2015年11月 5日

今週の第1位は『週刊東洋経済』・・・フォルクスワーゲンショック


週刊東洋経済 ... フォルクスワーゲンショック
日経ビジネス ... 俺の100年ヒット論
週刊ダイヤモンド ... 最強大学ランキング
週刊エコノミスト ... 緩和中毒

 フォルクスワーゲンの排ガス不正は世界を震撼させるほどのインパクトがありました。当然「ドイツはどうなっているのだろう」と興味を抱くものですが、それに挑んで現地取材を敢行したのが『週刊東洋経済』です。落ちた名門という副題をつけてのレポートはドイツでいかに自動車産業が大きな位置を占めているか、あるいは世界の自動車産業にドイツが君臨し続けているかがよくわかります。これを今週の第1位に。
 続いて2位は『日経ビジネス』です。よく読むと面白い特集記事というのがありますが、今週の同誌はまさにそれで、ロングセラーのヒット商品を出し続けているメーカーの社長に集合してもらい委員会を結成、楠木建氏を軸に対談し、「ロングセラー商品」の秘密について解き明かそうというものです。
『週刊ダイヤモンド』は恒例の「大学ランキング」ものを特集しています。他でも話題になりましたが、大学の世界ランキングで日本の大学は下がる一方。その実態とあるべき道について取材しています。
 面白かったのは『週刊エコノミスト』の第2特集の「コーヒー」ですが、これを第1特集に持って来れないのが同誌の特徴ですね。おっと、第1特集は「緩和中毒」です。

   <第1位>       <第2位>       <第3位>       <第4位>

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第1位
■ 週刊ダイヤモンド■ <<< 世界で取り残される日本の大学

 グローバル化が進み、日本経済のあらゆる面が国際競争に晒されるなか、世界での戦いに取り残されつつある日本の大学。そのなかで人材育成と研究を磨き、世界に通じうる大学は何処なのだろうか。今週の『週刊ダイヤモンド』が教育、就職、研究の三つの側面から日本の大学を分析した。タイトルは「最強大学ランキング」だ。
 世界の大学を計るランキングは三つある。英教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」、大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)社、上海交通大学、以上三機関が公表しているランキングである。先月の頭に発表されたTHEの最新版では東京大学がアジア首位から転落し、京都大学も大きく順位を落とした。算出方法の変更等により、日本の大学の順位が上がりにくくはなったものの、推移で見るとアジアのなかで日本が勢いを失ってきているのがわかる。
 そこで国は大学の国際競争力を高めるために重点的に支援を行なうスーパーグローバル大学(SGU)創立支援事業を打ち出した。教育研究を担うタイプAと、社会のグローバル化を担うタイプB合わせて39の大学を支援し、国際競争力を高める狙いだ。
 第3特集はネット上にはびこるPR会社が仕組むステルス記事を追う「ステマ症候群」。2ヵ月に及ぶ取材で問題提議する。


第2位
■ 日経ビジネス■ <<< ヒット商品のプロが語るヒットの原則

 商品を短期間で入れ替えるコンビニの浸透や、情報が即座に伝達されるネットの普及により、消費者に愛され続ける商品。即ちロングセラーを作り、育てることがますます難しい世の中となっている。しかし諦めてはいけない。企業の成長というのはより強い商品を生み出してこそだ。
 そこで同誌はいわゆるロングセラーを持つ企業の経営者達で「100年ヒット育成委員会」を組織。世界に通用するロングセラーの鉄則を彼らが伝えるという、内容だ。
 ネスレ日本社長の高岡浩三氏はイノベーションで新しいセグメントを創造することがロングセラーを作る鉄則だと述べている。新たな分野のものが現れ、世間にヒットした場合に最も強く印象が残るのはやはり先駆けとして売れた者だろう。例えばSONYのウォークマン等は商品名であるにもかかわらず、競合他社の商品までも「ウォークマン」と呼ばれるほどに浸透した。このように新しい分野を切り開くこととロングセラーを生み出すことは密接に関わっている。


第3位
■ 週刊東洋経済■ <<<  国民の15%が自動車産業に関わりを持つ国

 自動車史上最悪の事件となったフォルクスワーゲンによる排ガス不正スキャンダル。「メイド・イン・ジャーマニー」ブランドを著しく傷つけた。
 今週の『週刊東洋経済』の第1特集は「フォルクスワーゲン ショック」。なぜ不正は起こったのか? そしてフォルクスワーゲンとドイツ産業の今後は?
 製造業大国であるドイツは全労働者のおよそ15%弱が自動車生産に直接、間接的に依存する社会だ。そこに勃発した対象総台数1100万台、リコール費用数兆円の大スキャンダル。しかし「数兆円単位のコスト負担だけではそれほどネガティブな影響は出ない」というのがドイツ国内をはじめとする主流の見方だ。ドイツ国内ではVWのシェアは落ちていないし、VW問題が毎日トップニュースを飾っているわけではない。今のところドイツ経済は堅調で他のEU諸国との格差を広げている。しかし国外に目を移せば、ディーゼル車やドイツブランドへの信頼は大きく崩れ、売却時の値崩れや株式価格の下落によって各国ですでに訴訟が噴出している。またリコールの長期化も不可避の状況だ。いずれ堅調なドイツ経済やその労働市場にもじわじわと影響が出てくる可能性もある。一方、難民問題とVW不正のダブルパンチを食らうメルケル首相は大きく支持率を落とし、右派勢力への支持が広がりを見せている。


第4位
■ 週刊エコノミスト■ <<< 金融緩和という隘路

 今週の『週刊エコノミスト』は珍しく2つの特集を表紙に掲載した。1番目は「緩和中毒」。経済の低成長にあえぐ日米欧に、成長の減速に直面する中国を加えた世界4極が、「金融緩和」という隘路にはまり抜け出せなくなっている現状を分析する。
 2番目の特集は「知って驚く コーヒー革命」だ。コンビニエンスストアが豆からひいて1杯ずつ抽出したコーヒーを販売開始したのは2011年1月のローソンが先駆けだ。そのとき1杯180円。12年4月に最大手のセブンイレブンが100円で参入し、大ヒット。コンビニコーヒーの市場は14年には1756億円まで拡大した。淹れたてコンビニコーヒーは味のレベルを押し上げ、業態別にコーヒーの差別化が進展。それをきっかけに、高品質で個性豊かなコーヒーのムーブメントが日本でも開花しつつあるようだ。米国では高品質コーヒーを求めるムーブメントは90年代後半に"サードウェーブ"と呼ばれ、その代表がブルーボトルコーヒー。日本にも昨年進出し、オープン時には大行列となった。実はこのブルーボトルコーヒーは、日本の老舗コーヒー専門店に惚れ込んだ創業者が立ち上げたもので、日本のコーヒー文化を支えてきた名店も注目されている。おいしいコーヒーと懐かしい空間がある喫茶店文化の復活を望む私には朗報である。