスト ... 世界を飛べ MRJ
週刊ダイヤモンド ... 届いたら読む! マイナンバー最新対策
日経ビジネス ... 身近にあった! インダストリー4.0
週刊東洋経済 ... 介護離職

 タイミングのいい企画というのは売れる雑誌の最大の要因です。今週は『週刊エコノミスト』がタイミングの良い企画を掲載しました。テーマは「MRJ」です。テレビでもさんざん取りあげられましたが、テレビでは拾いきれない要素をふんだんに盛り込みました。もっと取材記事が多いとさらに面白くなったとは思いますが、今週の第1位です。
 第2位は、やはりタイミングの良い企画ということで「マイナンバー」を特集した『週刊ダイヤモンド』です。知らなかったのですが、7月頃に同誌が「マイナンバー」の特集をした際には5刷りしたと、編集長が編集後記に書いています。週刊誌で5刷りするということは次の号やその次の号が出てもまだ刷っていたということで、大変な部数を売ったわけです。2匹目のどじょうを自ら狙いにいったわけですが、これも売れるのではないでしょうか。
『日経ビジネス』は今産業界で話題の「インダストリー4.0」を取りあげました。日本ではこうした用語がすぐ「流行」ります。古くはSISからBPR、デコンストラクション、コアコンピタンスにトヨタ生産方式、バリューチェーンなどなど。でもそれを実践し活用して、成功している企業は本当に少ない。同誌はそんな企業を取材して「身近にあった」例として紹介しています。これも面白い企画でした。
 第4位は『週刊東洋経済』です。特集は介護離職という悲惨な社会ものがテーマですが、目を背けられない現実が迫っている人はものすごい数になっていると思います。
 ただ、もう一つの企画である同誌の120周年を記念して取りあげた「リベラルとは何か」が充実していて読みごたえがありました。なぜ、これを第1特集にしなかったのだろう?(売れるかどうか、葛藤があったのでしょう)とは思いました。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊エコノミスト■ <<< MRJを掘り下げると面白い

 11月11日に行なわれた国産初の民間ジェット機MRJの初飛行はテレビのニュースでも繰り返し報道されたので、見た方も多いだろう。なんとなく心が騒いだのは、やはり技術の粋が集められた夢の大きいプロジェクトだからだ。
 このトピックを『週刊エコノミスト』が特集タイトルもシンプルに「世界を飛べ MRJ」と特集した。タイミングのいい企画で「航空機産業」だとか付属物をつけずに特集したのも好感が持てる。
 内容も多岐に渡っていて面白い。テレビでも部品メーカーの紹介などはあったが、やはり記事で綿密に掘り下げていくと興味がわいて来る。例えば航空機のラバトリー(化粧室)、ギャレー(厨房)の製造で世界の大手企業である三鷹市のジャムコという会社などは、知らない人がほとんどで、この国産機はそういう企業の技術の結晶でもあるわけだ。もちろん、他誌もこれは特集するだろうが、タイミングのいい特集となった。


第2位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< タイミングぴたり!?

 マイナンバーの通知カードが個人の手元に届き始めている今日この頃。『週刊ダイヤモンド』が「届いたら読む! マイナンバー最新対策」という特集を組んだ。わが家にも「マイナンバー専用不在配達票」が郵便受けに入ったこともあり、臨場感をもって記事を読んだ。編集部の狙いはバッチリですね。「通知が届いたらQ&A」がこの時期リアルにありがたい。
 さて、特集は個人向けの上記Q&A を挟みつつ、これから「どう・何に」使われ、どんなシチュエーションで個人がナンバーの提示を求められるのか、企業・組織はどういう対応を迫られているのか、具体的に見せていく。企業は従業員に代わって税や社会保障の手続きをする。あるいは顧客や株主などに代わってする手続きもいっぱいある。社員はともかく日雇い労働者から収集できるのか? 講師への謝礼や原稿料もか......。漏洩の危険はそこかしこ。しばらく手続きにまつわる対応の混乱は必至である。
 第2特集「エディーに学べ」は、ラグビー日本代表を記憶に残る名チームに育て上げたエディー・ジョンズ元ヘッドコーチの組織作りに迫る。


第3位
■ 日経ビジネス■ <<< 誰もが注目する産業界の新潮流

 ブームというのはすぐに過熱してすぐに冷める。今の産業界のブームは「インダストリー4.0」である。世界のなかではドイツのメーカーが主導的に進めており、これに例の「IoT」が絡んで、日本の企業を焦りにも似た気持ちにさせているようだ。
 そこで『日経ビジネス』がこの動きを特集した。題して身近にあった! インダストリー4.0」このテーマを「マスカスタマイゼーション「サービタイゼーション」「スマートファクトリー」など特有のキーワードを軸に解説する。出てくるのはふだん耳にするような大手企業ではなく、地味に高収益を上げている企業だ。下請けから自社ブランドを開発したその背景にあったのが「マスカスタマイゼーション」などと書いてあると、つい「自社はどうか?」と読者に考えさせる。なかなかの好企画だが、実際に取り入れるのは難しい。そんな印象も受けた。

第4位
■ 週刊東洋経済■ <<<  差し迫る介護、あやふやなリベラル

 リベラルな言論人と言われた石橋湛山を輩出した東洋経済新報社。そのフラッグシップ誌『週刊東洋経済』は、11月15日に創刊120周年を迎え、記念企画として「リベラルとは何か?」という特集を組んだ。若者から「リベラル」という言葉を最近はほとんど聞かない。ネット右翼界を中心に「朝日新聞→リベラル→嫌い」という思考回路になっている人も多い。「リベラル」という言葉自体、いまは多義的に使われ、あやふやなで時代遅れな言葉になりつつある。そんな中での本特集。意欲的なテーマだが、ちょっとつかみどころがない内容となってしまった。
 さて、第1特集は「介護離職」だ。本誌による「下流老人(8月)」「絶望の非正規(10月)」に続く社会問題系特集第3弾(と勝手に命名)である。アベノミクス新3本の矢に「介護離職ゼロ」が盛り込まれたが、厳しい現実は高齢者の増加とともにひどくなる一方だろう。ほとんどの人が身に降りかからないとなかなか対応できない案件だからだ。が、介護と仕事両立の"達人"が言う「仕事ができる人は目的も明確。介護でも、ケアマネとのやり取りでも自分の意見をきちんと伝えられるし、事務手続きの準備も上手で、両立をうまく続けている」には、耳は痛いがうなずかされた。